2-62氏

62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/04/03(木) 00:19:44 ID:fchpdNXI


じゃあ、俺も>>56大先輩に勝手に続きますぜ



それは『蜂の巣』でのある昼下がりの事だった。

「なー、フィーロ」
「え?何ですか?」
「『子作り』ってどうするの?」

いつものように能天気なアイザックとミリアの口から、思いも寄らぬ単語が飛び出したので、
フィーロは飲みかけのアルコールを思い切り吹き出してしまった。
たまたま正面にいたラックが、ハンカチで自分の顔を拭きながらジロリとフィーロを睨みつける。
対してフィーロは、顔を真っ赤にしながら二人に向き直った。

「な・・・ななな何を言い出すんですか!?いきなり!?」
「え〜、だってさっき言われたんだよ?」

誰だ、とフィーロは頭の中で考える。
ランディかペッチョという可能性が最も高い。
まさかマイザーやロニーが、そんな話をするとは思えなかった。
エニスでは無い事は確かだ。
セーナかリア辺りがお節介で言ったという事も考えられる。
よもやモルサ・マルティージョではないだろうが・・・。
フィーロは頭の中での犯人探しを断念し、二人に深く聞いてみる事にした。

「ちなみに・・・何を言われ・・・」
「『もうヤったのか?』って」
「『まだ処女かい?』って」

フィーロはテーブルに頭を強く打ち付けた。
確かにその人の言いたい事は分かる。
童顔だが、スタイルはいいミリア。
四六時中一緒に居る、恋人兼相棒のアイザック。
二人の間に『何か』が・・・いわゆる『心と体の触れ合い』があるかどうか期待したり、
実際に聞きたくなったりするのは分からなくはない。
しかし、よりによって自分に聞いてくる事もなかろうに・・・とフィーロは心中で嘆く。

63 名前:62[sage] 投稿日:2008/04/03(木) 00:20:58 ID:fchpdNXI


「あの・・・」
「ねぇ、『処女』って何?」
「『ヤる』って何がだ?」
「・・・・・・・・・・」

答えられない。
というか、他人に説明できるほど知識に詳しいなら、とっくにエニスとやっている。
周りの仲間達が自分を見てクスクス笑っているのが、何故か憎たらしい。

「フィーロお兄ちゃんの代わりに僕が教えましょうか?」
「黙ってろチェス」

横から出てきたチェスを、フィーロが制した。
口調も穏やかで、口元には引きつった笑みが浮かんでいたが、チェスにはすぐ分かった。
目が笑っていない。

「あ〜・・・、とにかくここで話すような話題でもないので・・・」

フィーロが二人を立たせて、別室へと連れて行こうとする。
と、懲りないチェスがフィーロにそっと耳打ちした。

「・・・まさか別室で、文字通り『手取り足取り実演で』教えるわけじゃないよね?
 『サンピー』ってやつ・・・」

その時のフィーロは、幼馴染みのラックですら冷や汗を垂らすほどチェスを睨みつけていたという。
後にチェスワフ・メイエルは語る。

『冗談で言っただけなのに、まさかあんなに怖い顔するとは思わなかった』

64 名前:62[sage] 投稿日:2008/04/03(木) 00:22:23 ID:fchpdNXI


しばらくして、フィーロ達三人が別室から出てきた。
顔を真っ赤にしているフィーロとは裏腹に、アイザックとミリアは顔を輝かせている。

「ありがとうなフィーロ!!」
「フィーロって詳しいんだね!!」
「つまりこの『儀式』をこなせば、子供が出来るって言うんだろ?」
「これでコウノトリが来るんだね!!」
「ああ、そうさ!!これで俺達にも子供が出来るんだ!!」
「やったねアイザック!!」

二人は晴れ晴れとした顔で手を振りながら出口に向かう。
どっと疲れが出たらしく、フィーロは手を振り返す気力も無い。
そのまま椅子に座り込むと、大きな溜め息を吐いた。

「要するに、ミリアの×××を濡らせばいいんだろ?」
「それからアイザックのお××××を、私の×××に入れればいいんだよね!!」

今度はマルティージョ・ファミリーの全員が、飲みかけのアルコールを吹き出した。



糸冬 わ り

オチ無しだ、お目汚しスマヌ







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