著者 : 名無しさん@ピンキー ID:dxLAvqJj 氏
その5 ー >>296
開始:06/10/22
最終:06/10/22
その5 - >>296
毎日顔を合わせる隣の席の彼。目的は私ではない。
「5枚一組3000円」
「買った」
私は毎日のように彼に写真を売る。
彼が買うのはいつもあかねと“おさげの女”の写真。
私にはまったく目もくれないがそれでも私は彼に写真を売り続ける。
勿論、お金になるからだ。だけど、それだけではない。
何度痛い目に遭っても懲りずに交際しようとする。
まったく、馬鹿な男だ。
ところが最近、彼の様子がおかしい。
「もしかすると天道あかねもおさげの女も、ぼくのことを愛していないのではないか?」
確かにその通りだ。
「いい加減あきらめたら?」
はっと我にかえる。一体何言ってるんだろう。
あきらめてしまったら写真が売れなくなるではないか。
「少し惜しい気もするが、一度冷静になってみよう。
だが、諦めたわけではない。他の女にも目を向けて考え直すのだ」
私は自分の耳を疑った。まさか彼の口からそんな言葉が出るなんて。
「考えてみればぼくの周りには天道あかねとおさげの女の他にも
久遠寺右京、シャンプー、白鳥あずさ、今上マリ子…いい女がいっぱいいるではないか」
「ちょっと。目の前にいる女を忘れてない?」
「なんだ、交際してほしいのか」
これはチャンスかもしれない。
写真の収入がなくなっても自分が恋人になればお金には困らない。
「九能ちゃん…」
真剣な眼差しで見つめる。
「私が今までどんな思いであなたにあの子たちの写真を売っていたと思っているの?」
「な、何!?金のためではないのか?だとすると答えは一つ…」
「そう…」
小指を立ててマイクを持ち、叫ぶ。
「 ず っ と 前 か ら 私 は あ な た の こ と が 好 き だ っ た の よ ー ! ! 」
「ああ、ぼくはなんて罪深い男なのだ。つらかったのだな。よし、交際してやろう」
彼がそう言い終わる前に私は彼に抱き締められていた。
あかねや乱馬くんなら殴り飛ばしているところだ。
しかし、悪い気もしない。それどころかなぜだかどきどきしている。
こんな気持ちは初めてだ。
周囲がざわつく。どうやら本気に見えるようだ。
勿論私は口から出まかせを言っただけだ。
それなのに、どうして?
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