中沢×琴+大田 1
no name
『俺っ、実は夢野の事…!』
「はぁー………」
大縄飛びの練習が終わって、汗をかいた琴が夕御飯の前に風呂に入ることにした。
「あんな…勢いで告白なんて反則だよぅ…」
いつもなら気になりもしない太田が気になって仕方がないのだ。
琴はこれでも、告白されるのは初めて。
中沢が気になりかけていたものの、太田を気にし始めていたのだ。
「琴ーーー?ご飯だよー」
「ぁ、はーい!」
******
「はぁ…」
「どうしたの?琴」
「あ、さては大縄飛びの時の…」
「わわっ!歌姉!これ以上言わないでよーぉ…」
何があったの?と奏が聞くと、歌は得意気にその経緯を話す。
「なーるほどー…」
「うーたーねーぇー?歌姉のトップシークレット全部バラすよ!」
「言ってみなさいよ…どうせ大したことじゃ…」
「先週の木曜日!歌姉はクラスの男子と喧嘩をして体育倉庫の掃除を…」
「わっ、わっー!!!…琴、バラした事は今度何か買ってあげるから言わないで!」
「…いつものお菓子屋さんのプリンで手をうとう」
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「うぅ…学校行きづらいなぁ…」
いつも通りの時間に登校路を歩く。
そうしていると、後ろからどつかれ、驚き転んでしまった。
「おっす夢野!」
「あ、太田…//////!」
妙に照れ臭い空気が流れ、話しだせない琴の後ろから中沢が来た。
「おはよう太田くん、夢野さん」
「おっすー」
「あ、おはよう!」
今日という日が琴の人生を一変させるとは思ってもいなかった。
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変わって体育の時間、100M走のタイムを測っていた。
男子から始められて、みんな順順に走っていき、中沢の番になった。
琴は、少しどきどきしながらその様子を見ている。
ピストルが空高く撃たれ、一斉にスタート…するはずが、中沢はスタートダッシュの時点で転んでしまい、膝を擦り剥き、血が流れていた。
「保健委員!ぉ?山坂が休みなのか…夢野ォ、一緒にいってくれるか?」
「あ、はい!」
「ごめんね…夢野さん…」
******
「はい、保健室ついたよ…先生いないね…勝手道具とか使っていいのかなー…」
「ありがとう夢野さん…」
そういって、保健室の部屋の椅子に座ろうとすると、その足に絡まって、中沢は思いきり転んでしまう。
琴を巻き込んで。
******
「中沢大丈夫かなー…」
痛そうな足で保健室に向かった中沢を気にしていた太田が、授業が終わって保健室の扉を開けた。
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「あ…お、お…おまいらなにやってんのぉ?!」
「と、と…とりあえずもちつけぇぇ!」
「…いや二人とも本当落ち着いて…!」
「で、この状況は何?」
「…えーと、詳しくは前の書き込みを見るとわかるんですが…」
「僕が、…椅子で転んで夢野さんを下敷にしちゃったんだ…」
…………
「…それだけ?」
「うん」
******
【未完】
2005/05/31〜06/08