「つ、次は何をするつもりだ」
 「そろそろ、私も一緒に……」
 瞳を潤ませながらスカートの中に手を差し入れ、律子は自らショーツを脚から抜いていった。黒いスカートの下に、何も履いてな
い。その中の光景を思い浮かべると、鼓動のテンポが上がった。
 「そのまま壁に、寄りかかってて……」
 座って壁に寄りかかる体勢の俺の上に、律子がまたがってくる。剥き出しの肉茎に触れた律子の内腿は湿り気を帯びているという
領域を超えて濡れていた。スカートに覆われていて局部が見えないという状況が、愛液に濡れたはなびらを強く思い起こさせた。ほ
とんど無意識に、これから律子と結合するのだと理解した。
 「律子……」
 「わ、私……もう準備できてるから……いい? 今日はつけないでいいから……このまま……」
 挿入を意識してか、律子の瞳が欲望に潤んでいた。深く吐き出された吐息は熱く、声色には紛れも無い期待が滲んでいる。互いが
繋がることによる溺れそうなほどの快感を求めているのは、俺も律子も一緒だった。
 俺が軽く頷くと、しなやかな指が肉の杭を掴んで、腰を沈めれば一気に入り込めるようセットする。入り口と先端とが触れ合った
瞬間に粘っこい水音がして、否が応にも肌の重なり合う瞬間への昂りを強めた。
 「う……ん……あぁっ! あんなに出したのに……か、硬い……っ」
 律子の腰がゆっくりと沈み、下の口からの涎にまみれた洞穴へと飲み込まれていく。直接目視できないがために、余計に神経を伝
わってくる刺激が増幅されているようだった。滑るようにしてあっさり根元まで銜え込まれると、律子の体がぶるぶると震えた。
 「お……奥まで、いっぱい……! じっとしててね、私が動くからっ……あっ、あぁ……」
 壁に寄りかかる俺にまたがるようにして体重を預けつつ、溜め息のような声を漏らしながら律子がゆっくりと腰を回す。上下の動
きこそ無いものの、舐めまわすように膣内の肉がうねってぐいぐい締め付けてくる。俺は衝動的に、拘束された両手を振りほどこう
と、金属の手錠を引き鳴らしていた。外れるわけが無いと頭では分かっていても、そうせずにはいられなかった。
 「ちょ……あ……ちょっと、わ、私が……動くんだから……んん」
 大人しくしててよ、と律子が合間に吐息を交えて俺をたしなめた。味わうようだった腰の動きに上下動が加わり、いやらしい音と
ともに蛇腹のような起伏が陰茎の傘から茎から亀頭のくびれた部分まで、全てが擦りあげられる。
 「っ……う……律子……」
 「あぁっ……んん……ダーリン……」
 「いいよ……律子の中、熱くてぬるぬるしてて……」
 「うん……! わ、私も……あ、気持ちいいの、奥……奥が……ぁ」
 上下の運動に幅はあまり無いが、律子は奥の方が気持ちいいのか、根元まで埋め込まれた状態で小刻みに腰を振る。ふるふる揺れ
る乳房が露出した状態で目の前にあり、首を伸ばせば届きそうな距離にあった桜色の頂点にむしゃぶりつくと、一際高い嬌声と共に
粘膜に包まれた空間がいっそう狭くなり、何度かに渡って断続的に律子の中が収縮した。腰から足の先端までがじいんと痺れる。
 「あ……だめ、そこ吸っちゃ……力、入らなくなって……んぁ……」
 電池切れを起こしたかのように、増すぬかるみと共にきつくなっていく胎内とは対照的に、律子の腰の動きは緩慢なものになって
いく。俺の唇の中で硬さを増す乳首を思い切り吸い上げると、遂にくねくね動いていた腰の動きが止まってしまった。
 「あはぁぁ……! あ、ダメよぉ……私が……リードするんだから……はぁ、はぁ……」
 「……分かったよ」
 力無く俺の頭を引き剥がそうとする律子に素直に従い、唇を離す。俺が口で愛撫していた場所は、乳輪まで持ち上がって勃起して
いた。視線を上げて律子の表情を見てみると、首筋まで真っ赤にして、涙が零れ落ちそうなほどに瞳を潤ませていた。
 「んんっ、んっ……んふ……あ、あっあ……」
 体を揺すって、律子が快楽を貪る。荒々しさが足りず少々もどかしいが、アイドルをやっていた頃の衣装で自分にまたがり腰を振
っているその姿は、視覚的にはこの上ない刺激だった。手を縛られ、二度も射精した後だというのに、俺の牡は精を吐き出す準備を
着々と整えつつあった。もっと動きたいが、腰を下した体勢では腰も動かし辛い。
 「あっ……は、私……も、もう少しで……!」
 律子の声が上ずり始めた。俺の射精感が高まってくるのと同じように、律子も絶頂の時が近いようだ。
 「はぁっ……あ、ん……あ……」
 ところが、もう少し、という所であるはずなのに、また律子の腰の動きがスローダウンしていき、ぴたりと静止してしまった。
 「……どうしたんだ?」
 「き……気持ちよくなればなるほど、動くのが億劫になってきちゃって……」
 律子自身も達することができないのがじれったいのか、荒い息に混じった声が震えていた。
 「…………ワガママ、言ってもいい?」
 先ほどコンドームを取り出したポーチに手を伸ばし、律子が中から何か細長い金属のような物を取り出した。こんな状況でワガマ
マも何も、俺はされるがままになっているのだが、許可を求めようとする律子に何も言わずに首を縦に振った。
 俺の意思表示を確認すると律子が俺の背中に手を回してきた。カチッと言う音と共に、俺の手首を縛り付けていた手錠が外れた。
手が自由になると、何かを請うような目つきで律子が俺の瞳を覗き込んでくる。
 「……いいのか?」
 折角主導権を握ってたのに、ここに来て俺にそれを渡しちゃって。
 「うん……き……気持ちよくなりたいの……」
 「律子……」
 自由になった手でようやく律子の顔に触れ、首を掴んで唇を奪った。即座に舌を律子の口腔へ突っ込み、唾液をたっぷり乗せて舌
同士を絡みつかせる。体の入り口から零れ出てくる唾液を、音を立てて啜る。
 「んっ……あむ……ちゅ、んん」
 突き出してきた律子の舌を唇で挟み込んでしゃぶると、俺のペニスを包み込む柔らかな壁がギュッ、ギュッと収縮した。顔が濡れ
るのも構わないキスを止めて唇を離すと、律子が悦楽にとろけた瞳でぼんやりと俺の顔を見ていた。
 喝を入れるようにして、動かし辛い腰を振って下から突き上げる。
 「あっ、ふぁ!」
 突然の刺激に驚いて、律子が目を見開く。俺の肩に手を置くように言い、俺の両手は胸元で剥き出しになっている乳房へと向かわ
せた。
 「なぁ律子……だいぶキてるだろ?」
 「うん……もう少しなの、私……」
 「じゃ、このまま動かないでしてみるか……」
 手を大きく広げて、ふにっとした至福の柔らかさを愉しむように揉んでいくと、目を細めて吐息混じりに律子が喘ぐ。前戯をする
時とは明らかに違う顕著な反応から、律子の感じている刺激が相当強くなっているらしいことが分かった。
 硬くなった乳首を指でつまみ、遠慮なく押し潰し、乳輪ごとグリグリと捻ると、喉の奥から絞り出すような声が半開きになった唇
から漏れ出てきて、ただでさえ狭い律子の中がより一層狭まり、自ら更なる刺激を求めるようにうねった。
 「ひっ……は……あ、あたし……おっぱいでイキそ……」
 あと一息。ダメ押しをしようと俺は律子の唇に吸い付き、開いたままの歯列から舌を差し込んで、口内を掻き回した。
 律子が俺の肩を掴む力が急激に強くなった。
 「んふ……んんっ……んんんんんんんっ!」
 膣の奥からじわりと滲み出てくる粘液の存在を先端に感じながら、食いちぎらんばかりに俺の肉を締め付ける圧力に、俺の腰で疼
いていた射精欲が爆ぜる。上の口でも下の口でも繋がったまま、絶頂を迎え、白い喉を仰け反らせながら全身を震わせる律子の体内
を、真っ白でドロドロの精液で汚していく。膣内に牡の体液を注ぎ込むことへの罪悪感が、達する気持ちよさを何倍にも加速させ、
膝を突っ張らせ、足指の先を折り曲げて、俺は律子のおんなの中に一滴残らず欲望をぶちまけた。
 大丈夫、と律子は言ったが、こんなに出したら妊娠させてしまうかもしれない、と思った。
 「っぷあ……ハァ……ハァ……」
 息苦しさに、押し付けたままの唇を離すと、溜まっていた唾液がどろりと律子の顎を伝って胸元に垂れた。まだ荒い呼吸を整えよ
うともせず、俺はそれを綺麗に舐め取る。
 「律子……イイ気持ちになった?」
 俺の問いかけに、律子がこくこくと細かく頭を振って頷いた。
 「まだだよ」
 腰に跨っていた律子をベッドにそっと押し倒し、上に覆いかぶさる。デビュー当時は、衣装から露出した肌や豊かな体つきに、律
子への想いを意識し出してからは、律子そのものに、楽屋で沸き起こる密かな興奮を理性で押さえ込んでいたものだった。ファンで
もある俺の愛してやまない、憧れのアイドルをベッドに組み敷いているという状況が、三度の射精を経てなお俺の欲望を激しく昂ら
せた。
 「あ……だめ、私まだ……」
 「律子がそんな格好してるからさ……もうガチガチだよ、俺」
 密着させた状態から腰を引き、押し込む。さっきとは違って動きやすい体勢になったおかげで、思う存分律子の中を掻きまわすこ
とができる。
 「ふぁあん! ダメだってば、まだ敏感になってるのにぃっ!」
 まだ中に残っている精液と、律子の中から分泌された愛液とが、俺が腰を振る度にぐちょぐちょと卑猥な音を立てて混ざり合う。
水っぽくなってしまっていた膣内からどんどん粘液が掻き出されていき、襞の吸い付きを直に感じ取れるようになってきた。
 「あっ! あっ、あ……ひ、んぁ……!」
 力なくシーツの海に沈んだままだった律子の腕が緩やかに伸びてきて、俺の首にしがみ付く。奥まで入れて最奥の壁をノックする
ように何度か軽く突き上げると、開いた唇から一筋の涎がこぼれ出てきた。そのまま、ややザラついた律子のお気に入りの場所を往
復してこすりたてると、もっと密着させようと両脚が腰に絡み付いてきた。
 「はうぅ……そこ……あんまりしないで……」
 「何言ってるんだよ、ここされるのが一番好きなクセに……」
 「すっ……好きだけどぉ、んんっ! そこばっかりされたら、私、すぐ……」
 「いいよ、すぐで。俺なんて三回もイッてるんだから……」
 などと言いながらも、感じれば感じるほどきつく狭くなっていく律子の蜜壷に、俺もあっという間に余裕が無くなっていた。律子
が達するように仕向けたいと思う一方で、早く吐き出したくて半ば無意識に腰を振る速度が上がっていく。
 「い、あぁっ! あ、はっ……! ダーリぃん……」
 切なげに喘ぐ律子の声に、胸が甘く疼いた。
 「律子っ……」
 垂れていた涎を舌で舐め取って、そのまま律子と舌を絡め合わせる。上の口でも下の口でも繋がって、いよいよもって絶頂感が腰
で膨らみ、今にも爆発しそうになっていた。律子の中もギチギチになっていて、自らも腰を振りながらぴくぴくと全身を震わせてい
た。
 「だ、ダーリン……あ、私、ま、また……イキそ……奥が気持ちよすぎて……んぅ、もっとぉ……」
 「わ……分かったよ。俺も、そろそろ出そうなんだ……」
 あらゆる方向から締め付けてくる濡れた肉に今にも達しそうになるのを堪えながら、根元までペニスを埋め込んで、律子の奥をぐ
りぐり圧迫するように押し込んでいく。首にしがみ付いた律子の手が力んだ。
 「いっ……イく、イっちゃ……あ、あっあ……ふぁあぁぁぁぁぁぁんっ!!」
 「んっ……出るっ……」
 蠢いて俺のペニスの裏側を扱きあげる肉の襞が痙攣して、俺の射精を促すようにうねった。それに導かれるようにして、尿道を白
い体液が吸い上げられていく。俺の腰も震える。ベッドに突っ張らせた腕に力が入らなくなるのを堪えながら、大波のような絶頂の
快楽に身を任せる。四度目にもなるというのに、勢い良く噴き上げたどろどろの欲望がべしゃべしゃと律子の中に叩きつけられてい
った。
 射精が終わり、まだ余韻の残る表情で笑う律子が目を閉じてキスを求めてきた。柔らかい髪を撫でながら優しく口付けを交わす。
 「ねぇ」
 律子は普段呼ばない俺の名前を口にして、照れ臭そうに視線を逸らしながら「愛してる」と小さな声で言った。

 
 熱くお互いを求め合う時間が終わり、倦怠感の残る体を引きずるようにのそのそと帰り支度を始めてから、律子はしきりに申し訳
無さそうな視線を俺に送っていた。
 「手首、大丈夫ですか? そんなに赤くなっちゃって……」
 「あぁ、平気だよ。痛みは残ってないし、これぐらいなら一日で引くんじゃないか?」
 それならいいんですけど、と、いつものブラウス姿に戻った律子が歯切れ悪そうに言った。
 「お腹……痛くないですか?」
 「……やっぱり、一服盛ってたの?」
 「身体には影響の無いものを選んだんですけど……良くないですよね、こんなの」
 最中は随分ノリノリだったようだが、恋人に薬を盛るという行為にはやはり罪悪感を感じているようだ。仮に俺が逆の立場だった
としても、同じことを思うだろう。目が覚めたと思ったらいきなり手錠で拘束されていたのがショックだったのは否めない。
 「どこで薬なんて選んだかはさておき……要するに、リードしてみたかったんだろ?」
 後片付けを終えて仮眠室のドアを開けながら、律子に尋ねてみる。眉尻を下げて恥ずかしそうにしながら、ほんの少しだけ律子は
頷いて肯定の意を示した。後ろめたそうに縮こまった頭を少々乱暴にくしゃくしゃ撫でた。
 「バツとして、今度メシおごりな」
 「おごり……いい、ですけど、あんまり高いのは勘弁して下さいよ?」
 無条件に許してもいいのだが、それでは中々納得してくれないのが律子だ。「いいよ、気にしないで」と言うよりも、これぐらい
の軽い条件を出しておいた方がかえって安心してくれるだろう。思ったとおり、俺の出した条件を飲んだ律子の表情は、苦笑いを浮
かべながらも少し和らいでくれた。

 駐車場への道を歩く律子の横顔は満足そうだった。良く見てみると、体を重ねる前と比べて肌が綺麗になっているように見えた。
 俺はと言えば腰はだるいし足は重いしで疲れているのに、どうして先程より律子はイキイキしているのだろうか。
 つくづく、女性は不思議な存在だと思った。



 終わり




―後書き―

投下した当時は本番は丸ごとはしょっちゃってたので、そこを中心に大幅に加筆しました。
どうにかして律子責めを徹底させたかったんですが、されたい願望の方が強いだろうなぁ、と思って
最終的にこうなりました。それにしても、Pの名無しっぷりは徹底してますよね。
デフォルト名すら無いのは……><


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