「ここが…僕の住んでいた場所?」

自分が住んでいたマンション前の玄関で、シンジは不思議そうな表情で呟いた。

ここで父と呼ばれる人と暮らしていたのか、実感が湧かずに。

 

 

 

僕は僕で僕

(103)

 

 

 


 

ガチャ。

「お邪魔します……」

多少緊張した面持ちで玄関を開けると、シンジは奥を覗き込むように中に入った。

部屋の中には明かりが点いていた。

「だ、誰かいるんですかぁ?」

まさか、人がいるとは思っていなかった為、シンジは明かりの方に向かって訊ねた。

ガサッ。

シンジの声が響くと、台所の方で紙を置くような音がした。

そして、椅子の擦れる音が響く。

ガタガタッ。

(だ、誰かいるッ。……こ、こっちに来るッ。)

その音に、シンジは恐怖を覚えてしまった。

それもその筈である。

日の沈んだ夜、密室と言っていいマンションの部屋の中、薄暗い中に響く人の気配。

14歳の記憶を失くした少年には、恐怖と言うには充分なものだった。

台所からは、一人の男が`ゆっくり´と姿を現した。

黒のサングラスをかけ、耳から伸びた髭、そして口元には歪んだ微笑。

「……ヒ、ヒィッ」

その男を瞳に入れた瞬間、シンジは声にならない声を上げた。

シンジの声を聞き、男は歩み寄りながら口を開く。

「…シン」

男の言葉を聞き、シンジは思考する。

(死んでくれ?死んで貰う?…し、死にたくな……あぁ…。)

クラッ、ドサリ。

恐怖が絶頂に達したのか、シンジは思考の途中で`めまい´を起こし、そのまま倒れてしまった。

 

その男とはゲンドウであった。

出張を済ませて帰宅したばかりのゲンドウは、突然のシンジの行動に驚いて声を上げる。

まさか、自分が原因とは露知らずに。

「シ、シンジッ?!」

ゲンドウは、どう対処するべきか思考する。

(医、医療班を呼ばねば!い、いや、騒ぎを大きくするのは不味い。…赤木君を呼ぶか。いや、それも誤解を招く。)

 

結局、冬月に連絡し、リツコを呼ぶことになるまで、30分という時間を要した。

 

 

<翌日、ネルフ>

 

夕刻近く、テストルーム内。

ネルフではリツコの指示のもと、チルドレン達の定期テストが行われていた。

六体の模擬体が並び、チルドレン六名分のモニターが並んでいる。

その様は、壮観と呼べるものであった。

 

滞りなく進むテストの中、作業を見つめるリツコに、ミサトが笑顔を浮かべて話している。

「それで、リツコが呼ばれたって訳?」

「流石に父親と会うには、心の準備が必要だったみたいね」

どうやら二人の会話は、昨日のシンジに関することのようだった。

リツコの言葉を聞き、側で作業をしていたマヤが苦笑しながら口を開く。

「暗闇に司令の顔じゃ、流石に私も恐怖を感じると思います」

「マヤちゃんに一票♪」

マヤの言葉に、ミサトは楽しげに相槌を打った。

二人の言葉を聞き、リツコが苦い顔を見せて口を開く。

「貴方達、司令が居ないからって、随分な物言いね」

「あら、じゃあリツコは、暗闇に司令の顔が出ても恐怖を感じない?」

リツコの表情を見ながら、ミサトが冗談混じりに訊ねた。

「そ、それは…」

(……き、恐怖に値するわ。)

言葉では濁しつつも、心の中で賛成するリツコであった。

 

三人が司令の顔の話題で盛り上がっていると、チルドレンの様子をコダマが報告する。

「赤木博士、シンジ君のシンクロ値、前回よりも3.1低くなってます」

「心の動揺は隠せない。って所かしら?」

微笑みながら話すミサトの発言は、昨日のシンジを考慮してのものであった。

ミサトの言葉に答えると、リツコはマヤに報告を頼む。

「そうだといいわね。……マヤ」

「はい、波形データに異常はありません。原因は精神不安だと推測されます」

マヤは簡潔にシンジの状態を報告した。

その言葉を聞き、リツコは素っ気無い返事を返す。

「そう」

「何か気懸かりでもあるの?」

リツコの言葉に、ミサトは不思議そうな表情で訊ねた。

その問いに、リツコは口元を手で触りながら答える。

「ん、別に。…ただ」

「ただ?」

「何でも無いわ」

訊ねるミサトに、リツコは、あえて自分の思考を口にしなかった。

別に事を荒立てる必要も無い、そう思い。

 

リツコはシンジのモニターを見ながら思考する。

(ただ、ここまで特出すべき変化が無いのが気になる。

…精神が使徒に侵された事実があるのに。…変化が無さ過ぎる。……考えすぎかしら。)

 

 

<テストプラグ内>

 

六体の模擬体が並んでいる中、右から二番目の模擬体の中で、シンジは思考する。

(……この感覚。…何だか暖かい感じがする。)

シンジは前回乗った時と、違う感覚を感じていた。

そして、その感覚は記憶を失くす前に感じていたものと、同義のものであった。

だが、そのことをシンジは気づいていない。

 

-どう?シンジ君、プラグ内の感じは?-

シンジが初号機の中で集中していると、リツコの声が響いた。

シンジは目を閉じたまま答える。

「悪くないです。…この前より」

-そう。今日は、その感じが掴めればいいわ。上がって頂戴。-

シンジの言葉を聞き、リツコはテストの成果がある程度あったことを確認し、テスト終了の許可を出した。

リツコの許可を聞き、シンジは目を軽く開いて答える。

「はい」

返事をした後、シンジは虚ろな瞳で思考する。 

(…変だな。…もう少し乗っていたい気がする。)

 

そう思った後、シンジは静かに目を閉じた。

 

 

<男子更衣室>

 

テストを終え、シンジ達は私服に着替えようとしていた。

プラグスーツの手許のスイッチを押しながら、トウジはシンジに訊ねる。

シュッ。

「どや、少し思い出したか?」

「ううん、全然」

体が覚えているのか、シンジは手際良くプラグスーツを脱ぎながら答えた。

シンジの言葉を聞き、トウジは神妙な面持ちで話す。

「そうかぁ。ま、気長に思い出せや」

「…うん」

多少俯(うつむ)き加減に答えるシンジであった。

 

ガチャッ。

スーツの上半身を脱ぎ、ロッカーを開いた後、トウジは何かを思い出したように口を開く。

「あ、そや。ケンスケの奴がな、台本の参考にするちゅうて、これ読んどけて」

そう言って、トウジはシンジに一冊の本を手渡した。

どうやら、今日はシンジは学校に来なかったらしい。

本の表紙を見ながら、シンジは訊ねるように口を開く。

「ヴェニスの商人?」

「なんや外国の話らしいで。ワシ、こういうの苦手やからな。読んだら内容聞かせてくれや」

そう苦笑しながら話すと、トウジは着替える手を進めた。

トウジの言葉を聞き、本の表紙を見つめながら、シンジは少し驚いたような表情で思考する。

(文化発表会か…。……ホントにやるんだ。)

 

 

<女子更衣室>

 

少女達は少年達よりも先に着替え終り、文化発表会の話に花が咲いていた。

マナが手にしている本を見て、アスカが口を開く。

「相田にしては趣味がいいじゃない」

「ウィリアム・シェイクスピアですね」

二人とも作者を知っているのか、表情には微笑を浮かべていた。

二人の言葉を聞き、マナが訊ねる。

「舞台作家でしょ?昔の?」

「ええ、舞台劇の傑作って言うものを、何本も書き上げた人です」

マナの問いに、マユミが微笑みながら簡潔に説明した。

その言葉を聞き、マナはレイに訊ねる。

「綾波さん、知ってる?」

「そういうの興味無いから…」

素っ気無い返事を返すレイであった。

レイの返事に、アスカが苦笑しながら話す。

「ま、エヴァ操縦者と文学って無縁だもんね」

「ふ〜ん、そんなもんかな」

マナは不思議そうな表情で答えた後、言葉をつなぐ。

「それで、この本の内容って、どんなの?」

「確か、善良の商人が友人の借金の為に、悪い商人に大金を借りる所から、話が始まったと思います」

マユミは『ヴェニスの商人』の序盤を簡略して説明した。

マユミの説明を聞き、アスカが微笑みながらマナに話す。

「後は読めばいいわよ。人から聞く結末ほど、つまんないもの無いから」

「それもそだね♪」

アスカの言葉に、マナは微笑みながら答えた。

マナの返事を確認すると、アスカはレイに話しかける。

「レイも一応読んどくといいわよ。どんな配役がくるか知れないし」

「ええ…」

アスカの言葉に、レイは静かに答えた。

 

 

<翌日、学校>

 

休憩時間。

子供達は配役の話題で盛り上がりを見せようとしていた。

一同が集まった所で、ケンスケが得意げに話す。

「んで、配役だが。公正に公平を期すために、くじ引きで決定しようと思う。意義、ないよな?」

「意義な〜し♪」

「別にいいわ」

「ワシはどうでもええ」

「それでいいと思うよ」

ケンスケの言葉に、一同賛成の意思を見せた。

反対の意見が無いのを確認すると、ケンスケがポケットから細長い紙を、七枚分取り出した。

そして、その下の部分を隠しながら口を開く。

「それじゃあ、この紙から好きなのを引いて、その紙に番号が振ってるから、その番号を俺に教えてくれ」

ケンスケの言葉を聞き、マナが勢い良く紙を引き抜く。

「じゃ、私から♪」

そして、紙の下に振ってある番号を見て、マナは声を上げる。

「四ば〜ん」

「友人の結婚相手役だ。ま、悪い役じゃないな」

そう言って、ケンスケは次の人に紙を引かる。

「二番…」

次に引いたレイは、二番を引き当てた。

その言葉を聞き、ケンスケは話す。

「金を借りる商人の妹役だな。特別に増やした役だから、好きに演じていいぜ」

レイの次に引いたマユミは、番号を確認して口を開く。

「私は三番です」

「友人役。一番出番が多い役って所だ」

そう言って、ケンスケは次の人に紙を引かせようとした。

だが、マナが何か配役が変なことに気づき、ケンスケに声を上げる。

「ちょ、ちょっと待ってよ。女同士じゃないッ!」

「大した問題じゃないって。さ、次いこ、次」

ケンスケは微笑みながらサクッと答えた。

その言葉を聞き、マナは声を上げる。

「何が大した問題じゃないのッ!大有りじゃないッ!」

 

その後、色々すったもんだの末、配役は一通りの完成をみた。

以下が、それである。

配役表
シンジ 善良な商人役
レイ 善良な商人の妹役
マユミ 善良な商人の友人役
マナ 友人の結婚相手役
アスカ 悪い商人役
ヒカリ 友人の執事役
トウジ 結婚相手の女執事役
ケンスケ  ナレーター

 

「ど、どうにか決まったな」

配役が決定した後、顔に無数の生傷を見せながら、ケンスケが口を開いた。

生傷の原因は、当然、配役に難が有りと思った子供達からの贈り物だった。

ケンスケの生傷を見かねて、シンジが心配そうに話しかける。

「だ、大丈夫?ケンスケ」

「まぁ、なんとかな」

頬の引っかき傷を撫でながら、ケンスケは引きつった微笑を見せた。

そんなケンスケに、マユミが訊ねる。

「これをもとに台本を書くんですか?」

「ま、そういうこと。即興芝居らしく、簡単な設定と台詞だけ書いてくるつもりだけどね」

そう言って、ケンスケは決定した配役表を、ポケットにしまい込んだ。

ケンスケの言葉を聞き、マユミは訊ねる。

「…あとはアドリブで話せ。そう言うことですか?」

「即興芝居っぽいだろ?」

マユミの言葉に、ケンスケは微笑みながら話した。

マユミは答える。

「ええ、まぁ」

二人の会話を聞き、何かを思いついたのか、アスカは含み笑いをしながら呟く。

「ふ〜ん、それじゃあ…」

「何か考えてるの?」

アスカの呟きを聞き、ヒカリが不思議そうな表情で訊ねた。

その問いに、アスカは楽しそうに話す。

「秘〜密♪」

 

一方、マナも何か思いついたらしく、微笑を浮かべていた。

マナは思考する。

(アドリブだったら、チャンスが無いって訳でもないね♪)

 

 

<一週間後、ネルフ>

 

弐号機ケイジでは、リツコが作業を眺めながら、何やらチェックをしていた。

その横で、ミサトはリツコに話しかけていた。

「リツコは行くつもり?」

「何処に?」

チェックする手を休めず、リツコはミサトの問いを訊ね返した。

ミサトは話す。

「文化発表会よ。アスカ達の」

「時間の都合が付けば行くわ」

そう言って、リツコはチェックが終了したのか、チェック用紙を脇に挟んだ。

二人は休憩室にでも行くのか、唐突に歩き始めると、コダマが前の方から近づいてきていた。

そして、リツコの前に来ると、コダマは報告書を手渡しながら口を開く。

「赤木博士。初号機の凍結作業、完了したとの事です」

「了解」

コダマに答えると、リツコは報告書をチェック用紙と重ねるようにして、脇に抱えた。

そんな二人の会話を聞き、ミサトは苦笑しながら話す。

「相変わらず、素早い作業だこと」

その言葉を聞き流すと、リツコはミサトに話しかける。

「ミサト、聞いての通りよ。当分の間は初号機抜きで立案して頂戴」

「へいへい。ま、その当分の間に使徒が来ないことを祈るわ」

ミサトは大袈裟に疲れた表情を見せながら話した。

その言葉を聞き、リツコは苦笑しながら訊ねる。

「来ても大丈夫でしょ?エヴァが四機もあるんだから」

「そうなっちゃうのよね。作戦課の苦労を知らない人って」

リツコの問いに、ミサトは首筋を軽く撫でながら話した。

ミサトの言葉の意味が解らず、リツコは訊ねる。

「どういう意味かしら?」

「楽観的プレッシャーよ、見えないプレッシャー。四機もあるから使徒は倒せるだろう。四機もあるなら苦戦しないだろう。
そういう楽観的な予測を外部から立てられると、作戦課自体の立案にも隙が出来る、って所かしら」

ミサトは作戦部長なりの洞察を持って、リツコに説明した。

ミサトの説明に、コダマが不思議そうな表情で訊ねる。

「そういうものですか?」

「ま、人間の心理ってやつよ。多い戦力はそれだけの隙を生む。そのことに気づかないと、取り返しのつかない作戦を立案しかねなくなる。
結局、エヴァを使うのは人間だから、心理上の事まで考えないと、作戦の立案・構築が難しくなるの」

コダマの問いに、ミサトは自分なりの見解を持って答えた。

その見解を聞き、コダマは訊ねる。

「操縦者のことも考慮して、ですか?」

「それが第一。戦ってる子供達のことを考慮した上で、立案してる。時と場合によって、だけどね」

コダマの問いに即決で答えると、ミサトは苦笑しながら、それもままならない時もあることを話した。

「苦労性に心配性。作戦課は気苦労家が多そうね」

ミサトの話を聞き、リツコは小さく微笑みながら話した。

ミサトは苦笑しながら答える。

「案外当ってるわよ、それ」

 

 

<司令室>

 

司令室では、ゲンドウ、冬月、ナオコの三人が顔を揃えていた。

ナオコは二人を見据えながら口を開く。

「以上、これが初号機操縦者のサルベージに関する報告です」

「短期間とはいえ、ここまで良くまとめたものだ」

ナオコの報告が終ったのか、冬月は報告書の一枚を手に取りながら話した。

ナオコは微笑みながら答える。

「優秀な人材が集まってますから、ここは」

その言葉に、冬月は訊ねる。

「戦自も悪くなかろう?」

「悪くは無いですが、結局は役人ですから」

冬月の問いに、ナオコは明瞭な表現は避けて答えた。

その言葉を聞き、冬月は話す。

「それ以上は出来ない、か…」

「まぁ、シビリアン・コントロールの良い例だと思います。逆だったら目の当てようがありませんし」

冬月の言葉は的を得ており、ナオコは自分から見た戦自の感想を話した。

ナオコの話を聞き、冬月は苦笑しながら話す。

「それもそうだな」

二人の会話を黙して聞いていたゲンドウが、静かに訊ねる。

「それで、シンジは?」

「順調だと思います。…今の所」

ナオコには何か思い当たる所が有るらしく、『今の所』という条件付であった。

その言葉を聞き、冬月は怪訝な表情で訊ねる。

「何か有るのかね?」

「いえ、特にこれといった症状は認められません。…ただ、記憶喪失というのが、気になります」

そう言って、ナオコは耳たぶを触る仕草を見せた。

その言葉を聞き、冬月は考えるような仕草で話す。

「何かを失くすという行為か…」

「はい。…『失う』という行為は、そこに意味深なものが隠されている、そう考えるのが常ですから」

ナオコは自分なりの見解を持ち、そう考えるに至った経過を簡潔に話した。

その言葉を聞き、冬月は苦笑しながら話す。

「科学者の性分だな」

「残念ですが、そのようです」

そう言って、ナオコも冬月に答えるように苦笑して見せた。

二人の会話を聞き、一枚の報告書を手にしたゲンドウは口を開く。

「記憶の喪失原因は、サルベージによる精神的ショック。そういう事になっているが…」

「あくまでも書類上の表向きです。真の原因は、恐らく…」

ゲンドウに事実を告げると、ナオコは神妙な面持ちで言葉を濁した。

冬月は呟く。

「使徒、か…」

 

 

<学校、休憩時間>

 

少女達はアスカの席に集まり、雑談をしていた。

無論、話題といえば、明後日に控えた文化発表会のことだった。

 

「ホントに練習しなくても、大丈夫なんでしょうか?」

マユミは少し不安げな表情で、アスカに訊ねた。

アスカは微笑みながら答える。

「即興だから心配要らないわよ。適当にアドリブ入れればいんだから」

「そうそう。アドリブ、アドリブ♪」

アスカに楽しそうに相槌を打つマナであった。

アスカとマナの様子を見て、ヒカリが訊ねる。

「何か、やけに楽しそうね?」

「「そ、そんなこと無いって!」」

二人は妙に息を合わせて、ヒカリの言葉に答えた。

息が合ってしまったことに驚き、二人は顔を見合わせた。

すると、横からレイの呟きが聞こえてくる。

「……碇君の妹。…アドリブ」

レイの呟きを聞き、アスカとマナは同じ事を思考する。

((……もしかすると、一番要チェックかもしれない。))

 

一方、三馬鹿トリオと言えば…。

ケンスケは明後日の段取りの為、教室にはいなかった。

トウジは昼食時間が待ち遠しいのか、ポカッと口を開けたまま窓の外を見ながら呟く。

「明後日やな」

「うん、そうだね」

シンジも窓の外を見ながら、淡々と答えた。

「「………」」

何を話すべきも無く、沈黙する二人。

そして少しの時間が流れると、トウジが口を開けたまま呟く。

「平和やな」

「うん…」

その言葉に、シンジは言葉を返すだけだった。

 

 

 

つづく


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あとがき

結局、この展開。(笑)

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