ずるり、ずるりと交わっていた互いの性器が、放たれた精液を引きずりながら抜け落ちた。
全員、正に精も根も尽き果てたという感じで、思い思いの格好で寝転がっていた。
中にはすやすやと、寝息を立ててしまっている者までいる。
お静も、すぐには動けないほどに消耗しきってしまった様で…それに習う様に目を閉じ、横になった。
…むくりと起き上がったのは、それからどれだけ経った時なのか。
少なくとも、日は既に沈んでいた。
日の上っている間は、殆どこの接待に時間を費やしてしまったらしい。
お静は、改めて広間の中を見回す。
身体中を精液やら愛液やらでべたべたにした幾人もの男女が、その格好も気にせずにぼんやりとしていた。
そして、その惨憺たる影響は広間の中全てに出ていた。
「…まぁ、ここはいつもの様に後始末をさせるとして…。」
自らの身体も見下ろすと…やはり、似たような状況だった。
汗は引いたものの、中途半端に乾いた他のものが肌に鬱陶しく感じた。
「この道楽も、これさえ無ければのぉ…。」
好きでしている事に勝手な文句を言いながら、ゆるりとした足取りで廊下へ身を乗り出す。
そして、屋敷の奥にまで聞こえるように手を叩く。
「風呂の支度は出来ておるか…!?」
待ち構えていたように、屋敷の者がやって来て…皆を風呂場へと案内する。
この風呂場も接待の事を考えて、一同が入浴出来るほどの広さで作らせたものであった。
男と、女で、それぞれの湯に入ってゆく。目の前に、大きな湯船が現れた。
まずは身体を洗い流したくて、どやどやと互いの身体に湯を掛け始める。
身体にこびり付いたものが、次々と落ちていった。
そしてここでも…お静だけは、一人男湯へと足を運んだのだった。
湯を掛け合う男たちの中にさり気なく混ざる。そして、労いの言葉をかけた。
「今日は、よくやってくれたの…。接待は上手くいったようじゃ。礼を言うぞ。」
裸のままで、そう言うかしこまった話をされる事に何となく妙な感じを抱きながら、若者達もお辞儀をした。
その後、若者達が頭を上げると…お静の手に、何か白いものがある事に気付いた。
お静は、少し自慢げな口ぶりでその白いものは何かを若者達に伝える。
「これは、石鹸と言うものでな。湯で掛け流すより身体を綺麗に出来る物じゃ。
これを使って、お主達に礼代わりの事をしてやろうと思ってな…。」
そして、手にした石鹸を身体中に塗りたくり、身体中を泡だらけにした。
石鹸などと言うものを目にした事の無い若者達は、お静がこれから何をするのか理解できなかった。
そうするうちに、泡で身体が真っ白になったお静が言った。
「私の身体を、手ぬぐい代わりに使ってやる…。」
泡だらけの身体を、若者の身体に押し付けながら…その使いようを示す。
ぬるぬると、互いの身体が滑り始めた。
撫でられるよりもくすぐったく、しかし密着する感じがなんとも心地良い。
若者の顔つきは、すぐに恍惚のそれになった。
「気持ち良いのは、ここにも塗りたくってからじゃ…。」
そう言って、淫茎にも泡を塗りたくるお静。泡だらけになったそれを、今度は手でしごき始める。
ぬちゃぬちゃと、まるで女淫に挿入しているかの様な快感が襲ってきた。
身体を洗いつつ、こんな快楽まで楽しめるとは…。若者達は、お静の意図をすっかり理解した。
彼等も積極的に、身体を絡め始めたのだった。
「ちゅる…ちゅっ。ん…、ちゅぅっ…。」
下腹部を撫で擦りながら互いに顔を近付け、舌を絡める。
話に聞いた事のある、遊女の様なその仕草に…若者達は大変興奮した。
我も、我もとお静に群がり…同じ仕草を要求したのだった。
「仕方ないのぉ…。皆、そこに横になれ。」
指図の通り、一様に横になると…ぴたりと閉じた股の間から、ぴょこりと淫茎だけが見える格好になった。
その一本一本を、お静は丁寧に舐り始めたのだった。玉を、竿を手に取り…愛撫し始めた。
石鹸をたっぷりと塗りたくり、細かい皺の間の汚れをも落とすかのように指を差し入れる。
竿全体を手のひらに包んで、男性が自慰をする時の様に上下にしごいてみたりもした。
その時の刺激が、石鹸のぬめりと相まって…何とも言えない嗚咽を彼等の口から吐き出させた。
「おぉぉぉ…っ!!おっ、おっ、おぉぉぉ…ぅっ!!」
悶えるうちに、彼らはその刺激でびゅる、っと射精する。
手のひらの中で、お静の舌の上で、擦り付けた身体の上で…。
若者達は、一つも身体を動かさないままに、射精に導かれたのだった。
風呂場の床にも、いっぱいの精液が流れた。
その時…。
「あら、お静様…こんな所でまでお楽しみを?」
女湯に居る筈の娘達が、こちらの男湯にやって来たのだった。
「この人たちの妙なお声が聞こえると思ったら…私たちもまだ、遊び足りませんの。ご一緒させて頂けます…?」
言うが早いか、娘達はさっさと若者達を囲み…この風呂場も、再び淫行の場と化した。
お静のしていた様に、石鹸だらけの柔らかな身体をぎゅっ、ぎゅっと押し付けて楽しんでいる。
それを見ていたお静が、新たな遊びを持ちかけた。娘達に手招きをして、言う。
「如何です?この様な洗い方も有るのですが…。」
何かをこしょこしょと娘達に耳打ちするお静。
それを聞いていた娘達も、若者の淫茎をちらちらと見ながらうん、うんと頷いていた。
「それは面白いですわ…是非やってみましょう…!」
そうして、先程の貝合わせの格好を取った。
合わさった淫唇の間に、たっぷりと泡を乗せて…。
「ほれ、お主達…。ここにその勃起を差し入れい…。」
二人の尻の隙間に身体をもぐらせて…尻の間から器用に淫茎だけを股の間に突っ込んだ。
石鹸と、少々の愛液のぬめりでそれはあっさりと差し入れられた。淫唇の間から、亀頭だけが頭を見せる。
「上手く嵌ったか?では、動くぞ…。」
にゅるり、にゅるりと交互に淫唇が淫茎をしごき始める。
指とは違った柔らかな取り巻き方に、若者はまた妙な呻き声を上げた。
「ふふ…。具合は良いか?だが、これだけではないぞ…。」
お静が少しだけ身体を起こす。
すると、淫唇より少し上の部分が淫茎に当たる事になった。
その部分には、お静と、娘の淫毛が有る。
これが双方から挟み上げると、まるで束子で洗っているかのような感触になるのだった。
「どうだ、面白かろう…。私たちの淫毛で、お主の淫茎が清められるのだ…。」
「凄いですわ、お静様…!これは絶対に覚えて帰りませんと…。」
女体の新たな使い方に、感嘆の声を漏らす娘達。
若者もまた、しょりしょりとした淫毛の感触に新たな快感を見出していた。
柔らかな毛で亀頭をくすぐられる心地良さ。それを存分に味わっていたのだった。
二人の女体の下で、若者の腰がびくびくと快感に身悶えていた。
「それ、それ、それっ…!」
お静と娘は、上手く調子を合わせながら淫毛を擦り合わせていた。
淫毛でより泡立てられた亀頭に、愛液も程よく混ざり合って…何とも言えない粘っこさを醸し出していた。
そうして暫く、淫猥な清めを続けていると…ちゅるん、と亀頭が跳ねた拍子に、若者は射精した。
淫唇の間から、真っ直ぐに精液が跳ね上がった。
びゅるっ、びゅるぅ…っ!びゅるっ、びゅるっ、びゅるるるるる…っ!!
淫茎が一頻り跳ね回った後…少しの間を置いて、びたびたとお静と娘の頭の上に精液が降り注ぐ。
それは顔を、乳を伝い…泡に混ざって、床の湯と混ざり合った。
淫唇の間には、亀頭の中から滲み出た、残りの精液で水溜りが出来上がっていた…。
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