2rdステージ 弐拾五
〜最終決戦・人類試練の日と犠牲〜
ネルフ
今、各メディアの記者がオペレーションルームに集まっている。
モニターに映るのは見た事の無い汎用兵器・・・・・
興味の尽きない場所だと感じている記者達だった。
「ミサトさん、敵はまだ来ませんか?」
「ええ、戦自もバカね、ネルフを敵だと思うなんて・・・・」
「しょうがありませんよ、上の命令には絶対なんですから」
「その点ネルフはノビノビね」
それは、シンジが司令だからだ。
「あの少年はなんなんですか?」
「パイロットよ、彼らについてはトップシークレットなので放送したらネルフの権限で潰すから」
「は・・・はははは・・・・して・・・・今日われわれが呼ばれた理由は?」
「・・・・・人類最悪の日の記録よ・・・・・」
「セカンドインパクトより?」
「ええ・・・・サードインパクトが起こる可能性があるわ」
記者全員驚いている。
「ここは何なんですか?」
「国連直属非公式特務機関ネルフよ、使徒と呼ばれる化け物から人類を救うための機関・・・・」
「使徒?」
「今まで何度も非難命令が出たでしょう?その時に使徒が来ていたのよ」
「さっきのロボットは?」
「ロボットではないわ。人造人間エヴァンゲリオンよ、人造人間と言っても元は人間ではないわ・・・・使徒がベースなの」
「それで・・・・・人造人間なんですか?どうして?」
「・・・・人間も、第十八使徒なのよ」
「・・・・・・・」
記者沈黙
「もうすぐ戦闘が始まるわ・・・・・各社にCD−ROMを渡すから見ておいて」
午前
10時20分「ミサトさん!戦自が動きました!どうします?」
「そうね・・・・・侵入を拒んでおいて」
「はい」
僕はフィールドを薄く広く張った。
地上からの攻撃には耐えられるだろう。
ただ、地下からの通路は押さえられない。
「地下の方はそっちに任せますよ」
「ハイハイ」
「葛城三佐!戦自がN2兵器を持ち出しました!」
「N2兵器の雨あられです!ドンドン撃ち出してくる・・・・」
「シンちゃん!守ってね!」
「はい!」
少し強めに張った。
N2兵器の起爆装置は接触の衝激で簡単に作動するはず。
思惑通り、フィールドに接触するだけで空中爆破した。
「電波障害!吹き飛ばして!」
「はい!」
一気にフィールドを展開する。
その力で、爆発の粉塵などが全て吹き飛ぶ。
「オーケーよ!」
「敵影一つ発見!量産型と思われます!」
「アスカ!レイ!カヲル!行くわよ!」
すでにスタンバイオーケーの三人。
「ミサト!帰ったらおごりなさいよ!」
「シンちゃんにおごってもらいなさい!私より給料高いんだから!」
「司令だから当然でしょう!」
こんな所で喧嘩を始める。
止めるのはカヲルだ。
「葛城さん、さっさと行かないとシンジ君が大変ですよ?」
「あ!ごめんシンちゃん!」
「給料30%カットです。ついでに
2週間禁酒!」緊張感が無い・・・・・・
「零、弐、参号機発進!」
地上
「いやぁ・・・久しぶりだな・・・・」
「見たくないでしょう?」
「そう・・・だね・・・・爬虫類系の顔・・・・気持ち悪くなるね・・・・」
「シンジ、前から聞きたかったんだけど・・・・・あんたが前に言った私似の知り合いって・・・・・私でしょう?」
「そうだよ、この戦いで死んでしまったんだ・・・・・・今度はさせないけどね」
「そ、じゃあ戦いましょう!」
まだ一機しか来ていない。
今のうちに叩いておかないと後々大変だ。
「母さん・・・・・・行くよ」
右手に神経を集中させる。
初号機でこれをやると、装甲が持たないがいざとなれば機体を捨てて生身でいくつもりだ。
「いっけぇ!」
量産型のコアで破裂する。
木っ端微塵になるが、再生していく。
「もういっちょ!」
これで、再生機能も消えた。
しかし、まだ安全と確信していないのでフィールドで残骸を包みこみ、押しつぶしていく。
最終的に、存在自体消えた。
「シンちゃん!N2よ!量産型も2体来たわ!後・・・・大きいものが・・・・」
「残り八体すべてきましたか・・・・・N2は消し飛ばします!」
1度は収束させたフィールドを広げる。
今回は数が多いい。
戦自の全てのN2兵器と原子爆弾も使ったらしい。
震度10以上の振動が第三新東京市に広がる。
ネルフも、大きな揺れに混乱していた。
防ぎ切った後、電波障害を吹き飛ばし残りを迎え撃つ準備に入る。
時間があるので、両手に少しずつ意識を集中する。
フィールドが集まっていき、手のひら大の球体が出来あがる。
輸送機が来た。
輸送機から投下される前に左手の球体を投げつける。
空中爆破・・・・・
しかし、EVAは簡単に壊れない。
下降中に2体微塵にし、残りはアスカ達が戦闘をしかける。
僕は、また集中して収束させる。
一機が僕に近づいてきた。
撃ち出し破裂させる。
全てを戦闘不能にした時、七機が再生した。
「何で生きてるのよ!」
「しょうがないよ、もう一度倒そう・・・・・」
収束されている時は、攻撃を直に食らう。
そのせいで、左腕と右足を消し飛ばされた。
空を飛び始めた量産型・・・・・
初号機はもう動かない。
シンクロは母さんがカットしてくれたからフィードバックが無いので、体は動く。
「ミサトさん!初号機を回収してください!最終手段で行きます!」
「わかったわ!きをつけてね!」
実際のところ、EVAで人間を直接攻撃しようなんて無理なのだ。
簡単に外れてしまう。
逆に、小さいので使徒を捕らえる事は簡単な僕。
やはり、初号機を通さないで生身でやった方が力は強いらしい。
試しに、一体に撃ち出してみたらその周辺も一緒に消え去った。
僕の力は恐ろしい・・・・
その調子で残り一体。
学習能力があるのか、簡単には当たらない。
逃げながらも攻撃をしてくる。
攻防が続き、1時間・・・・・・
「ゼーレなんて消えてしまえばいいんだ!」
「そうよ!」
「・・・・いかりくん・・・・・援護するわ」
「僕も援護するよ」
綾波とカヲル君で使徒を押さえてくれている。
僕はためらいもなく使徒のコアに撃った。
当たる直前に開放し逃げる二機。
同じに今までいた場所が消し飛ぶ。
「パターン青消滅しました!」
「パイロットは?」
「無事です!・・・・いえ、シンジ君の心音が・・・・消えています!」
「カヲル!シンちゃんを回収して!急いで!」
回収終了
ネルフ病院
「やぁ・・・・・みんな」
「シンジ君、恐れていた事が起こったね?」
「そうだね」
アスカとレイ、ミサト達は頭をひねっている。
「最後の一撃・・・・・・心の壁を開放して使ったんだね?」
「そうだよ・・・・・そろそろ持たなくなっている・・・・・」
「・・・・・・赤木博士、急いで密閉の大きな容器を持って来てください」
「どう言うこと?渚君」
「いそいで!」
いつも笑っているカヲルが怖い顔をして急がせている。
とんでもない事態が起こるのは目に見えてわかった。
「カヲル!何が起きたの?」
「これから起こるんだよアスカ・・・・」
「いかりくん?」
「持ってきたわ」
「さぁ・・・動かすよ」
「頼むよカヲル君」
シンジはカヲルに持ち上げられて、容器に移った。
大きさは、2m四方くらいだろうか?
「しばらくお別れだよ」
「どう言うことよ!」
「渚君、どう言うこと?」
「心の壁を完全に解き放ってしまったのです」
「え?」
「まさかね・・・・・自分が溶けるとは思っても・・・・みなかった・・・・よ・・・」
バジャン!
と言う音と共に、シンジが赤い血の匂いのする液体に代わった。
「ド、どう言うことよ!シンジが消えた!」
「いかりくん!」
「シンちゃん?」
「・・・・・・これは・・・・L
.C.Lね?」「そう・・・・・・サードインパクトの被害者はみんなこの液体にかわった・・・・・・心の壁を取り払われたからね。
シンジ君も同じ状態さ・・・・・・
EVAのコアに記憶されないだけ、戻るのに時間がかかるのさ・・・・・機械的な処理は行えないからね」
また頭をひねるリツコ以外のみんな。
「つまり・・・・・・シンジ君自身で自我境界線を再構築しなければいけないのね?」
「そうです、短いと一瞬で帰ってきますが・・・・長いと一生もとに戻れません」
気絶して倒れるアスカとレイ。
ショックと言う次元ではない。
ミサトも、絶句して目が点になっている。
「シンジ君・・・・・僕は一生待つからね」
「渚君はどれくらいの寿命があるの?」
「自分が望むまでです。綾波さんは、僕と製作方法が異なるので・・・・人間と同じくらいですね」
「あなたが微笑を忘れて言うなんて・・・・本当なのね全て・・・・・」
「・・・・・・・完全なるリリン・・・・・シンジ君・・・・・・・」
「正直に言ってくれない?シンジ君はどれくらいで戻ってくると思う?」
しばし考えこむカヲル。
「そうだね・・・・短くて・・・・1年・・・・長くて5年くらいかな?」
「どうしてわかるの?」
「感と・・・・・・・・・・ATフィールドの使用量だね」
「そう・・・・・どう保管すればいいのかしら?」
「・・・・この容器のまま・・・・ネルフで監視が出来る場所に保管してください。一適でもなくなれば、もとに戻れませんよ」
「・・・・・・わかったわ・・・・・」