2rdステージ 弐拾弐
〜包みこむように・・・・〜
学校
「センセ、最近性格かわったわなぁ」
「そうかい?」
「そうだね、変わったよ」
「自覚が無いからわからないよ」
いや、気付いている。
「敵さんはどうなんや?」
「まだ来るよ。多分、近いうちにね」
「そら、難儀やなぁ」
「そうかなぁ?」
「緊張感無いなぁ。やっぱり僕がシンジの変わりに・・・」
スッパーン!
心地いい音が屋上に木霊する。
アスカだ。
「トイレ用スリッパ・・・・女子トイレ用・・・・」
「僕は、アスカのやりたいことがわからないよっ!」
「わかるでしょ?」
「うん」
矛盾している。
「で?いつ来るの?次は」
「さぁ?僕は知らないよぉ」
「いかり君・・・・・見つけた・・・」
ヒシッ!
「センセ!裏切りは死にあたいするで!」
「シンジ!僕はお前を許さない!」
「いかりくんを苦しめる因子は・・・・排除する・・・・」
怖い・・・・・
ただ、二人は震えた。
シンジはそばで眺めているだけだ。
「授業始まるわよ」
「はいはい」
そして、教室に戻っていった。
「退屈・・・」
「大学出ているからねぇ」
「暇」
「我慢」
「暇よ。一発芸やって」
「拒否」
当然、普通の声だ。
「おほん、そこの二人・・・・私語は慎みなさい」
「はぁ〜い!でさぁ、シンジィ」
「矛盾しているよ・・・」
周りでは笑っている・・・
「こら、
2年A組の漫才コンビだわな」「でも、売れないね・・・・・写真は・・・・」
評価をしている二人は、後でアスカに絞められた。
1
週間後
「でさぁ・・・・シンちゃん」
「すみません。僕だけで行きます」
「理由を述べよぉ!」
拍子抜けしている。
「戦闘が終わればわかりますよ」
「ほぇ?」
「文句は言わせませんよ」
ニコッと笑って誤魔化し、とっととケイジに向かう。
「一緒に・・・・・・」
「シンジ?」
「まかせましょう・・・・・・シンちゃんの考えている事はわからないわ」
地上。
「ミサトさん、ダミーのバルーンを出してください。使徒の目の前に」
「いいわよ?」
ウイィィィィンっと出された。
急に、使徒のATフィールドで包みこまれ、
密着していく。
「取りこんでいきます・・・・あ!はがしました!」
「・・・・・・・EVAと・・・・融合する気?」
「不味いな・・・・碇、どうする?」
「・・・・・初号機は戻ってこんだろうな・・・・・放っておく。シンジにまかせる」
「お前らしくも無い」
「・・・・・・・・・・・・・」
また、地上。
「ごめんね、一つになる気は無いんだ・・・・・許してね・・・・」
S2機関をフル稼働させ、取りこまれないように、素体に直接シンクロする。
「シンクロ率0%!」
「どう言うこと?」
リツコも理解でき無い様だ。
時速を簡単に超えるスピードと、結界になるほどのATフィールドを展開する。
そのATフィールドを右手に集中する。
「具現化しているわ・・・・不可能よ・・・・」
「でも・・・・シンちゃんは可能にしているわよ」
「シンジ君がおかしいのよ」
当然の意見だろう。
「ごめんね・・・・君は・・・・・死んで」
そう嘆きながら、コアに突き刺す。
コアが裂け、色が急変する。
断末魔の悲鳴を上げながら、活動停止・・・・・・
「シンジ君、後でしっかりと・・・話してくれないわね・・・・」
「すみません・・・・・」
実際に、レイが出たら前と同じ結果になっていただろ。
アスカが出ても・・・・・・・・・
だったら、力的に倒せる初号機で行った方がいいのだ。
まえなら、ゲンドウが全力で止めただろう・・・・
そいうえば、加持は生きている。
ただ、ひっそりと、ネルフ内で過ごしているが・・・・・
シンジには不信を抱いているようだ。
それは、リツコもゲンドウも・・・ミサトも同じである。
アスカと、レイは、完全にシンジを信じこんでいるので疑うよちはない。
シンジは不安だった。
ダブリス・・・・・・
渚カヲルが来るからだ。
なんて顔をして会えばいいのだろうか?
どうやって・・・・・説得しようか?
また・・・殺すのだろうか?
それだけは・・・・避けたいのだ・・・
しかし、運命は裏切るだろう・・・・
その運命を、シンジは全てを受け入れて・・・・
全てを、包みこんでこの世界を生きてきた。
運命を受け入れて・・・・・
サードインパクトも起こるのか?
また・・・・始めの時間に戻るのか?
わからない・・・・・
わからないから・・・・迷う。
迷うから・・・・苦しむ。
前は、受け流してきた。
あまり考えないで・・・・
しかし、今回は違う。
全てを知っている。
だから・・・・変えられるはずだ。
殺さないですむ・・・・
起こさないですむ・・・・・
人類を・・・・・・破滅させないですむ・・・・・・
わからない?
何が?
全てが?
人類が?
父さんが?
使徒が?
EVAが?
自分が?
そう・・・・・
自分がわからない。
シンジは、自分の部屋で考えていた。
あまり深追いしないで受け流してきた事・・・・・
今になって、気になったのだ。
しかし、地上で誰も答えを知らないだろう。