エヴァ

■2ndステージ■

第3話「友達、そして、自分の危機」

作・専務さま


 

 

あれから2週間と少し経った。

綾波は少しずつ僕に心を開いて来ている。

僕がいろいろ教えているからだ。

 

「あれ?綾波いないの?」

僕は綾波の部屋に夕食が出来たから迎えに来ていた。

 

カラ・・・

 

「碇君?・・・・何?」

「あ、あ、あ、あ、あ、綾波ぃぃ!!」

「・・・・・・何かよう?」

「ふ、服を・・・着てくれないか?頼むから・・・」

「何か問題があるの?」

「うん、人の前に裸で出たらいけないんだよ。それは一般的な常識だからね」

「・・・・・・わかったわ・・・でも、タオルをつけているわ」

「そう言う問題じゃないんだよ・・・」

 

前もこんな事あったな・・・

僕は体中冷や汗たっぷりだった。

 

「あら?シンちゃんどうしたの慌てて」

「何でもありません・・・はぁ・・・」

さすがに言えないよ・・・

「碇君…」

「あ、来たね、じゃあ夕食にしよう」

 

 

「レイ、あなた最近変わったわね・・・」

「・・・・葛城一尉・・・そうですか?」

「あなたはもはや家族と同じよ。私は名前で呼んで欲しいわ」

「・・・・・・・ミサト・・・さん」

ミサトさんは喜びのあまり泣いていた。

「綾波は・・・かわいいね」

しれっと言ってみた。

ミサトさんは固まった。

「・・・・・・・・なぜそう思うの?」

「だって・・・素直だもん。自分の言いたい事をしっかりと相手に伝える・・・正直でいい

じゃないか」

「・・・・・・そう・・・なの?・・・・・・私にはわからないわ」

「これから判って行けばいいよ」

ミサトは再起動を果たした。

「シンちゃんって・・・プレイボーイ?」

思わず笑ってしまった。

僕が?

そんなわけない・・・ただ正直に言ってみただけだ。

「・・・・・・教えて・・・これから・・・」

「うん、そうしようよ」

 

ミサトさんまた固まった。

 

 

 

<碇君ってあのロボットのパイロットなの?YES/NO>

 

「・・・・・・」

 

<YES>

 

僕はみんなに囲まれた。

質問攻めにあったけどどうにか切り抜けた。

 

 

 

「しっかし・・・シンジがパイロットだったなんて・・・僕は誇りに思うよ」

「ケンスケェ・・・実際命かけているんだから・・・」

「だって・・・機体が傷つくだけだろう?」

「・・・僕らはEVAと同調しているから機体が傷つけられたら、僕らもその場所に怪

我をするんだ・・・安全じゃないよ」

二人は固まっている。

バタン

「碇君・・・非常呼集・・・行きましょう」

「え?あ、うん」

「非常呼集?」

ケンスケは校庭を見た。

「・・・ネルフの車・・・綾波も?」

「まさか・・・なぁ?」

 

二人は理解できないだろう・・・

 

 

 

 

 

ネルフ

 

「使徒が来たわ。シンちゃんが出て」

「ハイ・・・」

 

あの二人は・・・いるのだろうか?

いたら・・・助けるしかないな・・・

 

「ATフィールドを中和しながらパレットライフルを掃射!」

「はい」

効かないのはわかっている・・・

今度も、弾着の煙で使徒が見えなくなった。

 

「シンジ君!ちゃんと考えて撃って!」

 

その瞬間、敵の鞭情の物がパレットライフルを切り、初号機の脚に絡み投げた。

ぼくは、山に激突した。

 

「・・・・・・トウジ!ケンスケ!」

演技だ・・・

「シンジ君の同級生?シンジ君!無視して戦って!」

「・・・いやです。助けます」

 

僕は、エントリープラグを半分ほど出して、外部スピーカーのスイッチを入れる。

 

「二人とも!早く乗るんだ!」

「?????行くぞトウジ!」

「わぁっとるわ!」

 

ドブン!ドブン!

 

「水やないけぇぇ!」

「カメラがぁぁぁぁ!」

「そんな物捨てろ!話し掛けないで!」

「シ、シンジ?」

「あれはほんまだったんかい・・・」

 

通信が来た。

 

「シンジ君!何やっているの!後退して!回収するわよ!」

「シンジ!逃げろ言うてるで!」

「そうだよシンジ!逃げよう!」

「・・・・・・ミサトさん・・・だめです」

 

僕は走り出した。

前のように腹部に刺さる。

それを、さらに突き刺しながら使徒のコアにナイフを刺す。

 

「シンジ君!何考えているの?!」

「くっそぉぉぉぉぉ!!!」

 

腹部に激痛が走る。

 

「活動限界近いです!」

「・・・パターン青消えました!」

「・・・・・・シンジ君・・・あとでお仕置きね」

「ミサト・・・それどころじゃないわ」

 

僕はやっと力が抜けた。

 

「シンジ・・・大丈夫か?」

「シンジ・・・平気か?」

「つぅぅぅぅ・・・・クゥぅ・・・」

 

しばらくして、救急班が助けに来た。

ミサトさんは僕の顔を見るとすぐに平手打ちをしたが、僕はその場で倒れた。

 

「ミサト・・・アンタバカ?シンジ君の腹部・・・見なさい」

「・・・・血?」

「そうよ・・・90%超えていたから・・・貫通しているわ。早く病院へ!」

「・・・・・・・・」

 

 

病室

 

「・・・・・・ン・・・・・」

「お目覚め?」

 

そこには、ミサトさんと綾波とトウジ、ケンスケがいた。

 

「あれ?あ、ああ・・・腹に穴が開いたんですね?痛かったなぁ」

「シンちゃん余裕ね・・・手術は二時間掛かったのよ」

「・・・・・・あ、そうか・・・ふぁ〜あ・・・じゃあ入院ですね?お休み」

パン!

「まったく・・・いちいち叩かないでくださいよぉ。腹部に痛みが・・・あれじゃあ93%は

出たかなぁ?」

「あたりよ碇君」

「・・・シンちゃん。あなたね・・・退院したら禁固3日ね」

「いいですよ。1週間でも」

「まったく・・・あなたがいないと家の食事はどうするの!」

味をしめたようだ・・・

「ミサトさん、僕が来るまでレトルトじゃなかったですか・・・それでいいでしょ?」

睨んできている。綾波が。

目で、ミサトさんのレトルトのカレーを食べたくないと訴えている。

「ごめんね綾波、夕食作れないで」

「・・・・・・・・・問題ないわ」

大有りの癖に・・・

「シンジ・・・すまんかった!」

「ごめんシンジ・・・」

「いいよ、僕が命令違反しただけだから。でもね・・・あのまま帰ったらここはもう無

い気がしたんだ。体が勝手に動いたんだよ」

飽きれていた、

ミサトさんは僕のことを睨んで、病室を出ていった。

それに続いてみんなも。

 

廊下

 

「シンちゃん・・・話しているのも辛いはずなのに・・・」

「そんなに・・悪いんでっか?」

「ええ・・・腎臓は片方は半分取ったわ。あと腸を1mほど切除・・・喋ったら気絶するぐ

らいきついわよ・・・麻酔も切れているのに・・・」

 

そのとうりで、シンジは気絶していた。

 

「・・・・・・すんません!」

「すみません・・・」

「もう遅いわ・・・これですぐ使徒が来たらレイにやって貰うしかないわね・・・レイも怪

我したらおしまいよ・・・」

「二人しか・・・いないんですか?」

「ええ・・・あれに乗れるのは・・・今のところ日本では二人ね・・・ドイツに一人・・・」

「・・・・・僕が志願します!」

 

ケンスケが名乗り出た。

飽きれているのはミサト。

 

「無理なのよ。適格者以外が乗ったら・・・死ぬわ」

固まっていしまった。

「私達は帰るわ。あなた達も早く帰りなさい」

 

 

 

 

十一

 

僕は二日間寝ていた。

ミサトさんも、あの後気絶したのを医師から聞いていたようだ。

1週間で退院できたけど、筋力が落ちていて歩きにくかった。

 

「ただいま、綾波」

「碇君!お帰り!」

元気がいい・・・

「・・・・・・・・・・この鍋・・・・・カレーが・・・ついている・・・・ごめん」

「・・・・・碇君が誤る必要はないわ・・・ミサトさんが悪いの・・・」

「・・・・・・・・・カレー・・・どうだった?」

「・・・・・・・もう食べたくない・・・絶対に・・・いや」

「そう・・・今から作るよ」

「・・・ええ」

「そう言う時はありがとうって言えばいいんだよ」

「・・・・・・ありがとう」

 

僕の禁固刑は、リツコさんのおかげで免除になった。

あのまま後退していたら、相手の移動の力なでの計算でジオフロントに多大なダメー

ジを受けたと言うのだ。

ミサトさんも納得したようだった。

 

 

「やったぁぁ!シンちゃんの手料理!」

「悲惨だったようですね・・・綾波がもうカレーは食べたくないって・・・」

「レイ、酷いんじゃない?」

プシュゥ!

「あなたの料理のほうが酷いわ。ミサト」

「あら?どうしたのリツコ」

飽きれている。

「アンタがシンジ君の退院祝いに飲もうって言うから来たんじゃない!」

「あ、そうだったけ?ごみん!」

「あの・・・つまみ作りましょうか?」

「あなたが主役よ!動かないの!」

「でも・・・いるでしょう?」

頷いた。

僕は作りに行った。

 

「噂は本当だったわね・・・シンジ君に全て家事を押し付けているでしょう?」

「え?違うわよ。シンちゃんが勝手にやっているの」

かちゃん

「ミサトさん、僕はこれから料理も掃除もしませんので」

「シンちゃん!嘘よ!ごみん!お願いね!」

「・・・・作戦部長が情けないと思わないのミサト」

まったくだよ・・・

綾波はいつもより多く夕食を食べているし、リツコさんは、僕の料理に驚いて家に住

まないかって言ってくるし・・・

ミサトさんは六本目行っているし・・・

ついて行けないよ!

「あら?レイも飲む?」

「・・・・(コク)」

「駄目だよ!ミサトさん!未青年ですよ!」

「あらぁ?いいじゃない?私も中学生で飲んでいたから」

「ミサトさんは特別ですよ!」

「・・・・・いりません・・・碇君がだめというなら・・・」

この言葉に一番驚いたのはリツコだった。

前に、シンジに心を開いて来ているというのは聞いていた。

しかし、ここまで言う事を聞くとは・・・レイにはありえないと考えているのだ。

「つまんないわね。まぁいいわ。シンちゃんを好きなのね」

「・・・好き・・・それは何?」

「レイ、難しい事よ。今度教えてあげるわ」

「お願いします」

 

ははは・・・疲れたかも・・・・退院してすぐこれだよ・・・

 

 

 

十二

 

その日、久しぶりに学校に行った。

 

「シンジ!もう大丈夫なのか?」

「あ、うん」

「禁固刑だって・・・」

「あれはね、あの状態で戻っていたら大変な事になっていただろうと言う事になって

取り消されたよ」

 

まぁ・・・クラス中大騒ぎになっていた。

適当にごまかして、授業をやる。

前にやったものなので、簡単に覚えられる。

 

昼休み

 

「碇君・・・お弁当」

「あ、行こうか」

 

屋上

 

「シンジ・・・ワイを殴れ!」

「はぁ?やだよ。僕は友達を殴りたくなんて無いよ」

「シンジ・・・これがトウジの表現方法なんだよ。殴ってあげて」

「やだ」

「シンジ・・・ほんますまんかった!」

「僕はもう命をかけるつもりでやっているからね。これくらいの怪我だったら許容範

囲だよ」

実際凄く痛かったけど・・・

「・・・・・・・・すまん」

「もう謝らないでよ。ご飯食べよう」

 

トウジは、こんなスゴイ奴が友達と言ってくれた事がうれしかった。

 

「美味しいかい?綾波」

「・・・・・・ええ・・・」

「そう、よかった」

「綾波さんって碇君にはちゃんと話せるわね」

「・・・・・・・そうかしら?」

「そうよ、もしかして・・・恋人?」

「恋人・・・それは何?」

「綾波、それはね、愛し合う異性のことだよ」

「愛し合う?」

「お互いを認め合い、守り合う。まぁ・・・その人と話していると胸が熱くなったり

ね」

 

みんな呆然としていた。

やっぱり僕がこんなこというと変かな?

 

「・・・・・・そう・・・私は・・・碇君の事が・・・好きなの?・・・・・・わからない・・・でも・・・」

「それとね、一緒にいると安心するとかね、楽しいんだ」

「・・・・・私は・・・碇君のことが・・・好きかもしれない・・・」

僕ら以外固まっていた。

洞木さんは、真っ赤になって口をパクパクしている。

「い、い、、い、い、い、いやぁんなかんじぃ!!!」

やっぱりか・・・

「シンジいいなぁ・・・綾波かわいいからな・・・うらやましいわ!」

「すぅ〜ずぅ〜はぁ〜らぁ〜!」

「すまんイインチョ!気にすんな!」

いいね、こう言うやり取り。見ていて楽しいよ。

自分で満足している僕は・・・・・・最低か?

 

 


(update 2000/10/29)

 

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