冬の夕空
 6 昨日の続き
 
 朝、目が覚めるとミシェルが目の前にいる。
 私は彼の寝顔にじっと見とれていた。
 長いまつ毛、白い肌にさらさらとかかる金色の髪。
 見れば見るほどきれい……。
 眠っているから思う存分眺めることができる。
 しかも、こんな近くで。
 腕まくらしてくれたままだ。
 これって重くないのかな?
 少し身体をずらしてみたりしてると、彼が目を覚ました。
「おはよう……ございます」
「……おはよう」
「朝ごはん食べる?」
「……」
 まだ半分寝てるみたい。今日は日曜だし、もう少し寝ようかな。
 と思ったら、彼は身体を起こして私に覆いかぶさった。
「食べる」
 そう言って彼は私の胸に顔をうずめる。
「え? あっ、ちょっ。やぁん」
 チュパチュパと音を立てて乳首に吸いつく。
 なんだか急に彼がすごくかわいらしく感じる。
 指先で彼の髪にふれてみる。さらさらでやわらかい。手のひらで彼の頭をそっとなでる。
 彼は私の鎖骨の下のほうをペロッと一回なめる。そして子どものように目を細めてにっこりと笑った。私もなんだかうれしくなってにっこりと笑う。
 彼はまた腕まくらをして私の横に寝る。耳元に彼の息がかかる。もう片方の手で私の胸をゆっくりと揉むようにさわる。
 気持ちいい……。身体の力が抜けていく感じ。
 彼の指は下へ移動し、内もものあたりにそっとふれる。
「痛くない? ここ」
「うん。だいじょうぶ」
 私がそう答えると、彼は昨日入れたところに指を少し入れる。
 濡れているみたい……。
 入り口でゆっくりと指が動く。
「あっ。あん……」
「気持ちいい?」
「うん……」
「昨日、ここにいれたよ」
 彼が耳元でささやくように言う。
 私は恥ずかしくて何も答えられなくなる。
 彼は指をクリに移動させ、そっとなでる。濡れた指の感触にビクッとなる。
「あぁんっ……」
「ここ……、気持ちいいんだよね」
「うん……」
 指でゆっくりとまわすようになでられると、私の呼吸は熱くなってくる。
 彼は私の耳を唇で軽くくわえる。そして舌先でそっと耳をなぞる。
「んっ……」
 身体の力が抜ける。
 首筋にゆっくりと熱い舌がはう。
「あぁ、はぁん……。きもちいい……」
 彼は下のほうの指を少し早く動かしながら耳元で聞く。
「どっちが?」
「どっちもぉ……」
「こんなふうにされるの好き?」
「うん……」
「かわいい」
 そう言って彼はチュッと音を立てて耳元にキスする。
 どんどん私の身体の中が熱くなって声が出てくる。
「あっ、はぁっ。んっ、うぅん、いっちゃいそう……」
「いっちゃっていいよ」
「あぁん、いくぅ。いっちゃうぅ……、あぁぁん……」
 私の身体はがくがくと震え、全身に快感がひろがってゆく。
 私は自分の親指を唇でくわえ、その波を感じる。
 彼は私のその手をのけ、口を開けさせ、舌を入れてディープキスする。
 すごい……。
 どうして私の欲しいものがそんなにわかるの?
 気持ちよくて……、身体も、頭の中も全部溶けてしまいそう……。
 彼は唇を離し、指でそっと私の唇をなでる。
 私はゆっくり目を開く。
 彼の瞳が目の前にある。
「昨日の続きしてもいい?」
 彼が私の瞳をのぞきこんで言う。
 私は首だけ動かして「うん」とうなずく。
 唇に軽くキス。
 そして「ちょっと待ってね」と言って身体を起こし、彼はコンドームをつけた。
 そっとそれを私のところにあてがう。
「いれるね」
 私がうなずくと、ゆっくりとそれは入ってきた。
「あっ、ああぁぁ……」
 身体の真ん中をぎゅうっとつかまれるような感じが来る。
 私の中で彼のものをぎゅうっとつかんでる……。
 下半身だけ勝手に動いてしまう。
 奥のほうまで入ると全身に電流が走る。
 彼は私にそっと覆いかぶさる。
「ああぁんっ。すごい……。すごいの……」
「うん……。確かにこれは……すごいな」
 そう言って彼はゆっくりと腰を動かす。
 全身がばらばらになってしまいそう。
 自分の手が、足が。どこにあるのかわかんない。
「ああん、だめぇ……。すごすぎぃ……」
 彼の背中をぎゅっとつかむ。
 奥のほうで彼のものが動くたびに私の身体の奥がぎゅうっとなる。
 彼は私の唇に吸い付き、舌を差し入れ激しいキスをする。
 下も……、上も……、すごい気持ちよくて……。
 息ができない。でももうそんなのどうでもいい……。
 彼が唇を離して耳元でささやく。
「きもちいい……。もう、でる……」
 私が目を閉じたままうなずくと、彼は少し身体を起こし、私の足を押さえる。
 そして私の奥のほうを突くように腰を動かす。
 それにあわせて私は自然に声が出てしまう。
「あっ、はぁ、ああん、あんっ、あんっ……」
「うん……。はぁ、はぁ、きもちい……。いく……」
 彼は私にがばっと覆いかぶさり、ぎゅうっと私を抱きしめた。
 耳元に彼の熱い息を感じる。
「はぁ……、はぁ……、きもちよかった……」
「わたしも……」
 彼は私の唇に軽くキスしてから起き上がった。
 そしてティッシュで自分のを拭いてから、私のも拭いてくれた。
 ちょっと恥ずかしいけど……、うれしかった。
 彼もちょっとだけ恥ずかしそうににっこり笑い、手をつないで私の横に並んで寝た。
 なんだか今朝の彼はとてもかわいらしく感じる。
「そういえばミシェルって歳いくつなの?」
「えっと……」
「あ、聞いたらいけない方向の話だった?」
「24」
「にじゅうよん?」
「え? 相応じゃない?」
「いえ……、なんか普通で……」
「普通でしょ?」
 そう言ってフフッと意味ありげに笑う。
 ふうん……。
「レオンもそれぐらい?」
「おなじ」
「子どものときにレオンにキスしたって本当?」
 私がそう言うと、彼は声をたてて楽しそうに笑った。
「確かにしたけど……。その話、正しくないな」
「そうなの?」
「したのは僕じゃなくてレオンだ」
「……へぇ。子どものときからレオンと友だちなの?」
「うん」
「じゃあレオンも……なの? 悪魔……んっ」
 口を唇でふさがれた。
 舌をゆっくりと動かしてやさしいキス。
 ごまかされてる……。
 でも、しょうがないのかな……。
 よけいなこと聞いていっしょにいられなくなったらいやだもん。
 彼は唇を離してにっこりと微笑む。
「ホットケーキ作れる?」
「うん、作れるよ」
「食べたいな」
「いいよ。ちょっと待ってね。先に軽くシャワー浴びてくる」
「あ、鏡でここ見てみて」
 そう言って彼は自分の左側の鎖骨の下のあたりを指差した。
 お風呂場で鏡を見てみると、その場所に赤いアザのようなものがあった。押しても全然痛くないけど……、なんだろう、これ。
 シャワーを浴びながら、ふと思い出す。
 そういえばミシェル昨日、唇でここ吸ってたような……。
 これってキスマークってやつ? こんなにはっきりとつくんだ……。ここって服で隠れるよね……、微妙かな。なんか恥ずかしい。でも……、ちょっとうれしい……かも。
 お風呂場から出て、彼に聞いてみた。
「これつけた?」
「つけた。良い出来」
 彼はうれしそうににっこりと笑う。
「消えるよね? これ」
「二日ぐらいかな? またつけてあげる」
 そう言って彼はそこに唇をあてた。

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written by nano 2008/02/03

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