パーティー潜入に備えてタキシードをばしっと着こなした刹那が、 私室でドレスに着替えているティエリアを迎えに行った。 「準備は出来たか、ティエリア?」 コンコンとノックをして部屋に入る。 「………っ」 刹那は思わず息を飲んだ。 いつも彼が目にしているマイスターのティエリア・アーデとはまるで別人、 まさに絶世という言葉が相応しい美少女が、そこにいた。 ぽかんと口を開けて見入るばかりの刹那に、さすがにティエリアは恥ずかしさが募ったのか、 綺麗にメイクアップした頬をわずかに赤く染めた。 「な、何を見ている…!行くぞ、刹那」 照れ隠しに乱暴に言って、刹那に先立って部屋を出て行こうとするティエリア。 ふわりと嗅ぎ慣れないいい香りが漂ってきて、刹那はパーティー会場で男達に囲まれる ティエリアの姿をかなり正確に予想した。 急にめらめらと、嫉妬にも似た感情が起こる。 「刹那、早くしろ。早めに会場に向かって、ミッションに備えなければいけないだろう」 全く動こうともしない刹那に、やや口調を荒げてティエリアが言う。 その腕を刹那がぐいっと掴んだ。 「……?」 訝しげに刹那を見やるティエリアに、刹那は真剣な目を返した。 大人びたタキシード姿が、刹那をもいつもとは違った風に見せていて、思わずティエリアの鼓動が高鳴る。 刹那がぼそりと口を開いた。 「お前、その格好では危険すぎると思う」 「何…?」 想定外の刹那の言葉に、ティエリアがあっけにとられて聞き返す。 そのぽかんとした表情もまた可愛く見えて、刹那は今はじめてティエリアの 女としての魅力に開眼した気持ちになった。 思ったままを、静かにティエリアに話す。 「日頃お前を見慣れているこの俺でさえ、変な気になってしまった。  そのドレス姿─。はっきり言って、そこまで行ってると  パーティーに来ている男たちに何をされるか分からない」 「何だ…と…?」 ティエリアには、刹那の言葉の意味がよく分からなかった。 意味を問いただそうとするのを遮って、刹那がテーブルからナイフを取り出してきた。 「これを持っていけ、護身用だ」 「ちょっと待て、刹那。そんなものを入れておくポケットなどないぞ」 自分のドレスのあちこちを見回して、どこかナイフを携帯できる場所がないかと探し回るティエリアを 刹那はじっと見ていたが、すぐにひらめいてティエリアに近寄った。 「なら、ここはどうだ」 「……!?」 刹那がドレスの胸部分の脇をぐいっと引っ張り、その隙間からナイフを強引に差し入れていく。 ティエリアの胸の谷間に挟むようにしてナイフを納めると、 刹那は前に回ってティエリアの正面から、状態を確認した。 残念ながらシースルーの向こう側で、谷間からナイフの柄が覗いている。 「だめ…だな…」 「当たり前だ!何を考えているんだ、君は…!?」 らしくなく真っ赤になって怒り出したティエリアをまあまあ、となだめて、 刹那はナイフを抜き取ると、もう一度ティエリアの全身を眺め回した。 ドレスの裾の、スリット部分からティエリアのしなやかな脚が覗いている。 思わずごくりと唾を飲んで、刹那はしゃがみこんだ。 「なら、ここしかないな…」 「おい、何をするつもりだ…!?」 刹那はドレスの裾を掴むと、するすると捲り上げていった。 「ちょ…、待て…!」 あまりの行動にティエリアが真っ赤になって、裾を抑えて抵抗する。 日頃ほとんど男のように行動せざるを得ないティエリアとて、 やはり女なのだからそれも当然の事だった。 なのに、刹那は 「念のため、念のためだ。もし正体がばれたらCBの活動どころではなくなる」 と、いつも通りに淡々と話しながらティエリアの手を振り払い、どんどん裾を捲り上げていく。 「活動」の二文字に、ティエリアが弱い事はよく分かっていた。 「く……」 思った通り、相変わらず表情を変えない刹那を信じて、ティエリアは一切の抵抗をやめたが、 無表情の裏で刹那の男の欲望が息づいているのにはまるで気付かなかった。 やがてドレスの裾がへそ部分まで捲り上げられ、 刹那の目の前にティエリアの女の下半身が露わになった。 黒いレースの下着に黒いガーターベルト─。 まるでお洒落になど興味を持ってはいなかったはずなのに、 赤いドレスとその下着類のマッチングはティエリアにしては上出来で、刹那の頬が思わず緩む。 「分かってるじゃないか…」 つい、ぼそりと呟いてしまった。 ティエリアがはっと息を飲んで自分を見下ろしてくる、 その焦った雰囲気が刹那を思いのほか心地よくさせた。 レースを繊細に編みこんだガーターの黒さが、ティエリアの白い太ももを一層妖しく見せている。 たまらず指先でそっとレースの隙間をなぞると、 面白いほどにティエリアの太ももがびくびくと震えた。 「ひゃ…っ、やめ…ろ…!何を考えている…!?」 ティエリアが拳を握り締めて、ごんっと刹那の頭を殴りつけた。 「…ここにナイフを仕込む。それしかないだろう。  いくらアロウズとはいえ、女のボディーチェックまではしないだろう」 殴られてもあくまでも冷静に答えて、刹那はガーターの薄い布地を引っ張り、 もう一度解放してぱんっと太ももに弾けさせた。 「ん…っ」 ティエリアの声が震える。刹那は立ったままのティエリアを見上げた。 ティエリアは怒りか羞恥かわからないが、真っ赤になって時折頬を引きつらせている。 「ここだ」 もう一度言って、刹那はナイフの柄を掴み、ガーターと太ももの隙間にナイフを滑り込ませた。 冷たい柄が太ももを擦る感触で、ティエリアにはぞくぞくと何かが湧き上がってくる。 今まで誰にも見せた事のない格好で、誰にも見せた事のない場所を刹那に見られているのだ。 それだけでティエリアの体はひそやかに高ぶり、下半身一帯をじゅわりと火照らせた。 疼くそこを触って欲しい…。 ふとそんな想いに囚われた自分に気付き、ティエリアは刹那から目を反らした。 快感を欲しているなど、決して認めたくはない。 しかし、刹那の視線で気持ちが高ぶっていく事実を否定する事は出来そうにもなかった。 初めてドレス姿を披露して、うっとりと見つめられた事がティエリアの自尊心を満たし、 だからこそ無下に刹那を振り払うことを躊躇させていた。 ティエリアの戸惑いが分かっているのか、もうナイフをガーターに収納したのに、 刹那は一向にドレスを直そうとしない。 それどころかナイフの柄をもう一度ゆっくりと触った後、 自然な流れでティエリアの太ももを撫で回し始めた。 「や…っ、何を…っ…」 さすがに驚いてティエリアが刹那の手を掴もうとした瞬間、ちゅっと太ももに口付けられた。 「あふ…っ」 たったそれだけの事で、高まっていた官能が弾けそうになる。 びくびくんと膣口が痙攣したのが自分でも分かり、ティエリアはきつく刹那の髪の毛を掴んだ。 「ティエリア…。こんな状態で潜入を成功させられるとは思えないな…」 刹那がティエリアの欲を嗅ぎ取って、意地悪く囁きながら脚の付け根の溝を舌先でなぞった。 「ひゃ…っ、やめ…」 ねっとりと付け根を責められて、ティエリアの腰ががくがくと震え出す。 刹那の鼻には、ティエリアの股間から漏れ出した、彼女の興奮の香りが確かに漂ってきた。 ティエリアの太ももをゆっくりと開かせ、焦らすように脚の付け根をチロチロと舐め上げる。 「あ…っ、あん…っ…」 刹那の髪の毛を乱暴に掻き乱し、ティエリアの声がどんどん乱れていく。 決して核心に触れてやらない焦らすような舌先が、 否応なくティエリアの欲望を膨らませていった。 ティエリアに抵抗の様子がなくなったのに気付き、 刹那は下着の脇から指を滑り込ませると、指先を秘芯へと伸ばした。 そこは想像以上にとろとろに濡れ捲っていて、刹那は心の中で密かに喜んだ。 少し指を動かしただけで、くちゅりといやらしい音が響く。 「ティエリア…。すごい濡れてるぞ…?」 低くティエリアに囁いてやる。ティエリアは真っ赤になって首を振った。 「そ…んなこと…っ、あるわけないだろう…っ!」 「いいや、本当のことだ」 刹那はゆっくりと秘裂のスジに沿わせて指を動かした。 ちゅぷりと粘った愛液の感覚が、ティエリア自身にも伝わる。 「う…、うう…」 羞恥に震えながらも、ティエリアは己の淫欲を認めざるを得なかった。 今から重大な任務に赴こうとしているのに、何たる失態─。 悔しさで涙が零れ落ち、刹那の髪の毛に滴り落ちた。 「泣くな」 4年前とは違う、大人びた雰囲気で刹那が慰めてくる。それが尚更悔しい。 ぽろぽろと涙をこぼすティエリアに申し訳なさが募るが、 もう下着に指を突っ込んでいる以上、刹那はここでこの行為を止める気にはならなかった。 「任務のためだ。仕方ないだろう。我慢しろ」 「…ん…くっ…」 再び「任務」の二文字に反応し、ティエリアは涙を堪えた。 ふうっと息を吐いて、刹那はゆっくりと膣口をなぞり続け、 奥から溢れ出てくるティエリアの蜜液を掻き回し続けた。 続いて、ティエリアのクリトリスを中指で擦ってみる。 「あううっっ…!」 ティエリアがびくんと震え、クリトリスが快感に打ち震えた。 下着が邪魔になって、なかなか上手く刹那の指が動かない。 それでもまだ下着を脱がす気にはならず、刹那は黒い下着とガーター、赤いドレス、 そして白い太もものコントラストを思う存分楽しみながら、 ティエリアのクリトリスを責めていった。 乱雑な動きの中でも、どんどんクリトリスが硬く勃起していくのが指で分かる。 愛液をたっぷりとなすりつけ、ますます速度を速めてそこを擦ると、 すぐにティエリアの喘ぎは乱れっぱなしになった。 「あ…っ、ああっ、ぁぁ…ん…っ、刹…那…っ、も…やめ…っ…!」 「もうイキそうなのか?ティエリア」 「んんっ…、ちが…、ちがう…っ…!ああんっ…!!」 クリトリスを擦る乾いた音に、愛液の粘着音が混じる。 ぷっくり膨らんだ陰核に、揺れ続ける腰付き、そして快感に歪んだティエリアの表情─。 どれを取ってみても、ティエリアが絶頂間際なのは明らかだった。 刹那はここに来てようやく指を止めると、ゆっくりと下着を脱がしていった。 快感に浮かされたティエリアは、もうその手を押し留める事さえしない。 「あ…」 ただ短く声を上げて、下ろされていく自分の下着を見つめるばかりだった。 太ももと膝の真ん中まで下ろした所で刹那は手を留め、 じっくりとティエリアのそこを凝視した。 愛液で濡れそぼった秘唇、ドレスにも負けないほどに真っ赤になったクリトリスが間近に見え、 タキシードの中で勃起が一段と硬くなる。 まだ溢れ続けている愛液が太ももまでとろりと滴っていって、 たまらず刹那はティエリアの秘所に吸い付いた。 「ああんっっ!!」 火照った陰核に、直接的に舌の責めを受けて、ティエリアが甲高く哭くように叫ぶ。 両手で太ももを掴んで揺れる腰を抑えつけ、刹那はクリトリスを舌先で勢いよく舐め上げた。 ガーターに挟んだナイフが、かちゃかちゃと耳障りな音を出す。 「ああんっ…!せ、刹那…っ、ナイ…フ…が…っ…」 「ナイフ…?」 「ナイフが外れ…てしま…う…っ…!」 ティエリアの言葉通り、いつの間にか刹那はかなりの力を入れて 太ももを掴んでしまっていたようで、ガーターが乱れ、ナイフの鞘が大きくはみ出している。 完全にエロモードに突入していた刹那の頭が、ふっと違う事を考え始めた。 ─これをティエリアのそこに突っ込んだら、面白いかもしれない─ 手に当たるナイフの鞘の無骨な感触が、もしかしたらガーターにそれを挟んだままでは ドレス生地を持ち上げて露呈し、敵にバレバレなのではないかと直感的に思わせた。 都合のいい考えが責めの欲望と交差し、刹那は迷う事無くナイフをガーターから取リ出した。 ティエリアを見上げてぼそりと呟く。 顔には出さなくても、刹那はもう欲望を抑えようがないほどに興奮しきっていた。 「ナイフを取ったぞ。これで安心して出来るだろう、ティエリア」 「……!?」 すぐにティエリアのクリトリスに再び吸い付き、唇で挟むとちゅうっと吸い上げる。 「あ…、ああ…っっ!!」 ティエリアが強烈な快感に震えた。 音を出して核を吸いながら、舌先でそこ一帯を丁寧に舐め上げる。 「ん…っ…、そこ…、や…だ…っ…」 ティエリアの淫らな声を聞いて、刹那はもっと激しく責めたくなってしまった。 「ティエリア、もっと脚を開け」 「あ…っ、は…っ…、あ、あし…っ…?」 クリトリスを責めながら刹那が命令すると、ティエリアは素直に脚を開いていく。 下着がびよんと左右に伸びたが、布の引力に邪魔されて股は充分に開ききらず、刹那は苛立った。 クリトリスを舌で転がしながら、嗜めるようにティエリアの尻をぎゅっと掴む。 「はう…う…んっ!」 ティエリアの体が緊張したのが分かる。 そのまま形のいいすべすべのヒップを撫でさすりながら、 刹那はティエリアの下着を、彼女の膝まで下ろして行った。 「脚あげろ」 「ん…っ…」 ティエリアが刹那の肩に手を置いて、ゆっくりと片脚を上げた。 角度が変わって、刹那の舌がぐいっとクリトリスに押し付けられる。 「あんっっ!」 刹那の肩を掴むティエリアの手に、力がぐっと篭った。 すぐにすぽんと脚から下着が外れ、片足にだけ引っかかって床に落ちた。 刹那はティエリアの自由になった膝を大きく広げさせ、 片足を持ち上げると、自分の肩にその脚を置かせた。 ハイヒールのかかとが肩にめり込んでくる。 一瞬痛みが走ったが、それもまたこの行為のスパイスにしかなりはしない。 さっき決意した通り、刹那は指で膣口を左右に押し開くと、その真っ赤な秘肉に ナイフの柄を押し当て、そしてゆっくりと埋め込んでいった。 鼻息の音が漏れそうなほどに、刹那の欲情が増幅していく。 「や…あ…っ…!刹…那…っ…、なん…で…、ナ、ナイ…フ…」 「代わりに俺のが欲しいのか?ティエリア」 ティエリアの目が刹那の股間に釘付けになる。 床に座った状態でも、刹那のそこが激しく盛り上がっているのをはっきりと確認して、 どう返事をしていいか分からず、ティエリアは思わずふるふると首を振ってしまった。 そうこうしているうちにも、ナイフがどんどん膣深くまで挿入されていく。 刹那の目がはじめて見る男のように欲望を湛えてギラついているのを見てしまい、 ティエリアは空恐ろしくなったが、今となってはもう逃げ出すことも出来ない。 ただ有難かったのは、刹那の手付きがそれでもまだ優しい事だけだった。 鞘部分が完全に秘所に嵌まった。 熱い秘芯が異物をしっかりと銜え込んでいる様は、 ティエリアのドレス姿よりも遥かに刺激的な光景だった。 ペニスの疼きを堪えながら、刹那はナイフを抜き差ししはじめた。 冷たかった鞘部がティエリアの体温であっという間に温められ、膣壁を擦り上げていく。 鞘と言っても先端は丸い形状だったから、ティエリアに痛みは全くない。 むしろ先端が子宮口を時折つんつんと突付く度に、ティエリアの内部には新たな快感が湧き起こった。 ナイフがいやらしく抜き差しされる様を凝視して、膨れ上がった欲情をごまかすように 再び刹那が勢いよくクリトリスに吸い付く。 途端にティエリアの快感が大きくなった。 「あ…っ、あぁっ、ああっ、あぁっ…!」 一際大きな嬌声が発せられた。 刹那の手でどんどん勢いを付けられ、ナイフが膣をずぼずぼと往復し続ける。 ぐちょぐちょに濡れたティエリアのそこは、ほとんど摩擦の抵抗もなく、 鞘に包まれた丸い尖棒をスムーズに受け入れた。 ティエリアの快感が深まるごとに、刹那の肩に置かれたハイヒールがぐりぐりと食い込んでいく。 痛みを凌駕するように、刹那はなお激しくクリトリスを舐め転がし、 ナイフを膣奥まで突き入れ続けた。 「ああっ、あぁん…っ、も、イ…ク…っ…、刹那…ぁ…っ!」 ティエリアが泣きそうな声で限界を訴えてくる。 刹那は絶頂を促すように、更にティエリアの秘所を責めてやった。 鞘は蜜壷の往復でぐっしょりと湿り、刹那が掴む、ナイフの柄部分も 滴り落ちてきた愛液でべっとりと濡れそぼっている。 思わず滑り落ちそうになるそれをもう一度ぐっと握り直して、 刹那はぐんっとナイフを素早く膣内に押し込んだ。 「や…っ、あああああっっっっ!!!」 ティエリアが刹那の頭をぎゅっと掴んで体を支え、絶頂を迎えた。 ティエリアの絶頂の嬌声を、刹那は初めて聞いた。 淫欲を刺激してやまないその淫らな声で刹那のペニスは暴発寸前に硬くなり、 更にズボンを持ち上げた。 「うう…っ、ふう…っ…」 まだ刹那の肩に片足を置いたままで、目を閉じて絶頂の余韻に浸るティエリアの顔は 色っぽく火照っている。 ティエリアの秘所に肉棒を突き刺したくて堪らない。 しかし一方で、ナイフを突っ込んだままのティエリアのいやらしい姿を、 もっと見ていたい気持ちも刹那には強く残っていた。 …そうだ、もともとガーターではバレやすいかも、という理由でナイフを抜き取ったのだ。 男なら尻穴、女なら秘所。 何かをどうしても隠したい場合、そこを使うのもまた常識だ、と刹那は考えた。 このまま、パーティーに行かすか─。 残酷な欲望に火が点いて、刹那は結局、そう結論を出した。 肩からティエリアの脚を外すと、力の入らない彼女はそのまま床に崩れ落ちてしまった。 だらしなく座り込むティエリアの股間から、まだ刺さったままのナイフの鞘が垣間見える。 刹那はゆっくりと、チャックを下ろして勃起を取り出した。 完全に勃ちあがったその先からは、先走りがひっきりなしに滴り落ちていく。 この異常なほどの興奮状態では、どの道挿入しても5往復も保たないに違いない。 刹那は自分の出した結論が正しかった事に満足し、ティエリアの目前にそれを差し出した。 ティエリアが虚ろな目でぼんやりとそれを見てくる。 濡れた唇が僅かに開き、刹那の淫欲は限界に達した。 何か言うのも憚れ、刹那はペニスをティエリアの唇に押し付けた。 柔らかい唇の感触を亀頭に感じ、激しい快感が勃起に走る。 「く…っ、ティエ…リア…っ…」 淫欲に浮かされきった声が、喉の奥から湿った息と共に飛び出る。 ティエリアは一瞬困ったような顔をしたが、おずおずと舌を突き出すと、 こうすればいいのか…?と言った表情でぺろぺろと勃起の先端を舐め始めた。 「ああっ…!」 激しい快感に震え、男なのに高く喘いで、刹那は大きく仰け反った。 ペニスが上下に反動を繰り返す。 びゅっと飛び散った先走りをティエリアは唇で受け止め、ぺろりと舌で舐め取った。 「ティエリア…っ!!」 もう我慢できずに、刹那はティエリアの頭を掴むと、強引にペニスを口の中へと突き入れていった。 舌でペニスが擦れて、それだけで達してしまいそうになる。 ティエリアのリップの塗られた唇に、刹那の浅黒いペニスが根元まで咥えられている。 勃起の侵入を受けて頬を膨らませ、潤んだ瞳で見上げてくるティエリアの扇情的な姿に、 刹那の腰は抑えきれずに動き出した。 ティエリアの喉の奥まで、勢いに任せた乱暴な口淫を繰り返す。 あまりの勢いに、ティエリアは苦しそうにむせながら、両手を床について耐えた。 ほとんど四つん這いになったティエリアの剥き出しの尻の向こうに、 ナイフの柄がチラチラと覗き、刹那がペニスを突きこんで揺さぶる体とともに、 それが卑猥に上下に揺れた。 刹那が思っていたよりも随分大きかったティエリアの胸が、たぷんたぷんと波打つ。 大して往復させる事もかなわず、刹那に射精が迫った。 ティエリアの髪が乱れるのも構わずに彼女の頭をしっかりと掴み、 舌でペニスを擦りつつ先端まで引き抜いて、唇で亀頭を刺激した。 「ああっ、来…る…っ!」 精液が駆け上ってくると同時に、刹那は自動的にペニスをティエリアから抜いて、 ぐいっと自分で扱き上げて最後の刺激を加えた。 「ぐ…っ、ティエリ…ア…っ、あぁぁっっ!!」 ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ─! 勢いよく数回迸った白濁が、避ける事も出来ずにティエリアの顔面に撃ちつけられた。 ティエリアの綺麗に化粧した顔全面に、白濁がばしゅっと飛び散る。 「あ…う…?」 何が起こったのか全く理解できていないティエリアのあっけに取られた顔と、 どろりと崩れていく精液の白さが妙にマッチしていて、 刹那は満足しきった脳みそで、とても綺麗だ、と思った。 「せ、刹那…」 顔射された経験など一度もなかったティエリアは、どうしていいのか分からずにいた。 生温い精液が顔面で溶けて顎まで滴り、鼻をつくイカ臭い匂いが不快で堪らない。 ましてや膣にはナイフが鞘ごと入れられたままなのだ。 少しでも動いたら、何かとんでもない事になる気がする。 ティエリアはただそこに腰を浮かせて座り込み、助けを乞う様に刹那を見上げた。 急激に罪悪感が募ったが、任務直前の今、刹那は変わらない態度で応じる事にした。 4年前と(性的に)大して変わっていないティエリアと違い、 大人になった刹那は、口先三寸でうまい事言い繕う術ぐらいは心得ているのだ。 「ティエリア、さっきからずっと思っていたが、その化粧は男に媚びすぎている。  顔を洗ってやり直した方がいい」 「う…、そ、そうか…?」 「ああ。無駄に目立っては、作戦失敗の元になるからな。  それに、やはりナイフはガーターに納めていたのでは察知されやすい気がする。  そこに挿れて行った方がいい」 「で、でも…」 「一度イったんだから、余裕だろう。それともまだ足りないというのか?」 冷静に睨みつけると、ティエリアは言葉をなくして俯いてしまった。 ──説得、完了。 刹那は心の中でガッツポーズをした。 とりあえず、ティエリアの濡れた股間をティッシュで拭いてやり、 ナイフを秘所に入れたままで、下着を上げてやる。 「あ…っ…」 更に奥まで鞘が入って来て、ティエリアが顔を赤らめた。 「さあ、早く化粧を直せ。時間がないぞ」 刹那はにやけたいのを堪えて無表情を装い、ティエリアを洗面台へと促した。 一歩歩く度にティエリアがびくびくと震え、か細く声を上げる。 今日のミッションは面白くなりそうだ、と、 ここ数日ストレスの溜まりまくっていた刹那は思ったのだった。                  end