あんなことが起こるなんて、あのときの私には想像さえできなかった…。










   第一話  始まりの始まり





ジリリリリリリリリリリッ!!!!!!

静かな朝に不釣合いなけたたましい目覚ましの音が鳴り響く。


「…………。っつ!!!!!!うるさい!!!!」

ばしっ!!!!
騒音の原因である目覚ましは布団の中から出て来た手によって手荒に止められる。

「くそぅ。いい夢見てたのに…。テニプリキャラが出て来るのは久しぶりだったのに
邪魔しやがって…。」

そんなことを愚痴りながらはのっそりと布団から起き上がる。

「はぁ。今日も平凡な一日なんだろうなあー。学校がいやってわけじゃないんだけど…。
毎日同じで飽きてるんだよね…。」

そう言いながらもすばやく制服に着替えているあたりはさすが学生である。
もう用意を済ませて階段を下り始めている。



「ごはん…何にしよう?うーん。スクランブルエッグとトーストと昨日の
残りのポテトサラダでいいか。」

一人でぶつくさ言いながら朝食の準備を始める。

「大体なんで私が朝食なんて作らなくちゃいけないのよ。」

の両親は娘がこの年になってもラブラブである。
両親のデートなどで放っておかれたことはあっても今回のようなことは初めてなのだ。

「なにが『二人で世界一周旅行に行って来ますv留守番よろしくね♪』よっ!!!!!
いい年してバカップルがっ!!」

そうなのである。の両親は、が学校に行ってる間に事前相談(及び連絡)もな
しに世界一周旅行に行ってしまったのだ。しかもただの世界一周旅行ではない。
豪華客船による半年にもわたる世界一周である。
中学三年のにしてみれば迷惑この上ない。不憫な少女である。


「…ああ。私もテニプリの世界に行きたい…。そんでもって家は高級アパートで、自由
な一人暮らしで青学に通って他校にも遊びに行って毎日が薔薇色な毎日を過ごすのよっ!!!!」

………前言撤回。どうやらはだいぶ腐った性格の持ち主のようである。
学校では完璧な優等生を演じているのだが…。
やはり自分の家だと素が出るらしい。

            その願い、叶えてやろうか…?

「は?…今なんか聞こえた様な聞こえてないような。眠いのか私…?」

はフルフルと眠気を払うように頭を振った。


      おい。人がせっかく願いを叶えてやろうっていうのに無視する気か?
     なかなかいい性格してるじゃねえか。
     こうなったら強制転移だな。
     設定はこいつが無駄に細かいところまで言ってたからそれでいいだろう             
          おれの声を無視したんだからアフターサービスはなしだな
           せいぜい楽しんできやがれ


「…???やっぱりなんか聞こえる?………って、何この光っ!?私が光ってるっ!?
蛍じゃあるまいしありえないわーーーーーっ!!!!!」

パアアアアアアァッーーー

突如を包んだ光はどんどんその強さをまし、そして…とともに跡形もなく消え去った。
後には作りたてのスクランブルエッグとトーストだけが残されていた…。








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後書き
かなり昔の作品なので加筆修正しないといけませんね…








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