著者 : こんなんどうすかー 氏

その4 ー >>091
開始:06/05/08
最終:06/05/21
その4 − >>136

【 無 題


「ふふふふ・・・つ、ついに手に入れたぞ」
ドキドキしながら、らんまは自分宛に届いた小包を開ける。
「こ、これが女のオナニー器具か・・・」
男のときに感じる急激に訪れる快感とは違い、
緩やかに、静かに上り詰め、ある時を境に耐えられない程の快感が訪れる女の体にらんまは夢中だった。
いけないこととは知りつつも、男の興味と女の快感が理性を狂わせる。
ピンク色をした、カプセルのような小さいローターを手に取りスイッチを入れてみる。
携帯のマナーモードのような振動がひたすら続く。
「・・・・お、俺は超えてはいけない一線を越えてしまうのか・・・」
一瞬躊躇したが、興味には勝てなかった。
いつも履いている短パンの中に手を突っ込むと、クリトリスに軽く当ててみる。
「あんっ!」
思わず声が漏れた。
「や、やばい、な、何だこれは・・・」
今まで感じたことがない刺激にらんまは驚いた。


「・・・・・・・ぅくぅぅ・・あぁぁん・・」
我慢しているのに声が漏れる。
今まで感じたことのない快感が全身を覆い頭の中が白くなる。
強烈な全身を覆いつくす快感が大きな波となって定期的に訪れ
その頂点に達するとき一瞬気を失うのではないかと思えるような
ひときわ強く深い快感が全身を駆け巡る。
何度か頂点を味わい満足感が全身を包み込むと急に眠気が襲ってきた。
「・・・・・ううぅ・・センズリなんてもう出来ねー・・・」
男のときとは余りにかけ離れた強い快感を忘れることはできないだろう。
元々男のらんまは女の体に興味があるので、自分自身の置かれた状況に興奮し、
感情とあいまって快感も恐ろしいほど強烈に強く深く全身を包み込むのだ。

「こりゃヤバイぞ、あんまり女の姿でいると本当に女になっちまうよ」
らんまは小さなローターをきれいに拭くと、鍵付きの引き出しに仕舞い込んだ。
男で16歳といえば一番性欲が強い時期である。
1週間もオナニーをしなければ夢精をしてしまうだろう。
そんな状態の男が女に変身できるなら誰でも女でオナニーをするだろう。
高校の同級生も女に変身できる体質が羨ましくて仕方がないらしい。
「ふう、そろそろ男に戻るか」
らんまは台所に向かうと給湯器のお湯を頭からかぶった。
「・・・・・ん?」
何か変だ。いつもなら胸がキューっと萎んで股間にもっこり感を覚えるのに今日はそれがない。
「あれ、なんで女のままなんだ???」
頭にお湯をかければ男にいつもは戻れたのだが今日は戻れない。
慌てて風呂に駆け込むとシャワーで全身にお湯をかけた。
「あれ?男に戻らなねぇ」
何でだ?いつもならお湯をかければたちどころに男に戻ると言うのに・・・
「ま、まさかあのオナニーが原因?」
確かに今日は凄かった。女でイクというのを初めて経験した。
恐ろしいほどの快感が全身を包み込んだあの感覚は忘れることができないだろう。
「うう、やべえええ」
とんでもないことをしでかしたと後悔したが後の祭りである。
「ど、どうしよう」

暫く呆然と風呂場に立っていたが諦めて体を拭くと外に出た。


「・・・しかし何で男にもどらねぇんだよ」
オナニーしたから?そんな馬鹿な・・・
女でイクという感覚は今日初めて感じた。
それが変身と何の関係があると言うのだ?
理解出来ない。もし男に戻れなかったらどうする?
「た、確かに女だとオナニーは気持ちが良いし、屋台の親父は割引してくれるし、男は奢ってくれるし・・・」
そう考えてはみたが、元が男である以上無理があるのだ。
1日以上女でいる時はある。しかし、女というのは何かと不便なのだ。
長時間外出しなくては行けない時に雨が降っていると、女になって取り合えず下着も女物に変えてナプキンも持っていく事にしている。
これは最初抵抗があった。最初はトランクスにチャイナ服、且つノーブラだったが、女で長時間いると色々と弊害が出る。
胸がまず摺れて痛い。本当にたまらない。後、下半身がこれまた困ったことにオリモノとかが出てくるのだ。
タイミングが悪いと、なんと生理になるときもある。これだけは本当困った。慌ててトイレに駆け込んで事なきを得たこともある。

「うう、面倒くさい、駄目だ、嫌だ、俺が女固定だと・・・レズかよ・・・」
考えるだけでうんざりする。男は気楽なのだ。裸を見られても、パンツを見られても何も感じない。
立ちションも出来る。女のトイレはいつも凄い人だかり。
昔あかねと人気アーティストのライブに女の姿で行ったことがあるが、このときトイレの待ち時間なんと30分!
あの時ほど男の小便器が恨めしく思えたことは忘れない。
あかねに男子トイレで女のまま立ちションしてくるって言ったら思いっきり殴られた覚えがある。
まあ、なんだかんだ言っても、普通に生活する分にはパンダや豚に変身するわけでもないのでそこまで支障は出ない。

「はぁ・・・悩んでも仕方ねえか・・・」
取り合えずらんまは居間に行くと寝転がってテレビをつける。今日は土曜の昼下がり。
あかねやなびきは友達と買い物に出かけ、かすみはデパートに行くと言っていた。
親父たちは、近所の寄り合いが何とかって言って朝からいない。
「ふぁーぁ、つまらないTVだなあ・・・一人じゃなんにもやることないな」
ふと財布に目をやると、今日から公開される映画の前売りチケットが飛び出しているのが目に飛び込んできた。
これはあかねと二人で見に行く予定で買っていたものだが、気も紛らわせたかったし映画に行くことにした。
一応女なのでそれなりに準備をする。下着だけ女物を付け、服は女のときの身長に合わせたチャイナ服に着替えた。
下着は八宝菜のジジイがいるので問題なく手に入るのだが、自分も間接的に犯罪にかかわっていることになるのだろうか?
「さて、なびきの真似をして鴨を連れて奢らせないと・・・・」
携帯から久能の電話番号を見つけると早速電話を掛ける。
2回ほどコール音が鳴ると久能が電話に出た。
「おお、お下げの女、お前から電話してくれるとはうれしいぞ」
相変わらずのリアクションだ。
「あ、センパイ、今日公開の例の映画、センパイの『奢り』で見に行きませんか?」
「おおぉぉぉぉ・・・お下げの女。奢るぞ!おごるぞぉぉぉぉ、・・・」
「・・・・・・じゃ、じゃあ、駅前の映画館で待ち合わせましょう」
「分かった今すぐいくぞぉぉぉぉ・・・」
久能がしゃべり終わる前に電話を切る。
「相変わらずのバカだな、、、、既に俺に10万くらい貢いでるよ」
らんまは女を悪用して欲しいものは久能に買わせていたのだ。校長のボンボン息子なんで奢らしたところで罪悪感はない。
女に変身できるようになってから長いこと経つので最近は女を演じるのもうまくなって来た。
「さて出かけるかな」
らんまは駅前に向かって歩き出した。


「さて、映画館は・・・あそこだな」
駅前は土曜ということで活気に満ち溢れている。
女で街に繰り出すと男のときと全く違う店に行きたくなる。この感覚は自分でも分からない不思議なものだ。
男のときはスポーツ用品店、昼飯を軽く食べるならラーマン屋などに行きたくなるのに
女で来るとアクセサリーショップに洋品店、喫茶店でケーキを食べたくなる。
男の時には興味がないように振舞っていても、実は興味があり、女を利用しているだけなのかとも思ってみたが、
男の時には全くと言っていいほどアクセサリーなんかに興味はわかない。でも女だと確かにネックレスなどを身につけたくなる。
「うーん、このまま女だとなんかやばそう・・・・」
余り深く考えても仕方がないし気が滅入るので考えないことにした。今日は九能の奢りで映画を見に来たのだ。
しかし、男のときはあれほど嫌いだった九能も、女でデートをすると真面目でやさしい男なのだ。
女に変身できるようになってから長い。当然逆ナンしてその辺の男に奢ってもらった事もある。
自分も男なので男の下心は分かるが、兎に角男と言うのは何かあればホテルに行こうとする。
もうバレバレな態度でうんざりだ。当然適当にあしらっていつも逃げるが、九能は奥手でそういったことがない。
まあ、別れのキスだとかくだらないことは良く言うのだが、それ以上を求めることもなく、比較的安心できる奴である。
兎に角金持ちのボンボン息子で高校生の癖に財布の中には1万円札がいつもギッシリ詰まっているので金づるとしては最適だ。

映画館に着くと九能は既に来ていた。いかにも高そうなスーツを着ている。高校生の癖にだ。
どこかの社長が着るような高価なスーツで如何にも金持ちのボンボン息子といった雰囲気が漂う。
「あ、センパイ、おひさー」
「おお、お下げの女、待ちくたびれたぞ、しかし残念なことに席が次の上映まで埋まってしまっているぞ」
次回の上映は午後7時からとなっている。九能は7時のチケットを2枚既に買っていた。
「7時からかあ・・・・・どうしようかなあ・・・」
暇つぶしで映画に来たが、別に九能とデートをしたいわけではない。
「今日は止めようかセンパイ、また今度にしようよ、今日夕方から用事が・・・・」
とらんまが言いかけたとき、
「何を言うか、お下げの女、この九能帯刀 お前とのデートのためにデートコースを作ってきたのだぞ」
そういうと、映画館の向かいにある小奇麗な喫茶店にらんまの手を引いて向かった。
「ちょ、ちょっとセンパイ、今日夕方から用事が・・・」
九能はらんまの言うことなど聞かず、そのまま喫茶店にらんまの手を引いて入った。
エキゾチックな店内はなにやら怪しげな雰囲気を醸し出している。
「せ、センパイ、このお店は?」
「ふふふふ、今日のために貸しきっておいたのだ、この九能とお下げの女、二人だけの空間だ」
・・・何かいつもと九能が違う、得体の知れない恐怖感がらんまの背筋を凍りつかせる。
「い、いや、今日は遠慮・・・・」
「何をいうか、お下げの女。付き合いだしてから既に1年近い。しかし、男と女でありながら何にもないというのは詰まらんものよ」
な、何を言っているんだ、こいつは。いくら奥手でもこいつも男だ、うかつだった。
「付き合い出してから1年って・・・まだ友達だろ?」
震える声でらんまは九能に言う。
「今日は友達から一歩進んだ関係になるのさ、お下げの女よ」
と九能は言うと、1本の黒いバラをらんまの顔に近づけた。
甘い不思議な香りに包まれるとらんまの意識は急に朦朧としだした。
「な、何を俺にしたん・・・だ・・・・」
遠のく意識の中で九能の腕に抱きかかえられている自分をかろうじて認識出来たがそれも長くは続かなかった。


九能は意識のなくなったらんまを奥の部屋に連れて行き、備え付けてあるベットへ寝かせた。
黒いバラは小太刀の部屋にあった『惚れ薬』と『SEXが10倍気持ちよくなる秘薬』という小瓶に入った液体を

振りかけてきたものだった。
惚れ薬は兎も角、SEXが10倍気持ちよくなる秘薬が高校1年の妹の部屋にあること事態、何かこうやるせない

ものを感じたが、
あの変体の妹のことだ、何が出てきても今更驚く気にもならなかったし、妹の妙な薬のお陰で、現に今こう

して長年の夢が適おうとしているのだ。
気を失っているお下げの女をじっと見つめていたが、流石に意識のない状態でそのような行為はできず、意

識が戻るまでコーヒーでも飲もうと喫茶店のカウンターに行くことにした。

〜〜〜〜〜〜〜

「・・・・こ、ここは・・・」
らんまは自分がベットの上に寝かされていることに気がつき大慌てで飛び起きると着衣の乱れを確認した。
しかし、乱れはなく何かされたような形跡はなかった。
「九能の野郎、、、一体何が目的なんだ?」
ベットから立ち上がると周りを見渡した。
先ほどの喫茶店の中と用意に創造できる、エキゾチックな内装と置物が各所においてある。
と、突然奥の扉が開き、九能がトレイの上にコーヒーをのせて部屋に入ってきた。
「おお、気がついたか、お下げの女」
トレイを近くの小さな丸テーブルにのせ椅子に腰掛けた。
「おい、九能、おまえ・・・・な・・・何が・・・・も・・・・・・・」
らんまは九能を見るとすぐ食ってかかったが、急に心臓がバクバクとして、変な気持ちになり、途中からし

ゃべれなくなってしまった。
「お下げの女、まだ寝ていた方が良いぞ」
九能はらんまを支えようと、肩に手を回した。
「きゃあ・・・」
らんまが小さく悲鳴を上げる。九能にさわられた瞬間、急に体が熱くなり更に心拍数が上がるのが感じ取れ
た。


「せ、センパイ、一体俺に何を・・・・」
「ああ、お下げの女よ、、、もう付き合い始めてもうすぐ1年だ。そろそろお互い次のステップに進んでも

良いと思ってな」
「いや、俺とセンパイは友達じゃあ・・・それにセンパイ、俺の本名知らないじゃない」
「何を言うか、お下げの女、この九能、お下げの女の本名はあえて言わなかっただけだぞ。名前を呼ぶとど

うしても憎たらしい男を思い出してしまうからな」
・・・何?こいつは俺の正体に気がついているのか?そんな馬鹿な・・・さては俺が今まで弄んだ仕返しな

のか・・・
「じゃあ、俺の正体を・・・」
「もう1年近く前になるが、格闘新体操をやっている妹と戦ったことがあるだろう、そのときに、早乙女ら

んまと名乗っていたではないか・・・しかし、俺の嫌いな男と同姓同名だったんだよ・・だからあえてお下

げの女と呼んでいた。これからもこれは変える気はないぞ」
「・・・そ、そうなの・・・」
ほっとした様な、しかし名前で呼んでくれないと言われたことが悲しくも感じたが、なぜそのように思うの

か分からなかった。
「せ、センパイ、ちょっと待って、心の準備が・・・」
「お下げの女、そんなこともあろうかと思って・・・・」
と九能は先の薬について説明を始めた。当然惚れ薬については内緒で、SEXが気持ちよくなる薬についてのみ

説明をした。本来薬について説明なんかしたら、逆に怒って帰ってしまうものだが、それは惚れ薬の効き目

が抑え込み、興味が助長される結果となった。
「・・・・10倍・・・・・・」
なんと、あのオナニーより更に10倍も気持ちが良いのか・・・
流石にこれは興味を引かれる。男に抱かれる、しかも九能にだ。しかし今はそんなことはどうでも良くなり

、九能に抱かれたくて仕方の無い自分がそこに居た。SEXが10倍気持ちが良いといっても、目の前に居るのは

九能だ、しかし、なぜか九能を見ていると心が躍り高ぶる。抑えきれない自分の気持ちと性への興味からも

はや我慢の限界に達していた。
「せ、センパイ、良いよ」
自分でも信じられない返答に内心驚いたが、もはや高ぶる気持ちを押さえ込むことは不可能だった。
「う、うれしいぞぉぉぉぉ・・・・お下げの女、これでこの九能帯刀と一身同体だな」
九能は、ゆっくりとらんまの服を脱がすと優しく愛撫をはじめた。


九能の手が胸からゆっくりと下へ移動する。
らんまは九能に触れられるだけで幸せと感じた。なぜそのような気持ちになるのか全く理解が出来なかったが、今更そんなことはどうでも良くなっていた。
九能の顔が近づき唇を奪われ、舌を絡ませてくる。
興奮の高まりに心拍数が上がり、妙な心地よさに包まれる。
頭の中は何も考えられず、今この瞬間の行為に酔いしれた。
どれくらいの時間が流れたのだろうか、ふと気がつくと九能が喋りかけてくる。
「お下げの女、そろそろ本番いくぞ・・・」
「・・・・・・」
その意味が何を指しているのか分かった。ついに超えてはいけない一線を越えるときが来るのだ。しかし、もはやその行為に酔いしれ、抵抗など出来るはずも無く小さく頷くと目を閉じた。
何か下腹部に大きな塊を感じたと同時に鈍い痛みを感じたが、直ぐにその痛みはかき消され強烈な快感となってらんまを襲ってきた。
薬の効き目なのか分からないが、今までに感じたことの無い強烈で深い快感が大きな波となって押し寄せる。九能の腰の動きに合わせて小さく喘ぎ声が漏れ、その声にまた自分自身が興奮するのだ。
「お下げの女、どうだ?」
九能が何か問いかけているが、頭の中が真っ白で口をモグモグさせるばかりで声にならない。
「あ、あん、、あああぁぁぁ・・・」
答えたつもりがただの喘ぎ声となり消えていく。
あまりの快感の強さに意識が遠のくのを感じる。その快感は決して衰えることは無く、九能の動きが激しくなるほど、更に強まり、気が変になりそうになった。
体は仰け反り、既に快感の絶頂以上の高みに上り詰めたらんまは息が出来ないほどの状態になった。
「あ、ああん・・・も、・・・もう・・・げ、げ・・・ん・・・ああん」
九能はそんならんまの状態を見ると更に腰を激しく動かしフィニッシュの体制に入った。
「きゃあ、ああん ・・・ん・・ん・・がが・・・ん」
体の中で大きく膨らむペニスを感じると凄まじいほどの快感が全身を駆け抜ける。
「うっ!!」
九能は慌ててらんまからペニスを引き抜くと精液を外に放出した。
ぐったりとして、全く動かないらんま。
死んでしまったのかと思うほどぐにゃりと力なく横たわる。


「ふう・・・」
九能は力なく横たわるらんまの隣にごろんと寝転がった。
長年の夢がついに適った瞬間だった。お下げの女の処女を奪ったという満足感が沸き起こる。
「これでお下げの女は俺のものだ・・・」
達成感から眠気が襲ってくる。時計を見るとまだ4時過ぎで映画まで時間はある。
「少し寝るか・・・」
九能はらんまの頭を胸に抱くと深い眠りについた。

〜〜〜〜〜

「・・・ん、んん・・・」
ふと気がつくと九脳の胸の中で眠っていた。
慌てて飛び起きる。何がおきたのか理解できなかった。
「お、俺はこいつと何を・・・・・」
体には何もつけておらず、下半身に疼くような痛みを感じた。
手で軽く触って見ると、ねっとりとした液体に血が混ざっているのが確認できた。
「げ!!ううう。まさか俺はこいつと・・・」
黒いバラの香りを嗅いだ後からの記憶が曖昧だ。
夢の中で強烈な快感に酔いしれている自分を感じていたが、その夢というのは、九能に抱かれていたときだと知って衝撃を受けた。
隣で寝ている裸の九能を叩き起こす。
「おい、九能」
思い切り頭を殴られ飛び起きた九能に空かさずらんまのパンチが顔面に飛ぶ。
「な、何をするんだお下げの女」
突然の豹変に何がおきたのか理解できていない様子だ。
「センパイ、俺に変な薬でイヤラシイことしただろ?なんで俺が裸で寝ているんだ?」
「何を言うかお下げの女、自ら求めて来たではないか?」
「ちょっと待て、お前俺に黒バラの香りを・・・」
そこまで言うと、悲しくなって涙が出てきた。男を弄んだ罰といえば罰かも知れない。
九能に勘違いをさせる行為を繰り返していたのも自分自身だ。九能は今回何かの薬を使ったかも知れないが、奥手ゆえに薬の力を頼ったともいえる。
こいつはこれだけ携帯電話が普及しているのに、交換日記をしようとか言い出す純情な奴なんだよな。
「センパイ・・・今日のことは内緒だよ」
それだけ言うとノロノロと服を着ると丸テーブルに備え付けてある椅子に腰掛ける。
「お下げの女・・・黒バラのことは悪かった、この九能、男のプライドに掛けてSEXで女性を満足させるためにあの薬を・・・」
今まで感じたことの無い強烈な快感はこいつの薬のせいだったのか・・・
しかし、余計なことを九能はしてくれたものだ。
あの快感は決して忘れることが出来ない。半分中毒になりそうなくらいだ。
「はあ、もういいよ。ほら映画始まっちまうぞ。もう6時50分だ」
「分かった。」
らんまはあの快感をもう一度味わいたいとそのとき思ったが、それは口に出さず貸切の喫茶店を後にした。





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