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その後、この接待への働きとして残りの報酬を受け取った若者達は屋敷を後にした。

 

皆、この余得を元に満足の行く生活を始めたのだが…一つだけ、どうしようもない物があった。

それが、あの屋敷での最上の思い出だった。

身の回りの何処を探しても、この巷にはあれに匹敵する快楽が見当たらなかったのだ。

 

そうして何処と無く空っぽな身体を持て余しながら日々を送る事数ヶ月…。

目の前に、あの屋敷の使いの者が現れた時は…思わず、天を仰いだ。

そして一様に皆、あの屋敷に吸い寄せられるように足を運んだのだった。

最上の報酬である屋敷の主、お静との淫らな関係を求めて…。

 

もう、この待ち合わせの時間ももどかしく感じる程に若者達は渇望していた。あの快楽を。

そして、広間を隔てる襖がすらりと引かれ…お静が姿を見せた時は、まるで神か仏が現れた時の様にひれ伏した。

 

今度は、素っ裸で待ち構えているというような事は無く、

厚ぼったい、身体の線を隠すかのような着物を身に着けて居たお静。

 

よく見ると、足取りが少々重たげだった。

が、その表情に不健康そうな所は一切見受けられない。

むしろ、色艶はますます良くなっている様だった。

 

「久しぶりじゃのう…お主達。」

 

一人ずつ、順番に顔を見ながら挨拶をするお静。

ずらりと並んだ若者達は、畏まったままその挨拶を受け入れていた。

 

「まぁ…再びこうして呼ばれた理由は…お主達の事じゃ、当に分かっている事とは思うが。

お陰で、今日はまた新たな嗜好を身に付けて帰る事になるかも知れんな…。ふふ…。」

 

何か、子供が親へ隠し事を秘めながら話し掛けるかの様な口調であったが…

言うなり、その着物をさっと脱ぎ捨てると…その理由は、嫌でも理解できた。

 

「驚いたろう…?見よ、この腹を。」

 

それは…見事な、孕み腹だった。

見ただけで判るほど、腹の赤子は随分と大きく育っているようだった。

 

『…これは、あの時に種が付いたのだ…間違いなく。』

 

誰もが、それは確信できた。

お静が、夫とその様な事に及ぶはずは無いからだ。

…しかし、何故?

あの時のお静は…その様な事が無い様、酒を飲んでいたはずなのに…。

 

口には出さないが、明らかの疑問の顔つきの若者たちに対して…お静があっさりと答えた。

 

「簡単な話じゃ。あの時私が飲んだのは、ただの酒じゃからの。

あれだけの子種を注がれては、流石の私も孕まない訳が無いわ…。」

 

その簡単すぎる理由に、あんぐりとしたままの若者達。

お静は、多分彼等が聞きたがっているであろう話を先んじて口にした。

 

「いい加減、私も世継ぎが欲しくなってな。しかし…あの男とだけはどうしても作りたくなかったのじゃ。

駄目な男の子種なぞ、どう考えてもその時点で受け入れる価値なぞ無いからな。それで考えたのが…。」

 

これは聞いたほうが良い話なのか…。

そんな若者達の気持ちは関係なく、この話はいよいよ、その核心に迫る。

 

「お主達の様な、雄として優秀な者の子種を得るにはどうしたら良いのか、だったのじゃ。

あの日の試みはの…ただ、男としての強さを調べるだけではなかったのじゃ。私に種を付けるに相応しい雄かどうか…

そちらの事も、試したのじゃ。その結果、ここに居るお主達は全員…その資格があった、という訳じゃ。」

 

それぞれに顔を見合わせる若者達。

俺達が、あのお静に選ばれた…!その事が今になって分かり…少し、嬉しくなった。

 

「自分で言うのも何だが…商売人として優秀な私と、本能の強い雄との掛け合わせ…。

こう言った、元から優秀な種を貰った方が、生まれてくるこの子も幸せじゃろうて…なぁ?」

 

その孕み腹を撫でながら、本当に嬉しそうに微笑むお静。

この女は、母としても強いのだ…。若者達は、お静の女性としての新たな顔を認識した。

 

「しかしどうして…初めからそうと仰ってくださらなかったのです?

仰ってくだされば、こちらとしても、もっと頑張れたかもしれませんのに…。」

 

一人が、話の隙を狙って、申し訳なさそうにそんな事を口にした。

確かに、そうだ。優秀な種を集めるのが本当の目的だったのなら、そうすべきでは…?

しかし、お静の考えはこうだった。

 

「その理由はな…お主達には、良い具合の交合で種を付けて欲しかったからなのじゃ。

私の経験から言って、交わりを楽しみながらの方が良い絶頂を迎えられるからの。

そこを下手に種付けの為じゃと言うと…そこの加減を間違える奴が出てしまう。

無駄な無理をして、疲れ果てた、良くない子種でも付けようとしてしまう奴が出かねんからな。

…実際、あの時の事は忘れられない程気持ちよかったじゃろ?」

 

お静は、若者達の目を眺めながら、にこりと笑う。

 

「立派な子を孕むには、父の子種の勢いも大切じゃからな…。私は、それを大事に思ったのじゃ。

お陰でこうして、良い子種がこの腹に収まったと私は思っておる。

誰が父親なのかは分からんが…お主等の子種の付けっぷりは、誰のが良かったとは言えん程だった。

まぁ、こうして良い子種を手に入れた今、私はそんな些細な事を気にせんぞ。あっははは…っ!」

 

大きな腹をゆさゆささせながら、からからと笑うお静。

その笑い顔は…男として捨てられた夫の姿なぞ、一切感じさせない程の清々しさだった。

そうやって一頻り笑い終えた後…お静は改めて、その裸体を誇示する。

 

「で、じゃ…。今日はまた、この身体を味わわせてやろうと思ってな。

孕み腹の女など、今でないと抱けんからのぅ…。普通の女は、こんな事はさせんぞ。どうじゃ?」

 

どうも何も…それ以外の目的が有って、ここまで来るものかと言わんばかりに

若者達も一斉に服を脱ぎ捨て、互いに裸体のまま向き合った。

 

「ふふ…全く変わっとらんの、お主達は。だが、それで良い…。」

 

目の前で起立する幾つもの勃起を眺めながら…こちらももう、我慢出来ない様に身体を弄るお静。

その乳房から、孕み女らしく…たっぷりの母乳が滴ってきた。若者たちの視線は、今度はそちらに釘付けになった。

 

「ほれ、これが孕み女ならではの味わいじゃ。存分に吸うが良いぞ…。」

白い雫の滴る乳房を持ち上げると、若者達はその膨らみに一斉にしゃぶりつく。

唇を目いっぱいに乳首にかぶせ、赤子より強い力でちゅうちゅうと吸うと…

口の中に、まろやかな甘みのある母乳の味が広がった。

ただ一つ、赤子と違うのは…彼らは乳を吸いながら、ますます勃起が止まらなくなったという事だった。

乳を吸いながら、もう我慢出来ずに淫茎をしごき始めるものまで出た。

 

「乳を吸いながら発情するとは…本当に、お主達は遊んでで飽きぬ相手じゃな。

どれ、そろそろ…お主達の一番欲しがっているこれを授けてやろうとするかの…。」

 

横たわって、足を開き…若者達を誘う。

その、今でしか味わえないこの女体を巡って…彼等は先を争って群がった。

 

何本もの勃起がお静を襲う。

或る者は母乳をまぶした淫茎を擦り付け、脇の間でしごき…重みを増した尻の間に差し入れてきた。

そして…今や孕む可能性の無い、女淫の中を存分に楽しむ者が一番多かった。

身重のお静が思い通り動けないにもかかわらず、彼等は容赦なく腰を振り、淫茎を膣内にねじ入れる。

その突き入れに乳房だけでなく、孕み腹も大きく揺れ動いた。

「ふっ…ふぁぁぁ…っ!すっ…少しは優しくせんか…っ!」

 

珍しく、泣き言を言うお静。

このお静と言えども…孕み腹での経験は初めてだから、加減が分からぬのだった。

ここに、若者達は責めの一点を見出した。全員で一気に責め始めたのだった。

より多くの淫茎を身体中に纏わり付かせ、女淫を責める腰の動きは、ますます激しくなった。

 

「あっ、あっ…!!んあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」

お静は、もう全く余裕が無くなっていた。

これだけの男たちが責めると決めたら、動きの不自由な女一人ではどうしようも無くなっていた。

そのまま、一気に絶頂へ持ってゆかれる。快楽の枷を、無理矢理外されたようだった。

女淫が意思と反して大きく淫茎を締め上げ…半ば強制的に、絶頂を迎え入れさせられたのだった。

大きく膨らんでいる腹の中に、精液を叩きつけられながら…絶頂の叫び声を上げた。

 

「あっ、あぅぅぅぅぅっ!!イっ…イクっ!!イクぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜…っ!!!」

 

同時に、身体中を取り囲んでいる淫茎からも射精が始まる。

どぱっ、どぱっ!っと、乳といわず、腹といわず…精液があらゆる部分に降り注いだ。

同じように、お静の乳房からも真っ白な母乳がびゅうびゅうと噴き出る。

まるで、お静も射精を行っているかのような勢いだった…。

その二つの淫汁は、お静の身体の上で混ざり合って畳の上に流れ出る。

身体中を真っ白に染められたお静の身体は、あまりの絶頂の快感に痙攣を起こすばかりで、

この若者の振る舞いに、何か言う気も起こらない様だった…。

そんなお静の身体を上から見つめる若者達…。

普段と違う、こんなお静の様子に、勃起がすぐに復活する。

その勃起を、薄目を開けて見つめるだけで精一杯のお静が…ぽつりと呟いた。

 

「…お主達の事を見誤っておったわ…。先程の加減の話、あれは…こちらの思い違いだったようじゃ。

加減など考えずとも、お主達はこちらが見越したより、かなりな精力を持っておったのじゃな…。

今までに出会った男たちは皆、言ったような無理をする奴等ばかりだったからの…。

私は勝手に…お主達も当然、その様な者じゃと思い込んでおったわ…。すまんの…。」

 

言い終えると…すう、と大きく息を吸い、静かに吐き出した。

 

「決めたぞ…!侘び代わりと言っては何だが…二人目をこしらえる時も、お主達に頼む事にしよう。

その時は、もう加減などお構い無しの種付け大会と洒落込もうではないか…!

次はどのような赤子を授かるかのぅ…?今から楽しみじゃ!ははは…っ!はっはっはっ…!!」

 

畳の上で、精液に染まった身体を開けっぴろげにしながら、お静はこれ以上無い程の大きな声で、暫く笑い続けた。

若者達も…また当分の間お静と、この道楽を続けて楽しめるのだと感じる喜びで、一緒に顔を緩ませていたのだった。

 

腹の中の赤子は…、もし娘が産まれたとしたら、母のこんな道楽を理解し、受け継ぐのだろう。

この道楽こそが、この家の強さを維持する秘訣なのだと…頭ではなく、その受け継いだ血で理解するだろうから。

 

- おしまい -

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