著者 : 名無しさん@ピンキー ID:w5SSBV8G 氏
その5 ー >>499
開始:06/11/10
最終:06/11/14
その5 − >>559
【 良牙×良い子
】
らんまは後悔していた。
あかねと良牙を邪魔してやろうと、無謀にも良牙の妹になったのは良いのだが
思った以上に良牙が単純馬鹿過ぎたのだ。
本気でらんまを妹だと信じきっている姿は、
面白いを通り越して何だか罪悪感さえ感じてしまう。
……。
あかねが帰った後、同じようにらんまも家を出ようとしたのだが、
あっさりと良牙に止められてしまった。
「何処行くんだ?良い子。お前の家はここだろ」
「や、やーねぇ…お兄ちゃんったら。ちょっと散歩よ、散歩〜。オホホホ……」
「だ、駄目だ!散歩なんかしたら迷子になって一生会えなくなるかも知れないんだぞ!!」
「な…何言ってるの〜?大袈裟よ〜。良い子迷子になんかならないもん」
「駄目だ!!絶対駄目だ!!」
頭を振るい、涙を流しながら叫ぶ良牙の姿にらんまは驚きよりも呆気に取られてしまう。
この男は何もかも大袈裟過ぎるのだ。
「わっ…?」
良牙は嫌がるらんまの手を強く引き、無理矢理部屋へと連れて行った。
「お兄ちゃん痛いってば!…痛いのっ!……おい!痛いだろうが!」
「…良い子、駄目だろ!女の子がそんな言葉使っちゃ」
もう言葉さえ見つからない。
元はと言えば自分が招いた行いでもある、半諦めの表情を落とすらんま。
それにもし、この場で正体を明かせば殺されるのは必至。
らんまは仕方なく今日一日だけ良牙の妹、「良い子」に成り切る事を決心した。
めんどくせぇけど一日だけだし、明日の朝一で帰ればバレねぇだろ。
「おい…風呂まで付いて来るなよな…」
トイレに行く時も入り口で待っていた良牙は案の定、
風呂の時も良い子にべったりとくっ付いて来た。
「駄目だ…ちょっとでも目を離したら何処に行くか分からんからな」
「……行かねーわよ」
「それにもしだな…強盗でも来て誘拐されたらどうするんだ?
こんな可愛い妹なんだ…何をされるか分かったもんじゃない!」
「………されるわきゃねーだろ」
「え?」
「い、いや…。もうっ、お兄ちゃんったら心配性なんだから〜。
分かったから絶対に覗かないでよ!」
しかしめんどくさい事になった。
湯舟に浸かりながら乱馬はめんどくさそうに眉を歪める。
この様子じゃ良牙は朝まで起きてそうだ。
いっその事、正体をバラすか?しかし痛い目を見るのも嫌だ。
「おーい、良い子。もう出るか?」
不意に良牙の声がした。
乱馬は慌てて湯舟から出ると勢い良くシャワーを浴びた。
「ひゃぁあっ…冷たい…!」
冷水が火照った肌に勢い良くかかり、余りの冷たさに身体が震える。
「おい!良い子―――」
その時、風呂の扉が勢い良く開いた。
応答が無く心配した良牙は、つい扉を開けてしまったのだ。
目に飛び込んで来たのは、シャワー片手に風呂場にしゃがみ込む良い子の姿だった。
勿論肌を余す事無く曝け出した裸である。
「でっ!?馬鹿!覗くな!」
驚いたらんまは側にあった洗面器を思い切り良牙向けて投げつけた。
「お兄ちゃん何で覗くのよ!あれだけ覗かないでって言ったのに!」
はぁ〜…間一髪だったぜ…。もう少し遅かったら俺ってバレてたな…。
「す、すまん。返事が無いから心配で…」
真剣に謝る良牙だが、丸めたティッシュを鼻に詰め込んでいる。
それが妙に間抜けに見える。
「…もう、信じられない!良い子帰る!」
「ま、待て。何処に帰るってんだ?お前の家はここだぞ」
「う…、あかねちゃんの家に泊めて貰う。何だかお兄ちゃん怖いんだもん」
怖い、というのは半嘘では無かった。
執拗以上に妹を溺愛する良牙の行動は異常と言っても良いくらいで。
姿を消した後、良牙はどうなるだろうか?いや、それ以前に姿を消す事が出来るのか?
一日だけの限定だったが、このままだと何日も続きそうだ。
何やら身の危険を感じるらんまは、愛らしい態度で良牙に訴えかける。
「…お兄ちゃん。忘れてない?良い子は妹だけど、お兄ちゃんの物じゃないの。
自由に行動させてくれないなら良い子、もう帰って来ないよ」
「……そ、それだけは止めてくれ!兄ちゃんが間違ってた、悪かった!
今日だけにするから、明日から監視なんてしない!
だから…今日だけ一緒に寝てくれないか?」
「はぁぁ!?」
前半は頷きながら聞いていたが、その文末を聞いてらんまは声を荒げ驚く。
「兄ちゃん寂しかったんだ。家に帰って来る度に一人で……
お前がいて嬉しかったんだ…」
しかし、良牙のしおらしい態度を見て何故だか「嫌だ」とは言えなかった。
寄り添ってベッドに入る二人は何処からどう見ても仲睦まじい兄妹、には見えなかった。
良牙は信じきっているが端から見れば全く似ていない二人である。
今日この夜を乗り切れば解放される、それだけを願いらんまは仕方なく横になった。
「言っとくけど変な気起こさないでよね」
「何言ってるんだ?お前は妹なんだぞ。妹に手を出す程腐りきっとらん」
「ホホ…そうよね。安心したわ。じゃあおやすみなさ〜い」
電気を消し、目を瞑るんま。
今日は異様に疲れた一日だった、早く良牙から解放されたい。
そう思うと一気に睡魔が襲って来た。
………。
時計の針が耳に響き、眠りを妨げるのは勿論、それとは程遠いくらい目は冴えていた。
狭いベッドの中ではお互いの肌と肌が触れるか触れないの処、温もりは嫌でも伝わってくる。
先程良い子に言ったものの、こんな状況で興奮しない男がいるであろうか。
暗闇に慣れた目で部屋を見渡すと、時計は深夜1時を回っていた。
流石に妹に興奮するのは不味いだろう…。
頭では分かり切っている筈なのに、身体は徐々に熱くなり、良牙の欲は増すばかりだった。
良い子は良牙に背を向け、寝息を立てながらすやすやと眠っている。
その吐息が余計に興奮を誘うのは勿論、不意に風呂場での出来事が頭を過ぎった。
風呂場に愛らしく座り込む妹。
水滴に濡れた肌は艶っぽい若い女のそれで、
湯に浸かっていた所為でほんのりと紅く染まっていた。
そしてその水滴が豊満な乳房へと滴り落ちて……。
目に焼き付けたのは一瞬なのに、はっきりと刻み込まれている映像が
スローモーションのようにゆっくりと頭の中で流れている。
妹であるが、会ったのは今日初めてなんだ……、
俺は良い子を妹として見てないのか………?
ああああ!!俺って奴は何て不純な男なんだぁぁぁ!!
考えれば考えるほど、思考は卑猥な方向へと支配されて行き、
まるで天使と悪魔が耳元で囁いているかの如く、良牙の中で理性と欲情が葛藤している。
「ん…ぅん…」
不意に良い子の声がして、心臓が飛び出そうなくらい良牙は驚いた。
それと同時に苛まれていた思考が、糸を解したようにすっと梳けて行った。
ちょっとだけ……触るぐらいなら…いいよな……。
恐る恐る震える手を伸ばし、気持ち良さそうに寝ている良い子の二の腕に触れてみた。
何とも言えない柔らかい感触が掌全体に伝わる。
続いてゆっくりと手を滑らし、腰から尻を撫でて行く。
布の上からでもはっきりと感触が伝わり、
男とは違う女の柔らかい肌にこの上無く興奮し、体中の血液が一気に下半身へと滾った。
良い子から香るシャンプーの匂いだろうか、その甘い香りが益々欲を誘うのだ。
徐々に欲に支配されて行く良牙は鼻息を荒げながら、
とうとう良い子の乳房へと手を伸ばした。
筋くれ立った男の手が良い子の乳房を覆い尽す。
華奢な身体からは想像が付かない程、ふくよかな乳房は
二の腕や尻よりも遥かに柔らかく、
触れるだけでは物足りなくなった良牙はゆっくりとそれを揉みしだいて行った。
指と指の間にぷるんと弾む乳房は、
風呂場で見た良い子の身体をこの上無く卑猥に妄想させる。
興奮が高まりつつある良牙の鼻息は先程より荒く、
下半身は切ないくらいに勃起しており
狭い布団の中では僅かに動いただけでも良い子の尻へと擦れる。
その感触に堪らない快楽を覚え、良い子の尻へ宛がうように何度も擦り付けた。
「はぁ…はぁ…良い子…」
片手で妹の乳房を弄び、もう片方の手で勃起した自身に触れる。
まるで変態だ…。そう罪悪感を感じつつも止める事は出来なかった。
………。
「……ん…ぅ〜ん…………ぇ?…え!?…はぁぁ!?」
良牙の荒い吐息と身体を触られている感触の所為か、良い子が一気に眠りから覚める。
その声は寝起きとは思えない程、大きくはっきりしていた。
「ちょっ…!おい!何やってんだよ!?」
「よ、良い子!?」
余りに唐突な出来事が良い子を襲う。
驚いた良牙はパニックに陥ったのだろうか、
そのまま良い子の口を枕で押さえ付けると、彼女の上に馬乗りになった。
「ん――!ん――!」
「よ、良い子…済まない。こんな兄ちゃん見せたくなかった…。でも許してくれるよな?
二人きりの兄妹だもんな…。親父やお袋には絶対言っちゃ駄目だ」
げ……!?こいつ目がマジだ…!!
明らかに欲情している良牙の表情と瞳。
馬乗りになられた良牙の下半身に目をやると
パジャマの上からでもはっきりと分かるくらい勃起している。
まさかこんな展開になろうとは…、早乙女らんま一生の不覚…!
しかし、今はこのピンチから逃れなければ……。
「…いいな?良い子…。静かにしてれば何も痛い事はしないから。
いい子にしてるんだ…」
「ん―――!!ん――ぅんっ!?」
押さえ付けられていた枕を取ったかと思ったら、良牙の口で再び塞がれた。
欲が走っただけの下手糞で噛み付くような口付けは快楽など微塵も感じず、
良牙の荒々しい吐息、生暖かい唾液と舌の感触だけが酷く不快感を与えるだけだった。
「はぁ…っん……な、何しやがるんだよっ…!
お前頭おかしいんじゃねぇのか!?妹なんだよ!俺は!!血が繋がってんだぞ!!」
良牙の唇が離れた瞬間、良い子は息も絶え絶えになりながら一気に捲し立てた。
「…っ……分かってる!分かってるけどもう俺には抑えられない…!!
…許してくれ…!良い子――!!」
「ぎぃやぁぁ――!!や、め、ろぉぉ――!!」
先程まで揉みしだいていた良い子の乳房にむしゃぶり付く良牙。
舌先で乳首を舐め回し、もう片方の乳房は指を使って弄んだ。
布の上からでは感じられなかった肌の微細な感触は
絹のように木目細やかで、それでいて恐ろしいまでに白い。
「ん…んっ…はぁっ…ん…やっ…めろっ……」
あれ程嫌がっていた良い子の声も艶を持ち始める。
それを良牙は聞き逃さない。
「良い子、我慢するな。気持ちいいんだろ?
大丈夫だ。兄ちゃんがもっと気持ち良い事してやるからな」
阿呆か!!と怒鳴りたくなるが、言葉にならない。
女の姿で何度か自慰行為に耽ったが、
他人の手に弄ばれるのがこんなに気持ち良いとは思わなかった。
このまま楽しむのも良いかも……と、
快楽に溺れて行く中、らんまの思考が変わり行く。
良牙の手がするすると下半身へ降りて行った。
「あっ……」
「良い子…こんなに濡らして…」
既に濡れている良い子の秘所にゆっくりと指を入れる良牙。
卑猥な音と共に良い子の喘ぎが部屋に木霊する。
「ぁ…あぁっ…んっ…もっと…してっ…」
いつしか強請るような口調で声を漏らしていた。
女の自分とは違った男の骨ばった指が快楽を導いて行く。
全身が栗立つような快感が波のように押し寄せ、良い子の下半身はガクガクと震え始めた。
「あっ…早くっ…早く入れてっ…我慢出来ないっ…」
「…兄ちゃんも限界だ」
今にも破裂しそうに勃起した良牙の自身は反り返り、太い血管が浮き出ている。
待ち侘びていたかのように一気に良い子の膣内へと捩じ込んだ。
「ん…んっ…ぅ…はぁんっ…あ…あっ…」
普段の自慰行為のお陰で大分楽だろうと思っていたが、甘かった。
想像していた以上に鋭い痛みが陰部に走り、良い子は声を唸らせる。
「良い子?大丈夫だ。直ぐ良くなるからな」
虚ろな声で問いかけて来る良牙だが、この男も限界が近いのだろう。
気遣う素振りをして、腰を強く打ち付ける姿は己の快楽だけを貧欲に貪っている。
「…ん…痛っ…もっと…優しくしろ…よっ…」
痛みの所為か、はたまたこんな状況に陥った所為か、知らずの内に頬に涙が伝った。
「はぁ…はぁ…良い子…」
良い子の言葉など耳に入って無い様子の良牙は
狂ったように女の肌を貪り、乳房に吸い付きながら腰を振るう。
肌と肌がぶつかり合う乾いた音が、加速を上げ鼓膜に響き、
それと同時に淫猥な水音がする。
薄暗い部屋の中、目はとうに慣れ、
欲情した良牙の表情を見た時、一気に事の重大さに気が付いた。
俺…何やってんだ…、良牙に抱かれて喘いで、いかれてる。
駆け巡る思考が一瞬理性を呼び起こすが、襲う快楽には勝てず
良牙の背に腕を回すと、更に艶のある声で鳴いた。
「あっ…いいっ…良くなって来たっ…ん…ぁ…はぁっ…もっと…」
でぇ…!?やばい…声が勝手に出やがる…!
その声に欲情した良牙は、隙間無く肌が密着し合う程良い子の腰を引き寄せる。
繋がった箇所に、痺れるような快感と
抉られるような快感が走り、全身に駆け巡った。
「あぁっ…だめ――っ…あああっ――」
脚がガクカクと震え、膣内が痙攣を起こしたように収縮を繰り返す。
そのうねりは良牙の自身に伝わり、限界へと導いた。
「っ――良い子っ――」
一層高い快楽を求めて、良牙が激しく腰を打ち付けた刹那、
良い子の中に熱い塊が叩き付けられた。
薄暗い部屋に淡い光が指し込み、朝の訪れを知らせる。
隣には未だ深い眠りの中にいる良牙がすやすやと寝息を立てていた。
「はぁ…良く寝れるよな」
俺は一睡も出来なかったのに、呑気な野郎だぜ…。
妹に手を出した変態野郎なのに……。
今日一日を振り返ると流石の良い子――もといらんまでも気が重かった。
良牙を騙した上に寝るなんて。
僅かな嫌悪感が今になって体全体を纏う。
だが、良い子は今日で消えるのだ。
今後、素知らぬ振りをすれば良いだけ。
そう考えると少し気が楽になった。
「今のうちに帰るか…」
ベッドから起き上がると、鈍い痛みが下半身に広がり
それと同時に晩の光景が鮮明に蘇る。
「う……」
思い返すと……死ぬほど恥ずかしい…!
良牙に抱かれた事よりも、喘いでいた自分の姿が遥かに恥辱を煽り、
後悔の念と罪悪感、嫌悪感が一気に押し寄せる。
良い子が頭を抱えながら部屋を出ようとした時、良牙の声がした。
「何処行くんだ…?良い子……」
まだまどろみの中なのだろうか、意識がはっきりしてないようだ。
「朝のお散歩よ〜…ホホホ…」
「………」
良牙の虚ろな瞳が良い子を捕らえる。
「…だ、駄目だ!!散歩なんて!!迷子になったらどうする!!」
「ばっ…離せよ!!」
一気に覚醒を果たしたかのように
良牙は猛スピードでベッドから出ると、良い子の手を強く握った。
「兄ちゃんも一緒に行く」
「はぁ!?ふざけんなっ!迷子になんてなる訳ねーだろ!
昨日言った事覚えてねーのかよ!いい加減にしろよ!!」
昨日と変わらない良牙のシスコンぶりについ癇癪を起こしてしまい、
握られている腕を強く振り払った。
「……わ、分かった。直ぐ…帰って来るんだぞ。朝食作っておくから」
良い子の態度を汲み取ったのか、
信じられないくらい聞き分けの良い良牙に少し唖然となる。
「……う、うん…。じゃあねお兄ちゃん…」
「良い子…早く帰って来るんだぞ」
「うん……」
何処か寂しそうに微笑む良牙を部屋に残し、良い子は去って行った。
朝の澄んだ空気を思い切り吸い込むと、良い子は道場まで一気に駆け抜ける。
この記憶を消し去るように――。