著者 : 名無しさん@ピンキー ID:a3B9mfLU 氏

その5 ー >>577
開始:06/11/15
最終:06/11/15
その5 − >>586

【 らんまがっ!!


朝食を食べ終え、あかねがいらいらと叫ぶ
「もう!いつまでそんな姿のままでいるのよ、らんまぁ!」
「ひゃぁっ、ごめんなさぃあかねさん」
ふりふりのネグリジェを着てぬいぐるみを抱っこして怯えている可愛い女の子
それはらんまであった

話は昨日にさかのぼる
いつもの玄馬との朝の修行中、
乱馬は池の岩に足を滑らせ頭打ってしまった
−ドカンッ!!−
音の大きさに気づいた天道家一同が庭へかけよる
そこには池にぷかぷかと浮いて気を失っているらんまが居た
あかね「ちょっ、大丈夫なの!?らんまっ」
早雲「らんまくん!!」

・・・・

気がつくとらんまは布団の中にいた、
ふと見ると横にはあかねが付き添っている
らんまが目が覚めたことに気づいたあかね
「!!らんまぁ良かった、心配したんだからっ」
「あっ、ごめんなさぃ、あかねさんっありがとう」怯えたように照れたようにしているらんま
「はっ?」信じられない言葉にあかねは呆ける
「ふざけてんじゃないわよ!本っ当にこっちは心配したんだからねっ」
「ひゃっ、ごめんなさいっ私ふざけてませんっごめんなさいっ」更に怯えるらんま
「ちょっと・・・」
明らかにおかしい、あかねはそう感じた
「お・・・おとうさん!おじさま!!らんまがおかしいの」

・・・・

早「どうやら強く頭を打っておかしくなってしまったんだねぇ
大事な後継ぎ婿が・・・わぁぁ(泣)」
玄「らんまよ・・・情けないぞぉおシクシクシク(泣)」
父親たちがまじまじとらんまを見てなげいている
「お父様・・・おじさま・・・」
らんまは頭を強く打った衝撃でなんと心が女になってしまったのだった

「だ、大丈夫よ、ずっとこのままのはずがあるわけないじゃないっ」
平常心を保とうとしながらあかねが口を開いた
「ねっ?らんま?」
「・・・・・・」
黙ってしまうらんま

「しかしらんまくんが女の子の今、お師匠さまにこの事がしれたら・・・Σらんまくんの貞操が危ない!」
八宝菜は昨日から天道家を留守にしていた
「ここは一つ用心棒が必要だねぇ・・・早乙女君」
「そうじゃな、わしらではお師匠さまには勝てん」

その時いきなり部屋のふすまが開かれた
「東京はどっちだぁああ!!」良牙である
そのいきなりの登場っぷりに誰しもが呆気に取られてたが
同時に誰しもが同じ事を考えてた
あかね、玄馬、早雲が口を揃えて言った
「良牙くん!!」
良牙はここが天道家だという事といきなり名前を呼ばれた事に驚いて立ちすくんだ

・・・・・


良牙がもってきた土産を食べながら机をかこむ一行。
「・・・と、いうわけなのよ良牙くん」あかねは事の事情を良牙に説明をした
「そうですか・・・」良牙は表情一つ動かさないでいきなり立上がるとらんまの元へと近づいた
らんまはビクビクしながら近づいている良牙をチラっと見て視線を外した。
「貴様っふざけるのにもいい加減にしろっ!!!」こぶしを大きく振り上げ、らんまの顔へとこぶしをおろす
「ひゃぁあっ!!!!」怒鳴られたらんまは殴られると思い身を縮めた
こぶしはらんまの顔の寸前で止まった・・・・
「・・・・どうやら本当の事らしいな」そこで良牙は初めてとまどいの顔をみせた。

「用心棒、お願いできないかしら・・・」あかねを見るとうるうるとした瞳で見つめている
わざとこんな顔ができる女性ではないという事を良牙は知っている
良牙はあかねの頼み事は断れなかった「・・・・はい」
「よ、よろしくお願いします、良牙さん・・・」もじもじしながら上目遣いのらんま
らんまに「良牙さん」と言われ虫唾が走ったがあかねの手前クールに返事をした
「・・・・分った」

「じゃ、なびきおねーちゃんの部屋にお布団敷いとくね」
なびきは友達と沖縄に旅行中だった、幸いならんまをネタにするなびきも八宝菜も留守である
「え”っ!?まさからんまと同じ部屋ですか(汗)」
「? うん、そうよ」純粋無垢なあかねは、今らんまが心が女であって、良牙が青春真っ盛りな男であっても
それがどういう事かは、あかねの頭の中では考えられていなかった
らんまは男。良牙はらんまの友達であってライバル。なのだ
何がおかしいんだろう?といった感じでキッパリそうだと断言するあかねに
良牙は説明などできずに黙って納得する他がなかった

「これでよしっと」ふぅっとなびきの部屋へ布団を敷き終えるあかね
「じゃお願いね♪、良牙くん」そう言うと早々に部屋を出て行ってしまった。
あかねには考えがあったのだ、自分と同じ年の男の子を見てらんまが戻るかもしれない
だけどそれは間違いだったのかもしれない

あかねが出て行ったなびきの部屋では長い沈黙が流れていた
女の心を持ったらんまと何を話していいのかが分らなかった
「りょ、良牙さん・・・あのっベッドとお布団どっちで寝ますか?」
勇気を振り絞っておずおずを良牙に話しかけるらんま
「良牙さん」・・・・嗚呼、またあの虫唾が走った
「胸糞悪いぜっ、男に戻ってきやがれっ!!!」すごい剣幕で怒る良牙
らんまは「ひっ」と言ってものすごい勢いで部屋を出た
うるうるになりながら風呂へ入り男になって部屋に戻ってきた
「ふんっこれでまぁ落ち着くか」これで気持ち悪さも少しはすっきりしたと思われた
しかし、
「ごっ・・・ごめんなさぃ」
動作や態度、言葉遣いは変わらなかった
男の骨ばった体をモジモジさせて、ちらちらと良牙の顔を伺っている
その光景に良牙は更に気持ち悪くなってしまった
「女の方がまだましだ・・・・」


良牙が風呂へいって部屋へ戻るとらんまは女に戻っていたが、
「なっ」良牙は目を疑った
らんまが着ていた寝巻きがネグリジェだった
「おかえりなさぃ」
しかも可愛いクマのぬいぐるみを抱っこしている
心は女だと考えると自然の事なのだろう
不覚にも良牙はむらむらと変な気持ちになってしまった
「そ・・・・外で寝る・・・」そういった良牙に
らんまも止めずに「はい」と言って見送った
年頃の男女が同じ部屋で寝るのなど
普通気が気じゃないとらんまも感じていた

良牙はドアの前で見張っていてくれるらしい
八宝菜もなびきも居ない、らんまは安心した
今日1日は皆に責められてとても疲れていた
らんまはぬいぐるみをぎゅっとして眠りについた


―ガタンッ―
そんなような音が聞こえて良牙が気がついた
どうやら眠ってしまっていたようだ・・・
「?」耳をすますと聞き取れないが何か聞こえる
「・・・・・」「・・・・・・」
なびきの部屋からだ

(まさかっ!)
良牙は慌ててなびきの部屋のドアを開けた
そこには縄で手首をしばられガムテープで口をふさがれ
肉付きの良い太ももと
ネグリジェから乳房がぽろりとあらわにされたらんまが
抵抗もなす術もなくベッドの上にいる
更にその上には人間とは思えない程小さな老人
八宝菜がニタァーと不適の笑みをしてらんまの谷間に顔を摺り寄せていた
「っらっんまちゃぁ〜〜んっ!!!!」
「こっのっ、外道がー!!!」
―ドカーンッ ピュー・・・・キラーン―
不意を疲れた八宝菜は良牙の力強い蹴りで夜空のかなたまで飛ばされて星になった


「はぁっ」安心したような、ため息のような吐息をついて
良牙はらんまの体を直視しないようにシーツをかけた
目には涙が絶えず溢れ流れ落ちていた
いたいけな少女の泣き顔・・・・こんなにぐらつくものはあるのだろうか
いや、いたいけな少女ではない
などと良牙は考えながららんまの口と手を自由にしてやった
するとらんまは良牙にいきなり抱きついたのであった
「ぉっ、おいっ離れろよ」
「うっ・・・ぅぇっ・・・こゎっ・・・こわかっ・・・た・・・」
かなり気が動転しているようで離す気配がない
(仕方ない・・・)諦めてそう自分に言い聞かせて
うっうっと泣いているらんまをぎこちなく抱きしめながら横になった

もう何分・・いや何時間か?経っただろうか
ヒックヒックと言っていた泣き声も聞こえなくなり
すぅーすぅーとしたらんまの寝息だけが聞こえる
抱きついた腕ははがそうとしてもはがれずにいた

目を落とせば寝顔が見える
長いまつげ・愛らしい鼻・唇
泣いたため目元に涙がたまっていたが
安心しきった寝顔だ
(さっきはあんなに・・・・。っっ!!)
そう考えたときにらんまのあらわな姿を思い出してしまった
ぷるんっとした乳房
引き締まった太もも
決め細やかな肌
想像しただけであそこが膨らむのが分った
(・・・・・さっ触ってみたいっ・・・・)などと
衝動に駆られて良牙は自由になっている右手をヒクヒクさせている
自分の中で触る触らないで格闘しているのだ
良牙が戦っているとらんまが「んっ」と軽く動いた
ヒクヒクさせていた良牙の手に
らんまの太ももがスルっと当たる・・・
それによってなんとか止めていた衝動に拍車がかかった
そぉっと、そぉっとらんまの太ももに手を置く
起きないようにゆっくりと手を這わせる
女の子に触れた事などない良牙はもうすでにふくらみ切れないほど膨らんでしまっていた
良牙の息が静かに荒くなっていく
らんまは起きる気配が無い
手を太ももから腰に、腰からお互いの体と体の隙間を縫って胸に
良牙の手が優しくらんまの乳房を捕らえた
(っやわらかい・・・)今まで感じた事の無い柔らかさに
イきそうになっていた
(イきたい・・・)
だが実際は摩擦がないとイけないし、出た精液をふき取るものがない
(イけない・・・)
そんなジレンマの中、らんまの乳房や乳首を触り続けていた
するとらんまは感じているらしく、息が荒くなる・・・
「っ、んっ・・・・」
眉をややよせ 熱のこもった息を吐いている
(やばい・・・起きる・・・)らんまの体から手をはなす
結局良牙の頭には合意のないセックスなど外道にすぎない、というより元は男だ
諦めというよりかは、我に返り急に冷めた良牙は
心とは裏腹にらんまの体温の暖かさを感じつつ崩れるように眠った


良牙が目を覚ます
太陽の昇り具合を見るにもう昼ぐらいだ・・・
らんまが居ない

「ぁ、おはよぅ♪らんまくんね、お買い物があるからって、あかねちゃんを連れてでかけたわよ♪」
「朝あかねちゃん怒鳴ってたけど・・・・きっと大丈夫よ♪」
居間へ降りるとにっこりと優しい笑顔でかすみが教えてくれた

突然暇を与えられた良牙、だが
このまま出かけても迷子になって戻れなくなったらどうしよう等と考えていた。
いや、何故らんまに気を使う事があるのだろうか・・・。
違う、らんまにではない、あかねさんに気を使っているのだ。
そう自分に言い聞かせ、迷子になりながらもらんま達を追う事にした。

その頃らんまとあかねはデパート内にある喫茶店でお茶をしていた
「男がブラほしがるなんて・・・・」むっとした顔つきのあかね
実はらんまの下着や洋服を買うのに付き合わされたらしい
「ごめんなさぃっお・・・男の人の格好って恥ずかしくって・・・」
もじもじしているらんまは、プリーツのスカートにだぼだぼのトレーナーという可愛らしい姿

「・・・・男に戻る気ないんでしょ」少し怒った、少し真剣な面持ちであかねが問う
「・・・・・、私本当は暴力とか好きじゃないし・・・こういう格好だってもっとしたいし・・・・」
「本当は女の子になりたかったのかも・・・・しれません・・・・・・・、それに・・・・・・・・・。」
おずおずとそれでいてはっきりと話していた言葉が途切れた。すごく顔が赤くなっている。
「?」を投げかけるあかね
「じ、実は・・・・・気・・・になる・・・人・・・・・が居て・・・・・・・・・」
もう見ては居られないほどに真っ赤になっているらんまがいる
「はっ・・・・・・はぁっ!?誰よっ、ま・・・まさか男じゃないでしょうねっ(汗)予想外のらんまの答えに不安がよぎるあかね
「・・・・・・・・・・・・・・・・りょ・・・良・・・牙・・さんっ」真っ赤になりながら言い終えたらんまはキャッ♪と照れている
あかねはただ呆然としている
「・・・実は昨日、八宝菜のおじぃ様に、ぉっ・・・襲われている所を助けてもらったんです・・・・」
「すごく・・・・・かっ、かっこよくて・・・・・」
あかねはまだ呆然としている
良牙と居ると次第に男を取り戻していくのではないか、という読みが外れ
しかも悪い方向へと進んでいる・・・・・
「ぁかねさんだから、同じ「女同士」だから話せました。」あせあせしながら言葉を続けるらんま
「よっ良かったらあかねさんの好きな人も教えてください!!相談くらいなら乗りたいんです・・・・」

―ブチッ―
何かが切れる、いや、キレる音がした
「ふっ・・・・・ふじゃけんじゃぁ・・・・ないわよぉお!!!」
(乱馬が好きなのに・・・)あかねの行き場の無い気持ちが爆発した。
昨日の八宝菜同様、らんまも空の彼方へと消えて行った
あかねは泣きながら一人うちに帰った。


高く蹴り飛ばされたらんまは街並みの上空を飛んでいる、
「キャーーーーーーー!!!」
らんまが落ちた先は、あの久能の腕の中であった。
「おぉ!!おさげの女!!」
「ぁ、ぁりがとうございます、久能先輩、ぁのっ・・・降ろ・・・」
「おさげの女が降って来たという事は、これは神様からの送り物なのだなっ!!!」泣きながら感激している
「ぇっ、ち・・・違ぃまっ」
「よしっ!!僕の部屋へ案内しよう!」らんまの言葉には耳もかさずにどんどん暴走する久能であった
どうやら久能の家の庭に落ちたらしい
庭には変な動物がうようよしていた、らんまは取りあえずは久能を説得して帰らせてもらおうと思った

久能の部屋は以外にも殺風景の和室であった。
「おさげの女〜♪」
「ひゃぁっ!!!」
いきなり久能が抱きついてきたのだ
「ゃっ、やめて・・・くださぃっ」久能を手のひらで引き離そうとしているが離れない
久能も違和感を感じた、いつもだったら蹴りかパンチで空高く飛ばされている所だ
抱きしめた腕なんて振り解こうと思えば振りほどけるだろうに・・・何故だ・・・・
しかもよくよく見ると女の子らしい格好に、女の子らしい言葉遣い・態度・・・・・・・・
久能が考えた答えは一つしかなかった。
おさげの女がとうとう自分を受け入れてくれたのだと。

「いじらしい・・・・おさげの女・・・」らんまを強く抱きしめる
今までストイックにされてきた久能の男の性がうずいてしまっていた
「ちょっ・・・離してください」らんまは不吉な予感を感じ、腕の中でもがいた
久能が目を瞑る、らんまの顔へと近づいてくる
「ぃゃっ!」らんまが顔を背けた、
だが久能はおかまいなしに目の前にあるらんまの耳へと口付けをした
「ゃっ・・・」怖くて身が固まる、軽く押し倒されてしまった
久能が上に乗っかっている・・・
「どいてくださいっ」
久能は頭に血が上っているようで何も返事はない
両腕をつかまれ、また耳へ口づけ、下を使って首筋、鎖骨を舐められる
「い、ぃゃっ、ゃぁ・・・んっ」怯えながらも少し感じてしまう
久能はらんまの吐息まじりの甘い声に更に興奮した
片手でらんまの両腕を掴むと余った手をトレーナーの中へと潜らせた
「っ・・・だめっ、いゃですっ・・・」
久能の手がらんまの乳房を探してもトレーナーの中をぞもぞと動いている
久能の手は乳房をみつけると激しく揉みだした
「ぁ、んっ!!やめてっ、やっ、ぁっぁっ・・・はぁんっ・・・・ぃゃ・・・」
らんまは怖かった、だが気持ちよかった。・・・・でも、この人は嫌だ・・・
そう思ったときに久能の手がぴたりと止まった
自分を掴んでいる手も力が入っていない
久能がグラリとらんまの横へ倒れる・・・・


久能は失神していた
それは良牙が久能に怒りの拳をおろしたからだ

良牙を見つけたらんまは涙で歪んだ恐怖の顔から安堵した顔になり
また良牙に抱きついた

今度は振りほどかない良牙
らんまを抱きかかえて久能家を去っていった


らんまをお姫様だっこしながら屋根から屋根へと飛ぶ良牙
どうやら天道家に行きたいのか、でもぜんぜんはちゃめちゃの方へ飛んでいる

「・・・・助けていただいて・・・ありがとうございました」気まずそうにらんまが口を開く
「・・・・・ああ、気にすんな」表情を作っているのか、無表情で良牙が返す
「・・・今日はおうちへ帰れません・・・あかねさんに嫌われてしまいました・・・」
暗い声で話すらんまの話をただ聞く良牙
「あかねさんに、あかねさんの気持ちも考えずに酷い事言ってしまいました・・・・
・・・・・・・男の人は、怖い人たちばかりで・・・・・・・・・
・・・・・お、男に戻ろうかなっって・・・」良牙見上げる
いつの間にか誰かの家の屋根の上で立っている
らんまを見つめて良牙は無言のままだ
「・・・・今日でさよならです、本当にありがとうございました・・・・・・・・・
・・・・怖い男の人ばかりだったけど・・・・良牙さんは、違いました・・・
・・・・・だっ大好きです」
そういい終えると、らんまは良牙の首に腕を回してキスをした


次の日、良牙はどこか地方の田舎に居た。
何故かというと乱馬が元に戻ったのだ。

女の心になっていた時の記憶は全部ないらしいが、
実は良牙もらんまにキスをされてからの記憶がなかった。

朝起きて見ると自分のテントで一人眠いっていた、
それも乱馬が戻ったと伝えにきたあかねに起こされたのだ。

キスから・・・その後の事を
思い出そうとしても思い出せないのだ。

ただ眠るまで、らんまに?誰かに?「りょうがさん」と
名前を呼び続けられていたような、そしてとても温かいものに包まれていた気がするだけだった


もしかしたららんまではなく、らんまの中に居た少女に恋をしていたのかもしれない

八宝菜が襲った夜、らんまに触れた
あれは確かに興味本意だった
だけど泣きじゃくる姿に「守りたい」と小さく思っていたのかもしれない
居ないと気になった
久能にあれほどまでに腹が立った事はなかった

最後のキス・・・嫌じゃなかった、嬉しかった


良牙はぼうっとしばらく考えていた、

「ありがとう。良牙さん・・・」
そんな声がした気がして道を振り返る

もう彼女はいない


また日常の生活が始まるのだ

良牙は何処へ向かうのか、ただ歩き出した


<おわり>



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