君と同盟



SciFiNow: Peter Laird Interview (Issued Jan, 2009)


○25年前、TMNTの一巻が発行される以前の生活、職業について教えてください。

 そうですね、その頃私は結婚したばかりで(25年経った今も同じ素敵な女性と結婚しているよ)、私生活はとても充実していました。仕事の面ではイラストレーターとして生計をたてようと必死で、地元紙に載せる広告の絵から地元企業のロゴデザインまで何でもやっていました。並行して時々SFやファン雑誌のイラストを描くという好きな仕事もしていました(原稿料は安かったけど)。けれども本当にその日暮らしの身でしたね。



○TMNTをよく知らない人のために、オリジナルのTMNTのアイデアがどこからきたのか、またそれをコミックにして発行するようになった経緯を教えてください。

 もともとのアイデアは深夜にケヴィン・イーストマンとドローイングセッションをしている時に閃いたんです。彼はマスクと、腕にヌンチャクをつけた二本の足でまっすぐ立っている亀を描いていた。そして彼にそれを見せられて、私は大ウケしました。そこに少し手を加えて自分のヴァージョンを描いたんです。それからケヴィンがそれぞれ違った武器を持った亀を四人描いて「ニンジャ・タートルズ」って呼んだんです。私は「ティーンエイジ・ミュータント」の部分を付け加えたらどうか提案しました。二人して大笑いでした。それから数日後、このクレイジーな名前の説明をしてコミックのストーリーに仕立て上げたらどんなに面白いだろうと思い始めた。これがタートルズの起源の詳細です。2,3日で私たちはプロットを練りあげ、それから第一巻をまるまる描きあげるのに2,3ヵ月かかりましたね。自費出版しようと決めていました。一巻は1984年5月5日にニューハンプシャー、ポーツマスの小さなコミック・コンベンションで初公開しました。

○自分の絵で安定した将来が築けると実感したのはいつですか?

 そうですね、最初にうっすらとそう感じ始めたのは妻と一緒にコネチカット州に引っ越したときでした。ケヴィンはメイン州に戻り、郵便でやり取りしながらコミック第二巻に取りかかっていました。印刷所を探したり、販売業者と話し合ったりと、ビジネスの末端に関わることをこなしていました。最初に第二巻の注文を受けた時、第二巻の初版を計算してケヴィンと私、それぞれ約2,000ドル手にすることに気付きました。これは当時の私が一年に稼ぐ額の三分の一だったので、このお金で自分たちの好きなことができる!と、とても興奮しましたね。だけどこのコミックをもう少し長く続けられるかもしれないと思い始めたのは、それぞれの巻が実際に売れたもう一年後くらいのことでした。



○もしシュレッダーが後々人気が出てくると知っていても、最初の巻で殺してしまっていたでしょうか?

 きっと殺さなかっただろうね。だけど私たちがシュレッダーを殺したのは、第一巻を単発の話に仕上げようと思っていたからです。そこから先は全く期待していなかったんです。



○TMNTは数年のうちに何ミリオンという成功を収めましたが、ブーム中に買収の申し出はありましたか?Mirageを独立会社として維持するのはどれほど難しかったのでしょうか?

 いくつかのオファーがあり、中にはとても魅力的なものもありましたが、様々な理由から第三者による買収の話はまとまりませんでした。最終的に2000年に私がケヴィンの所有するTMNTの権利を買い、単独の権利所有者になりました。Mirage Studioを独立会社に保つことは特に難しくはありませんでした。ブームでコミックが量販される前から、ケヴィンと私はコミックの自費出版で十分なお金を稼いでいたので会社を売り払う必要を感じたことは全くなかったものですから。



○多くの人、特にここイギリスでは、記憶にあるタートルズのイメージは旧亀と実写映画からきているものです。その結果、TMNTコミックが「子供向け」と片付けられてしまうことに悩まされますか?

 少しはね。でもそれほどでもないかな。2001年にTMNTコミックを再開したときも、ケヴィンと私がいつもやってきた方法で取り組みました。私は自分の大人の感性でもって私が読みたいとおもうコミックを作りました。



○90年代中ごろから後半にかけてはTMNTの人気がもっとも落ちたときだと思いますが、Next Mutation実写映画(1997)とImageコミックスvol.3(1996)は失敗だったと思いますか?またその頃にMirageがコミックを作っていなかったのであれば、何を手がけていたのでしょうか?

 Next Mutationは失敗でしたが、良作になり得たと思っています。ImageのTMNTコミックはあれはあれで良かったと思います。そのおかげでタートルズはコミックファンの記憶に残り続けることができました。Mirageはその時まだ使用許可の問題がいくつか残っていて、最悪の状態で営業していました。Mirageがまた動き出したのは私がケヴィンの権利を買収した2000年のことだと思っています。それから私は対等なパートナーと折り合いをつけながらではなく、私の好きなように決定できるようになりました。



○2001年にMirageがTMNTコミックを復活させた時に、あなたが下した決断で一番有名なものがスプリンターの死ですが、この決断を下した背景にある理由は何ですか?愛されていたキャラクターを死なせてしまうのはどのくらい難しかったのでしょうか?

 その巻を描いた時に、そうなるのが適切なことだと思いましたし、タートルズにも今までになかった方法で成長してもらいたかったのです。vol.4でタートルズにそれぞれの道を歩ませるために解散させたのもその理由です。とても自然なことでしたので、スプリンターを死なせるのは難しいことではありませんでした。



○今年(2008)の初めにTales of the TMNTは店頭売りのままですが、TMNTvol.4を自社通販に変えることを決定されましたが、それは個々のタイトルに何か影響はありましたか?これまでのところ、成功しているといえるような企画はありますか?

 vol.4の出版方法を変えた一番の理由は、私がもはや隔月の出版スケジュールを続けられなくなったからです。それとダイアモンド・コミックスの販促スケジュールが要求するものについていくことに段々ストレスを感じるようになったのです。しかし、Tales of the TMNTに関わっているチームはそういった問題はなく、ダイアモンド・コミックスは彼らにとって大きな助けになっています。それから私はvol.4のファンが、たとえどこにいようともwowio.comを通じてすぐに最新刊を手に入れられるという点が気に入っています。というのも、地元のコミックショップが数冊しか注文していなくて、売ってしまえばそれ以上再注文はしないということにがっかりする読者がいるということを頻繁に耳にしていたので。今までのところ、思ったとおりうまくいっています。29巻(新しい販売法に変えた最初の巻)は一冊10ドルでほとんど部数がはけていますし、しばらくぶりに本の売り上げが生産コストをカバーしました。みんな本をオンラインで手に入れられることを喜んでくれているように思います。これを続けられるといいのですが…もちろん、それは私がさっさと次の巻に取り掛かって仕上げろってことですが!



○vol.4、29巻の表紙にはバーで酒を飲んで煙草を吸っているキャラクターが描かれていますが、これは店頭売りでも許可されてた描写ですか?販売方法を変えたことによって他に創作の自由は増えましたか?

 店で売られていたTMNTコミックにそんな表紙のものがなかったということははっきりと覚えていません。それに関係なく、私は自社通販に変えたことがそれほど大きな変化をもたらしたとはおもいません。私が自分のペースで仕事をしやすくなったという点以外では。



○TMNTの25周年に何か企画していることはありますか?個人的にはどうやってお祝いされるだろうと思いますか?

 25周年にたくさんの企画が用意されていますが、少し言いにくいのですが、私はあまりそれに携わっていません。それに関してはミラージュのTMNT公式サイトにたくさんの情報が載っているはずです。私たちは今、もう一本の映画制作について話し合っているところです。数ヶ月以内(※インタビューは2008年末と思われる)にはお知らせできればいいな、と思っています。個人的なお祝いはとても静かにされるでしょうね。



○最後に、次の25年にタートルズはどこへ向かうとおもいますか?MarvelやDCといった古典コミックスのように長く続けたいと思っていますか?また70、80歳代になってもコミックを描き続けると思いますか?

 ケヴィンと一緒にやっていたころからタートルズたちには1984年の世界で自由にやらせていて、彼らはずっと独り歩きしています。多くの人々が、コミックでもおもちゃでもアニメでも映画でもなんでもいいのでタートルズを深く心に留めていてくれることに深く感謝しています。あのキャラクターたちにはどこか"evergreen"(※常緑樹のようにいつも新鮮)なところがありますから。いや、これはダジャレのつもりじゃないからね!私は彼らが長く続けることができるようなものだとは思えません。私はそんなに長くコミックを描けるとは思っていませんので、いつか、もしいいオファーがあれば、TMNTの所有権を第三者に売って立ち去るでしょう。25年というのはとても長い年月なんです。


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