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rdステージ 拾九〜前と変わった〜
それから数週間後。
「四号機がアメリカ第二支部から空輸されてくるわ」
「え?」
第二支部は・・・・・S2機関の暴走で消えたはずでは?
どう言うことだろう?
「四号機は、S2機関が搭載されているわ。パイロットはまだ連絡無し」
参号機の時はトウジだった・・・・
「ミサト!参号機は無いの?」
「まだ未完成よ、第二支部が頑張っちゃったから、早く出来たの」
なんと言う・・・・アバウトな・・・・・
「で・・・・いつ・・・・届くのですか?」
「
1週間以内ね」多分・・・・四号機に使徒が寄生しているだろう・・・・
パイロットは・・・・・・・未完成すぎる、ダミー・・・・・・・
「連絡はおしまい、帰っていいわよ」
「シンジ、これで私達の負担も軽くなるわね」
「でも・・・・まだ発表されていないんでしょう?素人だよ」
僕ももともとそうだけど・・・・
「でも、いないよりは、いた方がいいわ」
「そうだね・・・・」
そして、家の前まで来た。
「今気付いたけど・・・・僕の部屋ってほとんど使って無い気がする・・・・・」
「私も・・・・・・使っていないわ・・・・」
僕と綾波の意思が一致した。
これは、アスカとミサトさんの要望で、僕が寝泊りもほとんどミサトさんの家で行っているからだ。
置いているのは、チェロ以外の荷物だけだ。
着替えはすでに置いている・・・・・・
綾波も、アスカと僕の部屋を大体交互に使っている。
僕の部屋といっても、ミサトさんの家のほうの部屋だ。
「今日は・・・・・自分の家で寝ようかな?」
「駄目よ」
駄目って・・・・
どうせ、今日はアスカが僕の布団に潜りこむんだろう?
止めてよ・・・・・
だってさ、アスカが潜り込む時は、脱いでいるんだもん・・・・
1
回目は気絶しちゃったよ・・・・綾波がはじめて僕の隣に寝ていた時も、そうだったな・・・・「シンジ、どうしたの?ニヤニヤしちゃって」
「いやね、綾波が二日酔いして僕の隣で寝ていた時の事だよ・・・・」
楽しい思い出が出来ている・・・・・
前はこんなの無かったな?
「いかりくん・・・・・・・」
今日もずっと隣に居た綾波は、「一人にしないで」と言う目で僕を見ている・・・・・・負けた・・・・
「わかったよ・・・・でも、僕の家って本当に使ってないなぁ・・・・」
「いかりくん・・・・・・・優しい・・・・・・・」
アスカが今更何言っているのよ!っと怒っていたが・・・・とにかく、夕食を作らないと・・・・
プシュ!
「ただいまぁ」
「お腹減ったわね」
「いかりくん・・・一緒に作ろう?」
上目遣い・・・・・・
K
.Oです。「わかったよ、じゃあ・・・作ろう」
「うん!」
アスカは自分の部屋に行った。
「レイったら・・・・言った通りに、上目遣いでシンジにお願いしちゃって・・・・・・・・」
そう、吹き込んだのは、アスカだ。
シンジがいろいろ教えてあげてくれと言ったのは、
生活にかんする事のはずだ・・・・
アスカは、面白半分でレイに吹きこんでいるのだ。
シンジはただ迷惑だ。
しかし、気付くことは無いだろう・・・・・・
「ふふふ、これじゃあ、私がレイに負けちゃうじゃない・・・・」
それでも、面白がっている事には変わりない・・・・
「出来たよ!アスカ!」
「ハイハイ」
そして、リビングに向かった。
シンジのベッドは、ミサトが大きなダブルベッドに変えたので、恐ろしいことになっている。
それも、昨日変わったばっかりなのだ。
夜十一時
シンジは半分夢の中。
リビング
「レイ・・・・やるわよ」
「いかりくん・・・・・・」
夜十一時半
シンジは熟睡。
カチャ・・・・
キィ・・・・
パタン
ソロ〜リ、ソロ〜リ・・・・・・
ズルズル・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝
「・・・・・・・・朝だ・・・・」
起きあがろうとする。
しかし、体が重い。
今まで、片方が重いと言う記憶はある。
しかし、今日は体が起こせない。
くるっと、左を向く。
「・・・・・・・綾波か・・・・・・」
普通の一般中学生は、ビックリして大声を上げるだろう。
「綾波・・・・おきてよ」
今度は、右側を見る。
「アスカ?」
今日は、二人にしっかりと両側を固められている。
「はぁああああああああああああ・・・・・・・」
魂から出るような深いため息。
「どうしよう?学校に遅刻するよ・・・・・」
実際は遅刻するような時間ではない。
ただ、家事が待っているシンジにとって、七時という時間はギリギリだ。
この部屋は、完全防音。
やろう・・・・
「二人とも!起きなさい!」
普通には、出す事の無い大声・・・・・
「ひゃい!」
「いかり・・・・くん・・・・・・・・・・」
「起きた?二人して僕を固めないでよ・・・」
羨ましい状態。
第一中のトップ美少女二人が添い寝をしている。
「シンジィ・・・・・おはよう・・・・」
「いかりくん・・・・・朝食ね・・・・・」
そして、二人は起動した。
学校
「で、センセはいい状態なんやな?」
「許せない・・・・・学校一の美女二人を・・・・」
ケンスケ・・・・数がおかしいぞ。
アスカ達は、女子に囲まれている。
「それでね、シンジの寝顔って結構かわいいのよ。表情がいちいち変わって・・・・・」
それは、熟睡していない事だ・・・・
「いかりくんの匂い・・・・・いい匂い」
「力が抜けちゃうの・・・・もう好きにしてって感じで・・・・・・」
女子が真剣になる。
その先は?
そう言う事だろう・・・・
「でもね、私がちょっと行動に出てもあいつは何もやらないの。逃げているんじゃ無くて・・・・・」
「ええ・・・・私達を傷つけないようにしているわ・・・・・・」
女子達の関心がシンジに向いた。
「碇君!なんで襲わないの?」
中学生らしからぬ言葉だ。
「え?ええ?」
「どうして二人を襲わなかったの?」
「・・・・・襲うなんて・・・出来ないよ・・・・・二人を傷つけそうだから・・・・」
いつ、頭のヒューズが飛んでもおかしくない状態である。
「センセ・・・・その自制心は好意に値するで・・・・・」
「シンジは我慢強いね・・・・」
そのいい方・・・・聞いた事あるな・・・・・
「碇君は鈴原みたいに野蛮じゃないの!」
「いいんちょ!酷いで!」
「ったく・・・・週番サボって・・・・・だから毎週、週番なのよ!」
「まぁ・・・・否定できん・・・・・」
そして、4日後のネルフ
「届いたわね」
「そうね、パイロットは無しよ」
「え?どう言うこと?」
「ダミーシステムって言ってね、いろいろあるのよ・・・・・」
「ほえ?」
「まぁ・・・いろいろあるのよ・・・・私と指令が松代へテストに行くから・・・・・ミサトは請求書でも眺めていて」
そう、未だに請求書に目を通していない。
ただいま、ミサトのデスクの隣には、紙の山がいくつか出来ている。
「赤木博士」
「手伝いません」
「ひっど〜い!親友じゃない!」
「仕事に関しては自分の分をこなしなさい。なんならプログラミング変わる?」
「拒否」
当然の答えだ。
リツコが
1日かかるプログラムは、ミサトには一ヶ月かかる。「じゃあね、午後から実験だから」
「作戦部長を置いていくなぁぁぁ!」
「フッ、無様ね」
いや〜んな感じ?
っとミサトは誤魔化したが、リツコは消えていた。
「本当に猫みたいね・・・」
午後
「え?今日届くの?」
「ええ、どうしたの?」
「・・・・・・もしかしたら・・・・・いや、そうだな・・・・・」
シンジはぶつぶつ言い出した。
「ネルフに行こう」
「早退して?」
「当然」
「一緒に行くわ・・・・・いかりくん・・・・」
そして、ネルフ
「あら?どうしたの?早退なんかしちゃって」
「まぁ・・・・・」
警報
「使徒?」
「多分・・・・四号機の暴走ですね・・・・・・」
「何でシンちゃんが知っているの?」
「まぁ・・・・行って来ます」
国道に、そいつはいた。
「シンジ!EVAなんでしょう?パイロットは?」
「いないよ・・・・いるけどいないんだ・・・・ダミープラグだよ」
「なにそれ?」
綾波は反応している。
「二人とも下がって、S2機関搭載だからね・・・使徒と変わらないよ」
「ダミープラグって?」
「・・・・・アスカは綾波の事聞いたろ?」
「ええ」
話していいものかな?
アスカなら・・・いいか・・・
僕は、アスカにだけ回線を開いた。
「綾波のスペアのパーソナルデータを使って、スペアを乗せているんだ・・・・・魂は無いよ・・・」
「嘘!」
「本当さ・・・ただ・・・・戦うだけの適格者・・・・でもね、今制御しているのは使徒だよ」
「ほえ?」
「寄生しているのさ・・・・来た!」
飛びかかっていた。
左手で吹き飛ばし、右手に装備したプログナイフでコアを攻撃する。
しかし、かわされた。
さらに飛びかかっている。
アスカと綾波が、パレットライフルで援護する。
着弾の煙を利用して、使徒の後ろに回りこみ押さえる。
二人が、一斉にコアを攻撃するが、僕を振りほどき回避する。
僕は、S2機関を始動させ、通常の最大戦速の3倍くらいの早さで使徒に回り込む。
「早いわ・・・・」
「私達じゃ無理ね・・・・」
そして、二人をどかして、使徒に対して強大なATフィールドを展開する。
使徒は中和仕切れずに潰れていく。
しかし、脱出して回り込んで来る。
「この!」
ニードルを発射して、プラグナイフでコアを捕らえる。
深く刺さっていく。
コアの色が変わっていき、活動が停止する。
これまでに、
20分の時間を有した。この戦いを、ミサトさんも父さんもリツコさんも見ていた。
「シンちゃん・・・・どうしてあんな動きが出来るの?」
「シンジめ・・・・・一体何者だ?」
「シンジ君・・・・・興味の尽きない子ね」
そして、本部に帰った。
「シンちゃん、凄かったわよ」
「いいえ・・・・帰っていいですね?」
「ええ、いいわよ」
実際は帰したくなかったミサト。
シンジの真相を知りたいのだ。
しかし、シンジを追求しようとすると、両隣にいる守護神に睨まれて、家に入れてもらえないので何も言わない。
帰り道
「いかりくん・・・・私のせいで迷惑をかけてごめんなさい・・・・」
「いいや、綾波のせいじゃないよ。父さんたちが悪いのさ」
「・・・・・・でも・・・・・・」
ブルーになっていく綾波。
もともと青かも知れない・・・・
「綾波は、利用されているだけだよ。笑ってよ、綾波は笑顔が似合うよ」
「いかりくん・・・・」
「アスカもね?」
怖いので付け加えておいた。
「で・・・・・あんたは今日の事を予測していたのね?」
「・・・・・・うん・・・・」
「次は・・・いつ?」
「時が来たら教えるよ」
あいつは・・・・強引なやつだからな・・・・・
アスカなんかランチャーぶっ放すし・・・・・・
「センセやないけ!」
トウジは、逃げの体制に入った。
一緒にいるのはヒカリ。
「あれ?なんでトウジが洞木さんと一緒にいるの?」
「あ、はは、ははははははははははは」
笑いながら逃走した。
「シンジ知らなかったの?あいつら、実は最近付き合い始めたのよ」
「うそ!」
前に比べて早いなぁ・・・・
僕の影響かな?
いい影響なのかな?
そして、いつもと変わらない?日常を送った。
あいつが来る予想日まで・・・・あと数日のはずだ・・・・