広大なスペースを誇るリボンズの館のリビングで、 アリーはリボンズと久しぶりの対面を果たした。 リボンズはいつも通り、人智を超えたかのような薄い微笑を湛えながら ソファーにゆったりと座り、「よくやってくれたね」と、アリーにねぎらいの言葉を掛けた。 とりあえず、先日の戦果には満足して頂けたらしい。 得体の知れないこのボスの謀が一体どこまで巡らされているのかは分からないが、 所詮、傭兵の身分のアリーにはそんな事まで探る腹はない。 とにもかくにも、アリーは一時の仕事納めに安堵の溜息を吐き、館を辞そうとした。 その背中に、「まあ待ちなよ」と声を掛けて、リボンズが呼び止めた。 相変わらずまるで感情のこもらない、無機質な口調だ。 雇われ身分のアリーとしては、商売上の性か、ついへりくだった態度に出てしまう。 「まだ何か用かい?大将」 歴戦の猛者にしては卑屈過ぎるほどの愛想笑いを浮かべて、アリーはリボンズに向き直った。 リボンズが唇の端を歪めて、ちらりと目前の壁に掛けられた大画面のモニターに目をやる。 「もう少ししたらいいものが見られるよ。君も楽しんでいくといい」 リボンズの顔には、特殊趣向の私的なイベントでも催す興行主のような、 思わせぶりな色が浮かんでいた。 一体どういうつもりなのかは分からないが、雇用主に見ていけと言われて頑固に断るほど、 アリーは依怙地ではない。 「へへっ、そうかい…?なら、楽しませてもらうさ」 アリーは愛想笑いを返しながら、リボンズの隣に立ち、モニターを正面から見つめた。 待つ事数分。リボンズがわずかに腰を浮かし、姿勢を整えた。 どうやら、リボンズお勧めの興行がいよいよ始まるらしい。 人外の彼が楽しみにしている程の見世物とは、一体どんなものなのかと、 自然、アリーの好奇心も高まっていく。 「そろそろだね」 グンっとリボンズの目が金色に輝いた。 何度見ても、この光景には慣れそうにもない。 アリーはこれを見る度に、とりあえずこいつにだけは逆らわないでおこうという気に ならずにはいられないのだった。 モニターが起動し、真っ黒だった大画面に色彩が強まってくる。 映し出された白い、煙のようなこのもやは…、どうやら湯煙のようだ。 映像の意味を測りかねて思わず身を乗り出し、アリーは画面を凝視した。 薄煙の向こうに、ぼんやりと人の姿らしきものが浮かび上がっている。 「何だぁ?人間かぁ?」 人体だと脳が把握すると、あっという間にそのラインが鮮明になっていく。 シャワーを浴びるその人の肌はどこまでも白く、 腰付きなどはどう見ても10代の少年のように、しなやかで頼りない。 わずかに肩にかかる黒髪が、水に濡れてやけに色っぽくも見える。 「大将…、こいつは……」 シャワーの湯を頭から無造作にかぶりながら、物憂げに髪を洗うその少年の後ろ姿に どこかで会った事があるような気がして、アリーは眉をしかめた。 リボンズが疑問を汲み取ったかのように、淡々と答える。 「さすがだね、アリー・アル・サーシェス。そう、彼の名前はティエリア・アーデ。  4年前はヴァーチェのマイスターで、今はセラヴィーガンダムに搭乗している。  僕達と同じ、イノベイターさ」 「セラヴィー…?そうか、あのデブガンダムのパイロットが、こいつかよ……」 戦場での、未熟といっていいほどの若々しい戦闘スタイルを思い出し、 アリーは顎ヒゲを弄びながら、吹き出した。 (なるほど、こんな貧弱な身体をしたガキがねえ……。) カメラ視点がやや引き気味になり、ティエリアのきゅっと締まった尻や しなやかに伸びる脚までを映し出す。 中性的な天使を思い起こさせる滑らかな体のラインは、まさに少年期独特のものだ。 背中を向けているせいで、まだ顔は見えないが、濡れた後ろ髪とその体躯が、 ティエリアの人並み外れた美貌を予感させてならない。 アリーはくくっと笑いながら、少年の後姿をまじまじと舐めるように見た。 (まあ、イノベイターの一人ってんなら、さぞかし綺麗なツラしてんだろうがなぁ) 戦場を駆け回って血で血を洗い、慰めに多くの女を抱いてきたアリーは、多聞に漏れず、 タブーを冒す背徳感が好きだった。 ティエリアの禁忌的な欲情を誘う体付きに、得も言われぬ興味を抱き、 思わず舌なめずりなどしてしまう。 ティエリアがシャンプーの泡を洗い流す為に頭を振った時に、 ちらりと体の前面の造形が覗きそうになって、アリーはますます身を乗り出して画面を注視した。 脇腹のラインが、思わず触れたくて堪らなくなるほどに美しい。 夢中で画面に見入るアリーを、リボンズが満足げに見た。 こちらはまるで欲情も漂わせず、この映像を単純に楽しんでいるかのような様子だ。 「どうだい?ティエリアは…」 「へへっ、小僧も悪くないね…。もっと前の方も見たい位だぜ」 飢えた獣のように画面を見詰めるアリーの姿に、リボンズは苦笑するように笑って、頷いた。 「なら、いいよ?上手くやってくれたご褒美だ」 リボンズの目が再び金色に光る。 その瞬間、まるでそのシャワールームがテレビと繋がっているかのように、 金色の粒子のような細かい光が、ティエリアの周りを無数に飛び交った。 「ぐ…っ…」 画面のティエリアが、頭を抑えて低くうめいた。 明らかに頭痛を感じているらしい彼は、痛みに顔を歪めながら、 粒子の中で半身で振り向き、頭痛の正体を探るべくあちこちに目を走らせている。 湯気の向こうで、体の側面から突き出すように薄いピンクの乳首の突端が垣間見えた。 その下では、ぷるんと震える確かな男の象徴──。 しかしアリーは、まるで女の裸を覗き見しているかのように、いやむしろそれ以上の禁断の世界を 覗き見しているかのように興奮して、ほとんど画面にかぶりついた。 「おお〜、もう少し、もう少しこっち向け、おおっ!見えた見えた!」 アリーの期待通りに、遂にティエリアが完全に振り返り、その全裸が画面に丸写しになった。 まだ少年の面影を色濃く残す、つぼみのようなペニスがアリーの目前に晒される。 「うほっ!こりゃあいいぜぇ!さすがに大将お勧めのガキって所か?  美味そうな体しやがって」 初めて覗きを成功させた小学生のように、アリーは無邪気に喝采を贈った。 ティエリアの滑らかな肌の感触や、ペニスを弄んでやった時の赤く染まった顔までを想像し、 アリーは興奮を隠す事もなく喜んだ。 「まだまだ、これからだよ」 リボンズは悪魔のような薄い笑いを浮かべたままで、 機械人形か何かのように、瞳を金色に輝かせたままだ。 その金色が更に強まった。 「ぐっ…!?」 画面の中のティエリアが、更に顔を痛みに引きつらせた。 どうやら相当に不快な状態らしく、頭に手をやったまま、目を細めて苦しげに俯いている。 そんな伏目がちな表情が、なお色っぽい。 「こいつ…。マジで男か?とてもそうは見えねえなあ」 アリーはにたにたと下卑た笑いを浮かべたまま、観察するようにティエリアの肢体を眺め回した。 「間違いなく、男だよ。ただし、一番美しい時の体のまま、永遠に年を取らない少年さ」 リボンズは金目を揺らめかせ、いたぶるように細めて見せた。 ティエリアの周囲に舞い散る粒子が、一層数を増してきらきらと輝く。 「くぅ…っ」 光る粒子がティエリアの体に纏わりついた瞬間、ティエリアの様子が明らかに変わった。 その顔には苦痛とはまた違った色が浮かび、その体は画面でもはっきり分かる程に うっすらと赤く染まっている。 「おいおい…」 言葉をなくし、画面に釘付けになったアリーの目の前で、 ティエリアの下半身がみるみる膨らんでいった。 「は…っ…、ま…た…っ…これ…か…、ううっ…」 ティエリアは苦悶の表情で苦しそうにしばし頭を振り、 まるで1ミリとて動かしたらいけないかのように、きつく手を握り締めていたが、 やがて我慢しきれなくなったかのように深く息を吐いて、背後の壁にもたれかかった。 シャワーの湯が、ティエリアの髪からその半勃ちのペニスへと雨のように降り注いでいく。 「あ…んっ…、んんっ……」 シャワーの一粒一粒が、ティエリアのペニスに欲を与えているかのようだった。 一秒ごとに敏感な反応を見せて、そこがどんどんと鎌首をもたげて行く。 「美少年と蛇…、か」 湯気の向こうで勃ち上がった勃起を晒す、美少年の扇情的な映像を見つめながら、 アリーはそんな耽美的なセリフを口にした。 リボンズが画面から目を外さずに、くすりと笑った。 「く…っ、な、なんで…っ…、でも…、でも…っ…」 ティエリアは、自分の体に起きた変化に納得がいかないかのように厭々と首を振っていたが、 熱を持った股間の疼きに耐えられなくなったらしく、遂に震える指をそこへと伸ばした。 指先が竿に軽く触れた途端、「ああっ!!」とか細く少女のような悲鳴を上げて、 ティエリアがびくんと全身を震わせた。 シャワーの湯が肩口から飛び散る。 リボンズとリジェネに会ってからというもの、ティエリアは一日に何度かは頭痛に襲われ、 更にその内の何度かの頭痛の中には、こうして性欲を煽る何かを感じるようになっていた。 その理由が、ティエリア自身にはまるで分からなかったが、 アリーには、ティエリアの性欲の正体がピンと来た。 イノベイターが、人並みに自分で性欲を感じるはずなどないのだ。 だとすると、このリボンズが暇つぶしの面白半分に、ティエリアを弄んでいるに違いない。 「あんたの仕業だろ?嫌味な趣味だな」 「ふふ。ただの悪戯さ…」 アリーの推測どおりにリボンズは心底愉しそうな微笑を浮かべ、画面のティエリアの指が その少年らしいペニスを扱きはじめるのを見ているのだった。 「あっ、ああっ…!ああっ…!」 ティエリアが淫らな声を上げ、ペニスを扱き上げていく。 やけに慣れた手付きが、今までに散々にリボンズの慰めものにされていた事を 証明しているかのようだった。 その顔は、もう頭痛ではなく明らかに快楽に歪み、 まるで女が男に抱かれている時のような恍惚感まで醸し出しているようで、 アリーは思わず画面に見惚れた。 画面からはシャワーの水音に混じって、ティエリアの快感の喘ぎと、 ペニスを扱く規則的な音だけが聞こえてくる。 こいつは多分、こうやって俺たちに見られているのに全く気付いていないんだろう…。 だからこそ、こんなにも無防備に、淫らにオナニーに耽っているんだ…。 見てはいけないものを見ているのだという背徳感が、アリーの鼓動を速くする。 シャワーに打たれて身を揺らしながら、ぐいぐいと自身を扱くティエリアの姿は 確かに男のものなのに、それどころか大画面には血管の浮き出た棒や、 赤く膨らんだ亀頭まではっきりと映し出されているのに、 その姿には生身の人間以上の艶かしさがはっきりと漂っている。 男でも女でもないような、人間でも機械でもないような、 ある種の絶対的な迫力を伴う何か──。 「く…っ、このガキ…」 それを認めつつティエリアの裸を見ていると、からかいの気持ちは完全に吹き飛び、 信じられない事に、アリーの股間は加速度的に疼き出した。 「んんっ、ああっ…、やっ…、も…、やっ…!なんで…こんな…に…っ」 ティエリアの自己卑下混じりの喘ぎが、尚更アリーの息を乱していく。 「やりたかったらやってもいいよ?ティッシュはそこにある」 相変わらず表情を変えずにリボンズが淡々と呟き、 脇のテーブルに乗ったティッシュの箱を顎で示した。 脚なんか組んで余裕をかましているリボンズは、ティエリアの痴態を間近に見てもやはり、 何の興奮も見せてはいない。 「ぐ…。アホか、てめえ…!?こんなとこでやれるかよ…!」 雇い主だという事も忘れて、アリーがリボンズに噛み付いた。 自分とは明らかに種類の違う存在であるリボンズと張り合う気にもなれず、 かと言ってこんな真昼間の、だだっ広い広間で自慰を始める気にもなれない。 それでもティエリアの射精の瞬間だけは見逃してはいけないような強迫観念に囚われて、 これ以上そこが興奮しないように我慢しながら、 アリーは軽く腰を引いた前かがみの姿勢で唇を噛み締めて、画面を睨み付けた。 「あっ、んっ…、ああっ、あんっ…!」 ティエリアは壁にもたれかかって天上を仰ぎ、シャワーの湯をもろに顔面に受けながら 気持ち良さそうにペニスを扱いている。 裏筋を責めるでも亀頭を撫でるでもなく、ただ欲望を発散させるように、 輪を作った指で小刻みにペニスを責め続けているのだった。 「最近手馴れてきて、つまらないな。  女の体ならもう少し開発し甲斐があるんだろうけどね。所詮、男だ。  感度が単純すぎる。君もそう思うだろう?」 既に限界寸前の様相を呈しているティエリアの姿を見て、 リボンズはつまらなそうにアリーに言った。 「知るかよ…!」 アリーとしてはそれ所ではない。 さっさとこのオナニーショーを見届けて、街に女でも買いに行きたいと、その事しか頭になかった。 「そう思うんなら、早くイカせろよ!」 自然、言葉が乱暴になる。 ティエリアの射精をコントロールしているのがリボンズであるかのような錯覚に陥って、 アリーはそう叫んでいた。 「フン。それも悪くはないね。でもまあ、もう少し、見世物を楽しんでいけばいいよ」 リボンズが、まさにその権限を自分が握っているかのように笑い、金目の色合いを一瞬強めた。 「あふうっっ!!」 画面のティエリアが今までとは一味違う、切羽詰った声で叫び、 ガクガクと膝を震わせながら、目を細めて股間を見下ろした。 上下に扱き続けている指の隙間から、限界まで膨らんだ亀頭が顔を出して びくんと震えたかと思うと、先端から透明な先走りの汁がシャワーに混じって飛び散った。 だらりと下げていた空いた方の手が、遠目にも分かるほどに震えながら、 ペニスの先へと伸びていく。 「うぅ…っ、ああ…んっ!!」 ティエリアは口を半開きにして喘ぎながら、その手で自身の先端を軽く擦った。 「おいおい、両手攻めかよ…。遠隔操作にしては、随分仕込むのがうまいこった」 アリーが手際の良さに感心してリボンズに目をやったが、 リボンズは今日初めて、アリーの賞賛に反発するように唇を尖らせた。 「違うよ。この僕がこの程度で満足するはずないじゃないか」 見くびらないで欲しいね、とでも言いたげなリボンズの様子を訝しく思い、 アリーはまだこのショーに隠し玉があるのかと、画面に向き直った。 「はっ…、はううっ…!」 ティエリアが中指の腹で先端をゆっくりと擦り続けている。 亀頭責めと言うよりは、むしろ先走りを付着させるのが目的であるかのような柔らかい手付きだ。 その証拠にティエリアは時折びくびくと体を震わし、 強まった刺激で一気に射精に至らないようにと、竿への刺激を止めてしまった。 そして溢れる先走り液が大量に中指を濡らした事を確認すると、 これで終わりではないとばかりに、その指を背中へと持っていく。 アリーが唾を飲み込んで、画面にかぶりつく。 「まさか……」 「フッ…。そのまさかだよ…」 アリーの呟きに答えるように、リボンズが微笑んだ。 画面では影になっていて、遂にその瞬間を見る事は出来なかったが、 ティエリアの指が菊門に吸い込まれた事は、一段と飛び跳ねた彼の体と歪んだ表情で、察しが付いた。 「あっ…、ああっ…!!」 今までとはまた一味違う、子猫のような嬌声を発しながら、 ティエリアの指がそこを抜き差しし始めたのが、前後に揺れる腰の動きで判った。 先走りかシャワーの湯か、または腸液の音かは判らないが、指の前後と共に ぬちゅっぬちゅっと液体の擦れる卑猥な音が、スピーカーから響いてくる。 そしてその股間では、一旦射精を押し留めるべく止っていた手が、 忘れていた欲を思い出すかのように動き始めた。 「あんっ!ああっ、あんっ!あんっっ!」 ティエリアは無我夢中で前も後ろも自分で緩急を付けて擦り上げ、その快感を高めていく。 「すげえな……。小僧の癖に……」 アリーはその人生経験の中で、色んな人間の欲望を見てきた。 時には獣のように男と男で交わる姿や、酷い時には動物を使っている姿さえ見た事もある。 前立腺というものが、時には女の急所以上の快感を男に与えるらしい事も 知識では知ってはいたが、そんなアリーでさえ、よりによってこれほどの美少年が、 前と後ろの2箇所を自分で慰める光景を拝んだ事は、さすがになかった。 誰にも見られていないと思い込み、あまつさえその欲望が他人の意思によって コントロールされているのにも気付いていないらしき美貌の少年が、 真っ赤に顔を染めてひたすらに自慰に邁進しているのだ。 「気持ちいいかい?ティエリア。まるで、人間のようだね」 リボンズが囁いたのに併せたかのようにタイミングよく、ティエリアが 「あんんっ…、き、気持ち…いい…っ…!」と泣く様に叫んだ。 (男っていうか、やっぱり人間じゃねえな、こいつらは…。  とは言いつつ、そんな奴のマスかきなんか見て、俺のもおっ勃ってるんだけどよ…) 余りに息の合った状況を見せられて、アリーは硬くなっていく股間の熱さを認識しながらも、 人を超えた存在であるイノベイターの呼応力というものに、畏れを感じずにいられなかった。 ティエリアの指の動きがますます乱暴になっていく。 (せっかくの美少年の貴重な体を、自分で壊すつもりじゃねえだろうなぁ、小僧─) そんな事はあるはずはなかったが、アリーがそう思っても仕方ないほどに、 ティエリアの指は怒涛の勢いで、ペニスとアナルを同時に責め立てていく。 「あ…んっ、も…、ダメ…だっ…!ああっ、ああっ…!!」 いよいよ限界の迫ったティエリアは、半泣きに半笑いが混じったような 淫らすぎる表情を浮かべ、ラストスパートに入った。 「あっ、ああっ、ああっ!ま、またっ…、アレが出る…っ!!や、やだっ…!!」 精液が駆け上がろうとしている熱い衝動を、ペニスの根元に感じているのだろう。 この期に及んで、ティエリアは自分がどうしようもなく罪深い行為をしているかのような 切なげな表情になった。 それでも、その目を射精直前のペニスから離しはしない。 むしろその真面目な性格そのまま、限界を最後まで見届けるのが義務であるかのようにそこを凝視し、 ますます指を小刻みに震わせてペニスを掴み、そして速度を上げて動かしていく。 「早くイケよ!小僧!!」 アリーは、ティエリアの快楽の昂ぶりと共に猛っていく自分の欲情を持て余しながら、 ほとんど憎悪にも似た感情を抱き、画面に向かって大声で怒鳴った。 ふふんとリボンズが鼻で笑ったが、それがティエリアに向けられたものなのか、 アリーに向けられたものなのかは分かりはしなかった。 「ああっ、やっ、ああっ…!やあっっ…!!」 ティエリアの指の輪っかから覗く、丸見えの先端が真っ赤に色付き震えている。 目にも止らぬ速さでティエリアの指がカリ皮を伸ばし、遂に鈴口が軽く口を開けた。 「オラ、イケってばよぉ、小僧!!」 アリーが目を血走らせて、その卑猥な光景を見つめた。 「ああああっっっ!!!」 ティエリアの腰が反り返り、一瞬ぐんっとペニスが押し出され、 指が竿を強く擦り上げたと同時に、鈴口から真っ白な液体がびしゅびしゅっと 勢いよく噴出して、こちらに向かって吐き出された。 「イ、イキやがった…!!」 精液が、定点カメラに付着するかのような弾道を描いて飛んできたが、 結局画面を通り過ぎるかのように行き過ぎてしまった。 一瞬3D映画か何かを見ているような錯覚に陥って、 それを避けようと身を返したアリーを、リボンズは口の端を釣り上げながら見ていた。 「は…、ううう……」 画面のティエリアが、射精の疲労と満足感が入り混じった複雑な表情のままで、 呆然としたまま壁にもたれかかっている。 急速に萎えていくペニスを未だ離さず握り締めているのが、 無垢な少年の幼さを際立たせているかのようだった。 しばらくして、ふと思い立ったかのように後ろから指を抜き、濡れた中指を困った表情で見つめている。 「今度、この子を君にあげるよ。好きにしたらいい」 リボンズが、アリーの膨らんだズボンをちらりと見やりながら、何でもない事のように話した。 「ほんとかよ…?ガンダムマイスターなんだろ?そんな事出来るのか?」 訝しげに聞き返すアリーに意味深な笑みを返し、 リボンズは再び画面のティエリアの裸体をほくそ笑みながら見つめた。 「もちろん。まあ、捕まえるのは君だけどね。  イノベイターの肌を味わったら、もう普通の人間では物足りなくなるだろうね」 リボンズの予想は恐らく本当の事なのだろう。 画面でもはっきり分かる程のキメの細かいあの肌を、自分の唾液と歯型が犯していくのだ。 そして、今見たばかりの、とても男根とは思えないほどの美しいペニスを貪り、 開発済みの尻穴をこじ開けて、楔を打ち込んでガグガクと揺さぶる──。 そう考えただけでアリーの興奮は残虐性を増し、もはや一秒も待てないほどに高まった。 「へっ。いいねぇ。とりあえず、街で抜いてくるから、  その後すぐに出撃命令出してくれや、大将」 アリーは豪快に笑いながら、大股で部屋を出て行った。 「…フン。餌がないと一生懸命やらないんだから、本当に人間は愚かしい……」 軽蔑を込めて微笑しながら、リボンズはアクセスを終了すると、 モニターのスイッチを切って、ソファーに深く座り直したのだった。              -完-