「今度は前からな」
 「えっ……ま、待ってよ」
 両脚を押さえながら腰を突き出して挿入しようとすると、律子が俺の腕をはしっと掴んだ。縋るような視線。
 「嫌か?」
 「…………」
 俺の質問に律子は答えず、ぱっと右手を離して、健康的につやつや光るピンク色の唇に人差し指を当てた。
 キスして欲しい、というサイン。
 「……軽いのですよ」
 それだけ言って、そっと目蓋を閉じた。目を伏せると、長い睫毛が目立つ。
 サンバイザーを左手で外し、サインに従って細い肩を抱くと、律子が軽く身じろぎした。
 そのまま体を折り曲げて、覆いかぶさるように顔を近づける。
 「ん……」
 切なげな声が律子の鼻から漏れた。しっとり濡れた唇は微かに甘かったような気がした。舌は入れず、唇を
離すと、はにかんで頬を染める律子の顔が目の前にあった。潤んだ瞳に、疼くような愛おしさを感じる。
 「いい?」
 「うん……」
 再び膝を抱えて脚を開かせながら訊くと、律子は小さく首を縦に振った。
 「あっ、あ……」
 ゆっくりと腰を前に押し出し、じわじわと挿入していくと、律子の表情が快楽に歪み、触れさせていただけ
の律子の手が俺の肘にしがみつく。奥へ進んでいく度に、粘膜に包み込まれる感覚が背を駆け上ってくる。狭
い膣の中は度重なる射精の痕がまだまだ色濃く残っているようで、愛液よりも密度の濃いどろどろした液体で
満たされている。
 「はぁ……あぁ……プロデューサー……」
 先ほどとはトーンの違う、絞り出すような声。喘ぎながら俺の腕を掴む律子に乞うような声でプロデューサ
ーと呼ばれ、胸が切なく締め付けられる思いだった。狭い胎内が吸い付くように俺のペニスを締め付けて、腰
の動きに合わせて襞がうねる。後ろから貫いて、ケダモノのように交尾するのも気持ちよかったが、こうして
律子の顔を見ながらするのもまた、性的欲求を満たすのとは違った喜びがある。
 「あっ、あ……や、やっぱり……」
 「ん?」
 「前からの方が……顔が見えて……ん……」
 上目遣いになって律子が俺を見上げる。
 「……そうだな。律子の顔好きだし、俺」
 「そっ……う」
 「お、中がギュッて締まった。……嬉しい?」
 「……ズルいですよ、そういう褒め方……」
 性感で赤くなった頬が、更に色濃く染まった。眼鏡に人差し指を引っ掛けてずり下ろし、律子の裸眼をじっ
と見ると、合っていた視線をすっと外された。恥じらったその表情に、まだ冷めやらない興奮が余計に昂って
いく。
 「……もういいや。全部取っちまおう」
 性器に伝わってくる刺激に任せて腰を振りながら、眼鏡を外し、お下げにした髪をまとめるヘアゴムにも手
をかける。律子は逆らわずに身を任せてくれていた。ねじれてウェーブのかかった髪が、はらりと肩に落ちた。
 「メガネもいいんだけど、こっちも好きだな。色っぽさアップって感じで」
 俺がそう言うと、律子は無言だったが、俺を包み込む内壁がきつくなって返事をした。体は正直……なんて
エロ漫画に溢れてるような言葉だけど、好きと言われてさすがに悪い気はしないようで、律子も喜んでいると
分かって嬉しくなる。
 「まったくもう、物好きなんだから……あっ……やだ、中で大きくしないでよ」
 「ああ、なんかもう好きだ。物好きだろうがなんだろうが、俺は律子が大好きなんだよ。文句あるか」
 「なっ……あ、ない、ない……わよっ……んっんん……」
 半ばヤケクソ気味に想いのたけを伝えると、愛しい気持ちで胸がいっぱいになって、ドキドキした。そのド
キドキが興奮に変換されて、腰を振る速度が上がる。蚊に刺された所をバリバリ掻いている時のような気持ち
よさの中で、尿意のような感覚が腰の奥から湧き上がってきた。意識が恋人との会話からセックスの方に向く。
 「あっ、ん、あっ、あ……あぁっ……」
 「律子……俺、もうイキそう……いい?」
 「う、ん……いいよ、私も……もう……だ、から……」
 潤んだ瞳は半開きになっている。肘をつかんでいた手が肩まで上ってきた。膣内がひくひくザワついていて
俺の射精を促しているようだった。
 「ん……あ、いっ……イク……」
 刺し貫くようにして一気に奥まで押し込むと、律子の腰がぶるっと大きく震えた。先ほど、一際大きな声で
叫んだ時とは違い、絶頂を味わうような小さく呟く声に、俺も戒めを解いて精を放つ。痛みを堪えているよう
にも見える律子の達した表情を見て、輸精管が広がって一度に多くの精液が送り出されるような気がした。
 「んは……はっ、はぁっ……あぁ……」
 俺の射精が終わっても、しばらく律子は小刻みに体を震わせていた。
 もう何回出したんだろう。気持ちよかったからどうでもいいか。そんなことも思いながら、律子のお腹の中
からペニスを引き抜くと、先端から白い液体が繋がって出てきて、つつっと橋を作った。満ち足りた安らぎの
顔になっている律子を見て、肌を重ね合うことの心地良さを改めて実感した。
 「良かったよ、律子」
 「わ……私も……」
 互いを労うように軽くキスをして、下ろした髪を手で梳かす。毛先に近付くにつれてふわふわ、髪の根元に
近い部分はサラサラしていて、とても触り心地が良かった。
 一息ついた所で、シャワーヘッドを手に取ってお湯を出す。よく分からない粘液にまみれた床を流しながら
愛液と精液に濡れたペニスもついでに洗い流した。バスタブに寄りかかって呼吸を整えている律子も流そうと
思ってふと視線を送ると、律子自身も体を洗おうと思っていたのか、肌にただ一つ身に残っていた上半身の水
着によろよろと手をかけている所だった。
 お腹側から指を差し入れて、水着がずり上げられていく。内側に隠されていた膨らみが水着と肌の境目から
零れ落ちてきて、むにっと潰れている。あと少し上に上げたら、乳首が見えそうだ。ああ、そう言えば今日は
ちっとも触っていなければ見てもいなかったな、と思い、視線がそこに釘付けになる。
 「ちょ、ちょっと……」
 片側の乳房を丸出しにする所まで水着を脱いだ律子が俺の目を一瞬だけ見て、すぐに視線を下げた。見てみ
ると、仕事を終えたはずの男根が再び立ち上がっていた。どうやら彼はまだ働きたいらしい。俺もまた、律子
が自ら水着を脱いでいる様に興奮してきてしまい、ほとんど無意識に蛇口を捻って水を止め、シャワーヘッド
を床に放り出して再び律子に迫った。
 「……ごめん、おっぱい見てたら勃っちゃった」
 中途半端にはだけた水着をぐいっと捲り上げて、そのまま半ば強引に腕から抜かせてしまった。もう、律子
の肌を覆い隠すものは何も存在しない。アクセサリーすらない、完全なハダカ。手を伸ばして、たぷたぷと柔
らかい乳房を掌に乗せる。手に馴染むような、人肌の滑らかさと、男の幸せが詰まった感触に、頬の肉が吊り
上がってしまう。
 「……プロデューサー」
 「ん、何?」
 「すっっっごくスケベな顔になってるんですけど」
 目尻を上げて律子が抗議の視線を突き刺してくる。
 「そりゃ、俺も男だからな。おっぱいが嫌いな男なんていないよ」
 「もう、エッチ」
 「俺は悪く無い。律子のおっぱいが大きいのが悪い」
 そう言いながら、硬くなっていた乳首をぐりぐり捻って圧迫すると、律子は眉を下げて目をつぶった。
 「あっ……こ、こら……は、んっ……」
 その声に股間の肉茎がびくんと跳ね、先走りが玉になって出てきた。
 たまらなくなり、胸を揉んでいた手を下げていって、両膝を掴んだ。
 「や……やだ、まだしたいの?」
 「ああ、したい」
 「あぁん……す、スケベぇ……変態ぃ……」
 閉じられていた両脚をこじ開けて、まだ混ぜこぜになった体液で濡れた秘所へ潜り込もうと腰を送り出すと
すんなり中へ入ることができた。そのまま、前後に腰を揺する。自分のブツをさっき洗ったおかげか、吸い付
くような膣の感触がダイレクトに伝わってきて、震え上がるほどの快楽が脊髄を走った。突き上げる度に胸元
でぷるぷる揺れる乳房の視覚的な刺激もたまらない。
 「えっと、確かここだっけ……」
 後ろからしていた時にたっぷり乱れていた場所を、前から律子を責めながら探る。後ろからしていて天井側
に感じたということは、奥の床側……。
 「んぁ……や、そこ……ん、そこダメだよぅ……」
 「あ、ここかな。ザラザラしてる」
 思いっきり奥まで押し込んだ所で、亀頭の裏側にざらついた壁の存在を感じた。途端に律子の中のぬかるみ
がどっと増して、首に回された腕に力が入った。
 「律子は、ここがいいんだよな……う、ヤバ……ここ……」
 「んは……あぁっ! い、あうぅっ、あっ、はあぁっ!」
 亀頭の縫い目を舌で舐められているようで、カリのくびれた部分が思い切り締め付けられてぐいぐい引っ張
られる。ザラついた部分に丁度敏感な裏筋が当たって、性器がとろけそうな凄まじい快楽の大波に、呻き声が
漏れた。腰が止まらない。入れたばかりで射精欲が膨れ上がってきているのに、ますます勢いが増す。
 「うぅっ、出る……」
 堪えることもできずに、漏れ出すように精液が体外へ飛び出す。頭がおかしくなりそうな射精の快感の中、
律子のツボを擦る下半身の動きが全く収まらない。鈴口から精液を吐き出しながら、ひたすらそこを刺激し続
ける。腰から下が別の生物に支配されたように、萎えることもなく性器が更に膨らんで律子を圧迫し、また淫
壁の締め付けが強くなって、意識を支配する肉の悦びがとめどなく勢いを増し続けていた。
 「律子……俺、止まらないよ、腰が勝手に……」
 「はっ、はっ、あ、や、あぁ、気持ちいい……気持ちいいの……」
 途切れ途切れに喘ぐ律子の瞳からは涙が零れ落ちていた。塩辛い液体を舌で舐め取り、そのまま唇の中へ滑
り込ませると、すぐさま律子も舌を絡めてきた。鼻で呼吸するだけではとても追いつかず、唇を離して息継ぎ
をしては、また唇を貪る。
 「あぁ……ダーリン、来ちゃう、大きいのが……あっ、あ……」
 俺をプロデューサーと呼ぶことも忘れて、律子が熱に浮かされたような声をあげながら、力を入れて俺の性
器を締め付けてくる。舌のような筋肉が手で絞るように握ってきて、そのままごしごしと扱き上げられる。
 「く……律子、出すよっ、律子……」
 「うん、来てっ……ダーリン、ダーリンっ……!」
 「んっ……ぁ、出る……」
 津波のような快感が押し寄せた。抵抗することなんてできなかったし、しようとも思わずに身を任せて、押
し流される。俺が一際大きな射精を始めた途端に、一瞬だけ緩んだ律子の中が今までにない圧力をかけてきた。
 「ああぁ、イク……イッちゃう……イクぅっ……はあぁ、あぁあぁぁあぁんっ!」
 濁流に押し流されて溺れないよう流木を掴む時みたいに、互いの体をきつく抱き締めあった。背中に爪の刺
さる感触があって痛みが走ったが、そんなものは微塵も気にならなかった。雷に打たれたんじゃないかと思う
ぐらい、頭の中が痺れるようだった。
 「あっ……あ……ん」
 俺の体の下で、律子はまだ絶頂の余韻にぴくぴくと震えている。お疲れ様、と一声かけて唇を重ねてから、
今度こそお互いの体を洗おうと思って、床に落ちたままのシャワーヘッドの拾い上げて蛇口を捻った。


 長かったセックスを終え、汗やら体液やらにまみれた体をのろのろとシャワーで洗い流してさっぱりした所
で、ようやく普段通りの格好に戻った。夕食は外に食べに行こうと考えていたが、お互いそこまでするのも億
劫なほどに疲れ果ててしまっていた。出前を取ったことなど随分久しぶりな気がする。カレーうどんを啜る律
子は精神的にも疲れていたように見えて、少しやり過ぎたかもしれないと申し訳ない気持ちになった。
 律子が持っていった書籍類は、返してもらえることとなった。あの憔悴ぶりからして、男の性欲は適度に発
散しないと大変なことになると身を持って感じたのだろう、と思う。無論、俺が欲望のままに突っ走り過ぎた
からなのだが、そのことについては特に言及されなかった。
 


 今、その律子はグリーンのパジャマ姿でベッドに横たわっている。時間も時間だしそろそろ寝ようと、俺も
ベッドに入る所だ。誰かと一緒に眠る、なんて、小さな子どもだった時に両親と一緒に寝た時以外はほとんど
無かっただろう。
 すぐ側に人の体温があって、その温かさの中で眠る。律子とそんなことをしたらすぐさま求めてしまう、と
そう思っていたが、いつも心の安らぎが勝っていて、不思議とそういうことになるのは稀だ。
 今日も──散々やってしまったからというのが第一の理由だろうが──ベッドに入って穏やかな気分で律子
と向き合った。
 「……没収までするなんて、やり過ぎでした……ごめんなさい」
 開口一番に律子が謝ってきた。どことなく歯切れが悪そうだ。
 「どうしたんだ? ただ疲れてるってだけの様子じゃないが……」
 「……話、聞いてもらえますか? 愚痴かもしれないけど」
 そう言ってから律子は目を伏せて押し黙ったが、肯定の印に俺が数秒待つとゆっくりと口を開いた。
 「……私、嫉妬……してたんです。本に載ってた女の人たち、スタイルは良かったし、美人ばっかりで。く
だらないっていうのは分かってます。本の中の人でしか無いのに。でも、あなたの視線が彼女達に注がれてる
って思うとカッとなって……。でも……あの日帰った後、気分が落ち着くと、私、男の人の事情も考えず一方
的に何やってるんだろう、って思って……。きっとあの人は嫌な気分になってる。こんなことしたら、あの人
に嫌われちゃうんじゃないか、愛想尽かされるんじゃないかって、怖くなって……」
 ごめん、と一呼吸置いたあとも、堰を切ったように律子の言葉は続く。こんな時は、話させてあげた方がい
いと思い、俺は黙って律子の次の言葉を待つことにした。
 「あなたが私より他の女の子の方が気に入ってるんだと思い込んで……少し……少しだけなんだけど、疑っ
てたんです……あなたの気持ち。そんなことを考えてた私って、なんだか凄くイヤな女じゃないかって思っち
ゃって……」
 律子が俯いて、一瞬押し黙った。
 「こんなんじゃ私……ごめんなさい。改めますから……許してください」
 こういう風に律子が本心を包み隠さず打ち明けてくれるのは、恋人同士になった今でもあまり無い。その時
々の感情を押し隠さずに表現する、という意味では、勿論律子が本心を隠しているわけではない。それは、本
音をぶつけても大丈夫だという俺への信頼の証でもあるのだ、と思っているからだ。しかし、それと同じぐら
いかそれ以上に、理性や道徳心で抑えつけている『隠し事』も多い。中には、律子自身気付いていなかったり、
言葉にして表現できないような『隠れ事』もあるだろう。そういった死角にあるようなことは、恐らく俺が汲
み取るべきなのだ、と思う。
 「それが本音だったんだな……よく話してくれた。えらいよ」
 言いながら、律子のほどいた髪へ指を差込み、頭を撫でた。律子は、俺の目が自分を見ていないように感じ
てしまい、お互いの絆の存在に自信が持てなくなっていたのかもしれない。確かにあれは男の事情を考慮して
いなかったとは思うが、あのことで自分自身に対する不満が負の方向に強化されてしまったように思える。
 プロデュースを始めてすぐの頃、律子はもう既にルックスへの自信の無さを漏らしていた。付き合いが長く
なっていくに連れて、自分の性格にも不満を持っていることが言動の端々から見て取れた。「私なんて」「私
なんか」「私より」そんな卑屈な言葉が聞かれることも時にはあった。
 口がキツイ所も頑固な所も素直じゃない所も俺は愛しくて仕方が無いのだが、律子自身はそこを昔から嫌悪
している。いつしか、律子のプロデュースにおいては、単にショービジネスの成功だけでなく、律子自身のコ
ンプレックスを取り除くことも俺の目的になっていた。 
 「律子はさ、思い描いてる理想の自分って言うのが常に自分の中にあるだろう。向上心は人一倍強いし、い
つだって高みを目指してる」
 律子の長所は沢山あるが、その中でも際立つのはその向上心の強さと実行力の高さだ。それがあったからこ
そ、芸能プロダクションを立ち上げる等と言うことをやってのけ、プロデューサーとしての業績も着実に伸ば
しているのだ。
 「ゴールの高さの設定は人それぞれだし、律子は相当高い所に自分の理想を位置づけてるんだと思う。ただ
し、理想っていうのはしばしば実現不可能なものだ。世の中には、それでも、無理な理想でも走り続けること
に意味がある、っていう人もいる。律子はさ、思い描く自分でいられないことに、思い描く自分になれないこ
とに、フラストレーションが溜まってイライラしてたんじゃないか?」
 「……………」
 「真面目な頑張り屋が、物事がうまくいかない責任を自己に押し付けて、自らを責めてしまう……よくある
話だろ。周りの人間には迷惑をかけないし、悪い風には映らないことが多いけど……それじゃ自分が傷ついて
しまう。律子が自分で自分を傷つけるようなこと言ってたらさ、俺、辛くなっちゃうよ」
 「……うん」
 「理想を目指すのはいいことだと思うけど、自分に実現を強要する事も無いと思うんだ」
 「そう……ですよね。私、焦りすぎなんですね、きっと……」
 「そういうことだ。まだまだ先は長いんだから、そんなに自分を急かす必要も無い。それにな」
 そこまで言って俺は一呼吸置いた。これを言ったらまた苦い顔をされるだろうか……。
 「嫉妬されるなんて嬉しいよ。ますます律子のことが好きになった」
 背中に手を回して、温かい身体を抱き締める。
 「律子が短所だと思って嫌ってるような所……俺は好きだよ。本当に大好きなんだ。愛してる」
 「……ありがとう」
 弱い返事が返ってきた。心なしか、その声は震えていた。
  

 しばらくそのままでいると、律子の息が規則的で静かなものに変わった。どうやら寝入ってくれたようだ。
あれだけ疲れていれば無理も無いだろう。精神的にもちょっと負担がかかっていたようだし。
 律子にはきっと、愛情を確かめられる物理的な印が必要だろう、と俺はそう思った。ティッシュペーパーを
糸状によじり、律子の薬指に巻きつけて指のサイズを取り、外してクリップで固定する。
 待てよ。指輪をあげても世間体を気にして身につけないかもしれないな。そうするとネックレス辺りの隠し
易い物の方がいいだろうか。いいや。面倒だから両方買ってしまおう。
 俺はそんなに頭が良くないのだから。


 終わり



―後書き―


素敵な雨上がり以来しばらくSSから離れていて、今年六月辺りに久しぶりに書いたものでした。
「計六発分通しで」とリクエストを頂いていたので、省略無しで全弾余すところ無く書いてみました。
書いてて割と楽しかったんですが、なんかもうスタミナ有りすぎっていうかPがお猿さん過ぎるw
リクありがとうございました^^


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