MIME-Version: 1.0 Content-Location: file:///C:/85899B38/88.htm Content-Transfer-Encoding: quoted-printable Content-Type: text/html; charset="us-ascii"
「ヌイグ=
523;ミは簡単だったが、=
;刺繍は意外と難しい=
12435;だな」
今年で8回=
446;の誕生日を迎えた少=
;女、我愛羅の姉であ=
12427;テマリはそう呟い{=
83;。
着色された=
992;が通った針を片手に=
;持ち、真っ白いハン=
12459;チを睨んでいる。
裁縫を覚え=
383;のは極最近の事で、=
;色々と試して見ては=
21487;愛い弟にプレゼン|=
88;していた。
「これは……クӣ=
0;と言うよりはブタか&=
#65311;」
先週、我愛 =
645;にプレゼントしたの=
;は茶色いクマの抱き=
20154;形である。
結構な出来=
628;えだったので、調子=
;に乗って今度はハン=
12459;チの刺繍に挑戦。
自分では器=
992;な方だとは思ってい=
;たが、意外にも意外=
span>―作業は一=
521;に捗らない。
「…=
230;ふう、今夜はこれ=
12391;終わりだな。集中Ó=
47;が散漫になって来た=
し……」
テマリは愛=
992;の裁縫セットを仕舞=
;うと、髪留めを外し=
12390;手櫛で撫で始めたz=
90;
後方の髪をA=
300;つに分けて纏めてい=
;る特殊な髪形で、降=
12429;して見るとかなりž=
63;い。
意志の込め=
425;れた凛とした瞳にス=
;ラリと通った美しい=
40763;筋が明かりに照ら{=
73;れている。
そして活動=
340;な普段着を脱いで、=
;寝巻きとして使用し=
12390;いる薄桃色の着物|=
34;身に纏う。
後はもう寝=
202;に就くだけなのだが=
;、テマリは帯を締め=
12394;がら窓の近くまでĒ=
97;いて行く。
辺り一面は=
495;っ暗闇で、夜空には=
;無数の星と真ん丸と=
22826;った満月が姿を現{=
75;ていた。
「我愛羅も=
170;頃は……同ӕ=
6;月を眺めているんだ&=
#12429;うな」
父親である'=
080;影から我愛羅の生い=
;立ちは既に聞かされ=
12390;いる。
純粋な戦闘!=
021;力だけを求められ、=
;砂の里の為だけに役=
31435;つ道具として創造{=
73;れた。
父親や里の=
978;層部は我愛羅をそん=
;な風に認識している=
12364;、テマリは全く違{=
58;。
大好きな母#=
242;が遺した子であり、=
;血の繋がった大事な=
21487;愛い弟だ。
「…=
230;そろそろ寝るか、=
26126;日も早い」
テマリは何=
418;我愛羅と遊んでいる=
;だけではない。
優秀な忍と=
394;るべくして英才教育=
;も父親である四代目=
39080;影から受けていたz=
90;
畳みに敷か=
428;た布団を剥ぐと、テ=
;マリは小さな欠伸を=
19968;つ。
そして布団=
398;中に潜り込もうとし=
;た瞬間―異様な胸'=
442;ぎを感じた。
(何だこの=
863;覚は?
胸の内がモヤモヤ=
12377;る……まӕ=
3;か、我愛羅の身に何&=
#12363;?)
無意識の内=
395;動悸が激しくなり、=
;テマリの額に薄っす=
12425;と汗が浮かぶ。
最初は気の=
379;いだと思っていたが=
;、胸騒ぎは沈静する=
12393;ころか徐々に酷く{=
94;るばかり。
テマリはす=
368;さま立ち上がると、=
;乱暴にふすまを開け=
12390;廊下を駆けた。
「風影様、=
446;標は依然として進行=
;中。被害は徐々に増=
12360;つつあります」
「…=
230;そうか。夜叉丸を=
21521;かわせたのは失敗{=
84;ったな」
「ハッ! 偵察からの報告で=
12377;と、夜叉丸は既に……」
「今回の件=
289;彼奴の進言だったが=
;……ふӛ=
5;、あの役立たずめが&=
#12483;!」
「…=
230;暗部の衆を召集し=
12289;迅速に処理を行い|=
14;す」
「その必要=
399;無い。守備に徹する=
;ように伝えろ」
「…=
230;よろしいので?」=
span>
「構わん、=
105;愛羅のチャクラもす=
;ぐに底を尽きる」
「そうだ、=
391;は行け」
「御意ッ!=
301;
砂の忍が瞬=
178;にして掻き消え、室=
;内には父親である風=
24433;が一人。
(いったい=
309;の話だ?
被害が徐々に増え=
12427;…暗部……処理……
徐々に増し=
390;いく胸騒ぎの原因を=
;突き止める為、父親=
12398;元に訪れたのだが……
(父様の口=
363;ら出た我愛羅の名前=
;……何Ӗ=
4;かさっきよりも嫌な&=
#24863;じがする)
情報が余り=
395;も少な過ぎる為、テ=
;マリは一向に状況が=
25524;めなかった。
だが父親と=
722;忍の会話を聞いて、=
;何かの事態が起こっ=
12390;いる事が理解でき|=
27;。
このままで=
399;埒が明かない―そう思っ=
383;テマリは音を立てず=
;に立ち上がる。
「…=
230;テマリよ。そのよ=
12358;な場所で何をやっ{=
90;いる?」
不意に名前=
434;呼ばれ、心臓を鷲掴=
;みにされたかのよう=
12394;衝撃が走った。
幾ら気配を=
040;していても所詮は子=
;供、風影である父は=
26082;に知っていたよう{=
84;。
テマリは深=
628;吸を行ってから、父=
;親の待つ室内に堂々=
12392;姿を現す。
「父様、今=
398;話はいったい何なの=
;ですか?」
「…=
230;…盗み聞きとは良く=
12394;いな」
「誤魔化さ=
394;いで下さいッ!
我愛羅に何か在っ=
12383;のですかッ!?」
叫ぶように=
839;い詰めるテマリ、対=
;する風影は深い溜め=
24687;を一つ吐いた。
「全ての事=
364;終わってから話そう=
;と思っていたのだが=
span>……仕ਬ=
1;が在るまい」
胸の前で両!=
109;を組むと、鋭い双眸=
;を静かに閉じる。
だがしかし=
289;先程の胸騒ぎが益々=
;大きくなって行くよ=
12358;に感じた。
「2時間前=
398;事だ。里の上層部の=
;会議にて……我=
9;羅に対する処分が決&=
#23450;した」
テマリは頭=
398;中が真っ白になり、=
;全身の血の気が引く=
12424;うな感覚に陥ったz=
90;
寒くも無い=
398;に身体が震え始め、=
;立っている事すらも=
36763;い状態である。
「我愛羅の=
966;分が決定……なӌ=
9;何で今更なのですか&=
#12483;!?」
「夜叉丸か=
425;我愛羅は極めて不安=
;定な状態だと報告が=
20837;ったからだ」
「そ、そん=
394;馬鹿なッ!?
私達の前ではそん=
12394;素振りは一度も……」
「既に夜叉=
024;に暗殺を命じて向か=
;わせたが、どうやら=
22833;敗したようだ」
「…=
230;失敗?」
「我愛羅が=
302;守鶴』の能力を暴走=
;させ、破壊活動を行=
12387;ている」
父親からそ=
398;言葉を聞いた途端、=
;テマリは呆然自失の=
29366;態で膝から崩れ落{=
85;た。
自分の知っ=
390;いる我愛羅は争い事=
;や揉め事が嫌いで、=
12393;ちらかと言うと気{=
64;弱い性格。
『守鶴』の!=
021;力も、家具など何か=
;重い物を運ぶ為以外=
12395;は滅多に使用しな{=
63;った筈。
それなのに=
309;故―我愛羅は=
772;壊活動なんて行って=
;いるのか。
「…=
230;そんなの何かの間=
36949;いだ。絶対そうにĕ=
70;まっているッ!!」=
「だが全て=
694;実だ。今夜……我=
9;羅の暗殺を決行する&=
#12301;
「待って下=
373;い、父様ッ!
もう一度だけ考え=
30452;しを……ッᦀ=
1;」
「最早、無'=
364;だ。我愛羅を止めな=
;ければ里の被害は増=
12360;るばかり……」
父親である'=
080;影の言葉も最もであ=
;るが、素直に納得で=
12365;るテマリではなか{=
87;た。
双方の小さ=
356;拳をギュッと握り締=
;め、テマリは真正面=
12363;ら父親を見据えるz=
90;
「…=
230;私が止める。私が=
25105;愛羅を止めて見せ|=
27;ッ!!」
「無駄な事=
399;止めておけ。既に暗=
;部が数人殺されてい=
12427;」
「だからと#=
328;って、何もしない訳=
;には行かないッ!!=
12301;
砂隠れの里=
434;統べる長を相手にし=
;ても、決して一歩も=
36864;かないテマリ。
状況が分か=
428;ば一分一秒でも時間=
;が惜しい。
テマリは我=
859;羅の暴走を止めるべ=
;く、凄まじい勢いで=
31379;から飛び出して行{=
87;た。
風の国に存=
312;する砂隠れの里は、=
;深夜だと言うのに喧=
39442;に包まれていた。
手裏剣やク=
490;イが空を切り裂く飛=
;来音、家屋などが粉=
12293;に吹き飛ぶ破壊音z=
90;
戦闘を繰り=
195;げている砂忍達が増=
;援を叫び、又は断末=
39764;の悲鳴を響かせて{=
56;る。
数の上では=
722;忍達は圧倒していた=
;が、時間が経つ毎に=
28187;って行った。
相手はたっ=
383;の一人、しかしその=
;戦闘力は個人で戦局=
12434;左右する程。
鉱物を混ぜ$=
796;み、チャクラで圧力=
;を加えた絶対的な防=
24481;力を誇る身体。
憎悪と殺意=
395;満ち満ちた双眸、大=
;きく裂けた口には無=
25968;の鋭い牙が見えるz=
90;
大木のよう=
394;双腕は脅威の破壊力=
;を産み、その先には=
20840;てを引き裂く刃のå=
14;き爪。
《認めない……ボӞ=
3;はお前達を認めない&=
#12299;
何度も同じ#=
328;葉を繰り返し、飛び=
;掛かって来た砂忍を=
21481;き落として押し潰{=
77;。
忍術を使わ=
394;いモノの、圧倒的な=
;攻撃力と防御力の前=
12395;砂忍達は成す術をý=
45;たない。
「第1、第A=
298;小隊は全滅ッ!
至急、応援を頼む=
12483;!」
「手裏剣も=
463;ナイも全く通用しな=
;いだとッ!?」
「何て堅さ=
384;。このままじゃ……オӤ=
4;達も全滅するぞッ!&=
#65281;」
砂忍達は何=
392;か我愛羅を取り囲む=
;が、その本人は歯牙=
12395;も掛けていない様é=
76;。
大きく裂け=
383;口元を邪悪に歪ませ=
;、双腕の爪を地面に=
31361;き刺して咆哮を放{=
88;。
そして腕力=
395;物を言わせた反動を=
;利用し、凄まじい速=
24230;で我愛羅は突っ込|=
35;だ。
その際に双!=
109;の爪で砂忍達の身体=
;を引き裂き、一気に=
32399;めて血祭りに上げ|=
27;。
そして獅子=
894;迅の機動力を地面に=
;爪を突き立てる事に=
12424;り殺し、再び反動|=
34;利用して突っ込む。=
戦いと言う=
424;りも一方的な虐殺劇=
;が繰り広げられ、闇=
22812;に断末魔の悲鳴がƅ=
11;き渡った。
《ボクの存=
312;を認めない奴らは=
……皆ૅ=
8;しだッ!!》
既に事切れ=
383;骸を尚も踏み潰すと=
;、我愛羅は月夜に向=
12369;て咆えた。
「な、何な=
435;だよ…ありゃあ=
483;!!」
今まで味わ=
387;た事のない恐怖に表=
;情を引き攣らせ、一=
20154;の少年が叫んだ。
テマリと同=
376;で風影の血筋を受け=
;継いでいる我愛羅の=
23455;兄―名をカン=
463;ロウと言う。
里の居住区=
391;何か騒ぎがあると駆=
;け付けたのだが、辺=
12426;一面は阿鼻叫喚のß=
20;獄絵図。
「みんな……しӌ=
9;死んでやがる!
アイツが…&=
#8230;アイツが殺ったの=
12363;!?」
恐怖が全身=
434;覆い包み、カンクロ=
;ウの膝がガクガクと=
28961;意識の内に震え始|=
17;る。
今まで知識=
391;しか知らなかった死=
;の恐怖、それを現実=
12391;味わうと何と恐ろ{=
75;い事か。
カンクロウ=
398;頬を汗が一筋伝うと=
;同時に、4人の暗部=
12364;その姿を現した。
「ここは危&=
522;です。どうかお引き=
;下さい」
「後は我々=
398;管轄、カンクロウ様=
;は一刻も早く……ッᦀ=
1;?」
一人の暗部=
364;言葉を紡いでいる途=
;中、胴体から首が吹=
12365;飛んだ。
自分が死ん=
384;事さも理解していな=
;いであろう瞬時に絶=
21629;した暗部。
虚ろな瞳を=
375;たままで、砂の地面=
;に転がった。
《お前達も=
508;クを殺しに来たんだ=
;……だӖ=
7;たら、ボクが先に殺&=
#12375;てやるッ!!》
暗部の頭部=
434;切断したのは、砂の=
;化身を纏った我愛羅=
12398;身体の一部分。
砂をチャク=
521;で圧縮させて鋼鉄の=
;硬度を持たせた手裏=
21091;を作り出したのだz=
90;
そしてその=
722;手裏剣を、凄まじい=
;腕力で投擲………
一呼吸置い=
390;から噴水のように吹=
;き荒れる真っ赤な鮮=
34880;。
カンクロウ=
398;全身は瞬く間に染ま=
;って行った。
瞬時に絶=
629;した暗部の鮮血を全=
;身に浴び、カンクロ=
12454;は恐怖で表情を引{=
65;攣らせた。
錆びた鉄を=
605;わせる刺激臭と生暖=
;かい感触に、尻餅を=
31361;いて地面に倒れるz=
90;
(ヤバイ……マӟ=
2;で殺されちまう)あッ……
生まれて初=
417;て味わう究極の恐怖=
;、防衛本能が働いて=
23569;しでも離れようと{=
75;た。
しかし、身=
307;が完全に震えてしま=
;って思うように動け=
12394;い。
「カンクロ=
454;様をお守りするぞッ=
;!」
「応ッ!!=
301;
「3人同時=
395;仕掛けるッ!!」=
残った3人=
398;暗部はクナイを片手=
;に持つと、地面を強=
12367;蹴り上げた。
まるで地を$=
889;うように姿勢を低く=
;保ち、凄まじい速度=
12391;間合いを詰める。
「貰ったッA=
281;」
距離にして =
004;3メートル、暗部の=
;一人が空高く跳躍し=
12390;斬り込んだ。
だが我愛羅=
399;既に迎撃態勢が完了=
;しており、右腕から=
29983;えている爪を繰りÑ=
86;す。
刃の如き鋭=
373;と硬度を有する爪は=
;、暗部の身体を易々=
12392;切り裂いてしまうz=
90;
その隙に先=
243;の暗部二人が我愛羅=
;の身体をクナイで斬=
12426;付ける。
しかし、ク=
490;イは甲高い金属音を=
;上げて火花を散らし=
12383;。
「クナイが……」
「…=
230;弾かれるだとッ!=
65311;」
暗部が驚愕=
398;表情を浮かべると同=
;時に、我愛羅の身体=
12395;変化が生じた。
砂で形成さ=
428;た身体の表面に小さ=
;な突起物が現れ、凄=
12414;じい速度で槍のよ{=
58;に伸びる。
二人の暗部=
399;全身を串刺しになり=
;、砂の槍が抜けると=
20849;に脱力して後方にî=
49;れ落ちた。
その異様な=
809;景を、双眸を見開い=
;て垣間見ていたカン=
12463;ロウ。
悲鳴を上げ=
424;うにも、声帯が完全=
;に麻痺してしまって=
22768;が出ない。
《…=
230;……》
我愛羅はカ=
531;クロウの姿を視界に=
;納め、凍て付くよう=
12394;視線を向けた。
『テマリ様=
420;カンクロウ様も、き=
;っと貴方を恨んでい=
12427;。それも深く……』
『お忘れで=
377;か、我愛羅様?
貴方が姉さんを
夜叉丸の言!=
865;が脳裏に浮かび、我=
;愛羅は低い唸り声を=
19978;げて苦しみ出したz=
90;
きっと自分=
434;恨んでる、きっと自=
;分を恐れてる、きっ=
12392;自分を殺そうとす|=
27;。
崩壊寸前に=
414;で追い詰められた幼=
;い精神が悲鳴を上げ=
12289;更に暴走を始めるø=
63;情。
我愛羅は咆=
742;を轟かせながら、手=
;当たり次第に周囲を=
30772;壊し始めた。
(だ、ダメ=
384;……早Ӕ=
7;、早く逃げないとッ&=
#65281;)
恐怖に震え=
427;膝に鞭を打ち、カン=
;クロウはやっとの事=
12391;立ち上がる。
そして逃げ=
986;そうとした瞬間、砂=
;の化身が眼前に立ち=
22622;がった。
2メートル$=
817;くもの巨体を誇る我=
;愛羅に見下ろされ、=
22311;倒的な威圧感が襲{=
58;。
我愛羅は視 =
218;を向けたまま、丸太=
;のように太い腕を頭=
19978;より高く振り上げ{=
83;。
「…
相手が実の=
804;であろうとお構いな=
;しに勢い良く振り下=
12429;す。
カンクロウ=
399;完全に死を覚悟し、=
;双眸をギュッと閉じ=
12383;。
だがその時=
289;姿を現す小柄な人影=
;が一つ。
「止めろ、=
105;愛羅ッ!」
息を切らせ=
394;がら現れたのは、薄=
;桃色の着物を纏って=
12356;るテマリ。
我愛羅は寸=
069;のところで腕を止め=
;、テマリの方を凝視=
12377;る。
「が、我愛 =
645;だって……」
「カンクロ=
454;、お前は早く離れろ=
;ッ!」
「馬鹿な事=
434;言うんじゃねェよ!=
;
こんな『化け物』=
12364;我愛羅な訳……ッᦀ=
1;!」
カンクロウ=
364;言い放った『化け物=
;』の言葉に反応し、=
25105;愛羅の憎悪と殺意{=
64;膨れ上がった。
止めていた!=
109;を再び振り上げると=
;、今度はさっき以上=
12398;速度で振り下ろすz=
90;
「うわあッA=
281;?」
頭上から迫=
426;来る巨大な腕を垣間=
;見て、カンクロウは=
22823;声で叫ぶ。
何とか地面=
434;踏み締めて横に飛ぶ=
;が、衝撃の余波で家=
23627;に激突。
「我愛羅じ=
419;ねェ……あӛ=
5;な『化け物』は我愛&=
#32645;なんかじゃねェ!A=
281;」
額から伝う'=
854;血を拭う事すらせず=
;、少しでも遠くに離=
12428;ようと駆け出したz=
90;
《フフ…フハハハッ! 逃げ出したッ! やっぱり夜叉丸の=
35328;った通りだ!!》
全身を震わ=
379;て嗤い続ける我愛羅=
;に、テマリは正面か=
12425;近付いて行く。
周囲に転が=
387;ている暗部の死体の=
;生々しさにさすがの=
12486;マリも恐怖を感じ{=
90;いる。
我愛羅だか=
425;大丈夫だなんて考え=
;等、この少女は一欠=
12369;らも持ち合わせて{=
56;ない。
夜叉丸との&=
291;に何が在ったかは知=
;らないが、今の我愛=
32645;は極めて危険な状ù=
07;だ。
でも、テマ=
522;は臆する事なく歩み=
;を続ける。
「我愛羅……もӓ=
8;止めるんだ。このま&=
#12414;では本当に死んで=
375;まうッ!」
《ボクが死=
396;?
違うよ、お姉ちゃ=
12435;……みӛ=
5;ながボクを殺そうと&=
#12377;るんだよ》
ゾッとする=
243;の冷たい声に、テマ=
;リは思わず双眸を見=
38283;いた。
あんなに穏=
420;かな性格だった我愛=
;羅にいったい何が在=
12387;たのか。
《夜叉丸が#=
328;ってた。父様がボク=
;を殺そうとしてるっ=
12390;……何ӗ=
1;?
ボクが悪い事した=
12398;?》
「兎に角、=
089;く元の姿に戻ってッ=
;!
そのままの姿だと=
25105;愛羅のチャクラが……」
《嫌だ、ボ=
463;は騙されないッ!
元の姿に戻った途=
31471;にボクを殺す気な|=
35;だッ!》
「違うッ!
《…=
230;信じる事なんて出=
26469;ないよ。だっておå=
85;ちゃんも……ボӞ=
3;を恨んでるんでしょ&=
#65311;》
我愛羅が言=
356;放った言葉を聞き、=
;テマリの全身に衝撃=
12364;走った。
「我愛羅を……恨ә=
6;?
いったい何を……言Ӗ=
7;て……」
《夜叉丸が#=
328;ってた。母様を殺し=
;たボクを深く恨んで=
12427;って……本ঈ=
3;は恐いんだって》両者の距離=
399;僅か10メートル弱=
;、我愛羅は腕を地面=
12395;付けて一歩前進。
テマリは無=
847;識の内に後ろへ下が=
;ろうとするが、必死=
12398;思いで踏み止まるz=
90;
ここで自分=
364;逃げてしまえば、我=
;愛羅を救う術を完全=
12395;失ってしまう。
「夜叉丸が……そӓ=
8;言ったのか?」
《うん、全%=
096;教えて貰ったよ。ボ=
;クが母様に望まれて=
12356;なかった事も……》
我愛羅は口=
803;を歪ませながら、更=
;に一歩前進する。
既に両者の$=
317;離は5メートルにま=
;で縮まっていた。
我愛羅はそ=
358;呟くと、右腕の先端=
;に見える爪をテマリ=
12395;向ける。
夜叉丸の策=
053;によって完全な人間=
;不信に陥った我愛羅=
12290;
かつての純=
883;無垢な双眸は酷く濁=
;っていた。
「風影様……本ঈ=
3;によろしいのですか&=
#65311;」
「…=
230;何がだ?」=
「テマリ様=
399;世継ぎの為の大事な=
;御身、このままでは=
span>……」
我愛羅とテ=
510;リ達を一望できる建=
;物の天辺に風影の姿=
12399;在った。
その側には=
263;部の姿もあり、片膝=
;を突いて畏まってい=
12427;。
「我愛羅が=
302;守鶴』の能力を何処=
;まで扱えるか見極め=
12383;い」
「ですが風=
433;様……」
「それと、=
486;マリならば我愛羅の=
;暴走を止める事が出=
26469;るやも知れん」
風影は胸の=
069;で両腕を組んで、興=
;味深そうに眺めてい=
12383;。
「暴走が止=
414;ればそれで良し。ダ=
;メならオレが直々に=
20966;分する」
「承知致し=
414;した。では念の為、=
;手練れの暗部を用意=
12375;ます」
それだけ言=
356;残すと、暗部の姿は=
;少量の砂を残して掻=
12365;消えた。
右腕に生え=
390;いる爪を鋭く伸ばし=
;、我愛羅は横一文字=
12395;薙ぎ払う。
テマリは地&=
754;にうつ伏せ、ギリギ=
;リの間合いで何とか=
22238;避する。
「止めろ、=
105;愛羅!
私の話を良く聞い=
12390;……ッᦀ=
1;?」
説得を試み=
424;うと叫ぶテマリ、だ=
;が我愛羅は無造作に=
33109;を振り下ろす。
地面を強く$=
468;り上げて後方に間合=
;いを取り、頬の裂傷=
12363;ら流れる血を拭うz=
90;
躊躇を全く=
863;じさせない攻撃に、=
;テマリは背筋に冷た=
12356;モノが走った。
「…=
230;我愛羅、本当に私=
12434;殺す気なのか?」
《…=
230;……》
だが我愛羅=
399;テマリの問いに応え=
;ず、両腕を眼前で交=
24046;させた。
その光景を#=
211;ていたテマリはハッ=
;として、強く地面を=
36468;り上げる。
年齢不相応=
398;脚力で小柄な身体が=
;動いた刹那、無数の=
30722;手裏剣が投擲。
数瞬前まで=
486;マリの居た場所の地=
;面が粉々に砕け散っ=
12383;。
(チッ、ど=
358;すれば我愛羅を説得=
;できるッ!?)
実力的に動=
365;を止める事はまず不=
;可能、それ以前に近=
20184;く事すらも危ういz=
90;
テマリは常=
395;動き回りながらも、=
;持ち前の頭脳をフル=
12395;回転させる。
(我愛羅が=
292;走する事となった原=
;因を何とかすれば
砂手裏剣の=
915;撃から身を守る為、=
;廃墟寸前にまでなっ=
12383;家屋に身を隠す。
(今まで聞=
356;た情報を思い出せッ=
;!
絶対に何かある筈=
12384;ッ!)
荒い呼吸を=
309;とか整え、我愛羅が=
;口にした言葉を思い=
20986;してみる。
《夜叉丸が#=
328;ってた。父様がボク=
;を殺そうとしてるっ=
12390;……何ӗ=
1;?
ボクが悪い事した=
12398;?》
《嫌だ、ボ=
463;は騙されないッ!
元の姿に戻った途=
31471;にボクを殺す気な|=
35;だッ!》
《…=
230;信じる事なんて出=
26469;ないよ。だっておå=
85;ちゃんも……ボӞ=
3;を恨んでるんでしょ&=
#65311;》
《夜叉丸が#=
328;ってた。母様を殺し=
;たボクを深く恨んで=
12427;って……本ঈ=
3;は恐いんだって》《うん、全%=
096;教えて貰ったよ。ボ=
;クが母様に望まれて=
12356;なかった事も……》
《ボクの名=
069;の由来も。我を愛す=
;る修羅―自分だけ=
434;愛し、自分の為だけ=
;に戦う》
《そう、ボ=
463;はたった一人なんだ=
;。だからもう……誰ә=
8;信じない》
先程の言葉=
840;てに共通する事はた=
;だ一つ。
【夜叉丸か=
425;教えて貰った】と我=
;愛羅が言っている事=
12384;。
父親である'=
080;影と暗部との会話の=
;中にも何処か引っ掛=
12363;る部分がある。
『今回の件=
289;彼奴の進言だったが=
;……ふӛ=
5;、あの役立たずめが&=
#12483;!』
『夜叉丸か=
425;我愛羅は極めて不安=
;定な状態だと報告が=
20837;ったからだ』
我愛羅が産=
414;れてから6年間、テ=
;マリはずっと近くで=
35211;て来た。
異端の生い=
435;ちのせいで他人との=
;接触は恐れるが、決=
12375;て脅かすような真Ê=
84;はしない。
一緒に過ご=
375;てきた日々の中、殆=
;ど笑みを溢していた=
25105;愛羅が不安定な筈{=
64;ないのだ。
(…=
230;全ては夜叉丸の狂=
35328;ッ!
我愛羅を陥れる為=
12384;けの……ッᦀ=
1;!)
テマリは奥=
503;を噛み締め、ギュッ=
;と両手を握り締める=
12290;
表現しよう=
395;も例えようのない怒=
;りが徐々に込み上げ=
12390;来た。
大事な弟に=
361;害を加えようと画策=
;していた存在に対し=
12390;か……
それとも我=
859;羅を救う事の出来な=
;い無力な自分に対し=
12390;か……
(待ってろ=
289;我愛羅。お姉ちゃん=
;が絶対に助けてやる=
12363;らなッ!)
テマリの双=
520;に凛とした強き意思=
;が宿り、家屋の中か=
12425;自ら姿を現した。