霧島マナの朝は忙しい。

それは、いつも寝坊しているからだった。

「あー!もうこんな時間!」

 

 

 

僕は僕で僕

(22)

 

 

 


 

<マナの部屋>

 

マナは慌ただしく起きると制服へ着替え始めた。

パジャマを大胆に脱ぎ、手早くブラウスへ着替えようとした。

ガチャリ。

突然、マナの部屋のドアが開いた。

「キャッ!」

マナは着替えの途中だった為、下半身を隠すような姿勢でかがんだ。

 

「霧島さん、遅刻するわよ」

ドアを開けたのは、エプロン姿のリツコだった。

「あ、はい。すぐ行きま~す♪」

姿勢はそのままに微笑んで返事をするマナ。

 

「そう、それじゃあ朝食の準備は出来てるから……」

リツコは言葉を途中で切り、マナの姿を見る。

そしてマナの胸部を見て、微笑ながら言った。

「まだまだね♪」

そう言ってリツコはマナの部屋から出ていった。

 

「へ?」

マナは、リツコの言葉を聞いて少し戸惑った。

そして、ブラウスの中を覗きこみながら呟く。

 

「まだまだ…かな?」

 

 

<シンジの通学路>

 

シンジはトウジとケンスケと一緒に朝の通学路を歩いていた。

 

「シンジ、最近思うんだけどな。お前、アスカに何かしたのか?」

ケンスケがシンジに問う。

「え、どうして?」

シンジは心当たりが無いといった表情だ。

「そんなこと無いだろ。アスカ、俺にシンジのこと聞いてきたぞ」

ケンスケがシンジに話す。

「アスカが?……何でだろう?」

シンジには、アスカが何故自分のことを聞きたがるか理解できなかった。

 

その理由は、シンジはアスカに`アスカ´と呼ばせてもらっていると考えていた為だった。

それに付け加えるならば、シンジはアスカに今でも嫌われていると思っている為だった。

 

「まあ、ええやないか、そないなこと気にせんでも」

トウジは女子の話に興味が無かった。

というか、女子の話は男らしくないと思っていた。

トウジの言葉に、シンジは微笑んで答えた。

「うん、そうだね」

 

そう答えながらもシンジは思う。

(この前…僕が言ったこと怒ってるのかな?)

 

 

<コンフォートマンション>

 

玄関でアスカが靴を履いている。

 

アスカは靴を履きながら大きな声を上げていた。

「ミサト、朝食食べなさいよ。それから遅刻しないようにね。あ、あと出掛けるときガスの元栓確認してよね」

まるでアスカが母親のようだった。

 

ミサトの部屋から気合の入ってない返事が返ってきた。

「いってらっふぁ~い」

欠伸まじりのミサトの声だった。

 

ミサトの返事に、相変わらずねと思いながらもアスカは微笑んで言った。

「いってきまーす♪」

 

 

<学校>

 

レイが教室に来ると、いつもと違うことがあった。

いつもはレイが一番最初に教室に入るのだが、今日はレイよりも早く登校した人物がいた。

 

「おはよう綾波さん。いつも、この時間に来るの?」

洞木ヒカリだった。

ヒカリは手でプリントを分けながらレイに話しかけた。

ヒカリの問いに、レイはコクリと頷いて答える。

「早起きは三文の得って言うもんね」

ヒカリは、そう微笑みながら言って、また忙しそうに手でプリントを分け始める。

 

ヒカリが分けているプリントには、こう書かれていた。

『修学旅行のしおり』

 

「そういえば、綾波さんも修学旅行には不参加って話し本当?」

ヒカリが思い出したように、レイへ話しかける。

 

「ええ…私達は留守番」

ヒカリの言葉に、レイは静かに答えた。

 

ヒカリはレイの言葉に驚き思った。

(もしかして、綾波さん二人きりで話すのって…はじめての気がする。

…早起きは三文の得って本当ね♪)

 

そう思った後、ヒカリは一人微笑んだ。

 

 

<山岸マユミのマンション>

 

マユミは学校へ行く準備を済ませていたが、マンションを出ようとは思っていなかった。

マユミは留守番電話のテープを聞いていた。

 

「加持リョウジだ。君に、もう一度会いたい。………真実を伝えたい」

 

加持の声は、待ち合わせの場所と時間を伝えると切れた。

 

-03:12分です-

 

部屋の中にテープを録音した時間が流れた。

 

マユミは、これで何度聞いたかなと思いながらテープを止めた。

そして、少し考える仕草を見せ小さく呟いた。

「真実……誰の為の真実?」

そう言って、一つため息をつき呟く。

 

「考えるよりも…会ってみるしかない」

 

山岸マユミ。両親は昨年他界。ネルフが学費を援助するという理由で、チルドレンの監視を担当した十四歳の少女。

 

 

<暗闇の会議室>

 

会議室にはゲンドウの姿は無い。

暗闇の中で、ゲンドウ抜きの会議が進んでいた。

 

「碇という男…何を考えている」

一人の男が口を開く。

「このままでは計画に支障をきたすのでは?」

別な男が意見を口にする。

「ならば、こちらで計画を進めればいい」

小柄な男が口を開く。

 

皆の意見を聞いていたキールが、ゆっくりと口を開く。

「碇の思惑が何なのかは、この際問題無い。問題なのは碇に計画を遂行する意志が有るか無いかだ」

そして言葉をつなぐキール。

「だが、碇には我々を侮っている節がある。今回…碇に我々の実力を認めさせる」

 

静まりかえる、暗闇の中。

静まりかえった中、キールは呟く。

 

「碇…我々を甘く見るな」

 

 

<赤木ナオコの家>

 

ネルフから第三新東京市に一軒の家を譲渡されたナオコ。

他人が聞くと良い話に聞こえるが、実際のところは、ただの監視小屋である。

 

ナオコは窓から何かを見て呟いている。

「一人、二人、三人…。相変わらず、女一人に大した人数ね」

 

ナオコが数えていたのは監視員の人数だった。

MAGIの基礎設計を組み、JAを作り上げたナオコには監視がついていた。

それは当然のことであり、変えられようも無い事実だった。

 

ナオコはパソコンの前に座ると考えた。

 

(正直…ネルフに戻ることは考えられない。

たとえ…リッちゃんが望んだとしても…無理ね。)

 

そう考えながら、パソコンの電源を入れメールを確認するナオコ。

「三通?…いつもより多いわね」

いつもは娘のリツコからのメールしか来ないのだが、今日は違った。

リツコ以外のメールの宛名を見てナオコは驚いた。

 

(碇ゲンドウ!なぜ…彼から?)

ゲンドウの名に戸惑いを隠せないナオコ。

 

しばらく考えた後で、もう一つのメールを確認するナオコ。

ナオコはメールの名に呟く。

 

「青葉シゲル?……知らない人ね」

 

 

 

つづく


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あとがき

ども、MASAKIです。今回からマユミが出てきます。マユミの設定が固まってきましたから。でも、いつまで出るか作者も解りません。(笑)
す、すみません。今回も名前間違って公開してました。(笑)以前はマナとマヤを。今回はナオコとキョウコを。(笑)
でもマナとマヤは理解できるけど、なんでナオコとキョウコを間違えたんだろう。(笑)

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