著者 : 名無しさん ID:h8Nirnx6 氏

その6 - >>156
開始:07/01/19
最終:07/01/19
その6 - >>171

【 ム×あ・乱シャ+α




 「卵はいかが?」
 それは誘惑。
 願いを叶える為の毒。
 破滅を呼び込む甘い罠。
 そして女は、卵を手にした。





 ──堕ちる。堕ちてしまう。
 無理矢理与えられる快楽に塗れて。
 間断無く襲ってくる、己の奥に潜む欲を刺激する快感に支配されて。
 犯されて、侵されて、壊されていく。


 薄暗いその場所に、音が響く。
 擦れ合う様な小さな金属音と、粘質的な水音だ。
 そして、吐息に交じる微かな喘ぎ。
 「くぅ…あぁ…」
 金属音に重なり、ぐちゅぐちゅと、いやらしく響く音が鼓膜を打つ。
 最早抵抗も逃走も叶わず、それを甘受するしか無い事を絶望的な思いで自覚しながら、熱を帯びた吐息を漏らす。
 拘束され、身動き出来ない状態で弄ばれ、嬲られる事に屈辱を感じながらも、理性が砕かれていくのを感じていた。
 悔しさに涙が滲んでいるというのに、恐怖心をも上回る怒りが全身に回っているというのに、それは変わる事も無く。
 ただただ、崩れていく。壊されていく。
 目の前の男を睨みつけても、男は意にも介さない。
 「…調教というものは難しいものじゃのう、天道あかね?」
 男が溜息を吐きながら、日常会話の様な気安さで声を掛ける。
 「…なっ…でっ………こ、んなっ…ことっ……!!」
 息も絶え絶えになりながら、あかねが問う。
 怒りと悲しみと、何故、という思いがない交ぜになった、そんな声音で。
 しかし、やはり男は動揺した様子も無く、笑みさえ浮かべて言い放つ。
 「お主をおらの支配下に置いておけば、乱馬を殺すのは容易じゃろう?」
 にっこりと、台詞の物騒さとは反比例する様な、邪気の欠片も無い笑みで。
 それを見て、愕然とする。
 (…壊れちゃってる…)
 絶望感が、増した。



 拉致監禁。
 そういえば、この男が日本に再び来た時にも似た様な事をされた。
 一度目は勝手に自分を賭けて、自分の許嫁と決闘もした。
 …何て自分勝手で、我侭で、滅茶苦茶な奴だろうと思う。
 しかも、これは。
 いくらシャンプーを想うが故とはいえ、擁護出来るものでは無い。
 尤も、この男が擁護を求めているとも思えないが。
 「くぅ、あっ!!」
 霞掛かった頭でつらつらと考えていたあかねが、大きく震え、声を上げる。
 頭上で一纏めにされた手首には、縄で縛られたその上に鎖を巻かれ、その鎖は天井へと伸びている。
 つま先が地面に触れる位の高さに、あかねは吊り上げられていた。
 力を入れる事も出来ずに無防備に晒される秘部を、遊びの様に弄っていたムースが、より一層深く抉ったのだ。
 片足を肩に担ぎ、大きく開かれたそこを無骨な指が根元まで埋め込まれている。
 「…三本に増やしたとはいえ、指だけでこれでは最後までいけんのー」
 中でぐり、と指を回すと、ひ、と短い悲鳴が漏れた。
 「…んくぅ…や…いやぁ…!!もぅ…」
 弱々しいあかねの涙声に、ムースは反応せずに呟く。
 「秘伝の薬まで使ったというのに…」
 「んんっ…!!」
 ずるり、と指が引き抜かれる。
 とろりと透明な液が糸を引き、下へと垂れた。
 「…まぁ、効いてはおるようじゃがな」
 ぺろ、と液に塗れた指を舐め、それをそのままあかねの口元へ持っていく。
 「舐めてみい。…甘いぞ?」
 拒絶する様に首を振るが、力無いそれは意味も無く。
 しかし無理矢理口の中に突っ込むでも無く、緩く唇を撫で、その液で濡らしていく。
 「んっ…んん、ぅ…ふ、ぁ」
 その感触に声を漏らし、震える唇へと指を差し入れた。
 「ふっ、んんっ…はふ…」
 口腔内に広がる淡い甘さを感じながら、瞳を潤ませる。
 薬の効果によるものか、その瞳から徐々に理性の光は失われ、情欲の色に染まっていく。
 ぶるりと震える身体に合わせ、服を真ん中から切り裂かれ、露になっていた乳房が揺れる。
 中心の赤い実も、直接触れられていないにも関わらず痛い位に尖り、存在を主張していた。
 それに目を止め、舌を絡ませ始めていた指をあかねの口腔から引き抜き、指に絡む愛液と唾液とを塗り込める様に、乳首へと撫でつける。
 「ひぁぁん!!」
 指を口腔から失って切ない表情をしていたあかねから、歓喜の嬌声が上がった。
 「ほぅ…。こんなものでこの反応か。いい傾向じゃ」
 にやり、と笑んで、両手を伸ばし、乱暴にあかねの乳房を揉みしだく。その際、乳首を摘み上げたり弾いたり、挟み込んだり擦り上げ、押し込む様にしてみたりと指を巧みに使いながら。
 「あ、あぁっ…やぁ、あ、あっあっ…」
 震え、喘ぎながら身体を震わせる。
 その度に鎖がガチャガチャと鳴り、拘束されている手首に痛みが走り、正気に戻りそうになりながらも、受ける刺激へと意識が傾いてしまう。
 その事に危機感を感じながら、喘ぎも快楽を素直に追おうとする本能も止められない。
 「あ、あぅ、ひあぁ…。やん、やぁ…」
 担がれたままの足が引き攣る。
 開かれたままの足の中心、ぱっくりと開いたままの秘所が、ひくひくと物欲し気に蠢いていた。
 膣が熱いモノを欲して疼く。
 欲しいという欲望が、頭の中を侵食する。
 「あ、あぁっ…!!も、もぅ、そこ、やっ…いやぁ…」
 腰がひくりと震えた。
 「…何じゃ、いやなのか?」
 「あっ…」
 あっさりとあかねの乳房から手を離し、担いでいた足も下に降ろす。



 「…むーすぅ…」
 涙目で呼ぶあかねにも怯む事無く、
 「『いや』なんじゃろ?」
 笑みさえ浮かべて、ムースはそう言う。
 「そんなっ…」
 あかねは腿を擦り合わせながら、訴える様にムースを見詰める。
 だがムースは動かない。
 「うぅ…」
 力が入らず、元々足先だけしかつかなかった事もあり、殆ど手首の鎖で体重を支えている現在だが、痛みよりも疼きの方が強かった。
 「あぁっ…ん、ふっ…」
 熱く火照る身体を持て余し、快楽を得ようと、腿を激しく擦り合わせる。しかしそれで足りる訳も無く、足を動かす度にくちゃくちゃと響く己の愛液の音に羞恥を感じながら、その感覚をも快楽へと変え様とする。
 目の前の女の浅ましい姿に、ふむ、とムースは考え込む。
 「…ここまでくれば抵抗もせんじゃろうが…。おばば殿にでも女傑族に伝わる秘技でも聞いとれば良かったのー」
 欲情するでもなく、調教の仕方を思案する。
 「ふえぇ…やぁぁ、ぁ…むー、す…ぅ…」
 と、達する事の出来ない辛さに屈したのか、あかねが瞳で訴えてきた。
 逡巡。
 「…なら、おらのモノになるか…?」
 「ひゃふっ!?」
 やおら近付き、耳朶を甘噛みながら、低い声で言葉を耳に吹き込む。
 同時に手は右の乳房を鷲掴み、反対の手は後ろに回し、左の尻肉を掴み上げた。
 「あ、あぅっ」
 乱暴で荒いその行為にも刺激を待ち望んでいた身体は反応し、快楽と感じる。
 答えを返さないあかねに力が強すぎたと思ったのか、両方の手を離し一転、優しく擽る様に身体を愛撫する。
 「あ、あんっ、やっ…。もっ、と…もっと、強くっ…」
 「淫乱な女じゃな…。しかし、おらの下僕になると言わんとずっとこのままじゃ」
 「ああっ…そ、んなっ…」
 乳房を掌で包む様にし、そのままゆるゆると円を描く様に回し。
 指先が触れるか触れないか程度の距離で肌をなぞり上げ。
 首筋に舌を這わし、時折息を吹き掛けながら、軽く歯を立てる。
 決して蜜を滴らせ、熱を欲しがりヒクつく秘部には触れない様に。
 追い詰める様に、愛撫していく。
 「う、んんっ…ん〜…」
 焦れったく、もどかしい。
 薬のせいか敏感になって微かな刺激にも反応し始める身体に気付きつつも、やはり達するには至らないと感じ、欲望という本能が口を開かせる。
 「むー、すっ…!!お、願い…。もう、もうっ…。私、だめぇ…」
 「…言う言葉は一つじゃろう?」
 「わ…私をっ…御主人様の奴隷に、して下さいっ…!!」
 躊躇は無く。理性も無く。求めるのは快楽のみ。
 天道あかねは陥落した。



 「…おらは下僕と言ったんじゃが…まぁ、いいか…」
 少々嫌な汗を垂らし、独り言の様に呟きながらも、ムースは次の行動に移る。
 あかねはこちらの望みに応じたのだから、こちらもあかねの求めるものを与えなくてはならない。
 無造作に片足を抱え上げ、開いた秘所に指を一気に突き入れた。
 「ひあぁっ!!」
 途端にびくびくと大きく震え、弱く痙攣を繰り返し、その後弛緩。
 「…ふむ。イったか?」
 ずるりと半ばまで指を引き、入口を拡げる様に指を開く。
 とろとろと愛液が滴り落ち、紅に染まった中身の収縮する様がムースの目に晒された。
 「お主、まだ処女じゃろ?秘伝の薬を使ったとはいえ、ここまでとは…いやらしい女じゃのぅ」
 「…ぁ…ぁぅ…ち、ちがっ…」
 「何じゃ、反抗か?」
 「ひあぁっ…」
 指を再び根元まで突き入れ、肉壁を引っ掻く様に折り曲げる。
 ついでに顔の横にあった担ぎ上げていた足の内腿に歯を立てると、あかねの背が反り返った。
 ガチャン、と鎖が鳴る。
 そんな音など気にもせずに担いだ足を深く肩に乗せ、膝をついてあかねの体重を支え、股の下に顔を潜り込ませる。
 そして。
 「あひぃぃっ!!」
 入れたまま蠢かせていた指の隙間から、舌をあかねの秘所に差し入れた。
 そのまま指と舌で掻き回す。
 陰核を舐め回し、指で擦り上げ、摘み、捏ね回した。
 あかねは涎と涙を垂れ流し、朦朧としながら嬌声を上げ続ける。
 同時に無意識に秘部を突き出し、もっとと求めるかのように身体を揺らして淫らな蜜と匂いを振り撒いていた。
 「っ、ぁ、や、やぁぁ…ふぁ、あぁぁ…」
 がくがくと身体が揺れる。
 虚ろになっていく瞳は虚空へ向けられ、唇から漏れるのは喘ぎと涎。
 暫くそこを攻め続けると、一際高い声を上げ、達した。
 「あ、はぁっ…あっ!?」
 荒い呼吸を整える暇も無く、体勢が変えられる。
 とろとろに蕩けたそこに熱い何かが押し付けられ、あかねは息を飲んだ。
 両足を抱えられ、結合する為の体勢にされたのだ。
 「あ、あぁ…そんな、そんなぁ…」
 力無く首を振るが、瞳から情欲の色は消えない。
 寧ろ、とろりと潤むそれはこの先の快楽を期待し、切望していた。
 (だって、熱いの…子宮が、私の一番奥が、疼くのぉ…)
 ムースが馴染ませる様に先端を擦りつけると、双方の漏らす液がちゅくちゅくと粘着質な音を立てる。
 熱く滾り、雄を感じさせる肉の棒が、ずぶずぶとあかねの内部に押し入っていった。
 肉襞を擦り上げつつ、液を絡ませ合い、淫猥な音を立てながら。
 挿入は互いの液に助けられたのか割合抵抗も無く、奥へと進んでいく。
 「あぁぁ…」
 異物感よりも、快楽を伴う質量と熱に吐息が漏れる。
 重力に従って落ちていく身体は、更にムースの雄を奥へと進ませた。
 「あ、ひぐっ…」
 膜へと行き着き、一旦動きが止まる。
 しかし。
 「天道あかね…これでお主は完全におらの下僕じゃ…」
 囁くやいなや、ずず、と腰を引き、
 「ひぃぃぃ!!」
 一気に奥まで貫いた。




 数時間後。

   …じゅぷっ、ぐちゅちゅ、ぢゅぶぶ…ぐぶぅっ

 「んあっ、ひんっ…あ、ぁ…も、あくっ、うぅんっ…」
 拘束を解かれ、下に降ろされたあかねは、手と膝をつき、尻を高く上げた格好…四つん這いで、ムースの雄を受けていた。
 この閉鎖空間に響くのは、肉を叩き付ける乾いた音と、激しい水音、断続的に響く嬌声。
 そして、ちゃりちゃりと鳴る金属音。
 あかねの首には皮の首輪。正面に付けられた金具から伸びる鎖が、動く度に擦れ合って音を鳴らしながら肌に当たり、今の状態を自身に知らしめながら、あかねの快感を昂めていく。
 「ひぃ、あぁっ…だめ、だめぇ、こんなっ…こんなカッコ…」
 理性や屈辱感などはとうに消え去ったが、羞恥はどこかに残っている様で、あかねは今の獣の様な体勢での結合に、うわごとの様に繰り返す。
 「何を言っとる。自ら腰を振っておる癖に…。第一おらのを咥えて離さんのはお主じゃろう。淫水の量も半端ではないしな」
 突き放す様に事実を提示され、その言葉に反応した秘所がムースの肉棒を締め付けた。
 「あひぃっ…」
 その感触にさえ感じながら、反論しようと口を開く。
 「ああぁ…だって、だってぇ、おなか熱いの…ずくずくして、疼くのぉ…」
 汗と涎と液に塗れながら、冷たい鎖に肌を撫でられながら、そんな言い訳にもならない事を口にする。
 腰を振っているのも無意識か、それとも止められないのか。
 どちらにせよ、快楽に溺れながら、自分を犯す雄をあかねの秘所は悦び、貪り続ける。
 抽送が繰り返される度、あかねの愛液とムースの精液がナカから溢れ出し、流れ落ちていく。
 数時間前まで処女として誰の侵入も許した事の無かったそこは、自分を犯す熱に悦び、蕩けきっていやらしく雄を咥えていた。
 「あひっ…むー、すぅっ…もお…もぉ…らめぇ…」
 ろれつさえ回らなくなってきたあかねが訴える。
 膣壁の収縮が激しく繰り返され、埋め込まれた肉棒をきゅうきゅうと締め付けた。
 「あっ、あっ…!!も、もぉっ…!!」
 「ふ、ん…仕方無いのぅ。ならば…たっぷり喰らうがいいだ」
 そう言いながらも流石に限界だった様で、眉根を寄せ、汗を散らしながらムースが己の雄をあかねに叩き付け、段々とナカを抉る速度を増していく。
 「あ、ぁ…い、く…いっちゃ、ぅ…!!」
 頭の中が白く濁っていく。
 ぐちゅぐちゅと自分のナカを犯される音を遠くに、あかねは絶頂へと上り詰めていく。
 (あぁ…もう、少し…)
 その瞬間。
 「やはぁっ!?」
 ずるぅっ、と、唐突に雄が引き摺り出され、あかねの背から尻にかけて、白濁液が飛び散った。
 「あぁっ…あついぃ…」
 それにさえ感じてしまうのか、あかねはどこか陶酔しながら呟いた。
 どろりとしたその液はあかねの身体を汚し、流れ落ちていく。
 その一筋が熟れて真っ赤に染まった秘肉に触れ、吐息を漏らしながら、あかねは震えた。
 双方の息は荒く、暫くそのままだったのだが。
 「…何でぇ…」
 涙目で抗議。懇願とも取れるが。
 勢いよく雄を引き摺り出された衝撃で達する事は出来たものの、最奥に熱い精を受けなければ、この疼きは止まらないと感じている。
 あかねは数時間に渡り、一度もそれを与えられていなかった。
 何度も絶頂に導かれてはいたが、その所為だろう、身体の火照りも欲情も治まらない。
 「ふむ…。そろそろ注ぐかのぅ…。あかね、次で終まいじゃ。…その前に、これを綺麗にしてもらえるか?」
 「あぁ…はぁい、御主人様ぁ…」
 硬度を保ったムースの雄を、陶然と見詰めながら、手を伸ばす。
 愛液と精液に塗れた肉棒を優しく包み込みながら、ゆっくりと舌を這わしていった。
 その瞳にはもう、情欲の色しか無い。




 散々犯され、最奥に精を放たれ、気絶と共に薬の効果が切れた後。
 誰が用意した物か、意識を失っている間に替えの服を着せられ、あかねは家に送り届けられていた。
 猫飯店でのシャンプーからムースへのちょっとした折檻に巻き込まれた、等と説明された家族の面々は心配していたが、あかねが笑って大丈夫だと言うと、ホッとした様に顔を緩ませていた。
 乱馬が少々暗い顔をしていた事は気になったが、あかねもそれ所では無く。
 改めて自分の部屋で身体を確かめてみた。
 身体は清められており、痕跡と言えば縄に縛られた為出来たのだろう、割合軽い擦り傷ぐらいのもので。
 (…そういえば、痕とか付けてなかった…?)
 身体の節々は痛むが、その程度だ。
 初めての身体をあそこまで酷使しておいてどんな薬なのか、と思いつつも自分にそういう素質があるのか、とコワイ考えに頭を抱えたりもしつつ。
 「…何が…下僕よ。調教よ…笑わせるわ…!!」
 唇を噛み締めながら、吐き捨てる。
 憎悪と嫌悪交じりの、怒りと屈辱に満ちた声。
 あの時に感じた熱や高揚感は既に無く、正気に戻り、熱の冷めた頭に蘇るのは恥辱だ。
 しかし。
 それも長続きせず、考えは他へと向く。
 「…何で…しなかったんだろう…」
 唇を指先でなぞる。
 あの男は、唇を合わせる事だけは、しなかった。
 想う女へ捧げる為だろうか。
 「…思考が変に乙女っぽいしありえそーだけど…」
 何故か顔が歪む。
 いや、あんな事をされておいてそれでは当然だろうが。
 面白くないというのは、どうなのか。
 複雑な表情で考え込んでいたあかねだが、溜息を吐いてベッドに腰掛ける。
 と、ポケットに固い感触。
 疑問に思って探ってみれば、そこには機械の塊。
 「………ムース………殺す」
 そう言いながらも、その塊から目が離せない。
 この機器の使い方は、知っている。…使われた物だから。
 じわりと、下半身に熱が滲んだ。



 同時刻。
 「シャンプーの野郎…何て事しやがる…」
 一方、乱馬。
 風呂場、湯船に浸かりながら苦々し気に呟く。
 別にあかねの身に起きた事を知っている訳では無い。
 ただ、あかねがムースに監禁されていた時、シャンプーに迫られた挙句に関係を持ってしまったのだ。
 「何でこんな事に…」
 頭を抱える。
 …自分は、いつの間にか下僕になっていた。
 悪態くらいならつけるものの、基本的には逆らえない。
 言われるままにシャンプーを抱いたのもその所為だ。…男の本能を抜きにしても。
 誘われるままに押し倒し、求められるままに貪った。
 最後には、獣の様に犯して、犯して、犯して…。
 ふと己の身体を見返してみれば、紅色の所有印がそこかしこに。
 自分はあの女のものだ。
 そう囁く己の中の誰かの声が、焦りと悦びを同時にもたらす。
 「ち…っくしょ…どうなってんだ…」
 柔らかく甘い肢体の味を覚えて。
 液に塗れて陶然としていた艶やかなシャンプーの姿と笑みを記憶に刻んで。
 自分は、堕ちた。
 「俺は…どうすれば…」
 途方に暮れたその声は、小さく空気を震わせて、湯気の中に消えていった。



 段々と、ゆっくりと、確実に、毒は回る。

 助けは無い。
 誰にも言えないのだから、当然だ。
 力ではかなわないし、毎回薬を使われているのだ。抵抗する前に捕まり、犯される。
 舌を噛み切ろうにも力は入らないし、気付いた時には薬の所為で頭の中が蕩け、何も出来ずにそれを甘受するしかなくなっている。
 警戒していても無駄。
 タイミングを見計らい、油断した時にはかっ攫われ。
 きちんとその日の内に送り届けられる為、誰も疑問に思わない。
 毎回天道家の面々に姿を見せている訳では無いので、ムースとの繋がりに気付く者もいない。
 だからそれは、続いていく。

 「あっ、ひ…やぁっ…」
 尻穴で蠢いている機械…ローターと呼ばれる淫具の動きに合わせ、あかねが喘ぐ。
 加えて、胎内には圧倒的な存在感。
 決まり事と化した首輪。後ろ手には枷が填められ拘束されているものの、それのみで。
 対面座位での交わりだ。
 胡坐したムースの上、腕に抑え付けられ、更に自身の重みも加わっている為、奥に押し込まれた肉棒を秘所から引き抜く事も出来ない。
 ただでさえ力が入らない所に、後ろへの機械的な刺激が襲い、意識を散らしてくる。
 もういっそこのまま快楽に溺れてしまいたいと思うのに、ムースはあかねの腰を抑え続ける。
 時折腰を揺すってあかねを啼かせているが、無論欲望を満足させる程のものでは無く。
 「あ、あぁっ…!!いやぁ、もう…やぁっ…!!」
 足りない刺激を得ようと、あかねが無意識に腰を揺する。
 がっちりと咥え込んだ肉棒を蠢く膣壁が締め付け、粘膜襞を絡み付かせた。
 「はひぃっ!!」
 共に後ろの穴も締まり、ローターから受ける刺激をより一層強く感じる。
 「あっ、ぁ…。や、いやぁ…ひ、んぁっ…やっ!!」
 そこから発せられる、ヴィィィ…という低い機械音を耳にし、次いで掻き回される水音を聞いて、羞恥にまたそこを締め付け、声を上げた。
 「何じゃ、後ろを弄られた方が嬉しいのか?…変態じゃのぅ」
 「だ…誰がっ…!!」
 未だ、言葉での反論と文句、抵抗は出来る。
 しかし、身体の方は確実に快楽に囚われているのだ。
 意に反し、身体は更なる刺激を求め、咥え込んだムースの雄を締め付け続ける。
 その先を望む己を自覚する。
 だが、理性が残っている内は許容出来るものでは無い。
 『薬を使われている』という事は免罪符であり言い訳だ。
 だからこそ、まだ抵抗が出来ていた。
 「…素直に堕ちれば良いものを。肉欲に溺れるのも、悪いものではないじゃろう?」
 「…ッ!!だ、れがっ…んくぅっ!!」
 ぐいっ、と腰を持ち上げられる。
 その動きに伴い馴染んでいたそこが引き摺られ、引き抜かれる棒に肉壁を擦られながら、刺激に飢えていた粘膜器官は離すまいと棒に絡み付く。
 貪欲に雄を求める己のそこに憮然としながらも、次の瞬間に一気に腰を落とされ、脳髄が痺れ、視界が白く霞む。
 (…あ…あぁ…また…)
 快楽に飲み込まれ、理性が消失する前兆。
 絶望的な思いを持ちながらも、反対に身体は期待に熱くなっていく。
 こちらからも求め、陵辱が陵辱でなくなる瞬間が近付いてくる。
 「あ…ひぃんっ…もっ…むー、すっ…」
 甘さと哀願じみた色が声に交じり、肉欲に支配されるその寸前に。
 「…ところであかね…。気付いておるか?今回使った薬には、淫催効果は無い…。染まったのぅ?」
 「なっ…!!う、うそっ…」
 「本当じゃ。…さて…堕ちてもらうだぞ、天道あかね」
 「やっ…いやぁっ…」
 泣きそうになりながらも、熱は鎮まる事も無く。
 受ける刺激に反応する身体を止められず。
 そこには粘着質な水音と悲鳴に近い嬌声が、響き続ける。



 解放された後には放置の時間が来る。
 初めは男の来襲にびくびくと、次は何故だかそわそわと、最後に疼きを抱えて苛々と。
 (…術中に嵌まってる…)
 ふと正気に返り、落ち込む。
 こんな事が続けば、どうなってしまうのか。不安と、悪い未来予測に怯えながら。
 それでも、それを心待ちにしている身体に気付いてしまっている。
 どうすればいいのか。
 迷いながらも足が向かう先には、縋りたい男がいる。



   ずちゅ…ぐちっ…ぐぷぷぷぷっ…

 「ひ、うぁっ…乱馬、乱馬ぁっ…」
 「くぅ、ぁ…シャン、プー…だ、だめ、だっ…」
 深夜の道場。
 この時間帯は静寂に包まれている筈のその場は、もう耳に慣れた淫猥な水音と、甘さと悦びを含んでいると痛い程に解る喘ぎと嬌声に支配されていた。
 混乱の前に、ショックで思考が止まる。
 あかねの視線の先で絡み合っているのは、縋りたかった男と。
 …自分を犯した男の目当てである筈の女だ。
 (あ、あはは…ざまー、ない、わ…ムースの奴…)
 目眩の様にくらくらする頭で考える。
 だって、乱馬を殺す為に掛けた時間は、こちらにも同等に流れていたのだから。
 姦計を巡らしている間にこれでは、無様としか言い様が無いではないか。
 呆然としながら、そんな事を考えながら、あかねはその光景から目が離せない。
 場所的には遠い筈なのに、乱馬の棒をシャンプーの秘所が咥え込み、互いの液が糸を引きながら抽送を繰り返す様が、あかねにはハッキリと見て取れていた。
 (あっ…)
 怒りより嫉妬より先に感じたのは、下腹部に滲む熱。
 とろりと愛液が流れ落ちたのを感じ、あかねは身体を震わせた。




   ヴィィィィィ…………

 「はっ…ぅ、んっ…く、あぁ…んく…」
 自室のベッドの上。
 足を閉じ、機械音をその中から響かせながら、声を噛み殺す。
 己の身体を慰めるには足りない刺激に身悶えしながら、思い出すのは先程の光景。
 疼きを抱え、燻る身体には毒だった。
 駄目押しに、見間違いだったのかもしれないが、女の瞳がこちらを向いた。
 優越感の滲む、悦楽に酔った笑み。
 その瞬間に何かが弾け、気付いた時には部屋で行為に耽る。
 グチャグチャな頭の中を真っ白にして、追うのは快楽のみ。
 (もう…何でもいい…)
 絶頂のその時へ向けて、愛撫の手は止まらない。
 この時既に、あかねのどこかは壊れていたのかもしれない。



 次に姿を現した時。
 ムースはただ、薄く笑みながら、あの場所で待つ、と言い残して姿を消した。

 あの場所。
 あかねが身体を開かれてきた場所だ。
 幾許かの時の後。

 聞こえた音に男が目を向けたのは入口。
 そこには、上気した顔を背けながらも、潤んだ瞳をこちらに寄越す女の姿。
 「…堕ちた様じゃな?」
 男の笑みに、屈辱感が甦る。
 しかし、身体の疼きはそれを容易く塗り潰した。
 そうして。
 「…御主人…様…」
 決して侵される事の無かった唇を。
 女は、男に捧げた。




 卵を一つ。
 その手の中に弄びながら。
 「…よくやったあるな。…ムース」
 優雅に椅子に腰掛けたシャンプーが妖艶に微笑んだ。
 その前にひざまずいていたムースが、顔を上げて笑む。
 「…お誉めの言葉、有り難く頂戴しますだ、シャンプー様」
 ムースの言葉に笑みを深くしながら、つい、とムースの眼前に足先を向ける。
 「…褒美ある」
 くく、と喉奥で笑いながら、端的に。
 「…有り難き」
 恭しく頭を下げ、その足を神聖なものの様にそっと手に取り、ゆっくりと口に含む。
 水音響く部屋の中。
 「…お前も私のモノある。あかねには、何も与えてやらないね…」
 歪んだ感情は、哄笑と共に外に零れ出た。


 響く笑いの声を耳に。
 忠誠を誓う男を目に。
 外に人影一つ。
 「…御主人様…」
 静かに呟くその手に、卵が一つ。





 …乱馬の事は。
 どんな手を使ってでも、手に入れようとしていた。
 偶然に手に入ったすりこみタマゴ。
 模造品との事で、下手に副作用があってはいけないと思い、実験台にとムースで試した。
 結果、ムースは忠実な下僕と化した。
 私が乱馬に擦り寄っても何も言わず。
 影の様に私に付き従って。
 …煩わしい事も無く、邪魔にもならず、従順に。
 あんな命令にも文句一つ言わず。
 まるで人形の様に。
 …どこかで虚しさを感じたのは、きっと気の所為だ。

 シャンプーはそう断じながら、今日も乱馬に抱かれに行く。



 ある日の事。
 「シャンプー様。お願いがあるのじゃが…」
 「…ふん?何あるか?」
 下僕になってからというもの、自らの意志で言葉を発する事がほぼ皆無だったムースが話し掛け、更に『お願い』とやらをしてきた事に、シャンプーは些か驚きつつ。
 無意識に軽い喜びを感じながら、問いで返す。
 それに対し、ムースはにっこりと笑み、口を開く。
 「囚われて頂くだ」
 手元が目に見えぬ速さで動いた。



 「くっ…どういう事あるかっ!!ムース!!」
 鎖に拘束され、地に転がるシャンプーに掛けられた声は、女のもの。
 「あは…。次はシャンプーの番よ?…大丈夫、痛いのは最初だけだもん。…一緒に気持ち良くなろうね?」
 「なっ…!!あかっ…」
 驚きの声を上げるシャンプーの、続く言葉を遮る様に。
 「あかね様に従属出来る事を、光栄に思うだぞ?シャンプー」
 鎖を手に、笑顔でムースが言った。
 邪気の欠片も無く笑むその下、手にした鎖がじゃら、と鳴る。

 宴は役者の役割を変え、続く。



 鉄の首輪。
 後部に取り付けられた鎖はそのまま下へ。後ろに回され拘束された腕へと伸び、固定。
 更にその下、膝立ちの状態にされ、足首に付けられた皮の拘束具へと固定されている。
 鎖が緩まぬ様にか、尻穴には棒が突き入れられており、座る事を許さぬ長さで地へと伸びていた。
 服はチャイナ服のまま。ただし、上下の下着は取り払われている。
 「ふぐっ…んんっ…!!」
 口には猿轡が噛まされており、苦悶の表情がその顔に浮かぶ。
 苦鳴か悲鳴か、それとも罵倒の言葉かは判然とせず、零れるのは唇の端から垂れる唾液だけ。
 頬の紅潮は怒りか他の何かによるものか、潤む瞳、流れる汗と共に、男の欲情を煽るものでしかない。
 しかし、この場に居る唯一の男はその姿に何ら反応せず。
 「…ねぇ、ムース。あれだとあの棒、お腹突き破らない?」
 「よっぽど変な倒れ方をせねば平気じゃ」
 「そうなの?」
 あかねの疑問の言葉に素っ気無く、関心も示さずに言いながら、女の肌へと唇を滑らす。
 その曲線を辿る様に、沿う様に、舌を這わせていく。
 男と女が絡み合う、眼前のその光景に、シャンプーの顔は歪む。
 この二人の行為を見た事は一度か二度。ムースが下僕としてちゃんとやっているかどうか、少し気になったから、と。
 …実際、見ていて気持ちの良いものでは無かった。
 それを目の前で強制的に、しかもこんな屈辱的な格好で見せられるのだ。
 苦痛以外の何物でも無い。
 「ふっ…んぐっ…うー…!!」
 顔を背けて見ない様にしようとしても、鎖に阻害され、眼を閉じて視覚を遮断しても音は防ぎようも無く耳を犯す。
 どこで間違えたか。
 ぼんやりと霞む頭の中、問いが浮かぶ。
 しかし答を出す前に襲ってくるのは快感に似て苦痛に近い疼き。
 使われた薬は何だったのか解らないが、推測は出来る。以前あかねに使った物と同じなのだろう。
 何の刺激も受けていない秘所から溢れ、垂れ流される愛液はそのせいなのだろうから。
 そして、この疼きもまた。
 「…シャンプー、見てる?…んっ、ふ…辛い?…あはっ
…大丈夫、ちゃんと、後でっ…んっ、気持ち、よく、して
っ…あげる…から、ね?」
 にっこりと、平時より些か幼い無邪気な笑みを見せて、あかねが声を掛けてくる。
 その表情に似合わぬ頬の赤味と流れる汗、言葉の所々に入る喘ぎと甘い吐息、響く淫猥な水音がどうにも意識を苛み、神経を刺す。
 眼前、後ろから抱えられる格好で、あかねはムースに貫かれていた。
 背面座位だ。
 ムースの手によって大きく開かれた足の中央、赤黒い肉棒があかねの秘裂を割り開き、ぐちゅぐちゅと音を立てて互いの液を絡ませ合いながら、上下に律動している。
 ゆっくりと、見せつける様に。
 あかねを支える腕とは反対の手が、肌蹴られた服の隙間に差し入れられ、あかねの胸を揉みしだいている。
 刺激を受ける度に反応し震える様が滑稽だと思いながらも、シャンプーに憎悪と羨望が涌いてくるのを止められはしなかった。
 「はぁっ…ムース、もっとぉ…」
 「…御意」
 ねだるあかねに、耳朶を甘噛みしながら囁く様にムース。
 今、彼はあかねの下僕だ。
 その顔に浮かぶ優しい笑みから感じられるのは、主人への敬愛か。



 「あんんっ…」
 一際大きい声が上がる。
 奥まで一気に突かれたらしい。
 そのまま激しく突き上げられ、その度に嬌声が響く。
 「あぁっ…はぁ、んっ、もっ、もうっ…あっ……くうぅん!!」
 「あかねっ…様っ…!!」
 「んんっ…あぁっムースぅっ……きてぇっ!!」
 「くっ…ッ!!」
 「あぁぁ!!」
 一瞬あかねの身体が硬直し、大きく震えた。
 細かく痙攣し、弛緩。
 そして低い呻きの後、溜息をついたムースの姿を見るに、互いにイった、という事だろう。
 「んんっ…ムースぅ…。おなか、ごくごくいってるぅ…」
 「…御意。あかね様の膣内におらの精液が注がれておりますので…」
 「あぁ…あついの…ムースぅ…」
 助けを求める様に見上げてくるあかねに、ムースは柔らかな笑みを返し、汗で張り付いた前髪を掻き上げてやりながら。
 「…御命令を」
 「…シャンプーに見える様に、いっぱい犯して…?」
 「…御意」
 シャンプーの目の前で、それは続けられる。
 「う…ぐ…んん…」
 下腹部が熱い。
 疼きは増す一方だ。
 ひくひくと、己の秘唇が蠢いているのが解る。
 切なそうに眉根は寄せられ、瞳は潤み、目の前の光景から目が離せないでいる。
 貪欲に快楽を貪る女に、応える男。
 こちら側に向けられる繋がった部分が、やけに鮮明に見える。
 酷く淫靡な動きで雄を絡め取り締め付け、奥へ奥へと誘い込む様な雌の秘肉も。
 棒を咥え込んだそこを見せつける様に指で押し広げられ、熟れきった肉に混じる白濁液の滴りも晒されていた。
 じゅぷじゅぷと抽送を繰り返す度にいやらしい音を立て、精と愛液を膣から溢れ出させ、聴覚も刺激させられる。
 「んぐ…んんぅ…!!」
 思わず震える。
 秘所を無意識に締め付け、連動する様に後ろの窄まりも締まり、予想しなかった刺激に硬直した。
 突き入れられたままの棒の感触に驚いたらしい。
 しかし刺激を与えられずにいた身体は直ぐ様反応して、益々棒を締め付ける。
 「ん、んぅっ…も、あっ…」
 喘ぎに同調し、息が上がってくる。
 そして。
 「…あはぁ…シャンプーも、したくなってるみたい…。じゃ、もーいーよぉ…。乱馬ぁ…しよ?」
 「んんっ…!?」
 現れたのはもう一人の男。
 瞳に光は無く、欲望に染まっていた。
 「…乱馬にも卵、使っちゃったぁ…♪」
 シャンプーはその愉しそうな声に、絶望感に支配される。
 どちらともに、奪われた。
 「…皆で堕ちよーか…?」
 ムースに貫かれながらのあかねの言葉に、先に待つ破滅を感じ取り、シャンプーは呻く。
 壊れた宴には、終わりが無い様に思えた。



        …ってゆーのはどう?」
 「帰れ」
 卵を手の中で弄びながら笑って妄想を語るなびきに、端的に要求を一言。
 横に居る、妄想の登場人物(餌食)となった二人の女は、顔を赤くして固まっている。
 (天道あかねはともかくシャンプーは誑かされそうで怖いのー)
 何となく失礼な事を思いつつ。
 「…第一それではおらはただの人形か道具じゃないだか」
 「だってシャンプー手下にすりゃ早いのに、やんないんでしょ?望みの無い夢見てるより幸せじゃない?些か倒錯的だけど」
 「…些かか?」
 汗を垂らしつつ、半眼で睨む。
 「大体妹を妄想の材料にするなんぞ、どういう神経しとる」
 「乱馬君がハッキリしないからねー。うだうだとうっとーしいったら…。これで危機感与えられりゃー御の字ってとこじゃない?」
 妄想中に乱馬とシャンプーの絡みを入れたのはその為らしい。
 「…その割に乱馬はこの場に居ない様じゃが」
 「あんなヘタレに聞かせたら、商売邪魔されるのがオチじゃない。タマゴぶん奪られるわ」
 「…おらはお前なんぞ嫌いじゃ」
 「それが私に何か関係あって?」
 ほほほ、と高らかに笑う女に頭を抱え溜息一つ。




 全て終わったその後で。
 「…ムース。お主、何を考えておる」
 「何の話じゃ?おばば殿」
 「あの卵は、結局ただの模造品…支配下からはもう逃れておる筈じゃ」
 その言葉に、ムースが笑う。
 酷薄に。
 狂気をもって。
 「…おらは、哀れな女達の奴隷じゃぞ?」
 嗤う。



      …じゃあ本当のオチはこっちで」
 「黒幕なんだかただの変態だか解らんわー!!てか今のも妄想だか!!」
 ぎゃあぎゃあ喚く男を放って。
 テーブルに置かれた卵を凝視して、ごくり、と喉を鳴らした女達が居た事に。
 気付いた者は、ただ一人。
 「…安くしとくわよ?」
 にやり、と笑って言う商売人には、この先どうなるかなんて、知ったこっちゃないのだけれど。













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