MIME-Version: 1.0 Content-Location: file:///C:/85899AF2/62.htm Content-Transfer-Encoding: quoted-printable Content-Type: text/html; charset="us-ascii"
シカマル=
398;前に現れた大きな体=
;躯を誇る二頭の狼。=
span>
新雪のよう=
394;体毛を持つ狼の名を=
;『シロガネ』と言っ=
12383;。
穏やかな口#=
519;に優しい物腰、加え=
;て礼節を弁えている=
32051;士。
だが、少し=
391;も気分を害すると一=
;変して冷酷となる。=
span>
普段はどう=
391;もないのだが…キレると=
598;い典型的な性格。=
もう一方、(=
658;曜の体毛を彩る狼の=
;名を『クロガネ』
兄以外の他=
154;を決して認める事は=
;ない。
口よりも先=
395;手が出ると言ったこ=
;れまた典型的な性格=
12391;あった。
因みに二頭=
399;兄弟であり、『シロ=
;ガネ』が兄で『クロ=
12460;ネ』が弟。
「…で、おたくらはオ=
12524;の何を聞きたい訳ʍ=
11;」
呼び止めら=
428;たシカマルは逃げる=
;のを諦め、地面へと=
33136;を降ろす。
そして、忍=
855;ポーチから医療セッ=
;トを取り出した。
シロガネが=
302;い声で問い掛けた。=
;
「別に深い=
702;由はねェな…考え事を=
375;てたら此処まで来て=
;たって所だ」
傷口を消毒=
375;て包帯を巻いて行く=
;。
野生の獣が=
345;つ爪や牙には雑菌が=
;多く含まれている。=
span>
ちゃんと消=
602;しないと後が大変。=
;
《本当だろ=
358;な?…もし、嘘=
394;らば…その頭を=
107;み砕いてやるッ!!=
;》
凄まじい程=
395;短気なクロガネ。=
牙を剥いて=
170;にも襲い掛からんと=
;していた。
《止めてお=
369;、クロガネ…私はまだ=
563;ねたい事がある》=
《だが、兄 =
773;…》
《私の言葉=
364;聞こえぬのか?》=
シロガネの=
643;が鋭く細まった。=
《うッ…済まない、兄者
凶暴で残忍=
394;クロガネもさすがに=
;兄には敵わない。
《そなたの#=
328;った考え事とやらに=
;少し興味がある》
《何、深い=
847;味はない…森の中に=
356;ると娯楽が皆無故、=
;色々と首を突っ込み=
12383;くてな》
「別に良い=
369;どよ…そうなる=
392;話が長くなるけど良=
;いか?」
《ああ、構=
431;ん》
「新しい術=
398;構想を練ってたんだ=
;が…と、そう=
394;った経緯も説明した=
;方が良いな…オレの里=
395;は中忍選抜試験って=
;のが……」
こうしてシ=
459;マルは説明を始めた=
;。
まずは自己 =
057;介から、そして木ノ=
;葉の里の事や行事と=
12375;て催される中忍選ü=
44;試験の事。
新しい術を =
722;得して強くなりたい=
;…その為に =
771;え事をしていて気付=
;いたら森に踏み込ん=
12391;いた事。
途中でナル=
488;やいの達の話題も組=
;み込んで話して行く=
12290;
その際、ク=
525;ガネは退屈そうに身=
;体を伏せて寝ていた=
12290;
しかし、シ=
525;ガネの方は珍しい事=
;ばかりなのか好奇心=
12434;向き出している。
興奮気味に=
456;槌を打ち、話の先を=
;急かす。
《ほう!い=
398;とか言う娘はそんな=
;に強いのか!?》
《どのよう=
394;娘か1度は見てみた=
;いモノだ!!》
高らかに笑=
358;シロガネ。
シカマルも%=
347;られて笑い出す。=
《所で…シカマル殿が強く=
12394;りたいと願うのはË=
09;の為か聞いておらぬ=
》
この時点で=
628;称が『シカマル殿』=
;となっていた。
呼び捨てに=
375;ない所が本当に礼儀=
;正しい。
だが、クロ=
460;ネには分かっていた=
;。
兄が敬称を=
184;ける時はその者をか=
;なり気に入っている=
20107;を。
「オレのダ=
481;に『うずまきナルト=
;』って奴がいてよ
《守る為に=
375;くなりたいのか?=
…その者は=
369;者なのか?》
「い~や…その逆、=
961;茶苦茶強ェ…木ノ葉の%=
324;、各国にある隠れ里=
;の忍の中で一番…」
《うむ?な=
425;ば何故に守る必要が=
;ある…シカマル=
583;よりも強いのだろう=
;?》
自分よりも=
375;い存在を守る為に強=
;くなりたい。
シロガネは#=
328;っている意味が分か=
;らなくなった。
「幾ら身体=
340;に強くても…ソイツは=
458;レと同じ12歳のガ=
;キだからよ」
《なるほど…人生経験=
364;短い分、精神的に脆=
;いと言う事か》
何とも知的=
394;言い方をするシロガ=
;ネ。
「しかも…物心が付=
367;前からよ、里の奴か=
;ら迫害を受けてる
《何故だ?=
516;族ではないのか?》=
;
「12年前…一匹の妖'=
764;が里を襲ってな」=
《妖魔…だと?》
「『金毛白&=
754;九尾の妖狐』…四代目火=
433;は倒す事が不可能だ=
;と知り、ナルトの体=
20869;に封印した」
《それで眼=
398;仇として迫害を…》
重い雰囲気=
364;辺りを覆い包む。=
この話は初=
417;て聴く者も改めて認=
;識する者にもかなり=
36763;い。
「だからオ=
524;は…ナルトの$=
000;担が少しでも軽くな=
;る為に強くなりたい=
span>…せめて背=
013;が守れるぐらいにな=
;」
それはシカ=
510;ルが心の底から思っ=
;ていた事であった。=
span>
ナルトと同=
376;ぐらいの強さを持っ=
;ていたらその願いも=
21494;っただろう。
だが、今の!=
258;分は余りにも非力。=
;
結構な量を=
899;ったせいか、軽い疲=
;労感が身体を覆う。=
span>
《私は今…猛烈に感=
205;しているッ!!》=
シロガネが=
825;に向かって咆哮した=
;。
鋭い瞳から=
399;感動の涙らしき物が=
;滝のように流れてい=
12427;。
「お、おい…どうした=
435;だよ?」
突然の事に'=
514;くシカマル。
《友の為に=
375;くなりたいと思うそ=
;の心意気…正に真の=
451;情ッ!!》
しかし、シ=
525;ガネはそんなシカマ=
;ルの言葉も聞こえな=
12356;のか更に続ける。
とてつもな=
367;熱い。
感覚的には=
510;イト・ガイと同等。=
;
《兄者は『=
161;義』や『人情』と言=
;った物に弱い》
「そ、そう=
394;のか…」
クロガネが=
316;息を吐きながら言い=
;放ち、シカマルは何=
12392;か納得。
《シカマル=
583;ッ!!強くなりたい=
;と申したな…我らの力=
289;喜んで貸そうッ!!=
;》
何を結論付=
369;たのか、突然シロガ=
;ネが力を貸すと言い=
20986;した。
その言葉に=
471;カマルは疑問符を浮=
;かべ、弟であるクロ=
12460;ネが焦り出す。
《兄者ッ!A=
281;突然何を…!?》
《お前もシ=
459;マル殿の話を聞いて=
;いただろう?私はこ=
12398;御仁を気に入った…だから力=
434;貸す、それだけだ》=
;
クロガネは=
804;と違って物分りが良=
;くない。
…と言うより=
418;そう簡単に「はい、=
;そうですね」と納得=
12391;きるタイプではな{=
56;のだ。
《幾ら兄者=
398;決定でもそれだけは=
;納得できんッ!!》=
span>
雄叫びを上=
370;、シカマルを睨み付=
;ける。
《ならばど=
358;すれば納得するんだ=
;?》
《オレは弱=
356;奴に従うのは勘弁な=
;らねェ!!》
《だったら=
471;カマル殿と手合わせ=
;してみたらどうだ?=
12299;
そう言って=
289;シロガネがシカマル=
;の方へ視線を向ける=
12290;
因みにこの=
178;点でシカマルは話に=
;着いていっていない=
12290;
普段なら頭!=
075;をフル回転させれば=
;分かる。
しかし、非=
120;に濃い性格を持つ二=
;対の狼を前にしてや=
12420;パワーダウン。
「…=
230;…で、何でこんな状=
27841;に陥ってんだ?」
シカマルの=
491;面には殺気だったク=
;ロガネの姿があった=
12290;
まるで今か=
425;勝負をするようであ=
;る。
「おい…一体何がどうなっ=
12390;る?」
二頭が話し=
390;いた事について行け=
;なかったのだろう。=
span>
思わずシカ=
510;ルが問い質す。
《何、弟が=
105;侭を言ってな…シカマル=
583;に使役されるのは気=
;にいらないらしい》=
span>
「いや…何かオレの知らな=
12356;所で話が進んでる|=
35;だが…?」
《ふむ、簡=
500;に述べるとこうなる=
;》
そう言って=
289;シロガネは指先から=
;鋭い爪を出して地面=
12395;何やら書き始めたz=
90;
シカマル殿=
398;友情に感動…私は力を$=
024;したい。
↓
弟―クロガネが我侭を=
35328;ってその提案を拒×=
42;。
↓
クロガネの#=
328;い分、弱い奴には従=
;いたくない。
↓
シカマル殿=
398;力量を見る為にクロ=
;ガネと手合わせ。
現在に至る=
290;
一通りの話=
398;流れを聴き、開いた=
;口が塞がらないシカ=
12510;ル。
力を貸して=
367;れるのは有り難いが=
;、その前に自分の身=
12364;危ない。
「なあ、今=
373;ら取り消し…って訳に=
399;行かねェか?」
《無理だな…弟は既に=
420;るき満々、取り消す=
;などと言ったら怒り=
29378;うぞ》
再び絶体絶=
629;なピンチ。
どうやら戦=
358;しか選択肢は残って=
;いないようである。=
span>
しかし、身=
398;丈2メートル以上の=
;獣とどう戦う?
シカマルは=
919;静に分析を始めた。=
;
四脚の獣で=
354;る故、瞬発力は比べ=
;物にならない。
筋力にして=
418;そうだ。
体格からし=
390;全然敵わない。
自分が有利=
392;言える点は『術』を=
;行使できる事。
『影真似の"=
899;』で動きを止めて攻=
;撃…それしか=
312;るまい。
(もし、コ=
452;ツに勝ってシロガネ=
;・クロガネが力を貸=
12375;てくれるってんな|=
25;…オレにと=
387;て凄ェプラスになる=
;だろうな)
戦闘補助の"=
899;しか扱えないシカマ=
;ルにしてみれば、強=
21147;な物理攻撃ができ|=
27;事は魅力的。
いざと言う=
178;、一撃必殺の切り札=
;にもなる。
眼を閉じて=
422;っくりと深呼吸。=
自分の心臓=
364;奏でる鼓動がやけに=
;大きく聞こえた。
一世一代の=
823;勝負。
(とことん…やってや=
429;うじゃねェか)
そして、覚=
735;を決めた。
「おい、勝$=
000;する前に約束事を決=
;めようぜ」
《…約束だと?》
「そうだ…オレが勝=
387;たらお前の力を貸せ=
;、拒否はさせねェ」=
span>
《じゃあよ=
289;オレ様が勝利した場=
;合…お前は何=
434;渡す?》
「オレの身=
307;と生命…お前の好=
365;にして良い、引き裂=
;こうが噛み砕こうが=
33258;由だ」
《ククッ…面白ェ、=
116;体を解体してやるッ=
;!!》
「テメェこ=
381;約束を忘れんなよッ=
;!!」
クロガネが=
069;傾姿勢を取り、シカ=
;マルは胸の前で印を=
32068;む。
《行くぜッA=
281;!》
前傾姿勢か=
425;一歩を踏み出す。=
そして、初$=
895;から最高速度に達し=
;た。
(は、速ェA=
281;!)
凄まじい勢=
356;で迫る黒曜の狼。=
鋭い刃の如=
367;、冷たく光る爪を横=
;薙ぎに振り切った。=
span>
シカマルは=
636;嗟にしゃがみ、ギリ=
;ギリの所で回避。
《良く避け=
383;じゃねェか…でもよ、=
425;もそう上手く行くか=
;?》
再び最高速=
230;で突っ込んできた。=
;
対するシカ=
510;ルはホルスターに手=
;を入れてクナイを取=
12426;出す。
両手一杯に=
345;ったクナイを一斉に=
;放つ。
全てがクロ=
460;ネの体躯に引き寄せ=
;られるように飛んだ=
12290;
「その勢い=
376;ゃ…急な方向$=
578;換はできねェだろッ=
;!!」
《この程度…避けるま=
391;もねェ!!》
更に加速す=
427;クロガネ。
それと同時=
395;クナイが身体に突き=
;刺さる。
全弾命中し=
383;が、何か様子が変だ=
;。
「何で効い=
390;ねェんだよッ!!」=
;
シカマルが=
823;声を上げ、クナイを=
;もう一つ投げ付けた=
12290;
空を切り裂=
365;飛来するクナイ。=
しかし、ク=
525;ガネはそれを鋭い牙=
;で挟んで受け止める=
12290;
《オレ様の=
307;毛はこんなちっぽけ=
;な刃物は通さねェ!=
65281;》
言葉と同時=
395;クナイを噛み砕いた=
;。
次いで鋭い=
226;を刀を扱うように縦=
;一文字に振り下ろす=
12290;
「おいおい…冗談じゃ=
397;ェぞ!!」
完全に避け=
427;事は不可能。
シカマルは=
309;とかダメージを軽減=
;させようと上体を反=
12425;して後方へ跳ぶ。
着地した瞬&=
291;、針で刺したような=
;激痛が走った。
視線を降ろ=
375;てみると袈裟懸けに=
;深い裂傷が刻まれて=
12356;る。
「ぐッ!!=
301;
激痛に耐え=
289;チャクラを練って印=
;を結ぶ。
『忍法 影=
495;似の術ッ!!』
クロガネの=
205;きを封じようと自身=
;の影を伸ばす。
薄暗い森の=
013;、気付かれ難いはず=
;。
そうシカマ=
523;は思ったのだが……
《甘ェ!!=
299;
跳躍して避=
369;、シカマル目掛けて=
;飛び掛る。
自分の考え=
364;甘かった。
それを反省=
377;る余裕もなく、シカ=
;マルは忍具ポーチか=
12425;数枚の札を取り出{=
75;て投げる。
その札は自=
998;の真上に落下しよう=
;とするクロガネの腹=
37096;に張り付いた。
(コイツが=
177;けば良いんだけど=
…っな、とA=
281;!)
シカマルは=
309;とか横っ飛びで回避=
;。
受け身を取=
387;て間を空けずに立ち=
;上がる。
クロガネも&=
899;を立てずに着地して=
;、シカマルの方を向=
12356;た。
《ちょこま=
363;と良く逃げやがる》=
;
「へッ…逃げ腰だけは人一=
20493;だからな」
強がりを言=
387;てみるが、胸に刻ま=
;れた裂傷が酷く痛む=
12290;
額には汗の=
890;が浮かび、気を抜い=
;たら意識が飛びそう=
12395;なる。
《やはり兄 =
773;の買い被りのようだ=
;な…弱すぎる=
289;追い詰められた鼠も=
;同然》
見下した評=
385;を次々と述べて行く=
;クロガネ。
だが、シカ=
510;ルの眼はまだ諦めて=
;いない。
「…=
230;『窮鼠猫を噛む』=
12387;て言葉を知ってる{=
63;?」
《何だ…そりゃ?》=
「人間の作=
387;た諺の一つでな…小さくて=
369;い鼠でも追い詰めら=
;れて後先がなくなっ=
12383;ら一矢報いる為にõ=
17;死で抵抗するって意=
味だ」
《ふん…お前がその一矢報=
12356;る鼠とやらか?》
「へッ……ご名答」
シカマルが=
475;元をニヤリと吊り上=
;げると同時、クロガ=
12493;の腹部に貼り付け{=
83;札が真っ赤な光を発=
した。
徐々に光が=
375;くなるにつれて、熱=
;量も上昇。
《テメェ!A=
281;何をしやがったッ!=
;!》
「『起爆札=
303;って言ってな…火薬の代=
431;りに術式を刻む事に=
;よって爆弾その物と=
36024;した札だよ」
真っ赤に燃=
360;上がり、熱量が頂点=
;に達した時…大爆発を$=
215;こした。
鼓膜が破れ=
381;うな程の破裂音が響=
;き、次いで爆風が辺=
12426;を無差別に襲う。
「うわッ!A=
281;」
比較的近い=
580;所にいたシカマルも=
;爆風で吹っ飛ぶ。
「どうだ…結構効い=
383;んじゃねェか?」=
巻き上がる=
722;塵に向かって言い放=
;つが返事がない。
未だに砂塵=
364;視界を覆っているが=
;、シカマルは勝利を=
30906;信。
数枚の起爆=
413;を連続で誘爆させた=
;のだ。
「あ~畜生=
483;…早く傷の=
163;当てをしねェと…」
真っ赤な鮮"=
880;が溢れ出している傷=
;口を見て一言。
このままで=
399;出血多量で死んでし=
;まう。
忍具ポーチ=
395;手を突っ込み、医療=
;セットを取り出そう=
12392;する。
その瞬間、=
722;塵に巨大な影が浮か=
;び上がった。
「なッ!?=
301;
驚愕の表情=
434;浮かべるシカマル。=
;
砂塵から鋭=
356;爪を持った前脚が伸=
;び、横薙ぎに払われ=
12383;。
不意を突か=
428;、直撃を受けたシカ=
;マルは盛大に吹っ飛=
12435;だ。
その時、自=
998;の腹部から幾本かの=
;骨が逝った音が響く=
12290;
『起爆札』=
391;吹っ飛んだ時も遠く=
;へ飛ばされ、地面に=
36321;を刻みながら叩きÉ=
84;けられた。
「ぐッ…カハッ!!」
内臓の一部=
364;傷付いたのか、シカ=
;マルは仰向けになっ=
12383;まま血を吐いた。
身体中に激=
171;が駆け巡り、気絶す=
;る所ではない。
むしろ意識=
399;ハッキリとしている=
;。
「骨=
8230;何本か逝ったな」=
span>
背中に受け=
383;狼の爪により裂傷、=
;肩口から袈裟懸けに=
12399;クロガネの爪で刻|=
14;れた斬り傷。
傷口が熱を=
345;ち視界が歪んでいた=
;。
そんな状態=
384;と言うのに立ち上が=
;る為に上半身を起こ=
12377;。
だが、すぐ=
373;ま地面に押さえ付け=
;られた。
《『窮鼠猫=
434;噛む』…か、勉強=
395;なったぜェ!!》=
視界に映っ=
383;のは『起爆札』の爆=
;発でダメージを負っ=
12383;黒曜の狼の姿。
鋭い牙を剥=
365;出しにして、その口=
;元から鮮血が流れ落=
12385;るのが見えた。
胸の上には=
463;ロガネの前脚が乗せ=
;られており、シカマ=
12523;を押さえ付けてい|=
27;。
「畜生ッ…無傷…かよッ!!」
《そうでも=
397;ェぜ…結構、効=
356;たァ!!》
語尾を強く=
377;ると同時に前脚に体=
;重を乗せた。
シカマルの$=
523;体を形成している骨=
;格が悲鳴を上げる。=
span>
「がッ…ぁぁぁぁああああ=
12483;!!」
身体が地面=
395;減り込んで行くのに=
;比例して徐々に意識=
12364;途切れ途切れにな|=
27;。
激痛なんて=
289;じゃない、気が狂い=
;そうだ。
《オレ様の=
226;を避けた身のこなし=
;と良い…兄者の言!=
865;は間違ってなかった=
;ようだなァ!?》
「…ッ!!」
既にシカマ=
523;は叫ぶ事さえできな=
;い。
《だが…勝つのはこのオレ=
27096;だッ!!》
クロガネに =
068;み倒され、なす術も=
;ないシカマル。
今までのダ=
513;ージが蓄積されて身=
;体が言う事を聞かな=
12356;。
全身には無=
968;の裂傷と打撲傷、完=
;全骨折が数箇所。
満身創痍と=
394;り、疲労感が全身を=
;包む。
(もう、そ=
429;そろ…限界だな……限=
8;?そう言えばガキの&=
#38915;にクソ親父から聞=
356;たっけか?)
それは幼き=
085;の出来事。
「なあ、親=
238;…どうやっ=
383;ら強くなれるんだ?=
;」
『唐突に何=
434;言い出してんだ?こ=
;のバカ息子は…」
「良いから=
945;えろよ、クソ親父!=
;!」
『偉大な親=
238;様に向かって、何だ=
;…その口の=
033;き方は…本当にオ=
524;の息子か?』
「親父の子=
379;だから口が悪いんだ=
;よ」
『…=
230;で、本当にどうし=
12383;?』
「親父も最=
021;から強かった訳じゃ=
;ないんだろ?」
『まあ…そりゃそうだ』
『…あのな、人間はそ=
12358;簡単には強くなれ{=
97;ェぞ?』
「地道にコ=
484;コツするしかないの=
;か?」
『それもあ=
427;…だが、手=
387;取り早く強くなる為=
;には修羅場…死線を体'=
443;する事だ』
「…=
230;…?」
『お前にゃ=
569;し難しいか…そうだな=
289;『もうダメだッ!!=
;』『これ以上動けね=
12455;!!』と言った状Ė=
41;だな』
「親父は体'=
443;した事…あるのかA=
311;」
『オレがお=
069;と同い年の頃は裏山=
;で良く暴れたもんだ=
span>…川に流さ=
428;て死に掛けたり、崖=
;から落ちて死に掛け=
12383;り…猛獣とか…』
「良く生き=
390;んな…親父」
『それはあ=
428;だ…幼馴染だ=
387;た母ちゃんが優しく=
;看護してくれてだな=
span>…』
「クソ親父…子供に惚=
671;んなよ」
『…兎に角だ、限界だ=
12392;思った瞬間が始ま|=
26;って事だ』
「…例えば親父はどん=
12394;時?」
『お前が産=
414;れる前、母ちゃんと=
;デートしている時だ=
12387;た…その日は=
825;気が良くてな』
「…それで?」=
『偶々…他の女に眼が移っ=
12383;時、地獄を見た』
「…地獄?」
『腰を入れ=
390;スナップを効かせた=
;平手打ちを喰らい、=
33016;倉を掴まれて膝蹴|=
26;…』
「…おいおい」=
『それだけ=
376;ゃねェ…終いには=
510;ウントポジションを=
;取られてボッコボコ=
12384;』
「マジかよ…それ」
『それがオ=
524;が味わった修羅場だ=
;…お前はま=
384;小さいから分かんな=
;いだろうが、いつか=
20998;かる日が来る』
「忍として=
398;任務でか…それとも=
827;婦ケンカか?」
『…=
230;……両方だ』
限界と思っ=
383;瞬間が始まり…幼い頃に=
238;親が言っていた。=
言葉では簡=
336;だが、実際には難し=
;い。
(だがよ、$=
000;ける訳には行かねェ=
;…どうやっ=
383;らコイツに勝てるッ=
;!?)
シカマルの=
643;に再び光が宿った。=
;
まずは自分=
434;踏んで、押さえ付け=
;ている前脚をどうに=
12363;しないと行けないz=
90;
忍具ポーチ=
434;漁り、何かを掴んだ=
;。
指先から伝=
431;る感触に口元が歪む=
;。
「『起爆札=
303;が結構…効いたっ=
390;、言ったよな…だったら=
418;う一つ…くれてや=
427;よッ!!」
身動きを封=
376;られながらも何とか=
;右腕を出して『起爆=
26413;』を前脚へと貼りÉ=
84;けた。
《こ、この%=
326;郎ッ!!》
クロガネは=
471;カマルを押さえ付け=
;ていた前脚を退かし=
12289;『起爆札』を剥が{=
81;うと必死に振り回す=
。
だが、チャ=
463;ラで吸着してある為=
;にそう簡単には剥が=
12428;ない。
(しめたッA=
281;!今しかねェ!!)=
;
右手を支え=
395;して立ち上がり、少=
;しでも間合いを取る=
28858;に駆け出す。
後方に見え=
427;クロガネは必死に頑=
;張っていた。
《畜生ッ…離れねェ=
376;ゃねェか!!)
至近距離か=
425;喰らう爆発のダメー=
;ジはハンパじゃない=
12290;
腹部に直接=
936;らったせいで幾つか=
;の臓器が損傷してい=
12427;。
前脚で爆発=
375;たら間違いなく吹き=
;飛ぶ。
《チィ!!…こうなっ=
383;らッ!!》
クロガネは=
309;を思ったのか、前脚=
;に思いっきり噛み付=
12356;た。
鋭い牙が肉=
434;抉り、『起爆札』ご=
;と引き千切る。
そして、遠=
367;へ吐き出してシカマ=
;ルに向けて駆けた。=
span>
《これで…最後にし=
390;やるッ!!》
正に疾風迅&=
647;。
シカマルの!=
261;いを辿って更に勢い=
;を増した。
鉛のように%=
325;い身体を引き摺り、=
;元来た方向へ体を向=
12369;た。
シカマルの=
104;測だと十中八九…真正面か=
425;突っ込んでくる。=
「ハァ…ハァ…ハァ…」
荒い呼吸を =
368;り返し、静かに眼を=
;瞑った。
そして、禅=
434;組む時のような印を=
;両手で結ぶ。
常人の倍の=
693;能を持つ故、将棋や=
;碁と言った頭脳を使=
12387;た娯楽が好きだっ{=
83;。
担当上忍の=
450;スマと偶に勝負もし=
;たりする。
「アイツの=
307;毛は刃を通さねェ=
…よってク=
490;イは効果なし」
その為、次=
398;手を考える時に癖に=
;なってしまったのが=
31109;を組む時のようなÕ=
60;。
何故かは知=
425;ないが、心が落ち着=
;いて物事が冷静に見=
12360;るようになる。
「手裏剣も=
516;様…嗅覚の鋭=
356;アイツには煙玉も全=
;くの無駄」
何度もシミ=
517;レーションを繰り返=
;すが勝算が弾き出さ=
12428;ない。
「『影真似=
398;術』は避けられて通=
;用しない…『起爆札=
303;も残り僅か二枚」=
絶望的な状=
841;であった。
己の持てる=
525;具や術を用いても勝=
;率は皆無に等しい。=
span>
だが、シカ=
510;ルは口元に笑みを浮=
;かべた。
「限界だと=
605;った瞬間が始まり=
…試してや=
429;うじゃねェの…オレが何=
966;までやれるのかをッ=
;!!」
全身はボロ=
508;ロだが、頭は妙にス=
;ッキリしていた。
しかし、今=
399;パズルのピース一つ=
;一つが手に取るよう=
12395;分かる。
今まで幾百=
289;幾千と『影』の術を=
;行使してきた。
基礎は完全=
395;物にしている。
発動時に必#=
201;な『印』の構成が映=
;像として脳裏に浮か=
12406;。
「これが『=
961;我の境地』って奴か=
;…それとも=
302;背水の陣』…か?」
生存本能・&=
450;衛本能・闘争本能=
…己を形成=
377;る全てが飛躍的に上=
;昇して不可能を可能=
12395;する。
「凄ェ、良=
356;気分だ…もう痛み=
418;疲れも感じねェ」=
大きく息を=
560;い込んで、吐き出す=
;。
まるで自分=
364;自分じゃないような=
;感覚であった。
俗に言う『=
456;ンドルフィン』や『=
;アドレナリン』と称=
12377;る物。
肉体的・精=
070;的にダメージの許容=
;量を凌駕した為に分=
27852;されたのが原因。
「『印』の=
083;築に間違いはねェ=
…とすると=
289;残るはオレのチャク=
;ラが何処まで続くか=
12387;て事だな」
胸の前で印=
434;組み、チャクラを練=
;り始める。
《見つけた=
382;、人間ッ…今度こそ=
412;当に最後だッ!!》=
;
黒曜の狼が$=
843;って来た。
鋭い牙と爪=
434;振り翳し、シカマル=
;目掛けて振り下ろす=
12290;
しかし、微=
205;だにしない。
『忍法 影=
495;似の術ッ!!』
自身の『影=
303;が四方八方に向けて=
;細く伸びた。
伸ばした『=
433;』の先には木や茂み=
;、岩などの『陰』に=
28508;む。
明らかに今=
414;での術とは違う。=
《オレにそ=
398;術は通用しねェ…切り裂い=
390;やるッ!!》
「そんなに=
966;んなよ…本番はこ=
428;からだッ!!」
シカマルは!=
258;身の『影』を伸ばし=
;た状態で更に印を結=
12435;だ。
物体の『陰=
303;に潜んでいたシカマ=
;ルの『影』が立体と=
21270;す。
一つだけで=
399;ない、四方八方に伸=
;ばした『影』全てが=
12384;。
そして、徐=
293;に膨らみ始めて形成=
;を始める。
その姿…漆黒の獣。=
クロガネの=
424;うに黒い体毛ではな=
;く、全身が闇。
サイズは普$=
890;の狼並であり、数匹=
;で固まってクロガネ=
12408;体当たりを喰らわ{=
77;。
《な、何だ=
392;ッ!!》
横からの攻=
731;に不意を喰らったク=
;ロガネは体勢を崩し=
12390;吹き飛ぶ。
シカマルが=
330;動させた術のカラク=
;リはこうだ。
『影真似の"=
899;』で自身の『影』を=
;他の物質の『陰』に=
28508;ませる。
そして、『&=
512;』にチャクラを送り=
;込んで印を結ぶ事で=
26032;しく『影』の一部{=
92;同化。
自身の影だ=
369;では足りない質量を=
;補う為。
更に自由自=
312;に…現段階で=
399;『狼』に似せた『影=
;の獣』を作り上げた=
12392;いう訳だ。
「森に入っ=
390;から散ッ々…襲われた=
363;らな…イメージ=
340;にはバッチリだぜ」=
;
どんな物で=
418;形を作るのに必要な=
;のは想像力、即ちイ=
12513;ージである。
『影』でも=
516;じ事を言える。
《舐めるな=
449;!!》
予想外の反=
731;を喰らいクロガネが=
;咆えた。
大地を蹴り=
978;げ、シカマルに襲い=
;掛かる。
シカマルも=
381;れと同時にチャクラ=
;を送り込んだ。
すると無数=
398;『影の獣』がクロガ=
;ネの眼前に立ち塞が=
12426;、一斉に飛び掛っ{=
83;。
《小賢しい=
483;…消えろッA=
281;!》
鋭い爪で『=
433;の獣』を斬りつける=
;が手応えがない。
だが、逆に=
302;影の獣』の爪と牙は=
;クロガネの体躯を傷=
20184;けていく。
《どういう=
371;ったッ!?何でオレ=
;だけがダメージを受=
12369;るッ!!》
「へッ…簡単な事だ、『影=
12303;達は常に具現化し{=
90;いる訳じゃねェ…テメェに=
915;撃を仕掛ける瞬間だ=
;け実体化させてんだ=
12424;ッ!!」
それが本当=
394;らばこの術は無敵。=
;
此方は一切=
398;ダメージを受けず、=
;一方的に攻撃を仕掛=
12369;る事ができる。
しかし、こ=
398;術の最大の欠点はチ=
;ャクラの消費量が尋=
24120;ではない事。
シカマルが=
345;つチャクラの絶対値=
;からして180秒も=
32154;けられれば上等。
「名付けて…『忍法 =
433;狼の術』…土壇場で=
605;いついたが、結構良=
;い線行ってるだろ?=
12301;
気力を振り =
094;り、チャクラを更に=
;練る。
凄まじい速=
230;で血液が身体中を駆=
;け巡り、胸に刻まれ=
12383;傷口から再び鮮血{=
64;溢れ出す。
《小賢しい=
483;!!テメェを殺れば=
;済むじゃねェかッ!=
65281;》
クロガネは=
039;勢を低く屈め、次の=
;瞬間…シカマル=
446;掛けて突進。
四脚の獣な=
425;ではの瞬発力。
だが、シカ=
510;ルに爪と牙が辿り着=
;く寸前でクロガネの=
21205;きが止まった。
必死に力を=
837;れているのだが全く=
;動かない。
《て=
8230;テメェ!!何をし=
12420;がったッ!!》
焦燥を含む=
475;調にシカマルは口元=
;を歪めて笑みを浮か=
12409;る。
「『影真似=
398;術』が本来持つ役割=
;の相手の足止め…つまり、=
205;きを封じる術だ」=
そして、語=
426;出した。
「『影狼』=
364;お前に攻撃を仕掛け=
;たのは何もダメージ=
12434;与えるだけじゃね|=
55;…細く伸ば=
375;たオレの『影』で縛=
;る為。
さすがの=
302;影狼』でもクナイを=
;通さない体毛に覆わ=
12428;ているお前自身をÎ=
63;付けんのは容易じゃ=
ないからな。
そこでオ=
524;は考えた…まずはお=
069;の動きを止めて、残=
;ってる『起爆札』を=
20840;て叩き付ける」
クロガネは=
913;めて自身を眺めた。=
;
すると細長=
356;黒い縄のような物が=
;絡まっている。
《こ、こん=
394;物…何時の間=
395;…全ては陽=
205;だった訳か…畜生ッ!A=
281;》
「これでオ=
524;の勝ちだ…約束通り=
289;お前の力を……ッᦀ=
1;!」
そう言って=
289;足を踏み出した途端=
;に前のめりになって=
12471;カマルは倒れた。
(な=
8230;何だよ、これ…身体が動=
363;ねェし…頭がガン=
460;ンしやがる)
脳内麻薬が=
998;泌されている間は疲=
;れも痛みもほぼ感じ=
12394;くなるのはご存知{=
84;ろうか?
本能が肉体=
340;ダメージの許容量を=
;凌駕すると分泌され=
12427;脳内麻薬。
分泌されて=
356;る間は言葉にできな=
;い高揚感が漂う。
そう、感じ=
394;くなるだけ…実際に受=
369;ているダメージに何=
;ら変わりはない。
今まで受け=
390;来たダメージが一斉=
;に全身を襲う。
(後少し…だっての=
395;……)
指先を動か=
377;事さえ億劫だ。
頬に感じる=
303;の感触が心地よい。=
;
もう少しだ=
369;手を伸ばせば勝利を=
;掴む事ができる。
(オレは強=
367;なんなきゃ…強くなん=
394;きゃ行けねェん…だ=
8230;……)
凄まじいシ=
459;マルの執念。
面倒臭がり=
398;時とは雲泥の差。=
しかし、シ=
459;マルの想いも虚しく=
;……意෯=
2;は闇へと沈んで行っ&=
#12383;。