2rdステージ 九

                                 〜疑惑、困惑〜

 

 

 

 

「シンジ、アンタの偶然のおかげで助かったわ」

「あ、そうだね・・・・・・リツコさん怖いよ・・・・・・」

「搾られたみたいね。まぁ・・・アンタの偶然は恐ろしいから」

「助かったって言ったくせに・・・・・」

「碇君・・行きましょう」

「あ、行こう」

僕らは、温泉地に行った。

ネルフ 軽井沢仮設基地

「シンジ君・・・おかしいわね」

そう・・・・・・行動も・・・・・・体中火傷しているはずなのに・・・・・・

「・・・・・・考え過ぎじゃあ・・・無いわね・・・」

「私のレベルのIDでも彼の素性は知ってる通り・・・・・・」

「・・・・・アンタのIDって・・・・E計画の開発責任者だからって特別にレベル6なんでしょう?」

「ええ・・・・司令も副指令も6よ・・・・・・」

「それでわからないなんて・・・・・どう言う事?」

そう・・・おかしいわ・・・司令も知らないなんて・・・・まさか・・・ゼーレが送ってきたの?

「よぉ!お二人さん!どうした暗い顔して!」

「シンジ君・・・・・スパイかも知れない・・・上層部の・・・・・」

「リツコ・・・上層部って司令?」

「違うわよ・・・・複雑だから説明しないけど・・・・さらに上があるの・・・・・・」

それは違うな・・・だったら俺が情報を得ているはずだ・・・・彼はゼーレじゃない・・・日本政府でもない・・・・・・

国連か?

そんなわけない・・・・

「もしスパイだったら・・・連絡を取っているはずだ。あの子達は監視がついているはず。

通信手段もMAGIが抑えているし、携帯も全然使ってなんだろ?」

「・・・・・・・・・そうなのよね・・・・・・」

彼には疑惑しか浮かばないわね・・・・・・

保護者のミサトでさえなにも気付いていないなんて・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・二人に聞いて見ましょう」

「アスカとレイか・・・・・・聞いてみよう」

 

温泉地

「シンジ!アンタは病院に行きなさいよ!」

当然だ。

「え・・・・でも・・・・・・」

「シンちゃん!デモもストライキもないわよ!あなたシンクロ率高いのに飛びこんだでしょう!」

「え?ええ・・・・・・でも・・・そっちでカットしてくれるかと思いまして・・・・・」

でも、カットし忘れていたようだ。

「・・・・・・そうね、ごめんなさい。とにかく、救急班に見せなさい!」

「はい」

全治二週間で治るらしい。

それも、ネルフの特製火傷用薬を塗って、打って、飲んでだ・・・・・・

あらためて見ると、体中が赤く水ぶくれみたいになっている。自分でもここまで歩いてきたのだ不思議なくらいだった。

 

「あなた達・・・温泉に来なさい」

「あ,言われなくても行くわよ。ちょっと待って」

二人は浴衣を着に行った。

でも、アスカもレイも着方がわからない。

結局はミサトに頼む始末となった。

温泉

「シンちゃんね、全治二週間だって」

「・・・・・・私のせいよね・・・・・・」

アスカは柄にも似合わず萎れている。

「いいえ、あれが得策よ。アスカが死ぬんだったら火傷してまで助ける方がいいとMAGIにも出たそうよ」

「・・・・・でも・・・・」

MAGIもなかなか酷い事を出すらしい。

「いいから!それとね・・・・・・シンちゃん・・・・怪しい事してない?」

ミサトが本題に入った。

二人は「なんなのそれ?」っと言った表情でミサトを見る。

「はぁ?どう言う事?」

「っとね、夜中に出かけたり・・・・ネルフ以外の携帯持っていたり・・・・」

「いいえ、まぁ・・・・言うなれば・・・一人で考え事している時間が長いわね」

「一人で考え事?」

そう言えば・・・・・・そう言う事もあったわねぇ・・・・・・

「・・・・・ええ・・・・碇君は・・・前からそうでした・・・・一人でいる時は大体・・・・・・」

「で、ミサト、何でそんな事聞くの?」

「・・・・・・シンちゃんがどこかのスパイの可能性があるの・・・・・・行動がおかしいのよ・・・・戦闘中が特に・・・」

「でも・・・今日のは偶然よ」

「いいえ、今までのをまとめてよ・・・・・・第三使徒は、初戦だったから初心者の戦いだったわ・・・

第四使徒は・・・・・・腹部を相手の鞭状の武器で貫かせ、肉を切らせて骨を絶つで行ったの・・・

それは、後々考えたら一番いい戦い方だったわ・・・あの時は武器もほとんどなかったし・・・・・・

第五使徒は、心拍や呼吸が正常だったのに、怖かったので慌てて打ってしまいましたとか言って結果的には勝ったし・・・・

第六のアスカとのタンデムでも・・・どうやったかは知らないけど・・・全ての痛みを自分に集めていた・・・

あの後消えたのは、腹部を縫合手術して入院していたの・・・・・・

第七は、撤退のタイミングもばっちりだったし・・・・踊りも始めから知っていたみたいにすごかったわ・・・」

「・・・・・・・・・・・・・碇君・・・・だから・・・あの時いなかったの・・・」

「シンジ・・・私をかばって?入院したの・・・・・・・・・・」

ばらしてしまった。

これでシンジも後で怒られるだろう。

「彼はね、アスカでも痛くて叫びまわりそうな大怪我でも、明るく振舞って私達を心配させないようにしていたわ・・・・・

どう考えても・・・普通の中学2年の行動とは思えない・・・・・・もしかしたら、明日にでも消えているかもね」

その時、レイの顔色が変わった。

「碇君は私を捨てないと言った・・・・嘘はつかないわ」

「・・・・・・・そうね、そう言うやつじゃないわよ・・・・・・」

「・・・・・私もそう思うけど・・・・・・でもね、怪しい行動が・・・・」

「・・・・・・・・・・・今度の戦いで見ればいいじゃない・・・私はシンジを信じるわ」

「私も・・・・碇君を信じます・・・」

「私も信じたいけど・・・・・・あ、ビールが無くなったわ・・・・・・飲みたい・・・・・・」

怪しいのはお前だ!っと叫びたい気持ちで一杯だった二人は口を噤んだ。

 

 

1週間後

「シンジ!来たわよ」

「碇君・・・大丈夫?」

と、聞くがレイは毎日学校が終わったら時間までシンジの隣に座っている。

しかし、ハーモニスクなどにはちゃんと出ているところがレイらしい。

ここは病院だ。

「あ、ごめんね、何時も何時も・・・・・・」

「で、火傷はどうなの?」

「あ・・・・・・まだ痛い・・・・・・寝返りも打てないもん・・・・・・背中に血がたまっちゃって・・・・・・」

「どうしているの?」

「看護婦さんが裏返してくれるんだけど・・・・擦れて痛いんだ・・・・」

「私のせいね・・・・・ごめんね」

「いいよ、死んでいるわけじゃないから・・・・・それに慣れたしね」

そう・・・・・・怪我にはなれた・・・・・・いや、ただ事前に覚悟しているだけだ。痛い物は痛い。

「そ、私はこれから用事があるから帰るわ、じゃあね」

「うん、僕は後3日で退院だから・・・ご飯はごめんね」

「平気よ、レイが作ってくれているわ」

教えておいてよかった・・・・・・

そう言えば名前で呼び合っているんだな・・・・・・

3日後

退院した。

まだ皮膚に違和感があるけど・・・・・・

実際の所、絶対安静と言われているのに動くのが悪いからしょうがないか・・・・・・

「あ、おはようトウジ、ケンスケ」

「お!センセ!火傷はどうや?」

「後、4日くらいで治るけど・・・退屈だから来たんだよ」

僕の皮膚は今も赤みを帯びている。

「でもな、シンジ!お前は幸せものだ!綾波と惣流さんのW看護を受けるなんて!」

最近、綾波の人気も出てきた。

綾波にとっては言い事だろうな・・・・・・

でも・・・・・・・ちょっと嫌かな?

僕は・・・・・・嫉妬しているのか?

「べ、べつに・・・・何をやってもらったってわけでもないし・・・・・・」

「ちっくしょう!カメラでも仕掛けておくんだった!」

ははは・・・ネルフが仕掛けているよ・・・・MAGIにハッキングして取れば?

無理だね・・・・・・

MAGIにハッキング出きるとしたら、各支部にあるMAGIのコピーだ。

それでも、リツコさんにかかれば食い止めてしまうだろう。

ネルフ本部には、凄い人ばかり集まっている気がする・・・・・・

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