著者 : 名無しさん@ピンキー ID:tfyBBG2T氏

その5 ー >>070
開始:06/10/06
最終:06/11/14
その5 − >>564

【 良牙×シャンプ

昼時が過ぎ、客が引いた猫飯店。
シャンプーはエプロンを解き、奥の居間で茶を飲んでいた。
いつもより忙しかった所為か、肩が凝っている。
溜め息を吐きながら肩を軽く揉み解した。

「なんじゃ、随分疲れておるようじゃのう」
「今日は何だか疲れたね、ひいばあちゃんは相変わらず元気そうね」

シャンプーより100歳以上歳を取っている筈なのに、疲労のヒの字も見せないコロン。
正に妖怪だ。

「それより、お主にこれをやろうと思ってな」

コロンは掌サイズの宝石箱をシャンプーに手渡した。
中を開けると、そこには指輪など高級そうなアクセサリーが数個か入っていた。

「あいやー!綺麗あるな!これを私にくれるのか?」
「わしが昔、愛用していたアクセサリーじゃ。
もう使わんじゃろうから、若いお主にと思って」
「ひいばあちゃん、大歓喜ね!」

シャンプーは嬉しそうに指輪を付けて見せた。
控えめに輝くそれは、美しいダイヤだ。
若いシャンプーにはまだ早過ぎるだろうが、
それは彼女の細い指先をより美しく強調していた。

「ん?…これはビー玉あるか?」

シャンプーは宝石箱に入っているビー玉のような物を手に取ってみた。
琥珀色に輝くそれは、飴玉のようにも見える。

「ひいばあちゃん、これは何あるか?宝石じゃないね」
「ん…。そ、それは…楼淫飴…。そんな所にあったのか…」
「楼淫飴…?」
「うむ…。随分昔に亡くしたと思っておったが。
それは女傑族に伝わる惚れ薬のようなモンじゃ。
まだワシが若かった頃に祖母から貰った物だが、使ってはおらん」
「惚れ薬か?これを相手に飲ませると…その相手は私に惚れるね!」

目を輝かせて言うシャンプーだが、何を考えているかコロンには一目瞭然である。


「シャンプー、お主これを婿殿に使おうとしてるのじゃな?
いかん、これは普通の惚れ薬とは違う。
これを飲まされた相手はただ惚れるだけで無く、…なんと言うか…」

コロンは言いにくそうに口を詰らせる。

「その相手は…どうなるね…?」

「……う、うむ。身体の交わりを求めて来よる。それも恐ろしいくらいにな。
元々…中国の古い掟の為に作られた薬じゃ。
好きでも無い男の元へ嫁ぐ女に飲ませ、その気にさせ、子供を身篭らせる。
さすれば、女は否が応でもその男の元へ嫁がなければならない。
効果はたった一晩じゃ。……だがその一晩が恐ろしい。
好きでも無い男を全身で求めてしまい、しかも効果が切れても記憶だけは綺麗に残っておる。
そこが一番恐ろしい所じゃ…」

コロンの言葉には重みが掛かっており、冗談で飲ませる薬で無い事は重々分かる。
しかし、今のシャンプーにとってはこの薬が悪い物では無く、限りなく良い物に見える。
たった一晩の効果であろうが、記憶が残るなら利用価値は十分過ぎる程と言っても良いだろう。

「…恐ろしい薬ね…。でも間違った相手に飲ませればの話ね。
これを乱馬に飲ませ、責任を取って結婚して貰うね」
「シャンプー正気か?いくら婿殿が好きだと言っても所詮紛いの効果」
「私には乱馬しかいないね、のろのろしてたら他の女に先を越されるね」

冗談で言っているようには見えない。
コロンは溜め息を吐くと、後悔だけはせんように、とだけ言った。

「あ、ひいばあちゃん。善は急げね!今夜――」
「ワシは出かけるから、安心しておれ」

シャンプーの考えを汲み取ったかのように、コロンが小さく呟いた。
決行は今夜。
高なる鼓動と不安を抱えながら、シャンプーは猫飯店を後にした。


太陽が美しい茜色に染まり行く。
シャンプーは下校する乱馬の先回りして、待ち伏せをした。
何故か不安の方が大きくて、待っている間、何度も止めようかと考えた。
しかし愛する男に抱かれるのは、恐怖では無く悦びであろう。
そう考えると少し胸が楽になる。
大きく溜め息を吐いた時、乱馬の声がした。

「ニーハオ、乱馬」
「おう、シャンプー」

乱馬の隣には、いつもと同じようにあかねがいる。
だが、その光景を見るのは今日で最後だと思うと、僅かな苛立ちも嘘のように引いて行った。

「じゃあ、私先帰るから」

いつもと同じようにいちゃ付く二人の姿を見せられても気分は良く無い。
冷めた口調で言い捨てるとあかねはその場を後にした。

「乱馬、これうちの新製品ね」
「…ん?なんだ…。飴玉?」

シャンプーは紙に包んだ楼淫飴を乱馬に渡したが、それが失敗だったと直ぐ気付いた。
不審な面持ちでそれを見つめる乱馬が、素直に食べてくれる筈が無い。

「何で料理屋なのに飴なんか作ってんだよ?」

飲ませた後の事ばかり考えて、肝心の飲ませる段階を考慮していなかった。

(あぁぁ!しまったあるね…、こんな事だったら不意打ちで飲ませれば良かったね…!)

「何言ってるか…!普通の飴玉ね…!
不味いか美味いか乱馬に味見して貰おうと思っただけね。
乱馬!早く食べるね…!」

シャンプーの僅かに怒った口調に益々不信感が募る。
考えれば、今までシャンプーに何度怪しい薬を飲まされそうになった事か。

「やーだね!ぜってー妖しいもん」
「う…、妖しく無いね!飲まないなら力付くで飲ませるある!」

シャンプーが乱馬から楼淫飴を奪おうとした時だ。


「別に俺じゃなくてもいいんだろ、丁度良いのみーっけ」

と、乱馬が後方に視線をずらした。
その先には大きい荷物を背負って歩く子豚の姿が。
シャンプーが止める間も無く、楼淫飴は綺麗な弧を描き、子豚の元へと飛んで行った。

「ああああああ!!!」

大声を出して叫んだが、遅かった。
楼淫飴は何も知らない子豚の口へと放り込まれた。

「な、なんて事してくれたね!!馬鹿!乱馬の馬鹿!!私を殺す気か!!」
「へ…?」

涙目になって訴えるシャンプーを見て、やはり妖しい薬だったのかと思ったが
流石の乱馬でもその効果だけは皆目検討が付かなかった。
嗚咽を漏らすシャンプーに乱馬は酷く困惑した。

「おい!何いきなり飲ませたんだよ!変な薬じゃねーだろうな!」

何処で湯を浴びて来たのか分からないが、
息を切らして駆けつけた良牙は乱馬の胸座を掴み、大声で怒鳴りつけた。

「い、いや…その…。お前どっかおかしいか?」
「……別に普通だが…。貴様、やっぱ変な薬だったのか!」
「知らねーよ、シャンプーが持って来たんだよ。多分…妖しい薬かも……。
でも至って普通ならやっぱただの飴だったのかも?」

そう言われると良牙の様子は何処も変わり無い。
長い年月の所為でその効果が切れてしまったのでは…。
乱馬に飲ませた場合、落胆する程度では終わらなさそうだったが、
良牙が飲んだ事によって、効果が表れなくて心底良かったと、シャンプーは胸を撫で下ろした。

「…飴玉美味かったあるか?新製品にしておくね」

乱馬に飲ませられなかった事が少し悔しいが、仕方が無い。
先程まで泣いていたのが、嘘だったかのようにシャンプーはその場を後にした。


「やっぱり、いないな」

家へ戻って来たシャンプーが目にしたのは、静まり返り薄暗くなった部屋だった。
昼間言っていた通り、コロンの姿は何処にも無い。
チャブ台の上にはコロンが作ったであろう、
丁寧にラップされたチャーハンが、二人分用意してある。
気を効かしてシャンプーと乱馬の分を作ったのであろうが、その必要は無さそうだ。

シャンプーは溜め息を吐くと、居間の畳の上へ横になった。

(はぁ…折角の計画が失敗したね…。
ひいばあちゃんもいないし、暇だな。
……それにしてもあの飴、本当に効果が切れてたのか…?)

深く考えてみると、効果が切れてきたのでは無くて、後から表れてくるかも知れない。
本当は心の何処かで分かっていたのだが、認めたくなくて
効果が切れていたと決め付けていた気がする。
考えれば考える程恐ろしくなって来て、シャンプーは急いで戸締りをした。

(……もし、良牙が来たら…私は終わりあるね…)

玄関も裏口もしっかりと鍵を掛けたが、相手は良牙だ。
人間離れした技を持っている上に、力では到底敵わないであろう。

念には念を。
シャンプーは自分の側に水を入れたバケツと包丁を置いておいた。

その後シャンプーはチャーハンを食べ、風呂に入ると、呑気にテレビを見、すっかりくつろいでいた。
良牙の事も楼淫飴の事もすっかり脳裏からは消え失せており、眠そうにあくびをする。
時計に目をやると22時を過ぎていた。

(ひいばあちゃん、朝まで帰って来ないつもりあるね。
本当なら今は乱馬と……。
まぁ、飴の効果が切れてたからどうせ何にも起こらなかったね…)

側にあった座布団を取り、横になりながらテレビを見た。
もうすっかり楼淫飴の効果が切れていたとシャンプーは思っていた。


「ん…」

どうやら、横になっているうちに転寝していたようだ。
不図、時計に目をやると0時近い、随分長い事寝ていたようだ。

「あれ…?私毛布なんてかけたか?」

身体を起こすと、毛布が掛かっていた事に気付くが、かけた覚えは無い。
コロンが帰って来たのかと思い、部屋見渡すが姿は無かった。
その時、風呂場から物音がした。

「ひいばあちゃん!風呂に―――」

思わず目を見開く。
後に続く筈の言葉が出てこなかった。
そこにいたのは、コロンでは無く良牙だったからだ。

「あ…ごめん、勝手に風呂借りたぜ」

他人の家に勝手に入り込み、風呂にまで入り、
明らかに異常な行動を取っているのに平然としている良牙。

「あぁ、毛布。寒そうだから掛けておいたぞ。
あと、水と包丁…。危ねえから捨てといた」

濡れた髪をタオルで拭きながら、
まるで彼氏のように振舞う良牙を見て、シャンプーの頭には楼淫飴の効果が浮かんだ。
しかも良牙の姿はというと、風呂上りの為下着とシャツのみ。
一歩一歩近づく良牙に、言いようも無い恐怖を感じ、シャンプーの背筋はぞっくとなる。

コロンの言葉が頭の中で狂ったように回っていた。
――身体の交わりを求めて来よる。それも恐ろしいくらいにな――


「…りょ、良牙…どうやって入った?」

やっと出た声は情けない程震えていた。

「え?…裏口からだけど?
シャンプー、鍵かけとくのはいいけど、脆くなってたぜ」

本当に脆くなっていたのだろうか、夕方閉めた時は至って普通であった。
恐らく、良牙が力任せに開けたのだろう。

「…っ…帰るね!近寄るな…!」

今にも逃げたしたいくらいだが、何故か身体が硬直していて立ち上がる事が出来ない。
シャンプーは大声で叫んだつもりだったが、出た声は蚊の鳴くような小声であった。

「何怯えてるんだよ?
………つーか、本当はあの変な飴、乱馬に飲ますつもりだったんだろ?」
「…なっ…何言ってるか…覚えてる…のか…?」

どうやら、良牙の記憶は正常らしい。
我を失って狂ったように豹変しているかと思っていたシャンプーは少し安堵した。

「そ、それなら話しは早いね!乱馬に飲ますつもりが間違って良牙に飲ませてしまったね!
だから――、これは事故ある!早く忘れて―――」

「おい、事故はねぇだろ?…じゃあ飲まされた俺はどうなる?
俺の気持ちは―――、薬か何か知らんが……好きなんだ…お前が…」

シャンプーの言葉を遮って、良牙がいきなり告白をして来た。

「な、何言ってるあるか!お前は今、楼淫飴の所為でおかしくなってるね!
しかもお前の好きな人は茜だった筈…!目を冷ますね…!!」
「そんなの知らねぇ…!もう無理だ…我慢出来ないんだ…!」

気付けば、良牙に組み敷かれていた。
目と目が合う。どうやら良牙は本気らしい。
真剣な眼差しでシャンプーを見据えており、強く握られた両腕は徐々に痛みを増して行った。


「りょ、良牙……!!お願いある!離すね!
嫌……いや…こんなの嫌だ…!お願い…怖い……」

普段強気な少女は、今は只のか弱い女に成り下がってしまった。
目の前の良牙が酷く恐ろしいのと同時に、
自分の失敗が招いた現実だという事が余計にシャンプーを追い込んで行く。

「…良牙は…好きじゃないね…!…違う…助けて…乱馬!…」

どんなに嗚咽を漏らしても泣いても、身体に力が入らない。
初めて体験する恐怖に身が震えるだけであった。
しかし、乱馬の名前を出したのが良くなかったのか、良牙の癇癪が更に増す。

「乱馬の名前なんて出すんじゃねぇよ!
薬の所為か何だか知らんが、ずっと我慢してたんだ…!
お前だって俺にあの飴飲ませたからには責任があるだろ!
……乱馬に飲ます筈だったか何だか知らねぇが、お前だって俺の事好きじゃなかったのか!」

「な、な、何言ってるか…、お前の事なんて好きじゃないね…!」

良牙の言っている事が意味不明であった。
今のシャンプーには理解出来ないでいたが、全て楼淫飴の効果の所為である。
あの飴はコロンが言ったように、無理に飲ませ相手をその気にさせる薬だ。
飲まされた女は当然のように、男が自分の事を好いて飲ませたものだと思うのだ。

良牙が言っているのは、シャンプーが良牙の事を好きだから飴を飲ませた、という事だ。
いくら乱馬に飲ませる筈だったと分かっていても、
飴の効果は絶大で、そう思い込むようにインプットされていた。

それに、この飴の恐ろしいところは、元々子孫繁栄の為の代物。
楼淫飴を飲んだのが男の良牙であっても、それは同じであった。

「…どうでも良いけど…離すね…!あかねに…ちくっても良いのか…?」
「あかねさん…?何を勘違いしてるのか知らんが、あかねさんなんぞどうでも良い…。
シャンプー…何で俺の気持ち分かってくれないんだ!」
「言ってる事が意味不明ある!」

楼淫飴はどうやら複雑でややこしい代物らしい。
飲まされる前の記憶が残っているからか、シャンプーは良牙の内心が余計分からないでいた。
良牙自身も飴の効果だと分かっている筈なのに、それに抗う事は出来ずにいる。
今までずっとシャンプーが好きだったと思い込んでいるが、
シャンプーが良牙を拒む為、良牙は余計混乱してしまうのだ。

「悪いが…もう遊びは終わりだ…」

一頻り言い合った後、良牙の声が急に低くなる。
すっと冷たい空気が流れたような気がした。


「やっ…何するか!?」

シャンプーの上に馬乗りになった良牙は彼女の服を引き千切った。
ビリビリと布が破れる音が妙にリアルで、余計恐怖を煽るのは勿論、
尋常で無い良牙の顔が酷く恐ろしく見える。
血走った瞳と荒い吐息。
まるで何かが取り憑いたように人が変わった良牙は獣の如く獰猛だった。

裂いた服の下から露になる女の美しい肌。
シャンプーは恥辱に頬を染めると、必死に隠そうと腕をもがいた。

「み、見るな…!」

普段は覇気のあるシャンプーの声も今では切ないくらいに震えている。
恐怖に震えている……そう考えると良牙の苛虐心が一気に煽られた。

女の力など、男の力の前では赤子同然。
どれだけシャンプーが体を捩られても良牙に敵う筈が無かった。

良牙は露になったシャンプーの乳房を強く握ると、力任せに揉みしだいて行く。
余りの痛さに腰が浮きそうになるが、良牙の体重で抑えられており。
その変わりに呻き声が漏れるだけだった。

「あぁ…っ……んっ…痛いっ…!」

乳房の柔らかい肉の感触に良牙は益々興奮し、
威きり立った状態でそのままシャンプーの下半身へと手を伸ばした。
背筋にゾクゾクと悪寒が走り、良牙は再び衣服を引き千切ると、
固く閉じられているシャンプーの両足を強く掴んだ。

余りの事の速さにシャンプーーの思考は付いて行けない。
これも飴の効果なのだろうか…?
見事に慣れた手付きである、と言えば明確だろうが、関心してる暇は無い。

「ひゃっ…あぁ――っ…やっ、やっ……あぁっ」

陰部に生暖かい唾液の感触とザラリとした舌の感触が伝わり、
電流が走ったような痺れる快感が一気に足の先にまで流れた。


衣服が中途半端に破れたシャンプーの体は
恐ろしく美艶でそれでいて淫猥であり、
良牙は彼女の陰部に舌を突き立て、わざと音を立てながら愛撫した。

ぴちゃ、ぴちゃと卑猥な水音が更なる恥辱と屈辱感をシャンプーに与え、
耳を塞ぎたくなる衝動に駆られるが、それより先に我慢出来ない声が漏れ出る。
耐え切れなくなり口を抑えようとした時、良牙に腕を掴まれた。

「気持ちいいんだろ?我慢するなよ」
「う…いやっ…いやぁぁ――」

良牙の口角が僅かに上がった刹那、鋭い痛みが陰部に走る。
十分に濡れそぼっていない膣内に抉るように侵入を果たした
良牙の陰茎は奥深くまで届き、痛みだけが体を貫いた。

「シャンプー…好きだ…」

おかしい、何かおかしい。
良牙の言葉と行動は矛盾している。

「うぅ…んっ…あぁ…はっ…ぅ…」

喘ぎか呻き、どちらとも付かぬ声で鳴き続けるシャンプー。
そんな彼女の様子を諭してか、お構いなしに腰を深く打ち付け、
狭く締め付けるシャンプーの膣内を良牙は味わった。

狂ったように腰を打ち付け、息を乱す男はやはりあの良牙では無く。
シャンプーの白い肌には幾つもの赤い痣と、良牙の歯形が刻まれていた。
いかにも陵辱されたその無残な姿に、良牙は更に牙を向く。
もっと穢してやりたいという残虐な念が産まれ、
細い彼女の首筋に歯を立てると、そのまま舌を滑らし乳首を噛んだ。

「…あぁっ――いやっ…いやっ…乱馬…!」

既に思考がまともでは無くなりつつあるシャンプーは、無意識に愛しい男の名を呼ぶ。
その声が勘に障ったのか、良牙は一層激しく腰を突き上げると
強い快楽と共に彼女の体内に欲を吐き出した。

ドクドクと血液が脈打つような感覚がシャンプーに伝わり、
酷く熱い体内に何が注ぎ込まれたのが分かる。
酷い痛みに耐え切れず、シャンプーはそのまま気を失った。


「………ん……。え?え!?えぇぇぇ!!??」

先に目を冷ましたのは良牙の方だった。
楼淫飴の効果はすっかり消えたが、記憶まで奪わないこのややこしい代物。
先程の光景は良牙の脳裏にくっきりと刻み込まれていた。

隣に目をやると無残なシャンプーの姿がある。
衣服は半分引き裂かれ、太腿には自ら出した白濁と破瓜の血が混じり垂れていた。

「……お、俺はなんて事をしたんだぁぁ!!」

今さっき自分が犯した罪だとまざまざと見せ付けられているようだ。
幻なんかでも無く、夢でも無く、これはれっきとした現実だ。
こめかみに冷や汗が流れた。

「ぅ…ん…」

シャンプーがゆっくりと目を開ける。
良牙の鼓動は爆発しそうな程早く鳴っていた。

「……あれ…?私?どしたあるか………良牙?」

まだ意識がはっきりしないのか、
朧気な表情でシャンプーは横たえていた体を起こした。
目が露出した肌に行ってしまう。
情事後の女は余りに妖艶で、良牙はつい魅入ってしまった。
先程まで自分が抱いていたと思うと余計に卑猥な考えが過ぎり、
鼻血が出そうになるのを良牙は必死で堪える。

「あの……すまん!!許してくれ!!」

そして、良牙は深々と頭を垂れた。


「……別にお前は悪く無いね」

殴られると思ったが、意外なシャンプーの言葉に良牙は顔を上げた。
彼女の表情は普段と違い、覇気が感じられない。
目を伏せたままの虚ろな表情、
か弱い少女のような弱々しいシャンプーに良牙は胸が締め付けられる。

「私が悪かたね、楼淫飴なんか使って乱馬を騙そうとした罰ね。
こんな飴使てもどうせ…乱馬に愛され無いのに…。
偽りだと分かてるのに…。私、ほんと馬鹿だな……」
「ち、違う!シャンプーの所為じゃない…!俺が……」
「……」
「飴か何だか知らねぇが…俺が悪いんだ!
その……無理矢理なんて…。本当すまん…。
……だから…頼む……泣かないでくれ……」

それからシャンプーは気が済むまで良牙の胸で泣き続けた。
こんな弱いシャンプーを見たのは初めてで、良牙の心に焦げるような衝動が湧く。
もしかしたら…この女、嫌いじゃ無いかも…でも好きとは違うような…。

「もう、平気ね。
格好悪いとこ見せたあるな」

心身共に傷ついている筈なのに、彼女の表情は既に凛としていた。
弱いのに強がっている。否、弱さを隠している。その方が合う。

「………私、お前の事…嫌いじゃ無いね…」
「え…?」

ボソっと呟いたシャンプーの声ははっきりと聞き取れていたが、
惚けた振りをして良牙は聞き返した。

「な、何でも無い!…もう用は済んだからささと帰るよろし!」

普段と変わらぬ棘のある彼女の言葉は何処か恥ずかしそうで。
頬まで真っ赤に染め上げたシャンプーが心底可愛いと思った瞬間であった。



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