アロウズ高官邸でパーティーが行われるという情報が、王留美からCBにもたらされた。 ブリーフィングルームがざわめく中、スメラギ達クルーの目を盗んで、 王留美がティエリアにそっと囁きかけた。 「イノベイターの事、あなたは知っているんでしょう、ティエリア?彼らも、顔を出すそうよ」 「イノベイター…」 先日アレルヤ捜索の折に自分の前に現れた、リジェネと名乗った人物の姿を思い出し、 ティエリアは思わず唇を噛んだ。 ティエリアと全く同じ容貌を持つリジェネ…。 DNAが同じなのだから別に驚く事はないと、あの時リジェネは確かにティエリアに告げたのだ。 (もしかして、他にも私と同じ存在…、イノベイターがいるのか…?) 不安が募る。 ヴェーダ無き今、ティエリアは彼らの存在などまるで知りようも無かったのだ。 トリニティの事も考慮すると、トレミーとは全く別の次元で新しい計画が進行しているのかもしれない。 それに加えて、瓜二つの容姿を持つリジェネの出現で、自分の存在意義を足元から崩されそうな 本質的な恐怖が、無意識的にティエリアを不安にさせていた。 もしも他に何人も自分と同じDNAを持つモノがいるとするなら、 私は計画のスペアでしかないのかもしれない─。 昔ならそれでも一向に構わなかっただろう。 しかし、人間的な感情を知った今では、それを素直に受け入れる事は出来そうにもなかった。 その時、スメラギが思案しながら独り言のように呟くのが耳に入った。 「ほとんど情報がない状態だから、そのパーティーに潜入すれば確かに有益な情報を掴めるのかもしれないけど、  アロウズの目が光っている中にあえて飛び込むというのは…」 政治色の強いパーティーなのに加えて、 ひょっとするとCBを呼び寄せる罠なのかもしれないという危惧がスメラギにはあるのだ。 「私が潜入します。私なら顔も割れていません」 プランの構築に二の足を踏むスメラギに、ティエリアは自分で志願した。 ######### パーティーにはドレスアップが必要不可欠だ。 まして潜入プランな以上、決して正体がばれてはならない。 いつもは快適さだけを考慮した服装で過ごすティエリアも、この時ばかりは華やかなドレスを纏って、会場に赴いた。 イノベイターの事もあるが、今日はとことん女の色香を使い、あらゆる男達からより有益な情報を引き出さねばならない。 サテンの落ち着いた深紅のドレスが、ティエリアの透けるほどに白い肌の美しさをより引き立たせる。 バストを強調したデザインの胸元では美しい谷間が作られて、行き交う男達の視線を釘付けにしていた。 やや太目の肩ストラップが、細い肩のラインの繊細さを醸し出す。 より女らしさを強調する為にウィッグで髪の毛をロングにし、華やかな化粧を施したティエリアは、 その場に居るどんな女性たちよりも目立っていた。 ただ立っているだけなのに、ティエリアには神秘的なほどの色香が匂い立つ。 すぐにティエリアの周りには男達の輪が出来、シャンパンを渡され、口々にその美しさを褒め称えられた。 正に狙い通りである。 早速情報を引き出そうと、ティエリアは一人の軍人に話し掛けた。 「それで、中尉さんはアロウズでどんなお仕事をなさっているんですか?」 中尉がティエリアの美しさにどきまぎしながらも、答えてくる。 「いやあ、たいした事はしてませんよ。反政府組織の監視業務などを行っているだけです。  そう言えば、ロシアの片田舎にいいスキー場がありましてね、  そこでテロが行われるという情報を得て現地に飛んだんですが、全くのガセでして…。  まあ、無駄足だったとは言え、随分いいスキー場だったんで、被害が出なくて本当に安心しました…。  そうだ、もしスキーに興味がおありならこの冬はそちらにご案内しますが…」 「………」 それを聞いた違う男が、横から口を出す。 「いやいや、今年は寒波が酷いらしいですからね。南半球でゆっくり過ごした方が余程いいと思いますよ?  カンガルーとかコアラとか、可愛い動物もたくさんいますし」 「………」 うまく会話をつないでアロウズの情報を引き出そうとしても、下心丸出しの男達とはまるで話が噛み合わない。 軽く溜息を吐いて、他に使えそうな軍人でもいないかと辺りを見回した時、 向こう端の壁にひとりでもたれかかっている人物に目が留まった。 リジェネ・レジェッタ─。 この前同様に眼鏡を掛けて、男性用スーツに身を包んだリジェネは美青年にしか見えず、 チラチラとその様子を伺っているのは、ほとんどが女性客ばかりだ。 相変わらずくだらない話をし続ける軍人を置き去りにして、 ティエリアの足は自動的にリジェネの方へと歩き出した。 「やあ。随分早く会えたね」 すぐ目の前に立ったティエリアに、丁寧な物腰の中にも不敵な笑みを浮かべて、リジェネが話し掛ける。 同じ容貌をした二人がすぐそばで対峙しているというのに、男装女装という盛装の違いなのか、 辺りの人間はまるでその事に気付かない。 「君を探していた。話がしたい」 それぞれに嫉妬深く遠巻きに見つめてくる男女の視線を遮るようにして、 ティエリアは一歩リジェネに近づき、低く囁いた。 待ち人来たる、という感じでくすっとリジェネが笑い、ティエリアの耳元に口を寄せた。 「…いいよ。もう一人、会わせたい人がいるからね…。ついておいで」 先導するように歩き出すリジェネの後ろに、ティエリアは素直に付き従った。 本来なら腕を組んで歩くのがパーティーでのカップルのマナーであろうが、とてもそんな気にはなれない。 微妙な距離感を保ったままで、ティエリアはリジェネに促されるまま、 幅の広い赤絨毯の階段を上っていった。 ######### (会わせたい人物…。また私と同じ顔をしたイノベイター…?それともまさかイオリア・シュヘンベルグ…) この計画の全容がまるで判らない今、ティエリアはあらゆる可能性を考えながらその部屋へと歩いていく。 「リボンズ、入るよ」 ある一部屋の前に立ち止まり、軽くノックをしてリジェネがドアを開けた。 (リボンズ…?初めて聞く名前だ…) ティエリアの緊張が最高潮に高まる。 薄く付けて来た自分の香水の匂いにも眩暈がしそうなほどに、頭がくらくらしてくる。 「さあ、どうぞ。ティエリア・アーデ。リボンズ・アルマークだよ」 リジェネがエスコートするように手を差し出して、ティエリアを部屋の中へと導いた。 生唾を飲み込みながら恐れをまじえて対面したその人物は、あまりにティエリアの予想とかけ離れていた。 薄緑の髪に紫がかった透明感のある瞳、陶器のようにシミ一つない肌の少年がそこにいた。 リジェネと同じく不敵な笑みを湛えながらも、まるで全てを見越すかのような冷めた視線。 人の形をしていても、リボンズと呼ばれたこの人物が 明らかに人間とは異質なものである事を、ティエリアは瞬間的に感じ取った。 …間違いない、この少年こそ、イノベイターの総帥なのだ。 ティエリアの心を読み取ったかのように、リボンズがにやりと笑った。 「はじめまして、だね、ティエリア・アーデ。まあ、君の事はよく知っていたし、一度は繋がった事もあるんだけどね…」 持って回るようにリボンズが言った。 その言葉で4年前、トリニティとの戦闘中にナドレとのアクセスが強制解除された時の事を、 ティエリアははっきりと思い出した。 「あれは君が…!?」 予想以上に慌てた声が飛び出し、ティエリアは深呼吸をして自分を落ち着けるべく努力した。 ここで驚いているわけには行かない。 私はCBのガンダムマイスター、ティエリア・アーデで、この計画のれっきとした遂行者の一人なのだから─。 ティエリアは自分を奮い立たせ、リボンズの目前へと大股で歩み寄った。 「一体どういう事だ。君たちの存在を私は知らされてはいない」 リボンズの顔を睨みつけ、声を抑えながらも凄みを漂わせてティエリアが言った。 しかしリボンズは一向に怯む様子も無い。 それどころかティエリアのドレスの胸元を不躾に眺め、 次いでメイクアップしたティエリアの女らしい顔をまじまじと見つめた。 リボンズの目の色に好奇心と嗜虐の色が浮かんだのに気付き、ティエリアは思わず目を反らした。 長い黒髪がはらりと白い肌を滑り、胸の谷間にかかった。 リボンズがほくそ笑む。 「そうだね…。まあ、教えてやってもいいけどね…。その前に、僕もようやく生身の君に出会えたんだ。  マイスター…、いや、女の体と言うものを少し試させてもらうよ?」 「……!!?」 何が起こったのか理解する前に、ティエリアの体は暴虐なほどの力で引き倒され、 気付いた時には、高価そうな絨毯が敷き詰められた床の上に仰向けに寝転がされていた。 眩暈がなかなか消えないが、その理由は反転の衝撃だけではなかった。 上から凍りつくような含み笑いで見下ろしてくるリボンズ、そしてリジェネの目の色が 昔のティエリアと同様に、時折金色に光っている。 その度にティエリアの頭の中を微電流のようなものが駆け回り、体から力を奪い去っていった。 立ち上がろうと必死で床を掴むが、手も足もかすかに震えたままで、全く力が入らない。 リジェネが無邪気な子供のように微笑して、ティエリアの頬をそっと撫でた。 「………っ!」 ティエリアの表情が凍りつくのを完全に無視して、続いてリジェネが ティエリアの艶やかにメイクした唇をゆっくりとなぞる。 「綺麗だね、リボンズ…。僕もこうなれるのかな…?」 「やれば出来るだろうけど、君にはまだ早いよ、リジェネ」 「そうだね。僕は女の体ではないからね」 まだ眩暈の治まらないティエリアの耳に、二人の会話がどこか遠くから聞こえてくる。 ティエリアのウイッグの毛先を弄びながら、リジェネが観察するように金目を光らせて、 ティエリアの体のあちこちを舐める様に見回してきた。 「や…っ…!」 視姦のような視線に耐え切れず、ティエリアはきつく瞼を閉じて唇を噛んだ。 クスクスとリジェネとリボンズの笑い声が響いてくる。 決して嘲笑ではない、むしろ幼児性を思わせる、無機質なまでの笑いがよりティエリアを惨めにさせた。 「この髪は人工物みたいだね、リボンズ。こういうのは好きじゃないから、取ってもいいかな?」 ウイッグの質感を確かめながら、リジェネがリボンズに言った。 リボンズも毛の束を取り、指先で刷り合わせながら 「わざわざ自分でドレスアップしてきたんだから、必要ないな、リジェネ」 そう言って、シースルーの薄布に覆われたティエリアの胸の谷間を、毛先を束ねてつつーっとくすぐる。 「ん…っ」 目を閉じているせいで薄い布越しでも触感が敏感になっていて、思わずティエリアはびくりと体を奮わせた。 ドレスの胸元がぷるんと揺れる。 リボンズは過敏な反応に満足げに唇を歪めて、更に胸の谷間に沿わせて毛束を尖らせて這わせた。 ひとしきりティエリアの反応を愉しんだ後、リボンズがリジェネに視線を送った。 意図を掴んだリジェネがテーブルからナイフを持ってきて、ドレス胸元のシースルー部分を静かに切り裂いていく。 「く…、うう…」 露わになった胸の皮膚に冷たい空気が当たり、ティエリアにはまだくすぐられ続ける毛束の感触が、 よりはっきりと感じられた。 寝転がった姿勢のせいで、ドレスの生地と乳房の間に僅かな隙間が出来ている、 その隙間にリボンズが毛束を差し入れる。 乳首を毛先が刺激した。そのまま弄ぶように毛先が乳首をくすぐり始める。 「あ…っ、あ…っ…」 固まった毛先がちゅくちゅくと乳首を責める度に、ティエリアの腰の奥が熱くなっていく。 そのもどかしい刺激に息が乱れていくのを、どうしても止められない。 そして毛束を振り払いたくても、やはりティエリアの体は満足に言う事を聞いてはくれないのだった。 「ティエリアの顔が真っ赤になっているね、リボンズ?どういう事かな」 リジェネが本当に不思議そうにリボンズに尋ねるのが恨めしい。 恥辱でティエリアの顔がますます熱くなっていく。 「ふふ…。ティエリアは感じているんだよ、リジェネ」 リボンズのその返答に、ティエリアは泣き出したくなった。 きつく閉じたままの目尻に、じわりと涙が滲んできたが、 「そうだね、君はよく泣いていた…。覚えているよ」 そうリボンズに言われてしまって、ますます惨めな気持ちになってしまう。 リボンズはどこか遠い所から常にティエリアを監視し、状態を把握し、 時には行動の制限まで行ってきたのだ。 その事実が、ティエリアの存在意義を打ちのめし、我慢し切れずに遂に涙が零れ落ちた。 その涙をリジェネが拭って、ぺろりと舐めた。 「これが涙…か。随分しょっぱいんだね。これは体に悪そうだ。  こんなものを排出しても大丈夫なのかな、リボンズ?」 「これは体液だから、何の問題も無いよ」 「ふうん…。他にもこういう種類のものがあるのかな」 リジェネが興味深々でティエリアの体のあちこちを眺め回した。 リボンズがスカートの裾を乱して伸びる、ティエリアの細くしなやかな脚にちらりと目をやった。 「…あるよ。ここにね」 リボンズがゆっくりとティエリアの下半身に手を伸ばしていく。 その手がスカートの裾にかかった。 「や…!」 そこを露わにされる事だけは何としても避けたい。 ティエリアは体をよじって何とか抵抗しようとしたが、 強制的に脱力させられたままの状態では、叶いようも無かった。 涙に濡れたティエリアの目に、リボンズの氷のような微笑が飛び込んでくる。 その横で同じく非人間的な微笑を絶やさず、リボンズに捲られていくティエリアのスカートを見つめているリジェネ。 彼らは確かに生きているはずなのに、空虚な無機質さが二人から消える事はない。 少なくともリジェネとは全く同じ容貌だというのに、 ティエリアにはとても彼らが自分と同じ存在だとは信じられなかった。 「やめろ!離せ…!!」 言葉だけの抵抗は何の意味も持たず、すぐにリボンズとリジェネの目前に ティエリアのすべすべの太ももと、ドレスと同じく光沢のあるシルクの下着が現れた。 リボンズがティエリアの太ももに手を掛け、すりすりと撫で回した後、強引に左右に押し開いていった。 「う…、うう…」 下着を着けているとはいえ、身を無理やりに開かれる屈辱で涙が止まらない。 とめどなく溢れ出すティエリアの涙をリボンズが拭い、リジェネに示した。 「ここから出てくるのは、これとはまた違った感触のはずだよ」 リジェネに涙の触感を確かめさせた後、リボンズは濡れた指をティエリアの股間にあてがった。 下着の上からゆっくりと陰部の丘を揉み込む。 リボンズの泰然とした態度と同じ、緩やかな手付きでティエリアのそこが揉み解されていく。 「は…、う…」 鈍い快感がそこ全体に広がった。 すぐにリボンズが爪を立てて、ティエリアの淫核を擦り出す。 大きく開かされた股のせいで、爪先が的確にクリトリスを刺激していった。 しゅっしゅっと硬い爪で敏感な豆を擦られると、ティエリアの体には堪えきれずに快感が押し寄せてくる。 「あ…っ…、ああ…っ…、んん…っ」 リボンズの指がどんどん速さを増して、クリトリスを上下に擦り上げていく。 指の往復に併せてどうしても声が漏れ出てしまい、ティエリアは真っ赤になって恥辱に涙を流し続けた。 いくら涙が伝っても最新のメイクはまるで崩れる事無く、 涙はティエリアの美しさと妖艶さを引き立てる小道具にしかならない。 リジェネが、妖しいまでのティエリアの痴態にふうっと溜息を漏らして見惚れた。 きゅっとリボンズが淫核を指先で摘んだ。 「あんんっ…!!」 予想外の快感に思わずティエリアの腰が浮き上がり、膣内から愛液がどっと湧き出してくる。 心地よいはずのシルクの下着が、肌にねばっこく貼り付く感じが不快で堪らない。 「ここ、ものすごく濡れているね、リボンズ…」 リジェネの指が、股間の真ん中、愛液でシミを作ったその場所に伸びてきた。 ぐっとそこを押し込まれ、リジェネの指が下着ごと膣にめり込む。 「はううっ…!」 痛さはまるでなく、ティエリアには快感だけが走った。 リボンズの指が再び上下にクリトリスを擦り出し、 リジェネもそれに呼吸を合わせるかのように膣口を軽く震わしながら刺激し続けた。 「ああ…っ、あぁ…ん…っ…、い…や…、や…ぁ…っ…!」 気持ちの抵抗とは裏腹に、二人に指で責められるままに、 ティエリアの下半身には抗いようも無いほどの心地よさが満ちていく。 恥辱で真っ赤だったはずの顔は、いつのまにか快感で火照り、荒く息を吐くたびに艶かしい声も漏れ出した。 「あ…っ、あ…ん…、あん…」 下着の中で、大量の愛液が渦巻いているのが分かる。 タキシード姿を全く崩さないリジェネとリボンズに対し、 淫らにドレスを捲られて股間を責められ、快感に喘ぐティエリアの姿はあまりに妖艶だった。 「なるほど、ここの体液は随分粘っているみたいだね。見てみたいな」 リジェネが下着ごと愛液をかき回しながら、リボンズに囁いた。 リボンズがにやりと笑う。 「ああ、いいよ。リジェネ、君が脱がしてやりなよ」 「ああ」 リジェネは何の戸惑いも見せず、かと言って男のような欲情を漂わせるでもなく、 ただその知的好奇心を満足させる為だけのような雰囲気のままで、 ティエリアの下着をゆっくりと下ろして行った。 下着に貼りついた愛液が粘っこく糸を引く。 想像通りの粘着性に満足して頷き、リジェネはティエリアの女性器を覗き込んだ。 全く乱れもしないリジェネの規則的な息が、至近距離でティエリアのそこに吹きかかってくる。 その事が、逆に欲に火照りきった自らの性器の熱さを、ティエリアに思い知らせた。 「ふうん…。思ったよりも綺麗だね。すごく綺麗なピンクだ。  形状もおかしいけど、別に汚らしくはない。不思議な場所だね、リボンズ?」 独り言のように呟いて、リジェネはその長く細い人差し指を膣口へと伸ばしていった。 つっと指先を押し当てて、あまりに粘着質な愛液の卑猥な触感に一瞬びくりと指を引っ込めたが、 すぐに気を取り直して、リジェネは人差し指をティエリアの秘裂にめり込ませた。 「あん…っ」 ぱくりと指先を咥え込んでティエリアが震える。 「だけど、この体液…、愛液…だっけ?透明なんだね、もっとどす黒いのかと思っていた」 リジェネが生体実験をするように、指をぬぷぬぷと突き入れていく。 細い指でも確かに膣壁を擦られて、ティエリアのそこが本能的に疼き出す。 ティエリアの女性器が、抽迭の摩擦を望んでリジェネの指をしなやかに締め付けた。 「すごいねぇ、リボンズ…。随分締め付けてくるよ?これが本能的な性衝動というやつなのかな?」 リジェネがゆっくりと指の抜き差しをはじめた。 既に濡れそぼっていた膣からは、チュクッチュクッという水音が響き出る。 「それに…。ものすごく熱くてぬるぬるとしている。変な場所だ」 「ん…っ…、ん…っ…、やめ…、抜…け…っ」 「こんなに喜んでいるのにかい?随分変な事を言うんだね、ティエリアは」 リジェネは楽しそうに指で何度も膣壁を擦り続けた。 内部を擦られる快感を感じながらも、その度合いはクリトリスのそれよりも遥かに小さい。 それでも蹂躙される惨めさが消えたわけではなく、ティエリアは何とか声を抑えて快感を表に出さないように耐えた。 リジェネの指先が、膣内の形状を確かめるように細やかに動き回る。 膣壁はますます熱を持ち、やがてはもっとも敏感なティエリアの女の部分、 ─Gスポット─のふくらみをリジェネの指に伝えるまでになった。 「何かここにあるね、ティエリア…。これは一体何なのかな…?」 リジェネは決して言葉でティエリアを責めようとしているのではない。 ただ単純に疑問に思った事、ティエリアの体への感想を正直に口に出しているだけなのだ。 だからこそティエリアは惨めで堪らなくなる。 せめて言葉で罵ってくれたら、自分も言葉で抵抗できるのに、と。 リジェネの指に触発されて、Gスポットが一層存在を誇示し始めた。 ザラザラしながらも、やはりぬめったその感触がリジェネの指の神経にダイレクトに伝わってくる。 いかにもこれこそが膣の弱点なのだと訴えんばかりのそのザラつきを感じて、 リジェネはそこばかりを集中的に擦り始めた。 指の腹で膨らんだそこをぐいと押し込むと、「ふああっっ…!!」堪らずティエリアが声を出してよがった。 まるで催しそうな快感が、その場所から腰全体に広がっていく。 その先で快感に浮かされたティエリアの小さなクリトリスが、赤く蕾を持ち上げてふるふると震えた。 リボンズが薄笑いしながら、ティエリアの乱れる表情を眺めている。 「Gスポットにクリトリス─。すごいね、ティエリア?  僕達みたいな存在でも、ちゃんと部品は機能するんだね」 「く…っ、み、見るな…っ」 「そうかい?まあ、いいさ。リジェネ、そこをもっと苛めてやるといい。  僕がこっちを責めるから」 リボンズはリジェネに指示を出して、自分はティエリアの陰唇を左右に大きく押し開いた。 「ああ…っ」 薄い皮膚を触られただけで、ティエリアの膣が一段と快感を増幅させた。 リボンズとリジェネの目の前で、ティエリアの女性の部分が全て露わにされる。 いつの間にか愛液が割れ目全体に広がって、赤い皮膚の膜を更に卑猥に見せていた。 その上部ではクリトリスが剥き出し状態で晒されている。 普通の男ならこの光景だけで相当な興奮状態に陥るはずなのに、秘裂に指を突き入れ続けるリジェネも、 陰部を凝視し続けるリボンズも、やはり全く感情を乱そうともしない。 (く…っ…、こいつらは…感情がないのか…!?なら、私にも…やはり感情は…) トレミークルーたちとの本質的な違いを思い知って、ティエリアの心は重く沈んだ。 そんなティエリアを放置して、リボンズが愛液をまぶした指でゆっくりと生身のクリトリスを擦り出す。 「ひゃ…あぁぁっっ…!」 悲しい気持ちが、急に強くなった快楽の深さで吹き飛ばされてしまった。 既に硬くなっていた陰核は、軽く擦られただけで圧倒的な快感をティエリアにもたらした。 声が一瞬で淫らなものになり、太ももが震え出す。 体が快感を喜びとして受け止めて、全く抵抗する気も失せてしまう。 「ん?こうかい?」 「ああ…っ、あぁっ、あぁぁっっ!!」 リボンズが無感情なままでクリトリスをくいくいとリズミカルに擦り続け、 同じくリジェネの指もティエリアの敏感な所を圧迫し続けていた。 性器全体に、ティエリアが今まで感じた事も無いような激しい性的快感が充満する。 あっという間にティエリアに絶頂感が押し寄せてきた。 「ああ…っ…、や…っ、ん…っ、ああっ…!!」 首を反らせ、何とか動けるだけの範囲で全身をくねらせて、 段々強まってくる快楽の味をティエリアは味わった。 「ああんっ、あふっ…!も…、だめ…ぇ…っ…!」 膣の深くから絶頂の予感が湧き起こってくる。 ティエリアは大きく口を開いて喘ぎ、絶頂の訪れを待った。 しかし─。 「ダメだね。つまらないな」 リジェネの冷たい声が響いて、すぐに二人の指の動きが止まった。 一瞬でティエリアのそこから快感が零れ落ちていく。 「あう…?」 な…ぜ…? 陵辱だったはずの行為なのに、ティエリアは完全に欲求不満状態で リボンズとリジェネを交互に見やった。 くすりと二人が笑い、意味ありげに視線を交わす。 どうやら二人にだけ分かる暗号的な雰囲気があるらしい。 リジェネがティエリアににっこりと笑いかけた。 ティエリアと全く同じDNAを持つその美しい顔が、今日はじめて加虐的に歪んだ。 「そうだな…。たとえば…。こういうのはどうだい?」 リジェネが優しい笑顔とは裏腹に、相変わらずの抑揚のない口調で呟き、秘所から指を抜き去ると ティエリアの股間へと顔を近づけていった。 「な…」 驚くティエリアに構わず、リジェネはティエリアの股の間に屈み込み、 秘裂に届くか届かないかの距離で真っ赤な舌先をチロチロと動かした。 空気が揺らめく。リジェネの熱い吐息がティエリアのそこにふうふう当たる。 「あ…ん…っ」 全く触れられてもいないのに、ティエリアの秘部はさっきまでの快楽を鮮やかに思い出して疼き出した。 「舐めてほしいんだね?ティエリア」 リボンズがティエリアの顔のすぐ脇に座って、蔑むように見下ろしてくる。 「誰が…っ!」 リボンズの言葉には確かに嘲笑の色合いが強く混じっていて、ようやくティエリアは言葉だけでも抵抗する事が出来た。 「ふふっ。素直じゃないねぇ。誰に似たのかな」 リボンズが馬鹿にしたように笑った。ティエリアの淫欲を見抜いているのだ。 その証拠に、ティエリアの秘裂からは愛液がとろりと溢れ出す。 リジェネがふっと鼻で笑ったのがティエリアには分かった。 リボンズが、ティエリアの恥辱にまみれた表情を覗き込みながら言った。 「お願いすればいいのに。リジェネは君と同じ細胞で出来ているんだから。  恥ずかしがる意味が分からない」 「君達に分かってもらう必要なんかない…!」 きっとリボンズを睨み返し、ティエリアは勇敢にも言い切った。 リボンズの眉がぴくりと動いた。 彼に追従するように、リジェネの舌がべろりとティエリアの秘所を舐め上げる。 「あんっ!!」 膣口からクリトリスまで一気に快感が走り、あっけなくティエリアの瞳が快楽に細まる。 リボンズが我が意を射たりと唇を歪めて笑う。 「ほらね?体は正直だね、ティエリア」 「ん…っ、うる…さ…」 反抗の言葉を切るように、リボンズがティエリアの口中へと指を突き入れてきた。 いきなりずぼっと奥まで突きこまれて、嘔吐しそうな不快感を覚え、ティエリアは咽た。 すぐにリボンズの指がティエリアの舌の粘膜を擦り上げていく。 「あ…う…うう…」 リボンズの指にたっぷり付着していた、ティエリア自身の性器の味が口一杯に広がった。 悪寒を感じながらも、さっきまでリジェネに責められていたのと同じ指使いで舌表面を いやらしく擦られて、ティエリアに無意識的に性欲が戻ってくる。 その下半身ではリジェネが膣内に舌を突き入れ、じゅるじゅると内部を掻き回していた。 「ん…っ…、あ…ふ…ん…っ、んん…っ」 くぐもった快感の声を上げながら、うっすら開いたティエリアの目に、 冷たい微笑を湛えながら指を口に捻じ込み続けるリボンズの人形のような顔と、 自分の股間に吸い付く、自分と同じ顔をした巻き毛のリジェネの姿が垣間見えた。 リボンズこそイノベイターの総帥、そしてリジェネはまさにティエリア自身─。 感情が、感覚が倒錯していく。 それはまるで自分自身に犯されているかのような、悪夢的な感覚なのにも関わらず、 ティエリアの心の奥底の秘めた欲望をも刺激してやまないのだった。 「ティエリア…。リジェネにお願いしなよ。もっとそこを舐めてくれってね…」 リボンズが誘惑的に囁いてくる。強まる欲望に抗えなくなってしまう。 捲れ上がった深紅のドレスの先のリジェネと目が合い、ティエリアは遂に震えながら頷いた。 秘所に吸い付いたままのリジェネが、目だけで勝ち誇ったように笑った。 じゅんっと思い切り舌を突き入れ、強引にGスポットまでを責められる。 「あんんっっ!!」 待ち望んだ強烈な快感が走り、ティエリアは思わずリボンズの指に噛み付いた。 歯型の跡が付くほど強く噛んでしまったのに、リボンズは少し表情を歪めただけで 少なくとも表面上は怒りを表そうともしない。 それが余計に底知れぬ恐ろしさを醸し出して、ティエリアは思わず身を強張らせた。 「ダメだね、ティエリア。僕にそんなおいたをするなんて…。一体誰がそんな低俗な事を教えたんだろうねぇ?」 リボンズが指をティエリアの口から引き抜き、ゆっくりと立ち上がった。 「悪い子にはお仕置きが必要だって、アレハンドロ・コーナーもいつも言っていたよ」 自ら裏切って地獄に叩き落した、かつての懐かしい主人の顔を思い出しながら、 リボンズは自分の優秀さに酔いしれていた。 自分こそイノベイターの統括者、計画の主人、世界の意思─。 今、目の前で快感と恐怖に打ち震えるマイスターたるティエリアとて、自分の足元に跪く奴隷でしかないのだ。 ティエリアを蹂躙して、傲慢なまでの優越感がリボンズを支配していく。 今日ティエリアと対峙して、その事をしっかりと教え込む必要があるとリボンズは思っていた。 その最後の仕上げとして、ティエリアに自分の男根を突き刺し、とことん主従関係をはっきりさせてやる…。 ズボンの前開きから、リボンズは男根をゆっくり取り出した。 しかしあれほどティエリアを責めたにも関わらず、リボンズのそれは一向に興奮の兆しも見せていない。 淫らな行為の最中にまるで相応しくなく、くにゃりと縮んだままの自分のペニスをリボンズは恨めしげに見た。 「ふん…。この僕に人間と同じ、こんな愚劣なモノが付いてるなんてね…。  だけど、今日はようやく役に立ちそうだ」 無感情、無感動な体を猛らすには、それ相応の刺激が必要。 リボンズはティエリアの腹の上に跨って座った。 ティエリアのすぐ目の前に、リボンズの手中に収まった、萎えたままの男根が見えた。 雄に対する本能的な恐怖と悪寒が交錯する。 「そんな顔、君には似合わないな。ティエリア?」 にやりと笑って、リボンズがティエリアの乳房に両手を置くと、ゆっくりと揉みしだきはじめた。 「や…っ、やめ…ろ…、触る…な…っ…!」 「そうはいかないよ」 ティエリアの屈辱の顔を楽しげに見下ろしながら、リボンズはドレスごと胸を揉み続けた。 衣擦れの音が響き、ドレス生地に皺が寄っていく。 リジェネもティエリアの股間から離れて、ティエリアの顔のすぐ傍に座った。 リボンズの手によって粘土細工のように形を変えられる乳房の形状に、リジェネは見とれた。 この量感は、男でも女でもない体の持ち主のリジェネには未知の領域なのだ。 「胸…、か。随分僕たちと違うんだね、リボンズ。こんなに形を変えて…」 その正体をもっと見たくてたまらなくなり、リジェネはティエリアの肩紐をゆっくりと外した。 生地の締め付けが僅かに緩まり、その狭間からかすかに乳首の突起が垣間見える。 決してリボンズの邪魔にならないように留意して、リジェネはドレスをずり下げていった。 あっという間に乳房が剥き出しになり、リボンズの手には素肌の胸肉がしっとりと吸い付いてくる。 リボンズが手を離すと、お椀型の乳房がぷるんと揺れ、ピンクの乳首が丸見えになった。 「すごく綺麗だね、リボンズ…」 同じ顔をしながらも決して自分とは違う、ティエリアの女体の美しさに、リジェネは思わず息を飲んだ。 まだ嫉妬するほど成熟してはいないリジェネは、ただ素直に感嘆し、自分もそれを触って見たいと思った。 リジェネが脇から片手を伸ばし、手の平全体でティエリアの片胸をぐいぐいと押し潰すように圧迫する。 僅かに痛みが走って、ティエリアの息が乱れた。 リジェネの手の動きがぴたりと止まる。 その手の平に、硬くなった乳首がコリコリと当たってくる。 きゅ、とリジェネが乳首を摘んで捻り上げた。 「あん…っ…!」 ティエリアの顔が紅潮し、仰け反って喘ぐ。 「ふふっ」 リジェネは子供のように微笑みながら、くりくりと指先で乳首を捏ね回してティエリアを責めたてた。 リジェネの指先でピンクの乳首が何度も押し潰され、時折摘まれて転がされる。 ティエリアの白い肌が熱に染まり、紫がかった微細な血管を浮き出させた。 その卑猥な光景に、リボンズの男根がようやく反応し始めた。 欲情そのものの女性器よりも、美しい乳房を陵辱する方が尚更加虐心を煽る。 リジェネに片方の胸を責めさせたままで、リボンズは半勃ちのペニスを掴むと もう片方の乳首へとその先端を押し付けた。 じゅくりとぬめった熱い触感を乳首に感じて、ティエリアが虚ろに目を開ける。 一秒ごとに異様な形状にそそり勃っていくリボンズの欲の象徴を間近で見て、 ティエリアに恐怖の色が浮かぶ。 それがまたリボンズの優越感と欲情を昂ぶらせていく。 リボンズはゆっくり腰を動かし、先端で乳首を押し倒しながら勃起を昂ぶらせていった。 柔らかい乳肉に埋め込むようにペニス全体を摩擦し、同時に硬くなった乳首もが 亀頭から竿根元までコリコリと刺激していく。 漏れ出した先走りがティエリアの乳首に絡み、その粘々とした感触がなお勃起に心地いい。 リボンズの息もいつしか快感に乱れ、ペニスは血管を隆々と浮き立たせて雄雄しく勃ちきった。 「あ…っ…、んん…っ、あん…っ…」 両方の乳房と乳首を2人の人間に責められて、ティエリアもまた、切ないほどの快感を感じてしまう。 「ティエリア」 リボンズに冷たく名前を呼ばれて、ティエリアが目を開けた。 リボンズは赤黒く隆起し尽くした肉棒を掴むと、ゆっくりとティエリアの口元へと近づけていった。 「舐めなよ」 薄笑いしながら、リボンズが勃起をティエリアの唇に押し付ける。 むわりと立ち昇る男の性臭、その先走りの卑猥な熱さ、そして欲に震える亀頭の蠢き─。 その全てが、ティエリアに粟立つような嫌悪感を与えた。 「く…っ、いやだ…っ!!」 ティエリアは堪らず顔を横向けて勃起を唇から反らした。 先端が頬を擦って、先走りの粘液の跡をぬらりと付けた。 不快に眉を引きつらせたリボンズの傍で、リジェネがペニスを覗き込む。 「リボンズ、それが男の体なのかい?随分どくどくと波打つんだね」 その言葉どおりに、リボンズの勃起は先走りをひっきりなしに滴らせながら、根元から興奮に震えていた。 無垢なままのリジェネの言葉に、改めて、人間の性欲というものへ憎悪を感じずにいられなくなる。 それでも感情を露わにするのはリボンズのプライドが許さない。 自分をこんなにも昂ぶらせるティエリアへの憎しみも、また自分自身の浅ましい淫欲への憎悪の渦巻きまでも 決して顔には出さずに、リボンズは余裕を装って軽く笑うと、 ティエリアの脚を更に大きく開かせ、勃起を膣口へと押し当てた。 ティエリアが真っ青になって体を強張らせた。 「やめ…っ、リボン…ズ、やめろ…!」 「僕の名前を気安く呼ぶな」 冷たく言い放って、リボンズはティエリアの女芯へとペニスを沈めていった。 自分は座ったままの体勢で、ティエリアの膝を折り曲げてずぶずぶと挿入していく。 リジェネにもその光景が丸見えになった 「あ、あぁぁ…っっ…」 肉棒が1ミリずつ埋め込まれる度に、ティエリアの顔が泣き出しそうに歪む。 「馬鹿だなあ、ティエリア。言われた通りにしておけば、こんな事にはならなかっただろうに…」 決して同情を込めるわけではない、淡々としたリジェネの口調がティエリアを更に惨めにさせた。 根元まで埋め込んで、リボンズがゆっくりと動き出す。 リジェネに見せ付けるように時間をかけてペニスを引き出し、またずんっと突き入れる。 「あんっ…!!」 たった一往復で、長く責められ続けてきたティエリアの膣壁に快感が走った。 さすがに同じ存在同士、興奮のツボが分かっているかのような腰使いを維持しながら、 リボンズが緩やかに、かつ角度を調整しながらティエリアを高ぶらせていく。 膨らみきったカリ首が敏感な場所を確実に擦り上げ、 ずんっと突き込んだ腰がティエリアの深くまでペニスを抽迭する。 「う…っ、や…っ、やめ…っ…、揺ら…すな…っ…」 願いも虚しく、リボンズはティエリアの膝を折り曲げた腕に更に力を込めて角度を付け、 ますます勢いをつけながらペニスを突き挿し続けた。 勃起に膣壁を押し広げながら抉られて、ティエリアは何度も大きく体を揺さぶられ、 一突きされるごとに快感が高まっていく。 薄暗い部屋に体とドレスが擦れる音が響き、階下からはダンスの音楽がかすかに響いていた。 「あぁっ、ああっ、あぁんっ…!」 いつの間にかティエリアはピストンの快感だけを感じて、勃起の往復でただ喘ぐばかりになってしまった。 リジェネの冷めた目線も、リボンズの見下す視線ももはやどうでもよくなってしまう。 濡れそぼった秘裂に何度も肉棒が突き入れられる様子をリジェネは黙って見ていたが、 リボンズがずぼっと勃起を先端まで引き抜いた際に、摩擦で濁った蜜液がペニスに引きずられるように たっぷりと溢れ出てきたのを見た瞬間、ふっと顔を反らしてしまった。 「あんまり美しい行為じゃないな。僕はこういうのは好きじゃない」 つまらなそうに呟いて、リジェネはティエリアの胸へと関心を移した。 既にドロドロに蕩けきった膣とは打って変わって、乳房はやはり芸術品のように美しかった。 リボンズのやまない抽迭で胸が上下に揺れ続けているが、それでさえその美しさを邪魔する事はない。 リジェネは再びティエリアの乳首へと指を伸ばし、そこを弄びはじめた。 「ああ…んっ…!!や…っ、そこ、触…る…な…っ…、ああ…っ!」 「触るな?とても不快なようには見えないのに、本気で言っているのかい?」 リジェネがティエリアの乳首をくりくりと摘んでは転がして弄ぶ。 「本当に君のここは美しいね、ティエリア。僕にもこういうのがあればいいのにね」 「ひあ…んんっ…!ああっ、よせ…ぇ…っ…、あんんっ…!」 乳首とリボンズのピストンとの同時責めで余程快感を募らせたのか、 ティエリアは激しく首を振って快感に喘いだ。 「ほら、こういうのも好きなんだろ?随分気持ちよさそうにしていたもんね」 リジェネが悪戯っぽく笑って、ウイッグの毛先でもう片方の乳首をくすぐった。 この部屋に入って一番最初にやられたその行為が、今は段違いの快感となってティエリアを襲う。 「いやあ…っっ…!!ああっ、ああっ、ああっ!」 涙が滲むほどの快感。 絶頂の近づく膣が、痙攣しながらリボンズをぐいぐいと締め付け、射精に追い立てていく。 堪らずリボンズの腰付きも乱暴なものへと変化していった。 胸が更に勢いよく上下に揺れ続ける。 「気持ちいいんだ?女の体も悪くはないみたいだね」 「ああっ、る…さ…い…っ、あんっ、ああんっ!」 「この可愛いつぼみ…。一体どうなったらこんなに膨れるのか、教えて欲しいな、ティエリア」 ティエリアの快感に蕩けきった表情をじっくりと見つめながら、 リジェネは長い毛束を紐のように使って、きゅっと勃ちあがった乳首の根元を結んだ。 「ああっ…!!!」 縛られた乳首から、快感が急激に全身に広がる。 続いてリボンズにずんっと深くまで突かれた瞬間、痺れる程の快感がティエリアの全身を駆け巡った。 「ああっ、ああああっっっ!!!」 ティエリアは絶頂に叫びながら、激しく仰け反って達した。 どくんどくんと膣壁がリボンズを締め付ける。 リボンズの射精感が一気に強まった。 「くぅ…っ…、この、僕が…」 人間より遥かに上位に位置する自分が人間のように性交し、精子など愚かしいものを放とうとしている。 ティエリアを打ちのめす目的であえてはじめた行為なのに、それがリボンズをどうしても苛立たせてしまう。 自分の淫欲の浅ましさをごまかすため、リボンズはティエリアをあえて見下し、 「ティエリア、分かるよ?君がイッたのが。ほら、これが欲しいだろう」 そう冷静に囁くと、一際強く深く突き上げた。 「あ…う…」 達したばかりのティエリアはどれだけ激しく揺さぶられても、もう快感を感じる事はなく、 ただ虚ろな表情のままで絶頂の余韻に浸っているばかりだった。 苦々しく思いながら、リボンズはティエリアの中へと勢いよく精を放った。 「く…ううっ…!」 射精の快感は一瞬にして消え、すぐにリボンズには近親憎悪的な感情が渦巻き始めた。 「リボンズ…」 何か言おうとしたリジェネを押し留め、ペニスをティエリアから引き抜くと、 愛液に混じってリボンズ自身の精液もまた、先端からぬらりと糸を引きながら落ちていく。 それがまた厭わしくてどうしようもない。 リボンズは怒りを持て余しながら、ぼんやりと自分を見上げてくるティエリアの濡れた唇にもう一度、 萎えかけたペニスを押し付け、今度は強引に埋め込んだ。 「ん…っ」 ティエリアが苦しそうにうめく。 「掃除だよ、ティエリア・アーデ」 リボンズはティエリアの舌に先端を押し付けて揺らし、 ティエリアの唾液でペニスに纏わり付いていた精液と愛液を拭き取った。 ティエリアが苦味に苦悶する姿でようやく自尊心を取り戻し、 リボンズはさっとペニスを抜くと素早く服を調えた。 「行くよ、リジェネ」 床に寝そべったままのティエリアをもう一度も見る事なく、 リボンズはリジェネに声を掛けてドアへとさっさと歩き出す。 「いいのかい?もっと色々やる事があったんじゃ…」 「まだ使い道はあるからね。もっと踊ってもらわないと、僕たちがここにいる意味がない」 「ふうん。まあ君がそう言うなら構わないよ」 リジェネは不承不承ながらも頷き、 「じゃあ、またいつか会う日もあるだろう。楽しみにしてるよ、ティエリア」 そう淡々と言って、破かれ、皺だらけになったティエリアのドレス姿を一瞥した。 しばらく考えた後、リジェネはタキシードの上着を脱ぎ、ばさっとティエリアの体に投げかけた。 「その格好じゃあ、とても外を歩けないだろう?それを着て帰るといいよ」 軽く微笑んで、リジェネはリボンズに続いて部屋を出て行った。 「………」 リボンズもそうだが、リジェネが何を考えているのか全く分からない。 ティエリアがようやく重い体を起こし、ドレスとメイクを直しはじめたのは、 それからかなり時間が経った後だった。