愛していた夫が逝ってから3年の月日が流れた日、雨が降る 寒い中ティエリアは夫と同じ顔をした男の車の助手席に居た。 慌しく終わった三回忌の式の後、兄の遺品に関して探しているものが あるのでこれからそちらの家に行ってもいいかと夫の双子の弟の ライルに聞かれたのだ。 その姿を見ているとニールが戻って来たようで、でもやっぱり彼は この世界にはもう居ないのだと思うと悲しくなってしまうが ティエリアは深く考えずに了解した。 そしてライルが運転する車で家に戻ってきたのだった。 「そこ、水溜りになってるよ。着物なんだからお義姉さん気を付けなよ。」 優しい言葉をかけられて着物の裾を少し持ち上げて慎重に 家の玄関までたどり着いた。 ニールが死んでからもその家から離れがたくてずっとそこに 住む事にきめた家だ。 とは言っても、肝心のニールはこの家が出来てから数年で 自分の前から姿を消してしまったのだが、それでもここを離れたくは無かった。 ただいま、とだれが居る訳でもないのを知りながらカギを開けて 入ると後ろからライルが「お邪魔します」と声をかけて入ってきた。 「で、探し物って何ですか?良ければ一緒に探しますが・・・」 「ああ・・・いいよ、それより義姉さんは先に着替えてきなって。   着物でずっと手伝ってたんだし疲れたでしょ?」 正直ありがたい申し出だった。 自分は着物を着慣れていないのだ。 三回忌の間中その格好で忙しく動いていたので流石に窮屈で苦しいし 疲れていたのだ。 もっとも、忙しいのは夫を思い出すと悲しくなって今だにうっかりと 涙をこぼしてしまう自分にはその方が気が紛れてありがたかったのだが・・・。 ここは素直に彼の申し出を受けて先に着替える事にした。 警戒心がないといわれるかも知れないが相手は夫の弟でなによりも その肝心の夫に瓜二つの人物だ、そういう意味では無意識に信用していたのだろう。 何か有ったら声をかけて欲しいといって一回の和室に入った。 当たり前だが和室の中は真っ暗だった。 なんとなくほっとした気分になったら今日の疲れが出てきて思わず 座り込んでテーブルの上に顔を伏せた。 ニールは本当に優しくて素適な人だった。 自分はそんな彼が大好きだった。 なのに、あの人は自分を置いてあっさりと帰らない人になった。 今でも覚えている。今日みたいに雨の降る寒い日だった。 その日に私が愛した夫は永遠に消え去ってしまったのだ。 三年の月日が流れても今だに彼のことが好きで好きでたまらない。 寂しくて夜中に一人で目覚めて泣きながらシーツに包まって枕に 顔をうずめて嗚咽を堪えて過ごした夜は数え切れないほどにある。 お風呂に入っているとき、何もしないでボーっとしている時には特に思い出す 事が多くてお湯の中に沈んで誰が見ているわけでもないのに泣いているのを 誤魔化したりとこの三年間ずっとそう過ごしてきた。 ニールの事を考えてるとまた涙が溢れそうになってしまう。 「そんなに兄さんが忘れられないの・・・?」 耳元でささやくニールの声が聞こえた。いや、違うそんな訳無い。 「目が覚めた?寝ちゃってたの?」 何時の間にかライルが居た。 どうやらうっかりと眠ってしまったようだ。頭がぼやけていて回らない。 「す、すみません・・・うっかりしていて・・・。」 「いいよ、そんなことより寝ながら泣いてたの?可愛いね。」 耳元で囁かれてニールを思い出してしまう。 手が後ろから回りこんでティエリアの涙を拭った。 そこでふと気付けば何故か後ろから抱き締められているような体勢だ。 「あの・・・何です?起きたから離して欲しいんですが。」 「この状況でまだ分かんないの?本当に可愛いね、義姉さん。」 そう言うと着物の前のあわせ部分からライルの手が入り込んできた。 訳が分からず喉の奥で小さくひっと声が上がった。 反射的に体に力が入って堅くなる。 「嫌です、何?な、何?あっ・・・。」 体を振って距離を取ろうとして逆にどさりと畳に倒れこんでしまった。 うつ伏せの体勢でライルが上から体重をかけてくるので苦しい。 その間も手は動かされて胸の突起を探し当てるとそれを摘んだ。 「んっ・・・な・・・。」 痛い感覚に混じってぴりぴりしたのが混じって居る。 流石のティエリアもココまでくるとライルが何をしようとしてるのか分かって 本気で抵抗をはじめた。 ライルの下から抜け出そうと畳に手を這わせて上に上がろうとする。 「無理だよ、義姉さん。」 自分の下から這い出そうと無駄な抵抗をしている義理の姉の姿にライルは 自分が一層興奮するのを感じ取った。 たまらず項に唇を寄せてそこに噛み付いた。 「いたっ・・・な、ライル!何で!嫌!」 うつ伏せの状態で自分の下にあるティエリアの体が跳ねた。 手や足をバタつかせて必死に抵抗している。 「可愛い・・・本当に可愛いよ義姉さん・・・。  まだ兄さんの事好きなの?」 「あ、当たり前だっ・・・だから離して!」 「でももう兄さんは居ないよ?」 その言葉に体が強張ったのがわかった。 ふるふると静かに震えだす体の肩を掴んでぐいっと回転させて 自分の方に向けるとやっぱり義理の姉の目からはぽろぽろと涙が零れていた。 「可哀想な義姉さん。俺はここにいるよ?居なくなったりしない。  顔も声も同じだよ。双子なんだから。だから兄さんだと思えばいいよ・・・。」 そう言いながら喪服を剥いで行く。 帯の結び目部分が下に行ってしまったので無理矢理引き出して行くように 胸の部分から横に向かって力づくで広げると真っ白い胸が飛び込んできて ライルは思わずごくりと息を飲んだ。 あの時、見た体が今自分の下でぷるぷると震えているのだ。 ティエリアの顔に流れる涙を舌で舐めとってやると小さな声で「嫌だ」と いう声が聞こえて来た。 けれどライルは無視してティエリアの顔を犬のようにぴちゃぴちゃと舐めながら あのときの事を思い出していた。 それは兄が亡くなってから少しばかりの時間が流れた時の事だった。 昼間、外回りのついでに何気なく義理の姉の様子を見て行こうと思って この家に寄ろうとした。 しかし、玄関のチャイムを鳴らしても肝心の義姉は出て来なかった。 兄がなくなった当時の姉は泣いてばかりで見ていて痛々しかったのでつい そんな親切心を起こしたのだった。 居ないのであればしょうがない、元々アポも取らずに唐突に訪問した のだから文句を言う筋合いも無い。 しかし会社に戻る気にもなれずに車で少し離れた高台に移動してタバコを ふかしながら何気なくこの家を見つめていた。 (これからどうするんだろうな、お義姉さんは・・・) 義理の姉は自分から見てもかなりの美人だった。しかもまだ若い。 今時、離婚(義姉は別に離れた訳じゃないが)やバツイチだからといって その後再婚しないなんて事は無い。 むしろその後ずっと一人身ですなんて事の方が珍しいかも知れない。 だったらとっととあの家を出て暮らしていい人でも見つけた方がいい気はしている のだが、義姉は首を縦には振らずにあそこで暮らしたいと言い張るのだ。 (正直はやく兄さんの事は忘れた方がいい気がするんだよなぁ。) 身内の自分はともかく、他人のティエリアにはそっちの方がいい気がしている のだが実際はどうするつもりなんだろうな・・・そこまで思ってまた あの家を見つめた時だった。 ふと、小さな窓が開いているのに気付いた。 そしてそこに何か白いものが動いているような気がしたのだ。 今現在あの家に住んでいるのはたった一人しか居ない。 (帰ってきたのか・・・?) そう思って姿を確認しようとその窓をじっと見つめた時だった いきなり真っ白な何も着ていない背中が目に飛び込んできたのだ。 驚いて一度目を逸らしたが気になってみてみればそこは風呂場か何かなのだろう 水に濡れた白い体が昼間の光に照らされてしっかり確認できた。 (何を・・・無用心な・・・!) 昼間だからと油断したのかもしれない。 おもわず無用心な行動に突っ込みを入れるが喉がごくりとなったのが 自分でも分かった。 遠目なのでよくは確認できないが義姉の体は白くて細かった。 スポンジで擦った体に白い泡が纏わりつくのが見えた。 シャワーでその泡が流されていくのを見ていると自分も興奮してきた。 その日の夜、自宅に帰ったライルはその義理の姉の姿を思い出しながら自慰をした。 堅く反り返った自分のモノを何度も擦り想像の中で義姉の姿を思い浮かべた。 兄さんはどんな風にあの義姉の体を抱いたのだろうか、自分と同じ顔の人間に あの義姉は一体どんな風に抱かれたんだろうか。 考えれば考えるほど、ライルのモノは固さを増し黒光りして興奮した。 絶頂を迎えて発射された白いドロドロとした自分の精液を見ながら あの義姉の体の中にこれを注ぎ込みたいと痛切に思った。 開いている両手でティエリアの体中を撫でまわした。 着物はもうぐちゃぐちゃにされていて太ももあたりが出てしまっている。 足の間に自分の体をしっかりと割り込ませて足を閉じないようにさせた。 「だっ・・・あ・・・貴方はニールの弟っなんです・・から・・・。」 ティエリアがしゃくりあげるようにしながら抵抗をしてくる。 「だから?だから何?」 「わ、私は貴方のお兄さんのっ・・・。」 「知ってるよ、でも好きなんだよ。好きなんだよ・・・義姉さん・・・。」 そう言いながらもぐり混ませた手で尻を揉むとティエリアが体を痙攣させたのが分かった。 「ココに居る・・・居るから・・・ね?ティエリア・・・。」 なるべく優しい声で名前を呼んで語りかけるとティエリアの体から 力が抜けていくのが分かった。 (兄さんの事思い出したのか?) それでもいい、むしろ逆に好都合だ。 違う違うと思いつつ兄にそっくりな自分を見て時々ティエリアが 涙ぐんだような目をしている事があるのを知っていた。 「愛してる・・・愛してるよ・・・ティエリア・・・。」 そう囁くとティエリアはまた泣き出した。 その隙を狙って投げ出されたような体にむしゃぶりついた。 きっとティエリアは兄を愛しすぎている。 そんなティエリアに同じ顔の自分をみて動揺するなという方が無理だ。 それがいい事か悪い事なのかは分からないが少なくともそれを引きずる ほどにティエリアは兄を愛してる。 だから自分に完全に冷たくする事が出来ない。 ライルは舌なめずりしながら顔を逸らして横を向きぽろぽろと泣いている ティエリアを見つめるとこの上なく優しくキスをして 力の抜けたティエリアの体から黒い着物を剥ぎ取ってしまった。 流石に寒いのかぶるりと体を振るわせたティエリアに「愛してるよ」と 囁いて夢にまで見た白い肌と細い体を蹂躙し尽くす為に強く抱き締めた。 終り