著者 : 分岐点 氏

その1 ー >>527
開始:03/10/06
最終:03/10/11
その1 − >>601

【 分岐点 (第2部 41-99 序・破・急)


朝餉の香りが漂う台所へ、あかねは普段を装って声をかけた。
「お早う、かすみお姉ちゃん」
味噌汁を配していたかすみは、手をとめた。
「お早う。昨日は寝るの早かったわね。私たちが帰ったの気づかなかった?」
かすみの他意のない優しいソプラノが、あかねに冷や汗をかかせる。
「う、うん。」
「よっぽど疲れてたの?平気?」
顔に火がつきそうだったが、かろうじて堪える。
「うん・・・大丈夫」

このやりとりの相手が、かすみでよかった、と、あかねは胸をなでおろした。
「ね、お姉ちゃん、ワセリンどこだっけ?」
「ワセリン・・・薬箱になかった?どうしたの?あかねちゃん」
「・・・唇が荒れちゃって、
リップクリームも使い切っちゃったから、代わりに」
「あら、可哀想に。そうねえ・・・」
かすみは朝食の支度の手をとめて、居間のなびきに声をかけた。
「なびきちゃん、ワセリン持ってる?あかねちゃんが探しているの」
「ワセリン?」


なびきが台所の二人に近づいた。
「持ってるけど。あんた、ワセリンなんてどうすんの?」
勘の良いなびきを前に、あかねは冷や汗をかく。
「唇が荒れちゃったんですって。じゃ持ってきてあげてね」
代わりにかすみが答え、あかねは、ほっとした。
ふうん、と、なびきはあかねに問う。

「冬でもないのに?」
「・・・う・ん。あ!おねえちゃん達、昨日のコンサートどうだった?
随分遅かったのね」

ぴくり、と、かすみの手が止まったが、あかねは気づかない。
なびきは、にこりと笑って聞こえよがしに言う。
「とっ・・・・っても、素敵だったわよ。ねえ、かすみお姉ちゃん!」
「ええ」
後ろを向いたまま、かすみは短く返事する。それを横目に、
なびきは、ふふ、と笑う。あかねは、このまま上手く話をそらさなければ、
と少し焦る。いつもと変わらぬ朝の風景の中で実は、
3人の女の思惑が、それぞれの胸だけに仕舞い込まわれている。


「いいなあ、クラシックかぁ。なんか大人の世界って感じ。
あたしも行きたかったなぁ。何の演奏?」
「マーラーよ。って、あんたクラシック判るの?」
「う」
「お勉強しなさいよ、あかね。武道や乱馬クンに夢中になるのもいいけど、
婦女子たるもの教養は大事よ」
「!な・何言って・・・もう!お姉ちゃん!!」

アハハ、とからかいながら、なびきは階段を上る。
「ワセリン取ってくる。ちょっと待ってて」
依然、背中のままのかすみは、いつもどおりのリズムを打つ。
あかねは箸や椀を取り揃えていく。なびきが台所を出ることで、
かすみもあかねも、実は小さく安堵していた事を互いに気づかなかった。

突然あかねは、はっとして慌ててなびきの後を追う。
凄い勢いで階段のなびきを追い越していく。
「何?どしたの?」
「あ、ちょっと宿題の確認!!」
制服を翻して駆け上がると、勢い良くドアが閉まる音がする。
妹の荒い行動に、なびきの勘が閃く。


あかねは肩で深呼吸して安堵した。
見事に乱れたベッドシーツが、昨夜の情事を物語る。
良牙のものとも、自分のものとも判別つかない粘液の痕が、
そこここに染みを作っていた。
急いで布地を掴んで勢い良く引き剥がすと、荒く丸めて紙袋に押し込み、
卸したてのシーツをメーキングする。
(これで、よし・・・)
ふう、と息をついたとき、部屋のドアがノックもそこそこに突然開く。

「あかね、ワセリンあったわよ。」
「あ、ありがと」
「・・・」
「何?おねえちゃん」
なびきは確信した。じっと妹をみつめると、ずい、と近づく。
あかねは何故か精神的に身構える。不意に人差し指で妹の顎を上に押し上げ、
からかうように低く囁く。

「唇なんか、荒れてないじゃない」
「!」
人差し指を、更にぐっと押し上げると、あかねの髪がさらりと動く。
「ほんとは、どこが、荒れてるの?」
「お、お姉ちゃん!」
「ふふ、お・だ・い・じ・に」
制服のスカートを翻し、姉は軽やかに階段を降りる。
残された妹は、妙にどぎまぎしながらワセリンの容器を握り締めた。


今日一日過ぎるのが、遅い。いつもと同じ学校の時間なのに・・・。

制服を脱ぎながら、あかねは又、良牙の指を思い出す。
体を動かすだびに昨日の名残として、あかねのヴァギナとアヌスが
時折ちりり、と擦れるような乾いた痛みを起こす。保湿を求めている。
朝、なびきから受け取ったワセリンが机上で出番を待っていた。

Tシャツを被りながら、ふ、と気配を感じる。
同時に背後から繰り出された手刀を反射的に避け、鋭く右足を振り上げる。
ばしっ!と鈍く響いた音は、あかねの足蹴りと受け止めた、
なびきの防御だった。
「・・・延髄、狙ったわね。あかね」
「だって、おねえちゃんが最初に仕掛けたんじゃないの!」
「まあまあ、ほんの冗談よ。」
「今のは、冗談の手刀じゃなかったわよ。もう」
頬をふくらますあかねを見て、なびきは、くすりと笑う。
「ま、一応、昔取った杵柄、ってやつね」

なびきは、かすみが託した秋色の果物と氷水を、あかねの机に置いた。
「巨峰って美味しいけど、甘さがしつこくて水が欲しくなるわよね」
と、紫紺の粒を指で撫でるなびきの声を背後に、あかねは本当はひやりとしていた。
スピードも技も、衰えていない。なのに姉はどうして武道をやめたのか。
いつから自分が「道場の跡とり娘」になったのだろう。
そういえば、姉が武道をフェードアウトしていたことを、今まで気にも留めなかった。
そう思い巡らす無防備なところへ、いきなりなびきの言葉が、さくりとあかねを斬る。

「あかね、ここでセックスしたでしょ」
「!」


「何・・・言ってんの」
顔を真っ赤にしている妹をみて、姉はくすくすと意地悪な笑みを漏らす。
「だって、ほら、昨日まで敷いてたシーツ、どうしたの?」
と、なびきの長い指が、朝、替えたばかりの卸したてのシーツを指す。
「あ・れは・・・生理がきちゃって汚しちゃったから・・・」
「生理?」
やれやれ、と姉は首を竦める。
(ほんとに嘘が下手なんだから!あたしに見抜けないと思ってんのかしら)

「ふうん、生理、ね」
「・・・・ほんとよ」
「あら、生理用品のストックは変化なしだったけど?」
「!・・・き、昨日、帰りに買ったの」
「あそ」
返事を待たず、なびきが急にあかねの手を掴み、鳩尾を押し込むと、
あかねの体が意外なほど宙に浮き、どさりとベッドに落ち込んだ。
その拍子にスカートが捲れあがったのを、なびきは素早く片手で押さえ、
ひらりとあかねの両足に跨って動きを封じた。そしてあかねの肩の絶妙な
場所を片手で押さえ込む。あかねは狼狽した。

「おねえちゃん!」
「生理、きてる?」
「・・・」
真っ白な下着には、染みも挟んであるものも何もなかった。
あかねは息をはずませつつ、自分の嘘が露見するのが悔しく、黙ったままだった。
そんな強情な妹を困らせたくなる悪い癖が、なびきの中で鎌をもたげる。



「それとも今、タンポンが入ってるのかしら?確かめようか?」
「!ぃやめて!」
なびきの指が薄布の間に割り込もうとする。刹那、良牙をフラッシュバックする。
自分はどうにかなってしまったのか、とあかねは頭を振って渾身で暴れた。
途端になびきが弾かれたように明るい声で笑い出す。あかねは暫く呆けて、
は、と気づき乱れたスカートを直す。

「あはっあはははは!冗談よ。冗談!うくくくく!」
「もう!もうっ!!お姉ちゃん、嫌い!」
「うふふっ、御免御免」
指が入れられる、と怯えながらも期待した、あかねの目を見過ごさなかったなびきは、
思い返すと込み上がる可笑しさをぐっと飲み込むが、自然と肩で笑ってしまう。

可笑しさをこらえ、平謝りのなびきは、さて、と目を光らせる。
「ところで、あかね」
「何よ!」
「これ、なーんだ?」
歌うように右手を高くかざす。
がさりと音がして見覚えのある紙袋が旗のように揺れる。
「あ!どうして?」
「んふふー。近所のおばさんが届けてくれたのよ。
<あかねが今朝コインランドリーに寄る所を見たけど、全部終わっても
取りに来ないから>って」
「・・・・」
「中に、何が、入ってるのかしら?あら、シーツ!ねえ、どうして
コインランドリーに持っていくの?うちで洗えばいいじゃないよ。ね?」
「・・・・」
「しかも、生理、なんて大嘘。どゆこと?」
答えられないと判っていながら、意地悪な質問を、あっけらかんとした顔で
わざと繰り出してくる。あかねは又敗北感を味わう。いつも思い知らされるのだ。
姉には敵わない、と。


「ねえ、白状しなさいよ。恥ずかしがることないわ。初めてだったんでしょ」

かっとなってあかねは反発する。
「違うわよ!何を証拠に!」
「精液の、匂いがするわ。この部屋」
ぴしり、と、なびきの言葉が、あかねの頬を張る。

「馬鹿な子ね。終わったら窓を開けなさい。汚れるのは
 シーツだけじゃないんだから」
ふふん、と勝ち誇ったように姉が訓じているのを、
あかねは黙って聞いていた。

「ふふふ、怒ってるの?」
「・・・・」
なびきが、ずい、とあかねに迫る。耳に、なびきの息がかかる。
「ね、誰としたの?」
「・・・おねえちゃんに答える義務なんて、ないわ」
「あら、した、って認めてるの?」
「・・・・」
なびきは笑いを噛み締めるのに、我慢できなくなりそうだった。強情な子。
この子は昔からそうだった。欲しい物は素直に言えず、
妙なところで負けず嫌いで意地っ張りのあかね。


顔を真っ赤にして立ったままのあかねの横髪を、耳にかけてやる。
かわいらしいカーブが露になった。ふ、と息をふきかける。だが、あかねは
一瞥をなびきに投げただけで、つん、とそっぽを向く。構わずなびきは低く囁く。
「あかねの、負けよ。降参しなさい」
怒気を帯びてこちらを向くあかねの目の前に、一枚の紙が突き出された。
「これ、なーんだ?PART2」
「っ!!!」

そこには、荒い画像ではあったがモノクロの、あかねと良牙の
繋がった姿が映し出されていた。ふたりの荒い息遣いと喘ぎと粘液の淫音が、
見事に切り取られていた。
「か、返して!」
「あら、何言ってんの。これはあたしのよ」
ひらりと、あかねの攻撃をかわしたなびきは、哂うように、ひらひらと
指でつまんだ写真を泳がせる。あかねの顔に、朱の感情が走った。

「ほら、すごいわね。なんていやらしい顔してんのかしら。
 ・・・あらあ?乱馬くんじゃないな。これ。ね」
「やめてっ!」
あかねの手がそれを奪おうとするのを、軽々と避ける。
「えええ?!これ、誰?やだ!良牙くんじゃなーい!
 あかねぇ、意外とやるじゃん!くすくす!」
「やめてったら!!おねえちゃん!」
あまりの怒りに泪目になるあかねは、冷静さを失くした。
それを見逃さなかったなびきは、隙を付いてあかねの背後に素早く回ると、
足を払い倒れさせた。物凄い音が階下まで響く。


バランスを失ったあかねの両腕を後ろ手に捻ると、痛みにあかねの顔が歪む。
ううう!と声が思わず漏れる。なびきはしっかりと捻ると、あかねの親指同士を
クロスさせ、ポケットから取り出した結束バンドで、
親指の根元をきりきりと引き絞った。
「あ!」
つづいてなびきは、撥ねる両足に跨って動きを封じると、
ばたつく足首を押さえつけた。
そして今度は長いバンドで、クロスさせた両足首をぎりぎりと締め付ける。
胸を突き出し、秘部を開けるような形に固定され、
あかねは床に人形のように転がっていた。


「どうしたの、今の音?」
階下でかすみが心配気に呼ぶ。なびきはあかねに乗ったまま、
咄嗟に大声で返事をする。
「なんでもなーい!気にしないでー!」

そしてあかねの顔面に、さっきの写真を突きつけて声を押し殺す。
「余計なこと、言うんじゃないわよ。いい子にしてたら、黙っててあげる。
 乱馬くんにもお父さんにも」
「酷い・・・!」
「どうするの?・・・言うこと、きくの?」
あかねは、観念して目をつぶり力なく頷く。なびきは、あかねの頭を、
いい子ね、と撫でた。そして大声を階下に落とす。
「あかねが、型の稽古で足を滑らせたんだってー!」
「そうなの?大丈夫?あかねちゃん」

ほら、と顎で指示され、鼻先で写真をぶらつかされた。
目の前の紙の中で、小さな良牙とあかねが淫らに揺れる。
「大丈夫ー!平気ー!」
と、あかねは大きな声を振り絞る。閉じた目から泪がこぼれた。
かすみの気配が居間に消え、再びなびきとあかねは対峙する。
途端に、あかねの啜り泣きが始まった。
「ひどい・・・ひどいよ、おねえちゃん・・・」
「・・・・」
「あたし、酷い?」
「・・・・」
なびきは、気の毒そうな顔をした。滑稽な形で転がる妹に
憐憫の言葉が出てくるが、その目は詫びるどころか恍惚の光があった。
「御免ね、あかね。あたし、これからもっと酷いかもよ」


ぞくりとあかねは震えた。
「こわいの?・・・あかね」
「・・・・」
「昨日、初めてした時とどっちがこわい?」
「・・・・」
長年見慣れた妹の、女としての変化。怖気づいたような期待するような、
綺麗な目。幼いころの無邪気さに、大人の秘密を覗いた危うさ。初めてのセックスの
すぐ後だからこそ、快楽の分岐点に立たされるのだ。何食わぬ表の顔に滲み出る、
快楽の、顔。

―――2度目が、肝心なんだよ。なびき君・・・・

あの男の声が、なびきの脳裏に閃く。
自らそれを掻き消すように、あかねに声をかける。
「今日、一日・・・ううん、目覚めてすぐにでも、あそこが疼いたでしょ」
あかねは、自分が全て見透かされている、と感じた。
無理な体勢で何をされるかわからない怖さよりも、
自分だけしか知らない秘密の感情が、他人に、
特になびきに赤裸々にされるのが怖かった。


「思い出して・・・あかね。昨日の事。目覚めた時の事。そして今日の事。
昨日のあんたと、今日のあんた・・・何を初めて感じて、
何が今までと違うか、判る?」

なびきの言葉が耳をくすぐる。今日の時間があかねのなかで巻き戻されて、
情事の名残を頭の中で捕まえると、自然に熱を持った吐息がもれる。
あかねは明け方の朝風呂を思い出した。

―――――――――――――その明け方に目覚めた時、
隣に良牙はいなかった。椅子の上の服も消えた。子豚に化したのかと、
試しに呼ぶが返事はない。

「・・・・黙って行かないでよ・・」

膣にまだ良牙のペニスが入っているような錯覚に陥る。
朝湯を浴びに身を起こし、ベッドを降りようとしたとき、下半身は、
がくりと力が抜けて崩れこんでしまう。稽古以上に、体が疲労しきっていた。
力を込めて足をつくと、良牙に弄ばれた2つの穴が、
ひきつるように不思議な痛みを訴える。胸の先も擦られた痛みが、じんわり残る。
「・・・っつ!」

そっと触れると、夜のうちに乾いてしまった粘液が、薄い膜となって
あかねの股間を中心に、体のいたるところに、こびりついていた。
アヌスが乾いて擦れる痛みに堪らず、あかねは早く保湿したくなり、浴室へ向かった。
浴室の鏡をみて、仰天する。
良牙が散らした秘密の刻印が、鎖骨の下から胸、背中、そして、内股の付け根に
はっきりと残っていた。
服で隠れる場所とはいえ、人前では絶対にさらせない良牙のマーキング。


さすっても消えない赤色が、良牙の唇を思い出させる。
湯船に浸かると、昨夜この場所で、初めて良牙と裸をさらしたことを
否応なく思い出す。腕を掴む力強さ、耳に入り込む低い声、
良牙だけが知っているあかねの場所への淫猥なキス。
掻き混ぜながら深くふかく、潜り込む指。

<俺にしかできないやり方で、君を、慰めてあげるよ・・・>
(・・・やだ・・・どうしよう・・・)

あかねの薔薇と菊に、痛みとは別の疼きが滲む。湯の中で体を伸ばし、
そっと指で「昨日」をなぞる。今までの自慰は、
果てた後が無性に物悲しかったが、女になったあかねにとって、
もうそれは快楽の復習だ。指を優しく抉るようにすると、
膣内から良牙の白い残滓がゆらりと出ては、湯に揺れた。

(良牙くんの、が・・・こんなに、でてくる・・・)
もやのようなそれが湯の中で何個も何個もたゆたい、見つけるたびに、
あかねの息は熱くなる。
好きだと耳で何度も囁く低い息、我慢を弾けさせて、
呻きながら思い切り白濁を迸らせる時の表情が、
あかねの脳裏にリフレインした。


浴槽の湯は静かに凪ぐ。湯の温みに身を解しているように見えるが、
湯の中であかねの指だけが律動している。
湯の中で秘所を、清めているのか穢しているのか判らないほど潤してしまうと、
あかねは見切りをつけて身を起こした。
「つ!」

やはり、アヌスの痛みが抜けない。呻いたあかねにお構いなしに、
絹が滑り落ちるように、湯が、あかねの裸身を名残惜しげに撫で落ちる。
盛り上がった茂みからは1本の線と化した湯が、次第に珠となって
滴り落ちるかとおもいきや、水珠はゆっくり粘る糸をひいて湯舟に戻っていく。
(あたし、こんなに・・・・)
恥ずかしさに顔を赤らめて、体がほてったまま、
無防備な尻が動き、あかねは脱衣場へ向かったのだった。―――――

目をつぶる妹は、今、自分の言葉に誘導されている。
昨日から今日にかけて、自分で思い出しては、次第に静かな波を引き寄せている。
あかねの閉じた目に、うっすらと色が走り、上下する胸がゆっくり確実に大きく動いていく。
何かを我慢しながらも、何かが我慢できない、そんな顔になっていくあかね。
(まるで、ラヴェルのボレロだわ。)

嘗て自分も、あの男の部屋で今のあかねと同じように分岐点に立たされた。
部屋に静かに、でも力強く響く鼓動のようなボレロ。
同じメロディが延々と繰り返される中で優しく執拗に続いた行為。
あの時、なびきの中で確実に弾けたものがあった。

<いや!いやぁ!・あ・っ・・抜かないで・・・抜かないでぇっ!!>

髪を振り乱して、むしゃぶりつく姿態をさらすなびきに、
あの男の声が優しく斬るように降る。

<2度目が、肝心なんだよ。なびき君・・・・>


勝気な妹が、今四肢を封じられて泪を流しながら転がされている。
なびきは、腰のポケットから二つの小瓶を取り出した。そして優しく言葉を投げる。
「あかね、塗ったげる。手を出して」
「・・・・」
「手、出して」
「・・・・」
「聞こえないの?出しなさい」

やや強めの命令で漸く、手先をになびきに向けるべく、あかねはうつぶせになる。
柔らかな胸の隆起が床に潰されて広がるのが、布越しでもはっきりと判る。
なびきが小瓶の一つを床に置き、もう一つの蓋を捩じり開けた。
桜貝の色をしたネイルエナメルが、引き出された刷毛から、
ぽたり・ぽたりと落ちていく。強い匂いがあかねの鼻をくすぐった。


「明日も学校だから、手は目立たない色の方がいいわね」

なびきはあかねの尻に腰をおろし、結束バンドでねじられた親指を中心にして
蝶のように力なく開いている10指の先を、丹念に塗りこめて行く。
よし、と背中でなびきの声が満足げに通る。ふう!ふう!と
指先に涼しい息がかかると、艶やかな液体が硬度をまして、
あかねの指と一体になっていく様を、なびきはうっとりと見つめた。

「あかね、たまにはお手入れしなさい。整えて、色を少し乗せるだけでも、
 随分印象が変わるんだから」
机の上の、汗を掻いたグラスの中の氷が、からん、と音をたてた。
 
「足は、濃い色のほうがいいわ」

と、なびきは赤いボトルをかちかち鳴らしながら振る。
足の指を塗るには難儀に思ったのか、なびきはあかねに手を添えて
「起きて」「立って」「こっちを向いて」と命令する。
そうしてベッドに腰掛けさせた。なびきは床に胡坐を掻き、膝にあかねの足を載せて
ペディキュアをはじめた。

血のように鮮やかな赤が、何度も往復するたびに、
鈍い光から、透明感のある光を反射して、ビニールのように赤が厚みを増す。
あかねの手も、足も、色だけは完成され、あとは乾くのを待つだけだ。
どちらも皮膚の色に映え、且つ肌の白さを際立たせた。


「きれいな足ね。とても武道をやっているとは思えないわ」
綺麗にネイルを塗ったあかねの足は、足首を拘束されているが、
いまにも自由に動き出しそうなくらい、完璧な形をしていた。

「いくら伸びている部分が美しくたって、足首から先が綺麗じゃなきゃ、
 意味ないわ」
ふっ!ふっ!と口を尖らせて勢い良く息を当てる。
爪を乾かす為のそれが、次第にあかねの白い足指の間を狙って、送り込まれる。
透明な布で指の又を擦られるような感覚に陥り、むず痒さが何故だか
びくびくっ、とヴァギナとアヌスに伝わり響く。
「あ!やめっ・・・っ」

あかねは思わず足をひっこめる。クロスした足首のまま引き込むので、
足は自然にVに折りたたまれ、間からスカートのなかの下着が、
ヴァギナの位置を中心に丸見えとなる。
「じゃ、くすぐったいこと、しないから。足出して」
「・・・・」
「出すのよ、あかね」
威圧的な言葉に、ゆるゆると足が伸びる。なびきは再び白い足を捉え、
満足そうに爪を眺めると、そのコーティングの部分にだけ、べろりと舌を這わせた。


「!・・・」
コーティングの爪にいくら舌が這いずり回っても、感覚は全くない。なのに、
なびきの舌が赤いネイルのみをいやらしく舐めると、指の先にかかる、
なびきの息に過敏な反応が徐々に興り、足首、ふくらはぎ、膝裏、腿の付け根まで
順序正しく肌を粟立たせる。

挑発的な上目遣いで、なびきは舐めながら
ちらりとあかねを見ると、あかねの肩がさっきよりも
緩く大きく上下してるのを確認する。
(なんて、反応しやすいのかしら。ま、昨日の今日なら仕方ないか)
くすくすと、なびきは笑いを漏らす。

「全然くすぐったくないでしょ。どうしたの?変な子ね」
「う・・・ん」
なびきがぐっとあかねの顔に口を近づける。
耳に、良牙がしたように低い息で囁く。

「いやらしい顔、してるわよ」
「・・・あ・・・」
ぞくりと震えが走り、あかねは目を閉じる。なびきの声が、そのまま耳に捩じりこんでくる。
「恥ずかしい?爪なんかで熱くなっちゃって。うふふ」
「・・・あ・・・」
「じゃ、これなら、どう?」
なびきはくるりと向きをかえて、あかねの足を体でしっかり押さえ込むと
ぬるり、と足の指を咥えてしゃぶった。


「ぁあっ!」「ぅ!」
まだ誰も舐めていない場所を、なびきが音をたてて舐りまわす。
唾液がちゅぽちゅぽと音を立てると、今ある足の快感と、
昨日の、良牙のペニスを咥えたときの自分の舐めたてた音と、
自分の蜜壷を唇で味わった良牙の音とが交互にちらついて、
あかねは自分が今、今日なのか昨日なのか一瞬わからなくなった。

なびきは、気持ちよさに歪んでいるであろうあかねの顔を背中で感じ、
良牙クンもこんな気分だったのね、と不思議な一体感を感じる。

しつこい責めを漸く解いて、あかねとなびきは対峙する。
うっとりと、赤を散らしたあかねの足に見惚れて撫でるなびきに、あかねが聞いた。
「どうして、武道を、やめちゃったの?おねえちゃん。
 今だって、動きは落ちてないじゃない」

くい、と顎を上げてあかねを見つめるなびきの目には、意地悪い光はもうない。
んー、と音を出して暫く黙った後、なびきは答えた。

「かすみおねえちゃんは家事、あかねは道場の跡取り、
 って決まっちゃってから・・・あたしのお役目は、
 元々この家にはないのよ」
「え・・・」
「ていうか、あたしがしっかりすることで、
 初めてあたしの役割に気づいてくれるのよ周りは」

うふふ、と穏やかになびきが微笑む。


普段、金に煩いなびきは、同時に天堂家の家計もしっかり把握していた。
はっきりいってかすみは世間の荒波を知らないお嬢さんだし、
あかねはまだまだ精神的にも未熟だ。父は実力があっても押しの弱さで
門下生を逃し、居候の息子に道場の跡目を頼る始末。その乱馬は、
ふわふわと根無し草のようで、あかねと腰を落ち着ける態度も見られない。

かすみやあかねは、父から期待され、それぞれの役割を任されている。
しかし、なびきには父からの過度の期待が与えられなかった。
「なびきは、しっかりしてるから。心配ないな」
だからこそ、なびきは自己を早く確立し、自立せねばならなかった。

そんな想いをめぐらしていたなびきは、鈍い痛みと共に不意にバランスを崩した。
「っうぐっ!!!?」
束ねられたあかねの足が、なびきの鳩尾をしたたか蹴ったのだ。


「・・・あかね!」

なびきの手から抜け落ちた写真めがけて、あかねが這いながら飛び掛る。
なびきは取られまいと、手を伸ばす。揉み合った挙句、あかねが後ろ手に
写真を拾い上げると、怒気を込めて、ぐしゃりとそれを握りつぶした。
「許さないから!もうぜったい、おねえちゃんなんか、許さないからっ!!」

呆気に取られたなびきは、く、と笑うと肩を竦めた。

子供だ、と油断していたが、まさか自分の深淵を突くような質問を投げるとは
思っていなかった。だが、それは深い思慮のない、その場を転じるためだけの
子供じみた投げかけだったと判ると、しゃべりすぎた自分自身に可笑しさがこみあがる。
(・・・鈍感なあかねなんかに、判るわけないわ)

「ほんとに、馬鹿な子ね。あんたったら」
「・・・?」
「その写真はどうやって印刷したか、判る?」
言葉と共に開いた上目遣いのなびきの目に、静かな鋭い色が走った。

は、とあかねが目を見開く。なびきの手にはビデオカメラが納まっている。
途端に、大きな音がしたかと思うと、あかねの頬に鋭く痛みが走る。
「きゃあっ!!」
あかねは無残にも再び床に転がり、天井にむけて胸を反らせたままとなる。
なびきは容赦なくその乳房を足で踏みつけた。

「う!うう!!!ううううっ!!」
ぐにゃりぐにゃりと乳房は変形し、ぐりぐりとにじりつける姉の足の下から
妹の肉がぶにゅりとはみ出した。あまりの痛みに、あかねは被りを振って呻く。


「おいたが過ぎるわよ、あかね」
踏みつけられ苦痛にゆがむあかねの顔に、
なびきが手にした幅広な1mのアクリル定規が、ぴたぴたと音を立てる。
なびきは尻のポケットからニッパーを取り出すと、あかねの胸から足を離し、
すぐさまTシャツの裾に刃先をあてる。

「!やめてっ!おねえちゃん!」
「動くと危ないから」
冷徹な声と共に、布地を裂く細い音が無残に立つ。切り裂かれたTシャツの間から、
白いブラに包まれた胸が、ぷる、ぷると現れた。
小さな布に丸く収められた白い胸には、良牙のつけた赤い跡が散っている。

「あら、みせつけてくれるわね」
軽口をたたいて、スカートも同じように、つうううう、と切り裂くと、
皮を剥いた果物のように、下着姿の白い体が現れた。あかねは、叫んだ。
「おねえちゃん、どうして!どうにかなっちゃったの!!?」
「どうにかなってんのは、あんたでしょっ!」

言うやいなや、なびきが足であかねを転がした。
そして丸い双丘を包む薄絹をひっぱりあげ、ニッパーで、つう、と裂いた。
「あ!や!やめてっ!」
白く形のよい尻が、ふる、ふると現れると、
なびきがニッパーをポケットに収めてアクリル定規を持ち直す。

びしっ!と凄まじい音で、あかねの尻に定規が振り落とされる。


「あうぅっ!!」
次第に蚯蚓腫れになるのも構わず、3度4度となびきは力任せに手を振り下ろした。
「あっ!・・・あう!・・・ひゃあっ!」
部屋に、容赦のない定規のスパンキングがこだまする。
「ぃたっ!・・・・ぁあっ!・・・・・やぁああっ!」

「音は大きいけど! そんなに痛くないでしょっ! ほら! ほらぁ!」

派手な叩音に混じって、なびきの声が背後から降る。
言葉の途切れの合間に、あかねの尻に、びりっと張った痛みが走ると、
その内側にじわりと深い痛みが沁みこんでくる。
そして沁みこみ終わらないうちに、新しい乾いた痛みが上から重ねられていく。

「ぃやあっ!・・・・・やめて!おねえ・・・あうぅっ!」

確かに見た目ほどは痛くはないのだが、屈辱的な格好で裸同然に尻を
叩かれ続けているのだ。白い尻が次第に幾筋も赤みを帯び、桃のように熟れていく。
じわりじわりと登ってくる熱い痛みにと、怒り、怯え、そして不思議なうねりを感じていた。
ぱん!ぱん!ぱん!と続けられる音が、聞き覚えのあるリズムに鳴る。
「あかね、この音似てるわよ。ほら」


ごとり、とビデオカメラをあかねの頭上に置く。痛みに臥して耐える、
うつ伏せのあかねの髪をぐい、と引っ張り上げ、ビデオの方向をむかせた。
「ほら、似てるでしょ。この音と」
「!」
目の前に小型の液晶画面が突き出された。そこには、結合の音を露骨に響かせて
前後に蠢く昨日の自分たちの姿があった。なびきは、ほら、と目の前まで持ってくる。

<あ!あ!あ!あ!あ!あん!あん!>
「あ・・・・やめて・・・おねえちゃん・・・」

目を閉じても、自分のいやらしい声と良牙の呻きと、拍手のようなセックスの音が、
これでもかと耳に響く。恥ずかしさのあまり我を忘れて懇願する。

<んあああっ!!あうっ!うっ!んあっ!んっ!>
「・・・・やめてよ・・・もう、やめてぇ」
「だめ。ちゃんと見なさい」
目を閉じるあかねを、定規でつつく。それでもあかねは目を閉じたまま頭を振る。
業をにやして尻を一撃すると、ひ!と声を上げ、目を開く。
音がやみ、静かになった。だが映像は続く。


液晶のなかで、良牙の露なペニスを前に、
すすんで四つん這いになる自分がいた。
静寂の中、液晶のあかねは自分の指で性器を拡げている。
そして良牙のそそりたつペニスに、
自分からぬるぬると陰部を擦りつけ始めていた。

「あら、おねだりしてる。あんたの方が、どうにかなってるじゃない」
くすくすと、なびきの意地悪な笑いが降ってくる。
やがてビデオの中で再び結合が始まった。

ビデオの淫音にあわせて、なびきは定規の叩き方も見事にシンクロさせる。
そして、あかねの耳元で音量をさらに上げると、
小さな画面で刺し貫かれて、いやらしく叫ぶあかねの大きな声を
ずっときかせていた。

すると、あかねの股間がじわり、じわりと湿ってくる。
昨日の思い出と、今日の陵辱がごちゃごちゃになって、
あかねの体内でひとつに溶け合うと、どこも触られていなくとも、
蜜が作り出されては、惜しげもなくそのまま零し続けた。
「濡れてるの。いやらしいわね」
「・・・・!」


なびきの言葉が容赦なく降り、あかねは、びくんと体を震わせた。
あかねをもう一度仰向けに転がす。
尻の痛みが頭の奥まで繋がっているように、じん、と痺れている。
されるがままのあかねは、頭上に置かれたビデオの音に呼応して、
息を熱くする。

突然、なびきはニッパーでブラジャーの真ん中を裂いた。
ぷるん、と柔らかな胸が零れ落ち、生卵のように心持左右に広がる。
若草はぐっしょりと濡れ、小龍包のスープのように、
性器の奥から粘液がとろりと流れ出ている。

なびきは、交錯した足首を持ち、あかねの顔のほうに近づけると、
膝裏にロープを巻き、ベッドの足に固定した。ぬるりと光る合わせ目が
ぱっくりと開き、中心の黒い穴と閉じた菊が、蜜に濡れながら上を向く。
「あ・・・・ぃや・・・」

もう、言葉の意味をもたないあかねの口からは
はあ、はあ、と息が高まってくる。
なびきは確実に昨日の体勢を再現させ、
あかねの体の記憶を巻き戻しているのだ。
だから、どこにもふれないのに勝手に体が反応して、
極みへとにじり寄っていく。

「ワセリン、まだ塗ってないのね」


あかねの菊を確かめて、なびきは机に取りにいく。思ったよりもたっぷりと、
というよりは乗せすぎ、ともいえる量のワセリンを、
右手の指から食み出させながら、あかねの側に来る。あかねは、なびきが怖くて身を捩る。
「怖いの?」
ふるふると頭を振るが、微かに体が震えてくる。なびきは、くすりと哂う。
「それとも期待、してんの?」

左腕に大量のワセリンを載せ移すと、人差し指に少量とり、
あかねの菊に塗りつける。んんん、とあかねの声が漏れる。
「馬鹿ね、塗ってるだけじゃないの。・・・表面には傷ないわね。
よかった。まだ初物といっても通るわね。」
あかねには、なびきが何の意図で呟くのが判らなかったが、
塗り込められたワセリンのおかげで、一日中擦れて乾く痛みが和らぎ、ほっとした。

「あら、意外と上手じゃない、良牙くんったら!」
ビデオを片手に、なびきは感心の声をあげる。そして空いた手で、あかねの胸を、
やわやわと撫で回している。
「あ・・・んん・・・・」
(おねえちゃん・・・・はやく・・・)

優しい手の動きに、柔らかかったあかねの乳首が固く締まる。だが、わざと
その粒を避けるように、丸い肉の盛り上がりのみに指を這わせ、くに、くに、と
下から上へ揉み上げる。
「・・・・・は・・・・・あ」
(ああ・・・はやく・・・さわって・・・!)


だが、なびきはビデオを見続け、あかねがどんなに声を押し殺していようが構わず、
手だけで妹の胸をじっくり弄ぶ。乳首がますます尖り、乳輪ごと頬張って欲しい、
とふいに思うあかねは、同時に激しく羞恥するのだ。だから、ほしい、とまだ言えない。
すると、あかねの恥部が天井をみながら、うらめしげに粘液を垂らす。
耳には昨日の淫音だけが響いてくる。

<歯をくいしばっちゃ駄目だよ。口で息を大きく吐くんだ・・・>
<ああああっ!!あぅうっ!・・・ううっ!・・・んんん、んっ、んあぁ!>
<よし、いい子だ>

なびきは早送りをしては再生にして、昨日の二人の淫戯を細切れに見る。

<くぁ・あっ!・・・あ・あぁあぁんっ!!・・・>
<あかねさん、気持ち、いいっ?・・・>
<っく!・・・いぃ・・・きもちいぃよぉ・・・>
<・・・ほしい・・・良牙くんのを、いれて、ほしいぃ・・・>

初めての体験に迷いなくどっぷり浸かる妹の姿から、
なびきは自分自身も次第に熱くなるのを感じた。

<っ!っぁ!あ・あ・あ!あっ!あっっ!!あぅっ!!!>

スパンキングのような結合音にあわせて、あかねの声が
ビデオを持った手にも、じん、じんと響いてくる。
そして、目の前に昨日快楽に染まったばかりの体をさらけ出して、
自分の支配下で成す術をなくしている妹。
意地悪な満足感がふつふつと湧き上がる。


なびきは、あかねの目の前で自分の衣服を荒々しく剥ぎ取ると、全裸になって
あかねの上に跨って立ちはだかった。しなやかな足にはあかねのネイルと同じ
真っ赤なピンヒールを装着している。あかねの頭の上に、
なびきの股間が哂うように、ぱくりと口を開けた。
背後で、ビデオの再生テープが流れ、
良牙とあかねの喘ぎと激しいセックスの音が、BGMとなっていた。

なびきは机の巨峰を摘むと、あかねの目の前で自分の性器に一粒押し込んだ。
「・・・・!・・」
あかねは目の前のなびきの行為に、息をのんだ。
ぬるりと楕円の紫がなびきの中へ入っていく。姿を隠すと、もう一粒、
もう一粒、と赤い襞の奥へと押し込んでいく。

「あ・・・あかね・・・見て・・・見なさい・・しっかり・・」
「おねえちゃ・・・おねえちゃん・・」

淫らに巨峰を呑み込む、なびきのもう一つの口は、子宮近くまで一杯頬張ると、
つう、と透明な唾液のような蜜を垂らした。つう、つう、と糸をひいては、
ぴた、ぴたとあかねの鳩尾や、尖りきって上を向いた胸に落ちてくる。

「はああぁ、・・・・あかね・・・・よく、みるのよ・・・」
息を深く漏らしながら、なびきは足をスクワットするように開きなおし、
あかねの顔の上で腰を大きくグラインドさせた。
そして自分の指をクリトリスにあてがう。


「はぁああ、・・・・あぁああ・・・・あはぁ・・・」
眉根を寄せながら指で小さな突起を擦っては摘み、クリックの連打をつづける。
艶かしい息を吐きながら、あかねに見せ付けるように
大きく性器の口をあけさせ、蜜を垂らす。ぽた、ぽたと落ちてきる雫は、
次第に途切れずに糸になったまま、あかねの体に蜘蛛の糸のように下りてくる。
あうう、と下腹に力がこもる呻きがもれると、
なびきの下の口から先に収めた紫の頭が、にゅ、と見えてきた。

同じ<女>の体が目の前で淫らに揺れるのをみて、あかねは頭が痺れてくる。
(あたしのも、良牙くんには、こうみえるの?)
(あたしが同じように・・・したら、良牙くんは、喜んでくれる?)
自分自身が良牙になったような錯覚を覚えると、更にあかねの蜜があふれ出し、
早く自分の口にも埋めてほしくて、目をつぶりながら堪らず腰が微かに動き出す。

「目を開けるのよ!あかね!・・・口も、あけて!」
急に叱られて、あかねはわれに帰ると、なびきは顎先に排泄するような格好で
跨っていた。大きくアップになった、なびきの性器から
どろどろの蜜をコーティングした巨峰が、ぬ・ぬ・ぬ、と産まれてくる。
「あふっ!・・・・あ・あかね!・・・食べて・・!」

「い、いやっ・・・・う」
あかねはぎょっとして、口に押し付けられる性器から捻り出される葡萄を、
歯の壁で、思わず遮ってしまう。半ば出された巨峰が、ずぶ、となびきの膣内へ
圧し戻される。なびきは、うう、と呻いてあかねの首に手をかける。

「ん・ん・・・!・・・馬鹿な子・・!!・・口を開けなさい!・・・ほら!」
首にかかった手からなびきの指が、わらわらとあかねの唇に這い、
その先端をひっかけて口を開けようと引っ張った。


「う!・・・うぁ!・・・・はあ・・はあ」
痛さに堪らず綺麗に口を開けると、なびきは満足げに哂った。あかねの顎に、
なびきのアナルが載る。ぬるついた姉の性器から葡萄が、再び顔を出し始めた。
「いいこね・・・御褒美よ・・・んぁ、・・・はああ、・・」
「ああ、あああ・・・」
良牙との睦みを盾に、こんなことをしてくる姉が嫌で堪らない。
なのに、その姉の艶態にぞくぞくと震えが止まらないあかねは、
あ、の形の口をして舌を差し出し、そのデザートを待っていた。
あかねの固定された下の口も、与えられないとは知りつつも、
よだれを垂らしながら、ぽっかりと穴を開けて待つ。
なびきが鋭く仰け反った。

「さぁっ!・・・食べるのよっ!・・・食べなさいっ!」
その合図で、ごぽっ、とあかねの口に蜜まみれの巨峰が落ちた。
すぐさま噛みしめると柔らかな皮と肉が弾け、甘い果汁となびきの海の味が
口の中で混ざり合う。
「あぐ、んんむ・・・んんん・ん・んんんんっ!?」

一つ、二つ、と上から落とされていたのが、三つ目からは、なびきが
あかねの顔全体に圧し掛かる。唇はすっぽりとなびきの花唇に塞がれ、
鼻になびきの粘液の匂いと葡萄の匂いが強く届く。
鼻先には尖ったクリトリスがぶつかり、瞼や頬に、
もずくのような陰毛がぬらぬらと纏わり付く。

あかねも堪らず、なにか硬いものに陰核をこすり付けたくて腰を振るが、
空を虚しく花芯は喘ぐだけだった。その孤独感に、蜜は益々溢れてしまう。


なびきは腰を伸ばして背を仰け反らせると、
陰部をあかねの顔の上に擦り付けた。
前後に動く蜜壷から、ぬぽ、ぬぽ、と次々葡萄の粒が送り込まれる。
あかねは慌てて実を噛み砕いた。
早く砕いて呑み込まねば、粒で息が出来なくなる。
赤紫の果汁が口の端から流れ落ち、あかねの口が上下に噛みつづける。
なびきは前後に一層腰を動かし、自分の乳首をぐりぐりと強く擦っては摘む。

「っは!あ!・・・はあぁっ!・・はっ!あっ!・・・あっ」
「んんんっ・・・・・んんーっ・・・・・ん」

なびきのアルトが、小さくても確実に漏れ出すと
前後の腰の振動を、ぐるり、ぐるり、と左右に大きく回転させた。
クリトリスにあかねの鼻の骨が丁度よく嵌り、
なびきは、それを中心に、さかったようにもっと速度をあげて擦り付ける。


「ああ!!・・・いいっ!!・・・・あああんん」
思った以上の気持ちよさに、なびきの声があかねに降り注ぐ。
しなやかで力強く、あかねの顔に塗りつけられる愛液が、首や肩まで滴り落ち、
あかねの髪をも濡らし始める。擦り付ける腰の動きに合わせて、
なびきの胸が、たぷたぷと重く揺れた。自分の上に跨って性器を擦りつけながら
声をあげるなびきを見て、あかねは初めて、綺麗、と思った。

「んんんんぐっ・!!!・んっ!!!・・っごふっ!!」
あかねの口が、許容量を超えた溢れる果肉と愛液で、むせ返る。
だが、唇が、なびきの陰唇で蓋をされているので、淫らな果汁が膣内に逆流した。
なびき自身も思ってもみなかった喘ぎが、とっさに洩れる。
「!!っんんっ!・・・・んんああああっ」

ぐほっ!ぐほっ!と3度4度、あかねが咳き込むと、
精液の仕込とは違う芳醇な果液が、なびきの膣内を満たした。
意外な展開に、なびきの体は戦慄いた。
膣口をきゅうっと窄め、この果汁がこぼれないように
合わせ目を力いっぱい閉じる。
肩で大きく息を整えながら、なびきは平常心を取り戻した。

「・・・・・馬鹿ね、さっさと呑み込まないからよ」

なびきの尻の下で、あかねが呻く。子宮に音が響いている。
このまま尻を上げて、顔にかけてやろうかと思ったが、
うかつなことにビニールシートを敷かずに始めた事に気づき、
なびきは小さく舌打ちした。


なびきは、まだ咳き込む妹に声をかけた。
「あかね、今咳き込んで入れた中のジュースを、全部飲みなさい」
「んん!・・・んんん!」
「ききわけがないわよ。あかね!」

左腕にこんもりと盛ったワセリンを、鷹匠のように高く差し出すと、
人差し指を、ずぶり、とワセリンに突っ込んだ。ゆっくりひきぬくと、
なびきの長い指に、ワセリンがべったりとコーティングされ、
分厚いサックを被ったようになった。

「あかね、痛くてもちゃんと、のめるわね。こぼしたら、お仕置きよ。」
「!!!!・・・んんぐぐ!!んぐう!んぐっ!」

何の為の指か悟ったあかねは、慌ててなびきの穴を勢いよく吸引した。
ずるり、、ずちゅるる、と生暖かい果肉が口のなかへ吸い込まれ始める。

「あ!あわてちゃ、だめよっ!!・・・ぁぁあああああ!」


あかねの必死な吸引は、音を立てて強引に始まると、喉を2回ほど通過した。
なびきは妹の荒い吸引に、我慢ができす下腹の力を緩めた。
途端に陰唇がほどけ、とぽとぽと果液が流れ落ちる。

「んんんっ、んんんんん!んぐっ」
「はあっ・・・・・・は・・・・ぁ・・・・んっ!」

あかねの呻きを合図に、なびきは、さらに下腹に圧をかけると、
果液に押し上げられていた愛液が、どっと堰をきって、
あかねの口とのつなぎ目から、とろとろとろとろ流れ出す。
流れ出て砕けた巨峰の実もゆっくりと溢れ、
あかねの首筋を降りて床に溜まりを作った。

「あー・もう・・こぼしたら、だめ・・って、言ったじゃない・・・」

なびきは、ワセリンだらけの人差し指を、
あかねのアヌスにあてがうと、爪部分のみ差し入れた。

「っつっぐぅううう!!・・・ぅうぷはぁああ!はあ!はああああ!ああっ」

昨日の痛みが再現され、あかねの口がなびきの性器と離れた途端、
大きな喘ぎ声が絶え間なく続いた。


一関節ずつ、なびきは指を進めては、くるり、くるり、とゆっくり腸壁を確かめる。
ひい、ひいい、と、あかねは息とも叫びともつかない音をたてた。

「うん、中も傷ついてないみたい。・・・擦られて腫れてるだけよ。」

ワセリンを腸壁に塗り込められながら、ひたいに粒粒の汗を噴出させ、あかねは、犬のように喘ぐ。
(痛い!・・・やっぱり、いたいっ!!・・・)

「いたいの?あかね」
「はあっ・・はっ・うぐっ・・・ぁぁぁ」
喘ぎながら泪目で頷くあかねを見た。やめてといいながら期待する、その表情に、
あかねは自分で気づいていない。一度あの気持ちよさを知ってしまったなら、尚更だ。
なびきは、抜こうとした指を止める。

「良牙くんが、指を入れなおしたくなるのも、無理ないわね・・・」

となびきの声がきこえると、また、菊が指の進入で割り開かれていく。

「はぁあ、あああ、ああああ、ああ」
「良牙クンも、ちょっと先走ったわよね。はじめてなのに、
 なんにも塗らないでするなんて・・・・あかね、力抜いて。
 そう・・・上手よ」

排泄しか知らない穴で、なびきの指がゆっくりと回転する。
ぬるぬる動くそれによって、痛さの上にあの、独特なきもちが蘇ってきた。
(あ・・・・・・きた・・・・・この感じ・・・あ・・あ)
なにもかも、さらして、なににでも、むしゃぶりつきたくなる、あのきもち。

「ああああ、ああ、・・・・おねえちゃ・・・おねえちゃあんっ・あん
 ・・・・あたし・・・・・にも」
「なによ。アソコにはまだいれないわよ。」


構わずに、根元まで指を菊に一気に押し込む。
「ひっ!」と鋭く叫んであかねは、何かがふっきれたように、
腰を激しく前後に動かしはじめた。

「ああああ、あああああ、あああああ」
(もういい、なにがどうなってもいい、きもちい、きもちいいっ!)
蜜を振りまきながら、まるで良牙のものが入って律動するかのように、
実は何も入っていない膣口を空にすりつけて懇願する。
なびきの人差し指を支点に、狭い穴もぬちゅぬちゅと呼応する。
佳境に入ったその動きから、なびきは意地悪く指を引き抜く。

「う?!・うああっ!・はぁ・・おねえ、ちゃん・・・」
指を拭きながら、なびきは振り向く。
全裸のなびきは、あかねよりも胸が大きく盛り上がり、
重量感のある珠の真ん中に、薄く煙った桃色が尖っている。
腰は魅力的にくびれ、ヒップラインは滑らかに脚線美に繋がる。
さっきまで見せ付けていた赤い性器が、男たちを何回も咥え込み、
呑み込み、虜にさせているのだ、と思わずにいられない。
あかねの知らない、淫らに体を揺らす別の顔のなびき・・・。

「あたしにも、なんなの?・・・ここに何か入れてほしい?舐めてほしい?」
「あ・・・・あ・・・・」
「それとも、さっきみたいに叩く?・・・あ、巻き戻しが終わってるわ」

と、なびきはビデオに手をかけて再生スイッチをおす。
そこには、制服姿で一人遊びに興じるあかねの姿があった。

<あ・・・あ・・・あ・あっ・あっ・あっ!乱馬・・・!乱馬ぁっ!!>
「!・・・・あ」

頭の彼方に追いやった少年の顔が、脳裏に閃き、あかねは身を固くした。


「へえ、・・・このときはまだ処女で、<乱馬クン>なんだ。
 ふふふ、懐かしい?って、昨日だけど。くすくす」
「・・・」
「でも、同じ日に、別の男に抱かれてんのね・・・ほらみて。」

なびきは液晶をくるりと返し、あかねに見せる。
今度は、初めて良牙と繋がる場面を、おおきくみせつけられた。

<「あ」「あ」「あ・あ!」「あああ!」>
「・・・・あ・・・・ああ・・」

乱馬を想ってせつなくなった自分、良牙と激しくセックスする自分―――
どっちも、あたし。昨日の、あたし。
心がざわついて仕方がないのに、体のほてりは一層ひどくなってくる。

「気持ちよくなりたいなら、さっきみたいに腰を振ってみてよ」
「あ・・・・・う・・」
「さわってほしいし、いれてほしいんでしょ。ほら昨日みたいに」
「あ・・・・は・・・」

四肢を封じ込まれたあかねは、早く、昨日のように何かを差し込まれたくて、
我慢できずに、言うとおりに腰を振りはじめる。
悶えながら、ぐりぐりと達磨のように前後に揺れるあかねの姿を、
もう一台のカメラが撮っているなど、あかねは気づきもしない。


「やあね。自分のビデオでいきそうになって・・・うふふ」

なびきは、そういって巻き戻しのボタンを押しては
何度でも同じ結合を見せる。

<・・・いい。このままで。>
<じゃ、いれるよ・・・>
<「あ」「あ」「あ・あ!」「あああ!」>

「・・・はあ、はあ、はあ、あ、はあ」
「あかね、ちゃんとゴムしなさい。じゃなきゃピルよ」
「はあ、あ、ん、はあ、はあ」

また、ビデオから肉を打ち付ける音がこだまする。あかねは尚も腰を振るが、
長々と快感をひきずるばかりで、極みまで登れず、ビデオの中で
刺し貫かれて喜ぶ自分の姿すらうらやましく、うらめしく思った。

「おねえちゃああん、はやく、おわりに、してえ!・・はあっ!はあっ」

なびきはベッドに腰掛け、足を組むと、ピンヒールで
揺れるあかねの乳房に、ぶつりっ、と付きたてた。
乳首が無残に食い込まれ、ヒールで潰れた形となる。

「!!っんああああ痛っぁぁああぃ!!!」
「まあ、話を聞きなさい。どうしてあたしが、
 昨日かすみおねえちゃんを誘って出かけたか、わかる?」
「・・・・っ!・・・・?」

右胸の痛みに朦朧としながら、なびきの顔を仰いだ。


「道場の跡取りをしっかり立てないからには、あたし、
 この家から自立できないのよね。」
「おねえちゃ・・・?」
「なのに、あんた達ときたら四六時中喧嘩ばっかり。
 お父さんたちの心配、わかってんの?」
「・・・」
「だ・か・ら、既成事実さえできれば話は早いってね」
「お姉ちゃん、わざとみんなを出かけさせて?」
「まあね、段取り大変だったんだから!・・・ま、その分、乱馬くんが
 頑張ってくれれば、帳消し、なんて思ってたけど」

ヒールを放しながら、なびきは、にやりとする。
胸の形が徐々に戻って、痛みが引いていく。
じっとみているなびきに、あかねは顔を赤くした。
ビデオの再生音が、良牙とあかねの喘ぎと粘液の音を響かせる。

「面白いものが撮れて、得したわ」
「・・・・まさか、おねえちゃん!」
「乱馬くんとお父さんには黙っててあげる。大丈夫、あとは業者が、さばいてくれるわ。」
「ひどい!他の人に・・・?!」
なびきはこともなげに言い放つ。
「当然でしょ。性産業は一番実入りのいいビジネスよ」


アハハと笑う声がいつものなびきで、あかねは少しだけほっとする。
なびきは、ふ、と真顔になった。
「あかね、何でも、欲しいときは欲しい、ってちゃんというのよ。
 でないと後で後悔するから」
「・・・・」
「乱馬クンでも、良牙クンでも、自分で決めるのよ」
「・・・・う、ん」
「しっかし、良牙クンてタフねえ。今度お相手願おうかな」
「!お、おねえちゃん?!冗談でしょ!」
「冗談じゃないわよ」
妖しく笑うと、またあかねに跨る。

「良牙クンのテクとモノは、なかなかよ。あたしも味わいたいわ」
「な!」
「棒姉妹も悪くないでしょ」
「・・・・いやよ、やめて」
「乱馬クンでも、いいかなーって思うけど、あの子、どうしても我侭なセックス
 しそうで、いまいち食指が動かないのよ。」
「・・・・」
「でも、乱馬クンがノッてきたら、話は別・・・・怒ったの?」
「・・・・」
「うふふ、馬鹿な子ね。でも、それは彼らが決めることよ」

(お姉ちゃんの誘いに乗らない男なんて、いるわけないじゃない・・・!)
あかねは悔しくて唇をかむ。良牙や乱馬が、なびきと睦む様を想像すると、
嫉妬と羨望とで、また体の中心が熱くなる。


「いいじゃない、あかねもしたい時にしたい人とすれば」
「だって、一応許婚・・・」
あかねの唇をなびきの指が塞ぐ。
「だ・か・ら、背徳の快感が一番気持ちいいのよ・・・昨日だって」
「!」
「昨日だって・・・・気持ちよかったでしょ?とっても」
「・・・・・お、おねえちゃん、好きな人いないの?」
「いるわよ」

あっさりと答えるなびきに、あかねは拍子抜けした。
「そのひと、おねえちゃんがこんななの、しってるの?」
「こんな?」
ぴくりと反応したなびきは、またヒールであかねの乳房をぐいぐいと踏む。

「ったいっ!!ぁあっ!だ!だって!・・・うう!」
「こ・ん・な、にされちゃったのよ」
ヒールから開放されて、あかねの胸に、
牙のキスマークのほかに赤い傷が増えた。

「学校の人?」
「まさか!高校生のセックスなんて、ままごとよ!」
「ままごと・・・」
「あかね、あんたは今まで気づかなかった大人のことに、これから気づいていくわよ。セックスを味わったんならね」
「・・・どういう?」
「そうねぇ・・・たとえば、風林館高校のセックスマップ、とか。」
「えええ!?」
「知らなかった?それぞれの好みに応じて、安全且つ燃え上がる場所をまとめたものがあるの。
 結構みんな、楽しんでるわよ」
「・・・まさかお姉ちゃんが・・・」
「当然!ま、おこづかい程度ぐらいだけどね。高校生って自分のお金あんまりないし」


「あかねがあたしに協力してくれると、助かるんだけど・・・」
舐めつくように転がったあかねを、値踏みするようにみつめる。
「もう!おねえちゃんったら!・・・いい加減解いてよこれ!」
「無駄話で、熱がひいたわね。仕方ないな。」

足が無理に固定されているあかねの、丸出しの性器の側で、
なびきはぺたん、と座る。反動でなびきの胸が、ふる、と揺れた。
あかねは解いてくれるものと思い、
安堵して落ち着くと改めてなびきの裸体を見る。

柔らかくて大きい胸、つん、と尖る乳首の色、くびれたウエストに、
きれいなラインのヒップ。先の葡萄の嬌態で見せた秘口の色。
女のあかねから見ても、目を奪われる魅力があった。

「いいなあ、お姉ちゃん。胸、おおきくて」
「あら、あかねのだって素敵よ。とてもかわいいわ。
 それに、かすみお姉ちゃんのを見てみなさいよ。
 あたしのより吃驚するから」
「え、かすみお姉ちゃん?」
「まったく、あんたみたいに<初エッチした>ってすぐわかる娘もいれば、
 <わたしは男をしりません>て顔して、ちゃっかり済んでる、
 かすみお姉ちゃんタイプもいるから、女は不思議ね」


あかねは、驚く。普段、母代わりのような優しくおとなしい、かすみが?
鈴のようなソプラノのかすみの声が、淫らに、喘ぐことも、あるのだろうか?

「ふふ、信じられない?あたしやあんたよりも、初体験は早いのよ」
「うそ!・・・なびきお姉ちゃんなら兎も角」
「なによそれ。・・・まあ、いいわ。あたしだって、かすみちゃんのこと昨日判ったんだし」
「昨日?」

(・・・口が、滑った)と、なびきは珍しく狼狽した。いまだ半信半疑な妹に、
今はこれ以上漏らすまい。冷静さを取り戻すと、あかねの陰部に顔を近づけた。

「別の世界のことよ・・・あんたにも、そのうち教えてあげるわ・・・」
「あ・・」
なびきが、あかねのぷっくりとしたクリトリスをゆっくり撫でる。
「あかね、クリトリスってね、このままが本当の形じゃないのよ」

人差し指でそれを優しく突付く。あかねの肩がぴくりと動く。
「このままでも、気持ちいいでしょ?でもそれは、うっとりするような気持よさよ」
「あ・・・う・ん」
「でもね」
と、なびきは急に両指でクリトリスの周りの粘膜を、服を剥くように引っ張った。
柔らかい部分を急に、ぴん、と張られて、あかねは、う!と呻く。


すると、粘膜にくるまれていた小さな突起が丸裸でさらされた。
そこを、なびきが指で押す。むず痒さと痛みが、背を走った。

「いたっ!!」
「これが、ほんとのクリトリスよ。いくらいっぱい濡れてもね、
 ちゃんと剥かないと、覆いの粘膜ばかり濡れて、これは濡れないわよ。
 だから、ほら、痛いでしょ」
「た!や!やめて、おねえちゃん!」
「だ・け・ど」
「ああっ」

無遠慮に、なびきの指がヴァギナに数本入り中の蜜を掻き出すと、
ぬるりと溢れてなびきの指を伝う。引き抜くとなびきの掌に掻き出した粘液が載っていた。

「あかねったら、感度よすぎ。で、これを、このクリトリスに塗って、
 こうすると・・・」
「ひ・ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ」

乾いた痛みの呻きは終わり、十分に潤ったクリトリスの芯をくりくりと弄ると、
あかねの口から声が次第に、長く細くクレッシェンドする。
なびきは、満足そうに、ふ、と笑って残りの蜜を、剥かれたクリトリスに塗りつけて、
指で優しく擦る。自分でも、良牙でも感じた事のない激しい熱さが、
しかもトリルのように延々と続く。

電気にも似たむず痒さが、膣から腰へ、背中、頭とのぼり、胸、腹、足の先まで駆け巡る。
そしてまた上へ、下へと巡回する。
「ほら、ね。とっても、気持ちいいでしょ」


「んぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあああ・・!」
「指だけでも、こんなだから、舌でされると、どうなっちゃうかしら?」
「・・あ・あ・あ・ぁあああああ」
「考えただけでも、濡れるでしょ」

なびきの言葉の通り、あかねの脳裏に良牙がフラッシュバックすると、
今弄ぶなびきの指が、良牙のように感じる。
もしこれに、良牙のあの舌が触れたら・・・・!
途端に、量が増えた粘液が知りのスリットまで垂れ落ちた。
「舐めて、ほしい?」
ぴくりとあかねが体を震わす。なびきは、ふふ、と笑って弄る指で、
ついっ!と剥き身のクリトリスを、つめたく弾き上げた。

「うっ!・・・うう」
「残念でした。次のセックスの相手に舐めてもらいなさい」

冷たく言い放ちながら、なびきは濡れた指をシーツで拭く。
(二人とも、<男>を知る前にあたしが先にしようと思ってたのに・・・)
大事にとっておいた楽しみを横取りされたようで、なびきは心の中で舌打ちした。

折り曲げられたあかねの膝に、なびきは跨った。
葡萄の香りがなびきの性器から立ち上がった。
そしてゆっくりとあかねの膝頭に、なびきの陰部が擦りつけ始められた。
なびきの腰が淫らに前後すると、膝頭に密着した襞から、にちゃ、にちゃと音が漏れ、
次第にぬるぬるとした液が塗られていく。

「あ、おねえ、ちゃん・・・あ」
「膝って・・案外鈍い、とこなのよ。でも・・・あ・・硬くて・・・いい、の」
なびきは、わざと自分の性器をみせつけては、あかねの膝にこすりつける。
それを見てあかねは、クリトリスを弄られそのままに放置された自分の性器を、
無性に、どうにかしたくなる。


(あ!・・・早く、はやく・・・っ!・・・なかに・・・なかを・・ああ!)

ひくついて溢れる粘液をそのままに、あかねは堪らず腰を降り始める。
小刻みに動く膝頭の上で、なびきは心の中で、ふふ、と笑う。
「あ・・・あかね。そうよ・・っ・・・もっと動いて・・・
縦にも、横にも・・・あん・・あ・・・上手よ・・・あかねっ・・・あああ!」

なびきが、わざと言葉を発しているにも気づかず、あかねはその言葉を聴いた途端、
ばねのように腰を撥ねさせる。
(おねえちゃんが・・・あたしの膝で・・・なびきおねえちゃんが・・・!)
ふつふつと湧き上がる不思議な嬉しさ。金輪際許さない、とさっきまで
怒気を帯びていた自分が遠くに感じる。かすみも乱馬も良牙も何もかも、
遠い。
・・・気持ち、いい・・・気持ちいい・・・・きもちいい!・・・

あかねの様子を見透かして、なびきが体をおこし、あかねの顔の上に跨る。
さっきの巨峰では、命じられて口を開けたが、あかねは自分でも知らずに、
わずかに唇を開け、舌をのぞかせた。
(そうよ、あかね。素直に、なるのよ・・・)
満足げにあかねを見下ろし、なびきは言う。

「舌を出して。もっと。・・・長く、大きく・・・ペニスになったつもりでね」
言われるままに、あかねは舌を差し出す。
なびきの肉襞が、ぬ、ぬ、と被さってくる。女の、匂い。
(あたしのも、こんな・・・)


あかねの舌が、熱い肉を押し分け、奥へとすすむ。
ぬるぬるとした海草の粘りのようなものが舌にたまるが、構わず肉壁をなぞる。
不思議なことに、自分までクンニをされているように、
あかねの性器もびくびくとわななき、声が漏れる。

「ん・・・んん・・・」
「そう、よ・・・・あ・・・あかね、良牙クンみたいに、して・・・・
 あたしに、・あん・・・・・同じように・・・・教えてっ!・・・う」

―――――良牙クンみたいに―――――

あかねは足の付け根が溶けるような痺れを感じた。誰も何も触っていないのに
濡れまくるあかねの陰部に、良牙が舌を奥深く、昨日のように差し込んでいるような感覚を持った。
良牙はあかねを、あかねはなびきを、と3人で楽しんでいるような、錯覚

なびきは、くるりと背を向けて、氷水のグラスをとる。
なびきのおきにいりのその形は、他のどのグラスよりも径が小さく、
そして背の高いものだった。
その厚い強化ガラスには、綺麗な飾り突起が周囲を取り巻いていた。
なびきはごくりと喉を鳴らして氷水を飲む。からん、と涼しげな氷の音。


それを見て、あかねも水が欲しくなる。葡萄と粘液・長時間の喘ぎの為に、
声が少し掠れ、口の中が粘ついて早く水が欲しかった。
「あかねも欲しい?」
「うん・・・」
「あげないわよ」

冷たくなびきは言い放つ。
目の前で見せ付けるように、口から水の筋を滴らせる。
あかねは余計に喉がひりついてきて、堪らず願う。
「おねえちゃん、あたしにも・・・」
「良牙くんに、昨日言ったみたいに言って」

あかねは、顔を赤らめ、しかし、観念したように素直に小さく呟く。
「・・・・ほしい・・・」
「ん?違うんじゃない?・・・こうよ。こんな風に」
と、ビデオを繰り再生させる。目の前の液晶の自分の声が弾ける。

<・・・ほしい・・・良牙くんのを、いれて、ほしいぃ・・・>
<・・・はあっ・・・お願い!・・・もう、まてないよぅ・・・>
<・・・ほしい・・・良牙くんのを、いれて、ほしいぃ・・・>
<・・・はあっ・・・お願い!・・・もう、まてないよぅ・・・>
<・・・はあっ・・・お願い!・・・もう、まてないよぅ・・・>

あかねは妙な熱さを感じながら、身をよじって口を開く。
「・・・ほ・・・ほしい・・・もう、まてないよう・・!」
(ふふ、やっと、素直になってきたわね。)
なびきは内心ほくそえむ。恥じらいとカマトトは紙一重。
余計な恋愛の小細工を覚える前に、快楽に素直になってしまったほうが、
なびきとしては今後、都合がいい。
(水をほしがるように、素直に、身を任せるのよ。あかね・・・)


「う・・・・ぅぐ!?」
口いっぱいに含んだなびきのやわらかい唇から、
冷たい水が一気に喉に送り込まれる。
あかねもなびきも水を糸のように首筋に這わせながら、
互いにごくり、ごくり、と喉を鳴らす。

「んんんん・・・んんん・・・んん」
「どう、美味しい?」
「・・・う・ん・・・」
「もっと、欲しい?」
「・・・う・ん・・」
「そ、じゃ、あげる」

と、グラスを手に取ると、あかねの足が折りたたまれて丸見えな部分に、
グラスの縁をあてた。器用に水がこぼれないように傾けながら、
まるで性器に水を飲ませるかのように、グラスをあかねの粘る秘唇にあてがう。
「つ!・・・や!おねえちゃん!」
あかねは水を浴びせられたように、夢見心地の快楽から飛び上がった。

それは透明なガラスの陰茎だった。ひやりとしたガラス口が、
あかねの陰唇に咥え込まれ、からからと水と氷が逆さまに流れ込み、陰部にあたる。
「冷たいっ!冷たいよ!やめてぇええ!」
「うるさい子ね。飲みたいんでしょ」
しっかりと押し当て、水が漏れないようにグラスを垂直に方向付ける。
「!ああ!ひゃっ!!ああう!」
ぴったりと密着したグラスの中の氷水が、音を立ててあかねの陰唇の入り口に押し寄せた。
あまりの冷たさに、腰の中から震えがくる。


グラスは90度に屹立させると、なびきは、ゆっくり力を込めて膣内へねじ込んだ。
氷水ごとあかねの中に、ずず、ずず、と埋め込まれていく。
待ちに待っていたヴァギナへの埋め込みが氷の棒で、あかねは仰け反っては身をよじった。

「はああああっ!っくうっ!っくうっ!っううううっ!!」
「すっごく濡れてるから、どんどん入るわ。
 あかね、とっても綺麗よ。あとでビデオみせてあげる」
「!!んんあああああっ!」
氷のペニスが、あかねの壷にぎっちりと根元まで埋まった。昨日と違う温度の物に、
あかねの襞もまとわりつくが即座に収縮して、膣全体が冷たさに縮みあがる。
(冷たい・・!・・痺れる!・・・・)

「・・・うわあぁ、すごい締まり具合ね。動かないわほら。」
「うう・・う・・・うぁ・・」
グラスから手を離すと、あかねの大きく開いた性器から、2センチほどをはみださせ、
厚いガラスがぎっちりと身じろぎもせず埋まっていた。あかねの膣内で、
グラスを壁に氷が徐々に溶けていくが、冷たさは依然変わらない。

「あたしもペニスを持ってたら、あかねに締め上げてもらえたはずなのに」
残念そうな、なびきの声。


「さて、と」
なびきは、氷棒を埋めて戦慄くあかねの腰に、下から手を差し入れると、
まるで中の水とあかねの蜜をシェイクするように、あかねの腰を上下に強く振った。

「っぅああ!あ!・・・なに!・・おねえ・ちゃ!あああんっ」
「ごめんね、あかね。あたし、自分の粘液を人に舐めさせたり飲ませたりするけど、
 他人のは舐めたくないの。精液は平気なんだけどね」
「ううっ!うううっ!」

ちゃぷちゃぷと氷水の撥ねる音が、あかねの埋まった部分から微かに聞こえるたびに、
あかねは気が遠くなっては引き戻されて、呻きの声を上げる。
「綺麗にしたら、あれしてあげる。・・・そろそろかな?」

なびきはあかねの腰を静かに下ろすと、呑み込んでいる棒のでっぱりを指で掴み、
大きく右に、左に回転させる。ぎち、ぎち、とした手ごたえが起こるたびに、
あかねが、あたらしい喜びに声をあげる。

「は、ああ、・・・・・!ああ!・・・・!!ああん!あんっ!」
「男のペニスより、いいかもしれないわ、よ。ふふ」

きつい回転は徐々に蜜にぬるついて、容易に一周できるほどとなった。
グラスにぐるりと付いている突起部が、回転によってあかねの肉襞を擦って刺激する。
「ああああっ・・・・ああ」
多色のガラスが埋め込まれた冷たい陰茎は、あかねの膣内でスクリューを繰り返した。

あかねの嬌声が変わったのを合図に、今度はグラスの抜き差しが始まった。
ゆっくり出しては圧し戻す。あまり引き抜くと氷水が漏れるので、加減を見ながら、
なびきは天才的感覚で前後の律動を開始する。
ベネチアンガラスの突起は、ちょうどペニスのかさの役割をし、
ぼこぼこと膣壁を擦って蜜をかきだした。あかねの腰も反応してグラインドする。


ずぶっ、ずぶっ、と次第に棒は加速しながら、穿ちの場所を奥の奥へと突き進む。
透明なグラスが抜き差しされる度、管の中で水が狂ったように前後する。
あかねの全身が総毛だった。
あかねは、やっと自分の中に埋まった氷棒を慈しむように、腰を激しく振り始めた。
じゃぷ、じゃぷ、と動き回る氷水と、ずちゅ、ずちゅ、とすれる粘液の音が淫らなハモりとなる。

「はあ!あ!あ!あ!あ!あ!ああ!あ!あ」
「いいわ、あかね・・・は・・・いやらしくて、素敵・・・」

なびきは右手にあかねを穿つ役割をさせ、左手であかねの乳首を、ぎゅ、ぎゅ、と摘みんでは、
ぐにぐにと強く揉んだ。やっと乳首を弄って貰えて、あかねは飛ぶ。

「ぅあああっ!あああんん!あああ、ああ」(いい!・・・いい!)
「もっと、してほしかったら、素直に、言って・・いって・・・」
「はああ、も・・・・あ・・・・もっ、と・・もっとぁあああん」
「す、てき・・・あかねっ・・・・あああ・・・・あ」

なびきも、極まってくる自分の波に乗り、
あかねの足指を、自分の熱い花のスリットに擦りつけては、腰をグラインドさせて淫戯にふける。
あかねの赤いネイルを塗った足の指が、なびきの股間で律動する。

「あかねっ・・・もっと、もっと・・・いって・・っ!いいのよ!」
「あああああん!あん!あん!あん!ん!ん!ん!んんっ!んんっ!」

次第に短く強くなるあかねの声を合図に、なびきは思い切りグラスをひきぬいた。
氷水が、あかねの膣内に溜まるやいなや、外へ流れでる。

「ひ!あぁああ!あああああああ」

氷水が膣壁から物凄い勢いで流れ、水と氷が床に撒き散らされた。


びくり、びくり、と体の震えに任せるたびに、
あかねの性器から、氷がひとつ、ふたつと転がり落ちる。

「はぁっ・・・はあ・・・は・・・・あ、あぅ!おねえ・・・!」
氷が残っていないか、なびきの指がいきなりあかねの中を掻き出した。
温かい指が前後左右に蠢き、最後の氷片を掻き出すと、
なびきは蜜のぬめりが少なくなったことを確かめて、葡萄に手をかけた。

「ほら、あかねも、葡萄を食べなさい。でも今度は、こっちの、お口、よ」
「は・・・・あ・う・う・う」

一粒、一粒、なびきの指が巨峰を摘んで、丁寧に差し込んでいく。
氷水で締まった膣は、きゅきゅ、と擦れながらも、紫紺の粒をあんぐりと呑み込んでいった。
「はい、もう一個。あーん。・・・どう?これも又違うおいしさでしょ」
「ああぁ・・・・ああ・・・」
肉棒と違う粒状の押し込みが、ひとつ増えるごとに膣がせまくなるのがわかる。もうこれ以上入らない、というところで、ぱんぱんになった膣に、じわり、とまた密が滲んでくる。

あかねは入れられるたびに、自分の姿が見えない分、さっきのなびきの葡萄を咥える性器の様子を思い出し、自分に重ねていた。とっても淫らな、性の玩具。どうやったらなびきのように膣から産み落とせるんだろう、としびれた頭で考える。


「あかね、アソコを思い切り締めて。ちょっと、いたいわよ」
なびきはピンヒールを鳴らして、葡萄で詰まった性器に近づく。
ぞくり、とあかねは背がつめたくなる。
ピンヒールの靴底が、あかねの恥丘に、ぴたり、とあてられた。
と、急になびきは踵に力を込める。ヒール部分が、ずぶり、とあかねの膣に刺さった。

「!!ったあぁぁああああああああい!痛い!痛い!いあ!いた!」
なびきは、巨峰で埋まったあかねの膣に更に、ぐぐっ、と体重をかけて、
9cmのヒールを全部押し込む。あかねの膣内で果皮がぷち、ぷちと裂け、
果肉が潰れては汁があふれた。果物が弾ける匂いが立ち上る。

あかねは眉間を寄せて頭を振りながら、苦しげに痛みに耐える。
ワインでも造るかのように、なびきは、あかねの陰部の上で容赦なく膣内を踏みつけた。

「まだあんたは、入れた物を中からそのままとりだすなんて、無理、よ。
 だから、こうして果肉を潰すの。そしたら上手く全部出るはずだから。
 さ、もういいわ」

ヒールをひきぬき、泪をにじませるあかねの結束バンドを、なびきは解いた。
きつく締め上げられた指や足首の先に、血の気が戻り、初めて暖かさを感じた。
四肢が解き放たれるが、痺れが残ってすぐには動けない。
全ての感覚が今性器に集まっているのか、
壷いっぱいに埋められた果実が、じんじんとあつくなる。


「あかね、こっちにきてトイレの格好をして。こぼしたら、だめよ」
ぬるぬるの股間を感じながら、下腹に力をこめて膣を窄ませ、
あかねは言うとおりに、固定されたビデオカメラの前で排泄のポーズをとる。
こちらを向けられた液晶に、あかねが陰部を丸出しにして映っている。
なびきが背後から指を使って、あかねの乳首を摘む。

「あ・・・おねえちゃん・・・ああん・・」
「うふふ、あかね、とっても綺麗・・・」
後ろからあかねの乳房を両手で揉みまわし、淡い色の豆を挟んでは人差し指で肉丘に押し込む。
「うん、う!ん!うう!うあ!あ!あ!あ」
びくん、びくんと、波が来る。・・・来る。
胸が、いやらしくのたうつように揉まれながら、あかねは男のペニスを咥えているかのように、
(実際は中身を零さない為に)ぐぐぅ、と出口を締め付けながら腰を振った。

なびきが、大きく、あかねの足を拡げ、よく見える角度にする。
我慢が快感に負け、緩めたい衝動が登ってきた。

「あああああああ、でる、でる、でるぅっ!はぁぁぁああんんん」

ぼた、ぼた、べちゃべちゃ、と潰れた果実が流れ落ち始めた。
カメラの前で膣口からいやらしい果汁を、精液を迸らせるかのように、
3度、4度と襞を思い切りひくつかせ、搾り出す。

「・・・うふふ・・初めてにしては、上出来じゃない。・・・あれ?」

なびきが排泄した実を数える。なびきに掴まれた胸もそのままに、
ぐったりしたあかねは、なびきの様子にきづかない。と、突然、なびきが、
あかねを四つん這いにし、指を深々とヴァギナに差し込んだ。

「ああああ!!!な、なに!ああああ」
ふたたび、快楽の波が立ち上がるが、なびきはその目的ではなかった。


「やっぱり・・・あかね、膣内に実がまだ残ってるわ」
「え!」
ぐい、ぐいとあかねの中でなびきの指が探りを入れる。深刻な事態なのに、あかねの乳首がきゅ、と又尖り始めた。
蜜だらけの指を引き抜くと、なびきは被りを振る。

「だめね。指も皮で滑って引っかからない。ピンセットも届かないし。
 あかね、あんたの膣内はちょっと特殊な形をしてるわ。だから葡萄がひっかかってるの。」
「そ、そんな・・・」
「うーん・・・この独特な形がこれから、良牙クンや乱馬クンや、その他の男達を虜にするわけね・・・」
「お!おねえちゃん!!」

そんなことが、あるのだろうか。良牙や乱馬、その他の男たちと交わるなんて・・・。
ぞくりとしたが、・・・・嫌では、ない。
そんなあかねをみて、なびきが本格的に、あの計画をはじめようと思っていたことを、あかねはまだ知らない。

「どうしよう、これ」
「あかね、痛い?」
「ううん」
「仕方ないわね、ちょっとまってなさい」

なびきは服を着て階下に降り、暫くして戻ってきた。手には、掃除機。
「ま、まさか」
「そうよ、これが一番早いから」
「・・・おねえちゃん、試したことは?」
「ないわよ」
「・・・・」
「・・・・」


姉妹は沈黙を破って、覚悟を決める。大きく足をひらいたあかねの膣口に掃除機のホースがあてがわれた。
「だめ、外れるから少し入れるわよ」
「あ、深く、しないで・・・あああ・しないでったら・・あん!」
掃除機と繋がる部分をビデオカメラがズームする。
「何撮ってんのよ!おねえちゃん!」
「だって、素敵なんだもん」
「もう!しらない!」

掃除機の吸引音があがる。
「ひ・あ・あ・あ・あ・あ」
触手の様なホースが、まるで生き物のように蠢き、あかねの淫水を吸い上げる。
ズボボボボボボ、と鈍い音が、あかねの恥骨を叩きまくる。
「あ・ひ・あ・ん・あ」
「だめみたい。バックのほうがいいかも」
「は、あ・・う・ん」

差し込んだままくるりと方向を変え、カメラに尻を突き出した。
陰部は黒い触手に犯されたままだ。あかねが動く度、無機物のはずの触手が、嬉しそうに蠢きまわる。
「もっと、肩おとして!足開いて!腰落として!そう、指であそこを拡げて!」
いわれるたびにあかねの秘所が、カメラにズームされ、あかねはあかねで、またまた蜜をあふれさせては嬌声をあげる。

「こんどは、強の、スイッチにするわよ。覚悟してね」
「おねえちゃん・・・あ・・・ほんとに・・・まだ実が・・・とれないの・ううっ」
「まだよ。さ、もう少し頑張って!」
というなびきの左手に、とっくに取り出した蜜まみれの巨峰があった。
なびきが、スイッチを弱から強へと押し上げる。
「は」「あ」「あ」「あん」「ああああ」「あぅあああああああああああああああ!!」
なびきの喉がごくりと鳴る。あかねの極みも「強」をめざすのだった。

        第2部 了 (次回シャンプー編)




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