プロローグ
少女はひとり病院のベッドに横たわっていた。つい1週間ほど前には死人同然であった
彼女も、今はその蒼い目に生気を宿している。
そしてその少女は今、自分を救ってくれ、そして今もまたこのベッドから連れ出してく
れるはずの少年がやってくるのを待ちわびていた。
……コンコン
(来た!!)
少女は心の中で喝采を唱えながらも、正反対のことを口にする。
「遅いわよ、バカシンジ。」
コンフォート17マンション
この一見普通に見えるマンションの中ではとても普通ではない騒ぎが起こっていた。
「ぷはーーーっ!この一杯が止められないのよねーー!」
などと言っているがその横には空缶が2ダースほどすでに詰まれていた。
「ミサト!いくら私が帰ってきたのがうれしいからって飲みすぎよ!ほら、ファーストも
何かいってやりなさい!!」
「……いい。」
「まあまあいいじゃないの!せーーーっかくアスカが退院できたって言うのに、これで飲
まなきゃいつ飲めっていうのよ!」
「まったく、そんなに飲むからデブになるのよ!あーやだやだ、いき後れの後家はこれだ
から!!」
グサッ
そんな効果音が聞こえてきてもおかしくない空気が流れる
しかしそんな事を言われて黙っているミサトではない。
「そうよねー、アスカはもう決まった人がいるもんねぇー。救い出してくれた王子様が!」
この言葉はどうやら乙女のハートに直撃したようだ。
「な、なななななにいってんのよミサト!シンジはまだそんなんじゃ……」
「あれー?あたしはまだシンちゃんだなんて一言も言ってないわよぉー?それに「まだ」
てのはどういうことぉー?」
「そうよ。碇君は関係ないわ。」
これ以上ないほど赤面して言い返すアスカであったが言い終わらないうちにミサト、さら
にはレイにまで追撃されて口をパクパクさせていた。
この時、もう一人の当事者が何も言わないことに気づいたミサトは、ちょっと不審に思
いながらも軽口をたたいた。
「ほらシンちゃんもまんざらでもないって顔してるじゃない?あ、でもこんなじゃじゃ馬
娘はお断りかな?」
アスカはすでにうつむいてしまい何も言えない。
料理を作って以来何も言葉を発しなかった少年はようやくその重い口を開いた。
「ミサトさん……」
「なあに?」
その口調から何か感じ取ったのか返事は軽いが顔は引き締まっている。
「それにアスカ、綾波も……ちょっと言いたいことがあるんだけどいいかな?」
「いいわよ?」
「私もいいわ。」
軽く返事をしたものの次の言葉には3人とも驚かされた。1人はほとんど顔に出さないが。
「ボクは明日日本を出ることになってるんだ。2年間の予定で。」
その1週間前「、碇シンジは父親によってNervに呼び出されていた。
「シンジ、おまえはこれから訓練を受けてこい。」
静かだが威厳を伴った言葉を紡ぎ出す。
「え……」
「聞こえなかったか?もう一度言う。おまえはこれから訓練を受けるのだ。」
「ど、どうしてだよ父さん!使徒はもうこないはずじゃないか!なんで今更訓練なんか…
…」
「使徒が去った今狙われるのはシンジ、おまえたちだ。最強の兵器となり得るエヴァ、そ
してそのパイロット、各国の諜報部員やゼーレの老人たちがこぞっておまえとレイ、そし
てセカンドチルドレンを狙ってくる。おまえはもっとも身近でその2人を守る存在となる
のだ。」
「………」
シンジの心は揺れ動いていた。最早一緒にいることが当たりまえとさえ感じるアスカ、そ
して一番気になる存在の綾波…その2人を守ることができる…
「わかったよ父さん。でも一つお願いがあるんだ。」
「なんだ?言ってみろ。」
「いくのはアスカがうちに戻ってからにして欲しいんだ。」
声は小さいがはっきりとした口調で答える。
「……かまわん、好きにしろ。」
プロローグおわり
あとがき
いやあ、ラブコメ主体のはずがシリアスめいてしまいましたねえ。
でもシンジをかっこよくするには時間と変革が必要かなとおもいこうなりました。
めぞんEVA58人目の新住人は本日3人目の御入居者でもあります(^^)
TAIKIさん、ようこそめぞんEVAへ!
本当は前の2人とは別の日にご投稿いただいたのですが、
プロバイダのサーバ死んでいて昨日は更新作業が出来なかったんですよね(^^;
話が横道に逸れているついでに・・・
ついに『めぞんEVA』も参号館建設に至りましたね。
この建物大きさが半端でしょ?(^^;
もう、このくらいが限界かなぁと思いまして・・・
たぶんこれで新規募集は終了でしょう・・・
元道に戻って。
ラブコメノリのスタートから、
シリアスぽい引き。
どうのような展開に行くんでしょうね。
さあ、訪問者の皆さん。
歓迎メールをTAIKIさんに!