「じゃあな〜。ちゃんと休めよ〜」 いつも通りの飄々とした物言いで、展望台からロックオンが去った。 ─自分の、思ったことをやればいい。 ロックオンが与えてくれたその言葉は、確かにティエリアの中の何かを変えるものだった。 「自分の…思った事…か…」 一人になった展望台で宇宙空間を眺めながら、もう一度口に出して確認する。 計画を実行するのなら、自分はヴェーダから逃れなければならない。 それは分かっている。 しかし、本当に自分にそんな事が出来るのか。 そして、スメラギ・李・ノリエガはヴェーダなしで、本当に有効な戦略プランを立てられるのか。 ヴェーダと照会しあった今までの戦闘でさえ、いくつかの綻びがあった。 次なる戦略ミスが、誰かの命を奪う結果になる事は、想像に難くない。 もし、それがロックオンだったら─? ロックオンが自分を庇った時の事を思い出して、思わず体が震えた。 あんな事は、二度とあってはならない。 やるしかないのだ。 ヴェーダなしで、自分の思考で戦闘に臨まなければ、それこそ自分はCBに必要のないものになってしまう。 ガラスに映るティエリアの表情が、決意を秘めてひきしまった。 ──・──・── 先ほどの戦闘から帰艦して以来、ティエリアはもう何時間もこの展望台で立ち尽くしていた。 さすがに足が痛い。 今はロックオンの言う通り、体を休めるべきなのだろう。 ロックオンが去って30分、ようやくティエリアが展望台から出て廊下に向かった。 廊下を歩く事数歩。 「ティエリア…」 廊下の角から意外な人物が飛び出してきた。 フェルト・グレイスだ。 ロックオンが気になる彼女が、まさか二人の会話を盗み聞きしていた事など、ティエリアは知る由もない。 それ故、今は特に彼女と話す必要性は感じなかった。 「……」 無言のまま立ち去ろうとするティエリアの腕を、フェルトが掴んで引き止めた。 思いのほか強く掴まれて、顔をしかめてティエリアが振り返る。 「…何か用か?」 早く一人になりたくてたまらない。 ティエリアの口調は明らかに苛立っていたが、フェルトは露ほどの恐れも見せずにいつも通り、呟くように話し始めた。 「……。ティエリア…。ヴェーダとの直接リンクって…」 聞いていたのか…!? ティエリアの顔色がさっと変わった。 「あなた、もしかして…特別な…存在なの…?私たちとは…違う…」 婉曲的な言い回しは、死線から帰還したばかりのティエリアを気遣う、フェルトなりの思いやりなのかもしれない。 しかしティエリアの方は、そんな事よりも秘匿事項露見の事態に陥って、ほとんどパニック状態だった。 秘密を知っているのは、ロックオンだけだと思っていたのに─! 何も言えず目を白黒させるばかりのティエリアに、フェルトが続けた。 「私たち…、ヴェーダの代替プログラムを用意したのは…知ってるわよね…?  もしティエリアがプログラムに直接リンク出来る何か…持ってるんなら…、  専用のプログラム…ヴァーチェに…搭載してもいいと思う…」 「専用…プログラム…?」 専用プログラムという単語に、ティエリアが僅かに反応を示した。 見逃さずに、フェルトが続ける。 「そう…。そっちの方が有効だとティエリアが思うなら…。  て言うか…、絶対そっちの方がいいと私も思うけど…。   スメラギさんに提言してみようかな…って…」 ティエリアが急速に考えを巡らしているのが、フェルトにははっきりと分かった。 出来るだけ機嫌を損ねないように、おずおずと言葉を続ける。 「ティエリア…。ヴェーダが使えない今…今更守秘義務とか言っても仕方ないし…、  その…、あなた…、人間じゃない…の…?」 ティエリアが一瞬びくっと体を震わせた後、フェルトを睨みつけるように見た。 先ほどの展望室で盗み見たティエリアは、その背中に不安と弱さをはっきりと漂わせていたのに、 今はもういつも通りの冷徹なまなざしの彼女に戻っていて、フェルトは無意識に怯えて俯いた。 フェルトを上から見下ろしながら、ティエリアが苛立ちまぎれに言い放った。 「君には関係ない。君が聞いた事は全て、スメラギ・李・ノリエガだけでなく他の誰にも知らせる必要はない。  専用プログラムとやらも必要ない。  どんなプログラムでも、ヴェーダに比肩するとは思えない。それに…」 抑揚なく続いていた言葉が切れて、フェルトが顔を上げる。 ティエリアの目が記憶を探ってでもいるかのように、不可思議に揺らめいた。 (自分の思ったようにやりたい…。そう思ってるんだ…) 勘のいいフェルトは一瞬でティエリアの思考を読み取った。 「失礼する」 言葉を続ける事無く、ティエリアがさっさと踵を返して廊下を去っていく後姿を見ながら、フェルトの胸がしくしくと痛んだ。 (ロックオン…) 展望室での一件は、フェルトにロックオンの博愛精神を再確認させただけではなかった。 そこにはマイスター同士にしかない、特有の絆も確かに存在していた。 その二つが、ロックオンの心への自分の侵入を、確実に不可能なものだと痛感させて、 フェルトはどうしようもない寂しさに襲われた。 ティエリアの後姿が遠ざかっていく。 いくら気持ちを奮い立たせていても、凛としたその後ろ姿の中に、 昨日まではなかったティエリアの弱さがはっきりと漂っているようで、フェルトの心はいびつにざわめいた。 ロックオンが誰にでも優しいのは、よく分かっている。 でも、あのティエリアが無防備な信頼を寄せたら…? 今まではその高飛車な態度と融通のきかない頑固さで皆が何となく距離を取っていたが、ティエリアの美貌は誰もが認める所だ。 そのティエリアが、今までとは正反対に弱さを全開にして頼ってきたら、 男なら誰でもくらっと来てしまうのではないだろうか。 自分には不可能でも、ティエリアなら──。 ロックオンとティエリアが笑い合い、抱き合っている姿がいやでも頭に浮かんで来て離れない。 自分がロックオンの特別な存在に程遠い事はよく分かっている。 それでも、自分の目と鼻の先で他の誰かとロックオンが心を通い合わせるなんて、とても耐えられない…! 少なくとも現時点で一番の脅威はティエリアに他ならない。 なんとか手を打っておかねば…。 恋の残酷さと身勝手さに完全に心を囚われて、フェルトは暗い視線のまま、 ティエリアの既に廊下から消えた姿を追った。 ──・──・── 数十分後、ティエリアはトレミー艦内のバスルームでゆっくりと湯に浸かっていた。 温かい湯が、疲れた心と体をゆっくりと癒していく。 湯に肩まで深く浸かって、ロックオンとのやり取りを思い出す。 いざ自分の意志で行動してみろと言われても、具体的な方法がまるで思い浮かんでこない。 思いつく全ての事は幼稚な裏付けしかない、陳腐なものに思えた。 自分が今までいかにヴェーダに依存していたのか、そしてそれを失うと言う事が いかに心細いものであったのか、改めて思い知るティエリアだった。 だからこそ、自分の正体にうすうす勘付きながらも変わらぬ対応をし、 それさえ内包したアドバイスを与えてくれたロックオンの存在が、本当にありがたく思えてくるのだった。 具体的に、何をどうやれば計画の完遂に貢献できるのかは今はまだ未知数だ。 しかし、命と存在そのものの恩人であるロックオンの事だけは、何としても守らなければいけない。 その決意だけは、ティエリアの心に熱く満ちた。 不意にがちゃりとバスルームのドアが開いて、遠くへ飛んでいた思考が現実に戻った。 入ってきたのは、フェルト・グレイス。 彼女は何も身に付けてはいなかった。 今までクルー達と風呂場でかち合った事はほとんどない。 大して広くもない上、あえて一緒に入る必要性もない。 それ故に意図的に同席を遠慮していたのだった。 既に体を洗い終えていたティエリアは、湯の気持ちよさを味わう以外に、もうここには大した用は残っていなかった。 フェルトが入ってきたのを契機に、風呂から上がろうと体を起こすのをフェルトが押し留め、 体ごと、のしかかるように狭い浴槽内に強引に押し入ってきた。 狭くなったバスタブに体が押し付けられ、湯が溢れ出る。 不快な気持ちでティエリアがフェルトを睨む。 フェルトの顔付きがいつもと違う事は、幾分観察力に欠けるティエリアには分からなかった。 「まだ行かないで…。さっきの話…終わってない…」 言いながら、強い視線でフェルトが見つめてきた。 「もう終わったはずだ。そんなものは必要ないと言った」 うんざりしてティエリアが答え、再び湯から出ようと体を動かすのを、フェルトが阻止した。 不満げなティエリアに、フェルトが続ける。 「ティエリア…。あなたは人間じゃない…。そうよね…?どういう形状なの…?」 ティエリアの顔が怒りに歪む。 フェルトが悪びれずもせずに、ずばずばと続けた。 ここは一つ、開き直って人間…ロックオンと人外ティエリアの差を思い知らせなければいけない。 どうまかり間違っても、人間でないティエリアがロックオンとどうにかなるなんて、あってはならないのだから。 フェルトはどす黒い感情のまま、きつい言葉を並べていった。 「ご飯は食べられるのは知ってる…。でも…、感覚とか…感情とか…あるの…?  少なくとも今までのあなたは…あんまり何も感じてないみたいだったけど…、  一応人間に模倣して造られてるのよね…?」 「私が人間ではないと、いつ誰がどこで言った?」 ティエリアの怒りが増していくのがはっきりと分かる。 いつものフェルトなら、こんな状態のティエリアとは関わりあいを避け、見て見ぬふりをして とんずらを決め込む所だが、今はそうは行かない。 あえて狭い風呂場に自分を投入してまで、ティエリアを追い込むつもりなのだから。 「直接リンクなんて…人間には無理よ…。  脳内チップを埋め込むのだって… まだ安全性が確立されてないし…。  それに今までのあなたの…言動…、どう見てもまともに10何年も生きてきたようには…見えないから…」 「何が言いたい?」 フェルトが勇気を振り絞って、禁句を口にした。 「人間じゃないなら…、機械らしく…した方が…いい…!」 ティエリアの顔が一気に紅潮した。 「きゃっ!」 ティエリアの影が鋭く揺らめいて、殴られるかと思ったフェルトが思わず悲鳴を上げ、 頭を抱えて身を守ったが、ティエリアは立ち上がっただけだった。 フェルトの目前で仁王立ちしたまま、怯えた視線で見上げてくる彼女に冷たい一瞥を投げかけた。 「そんな事を君に言われる筋合いはない。  今後余計な口出しをしようものなら、私が君を消滅させる。意味はわかるな?」 ぞっとするような冷笑を浮かべるティエリアに、一瞬身震いする思いに駆られたフェルトだったが、 まだ心は折れなかった。 目の前に隠すものなく晒されているティエリアの細い体躯は、とても戦士には見えない。 美しい細身のラインは自分と変わりないか弱い少女のようにしか見えず、 なぜか支配してやりたい気持ちが湧き起こってくる。 ゆっくりと視線を這わせ、ティエリアの全身を観察するフェルト。 薄い毛に覆われただけの割れ目から、ようやく膨らみかけたばかりのような乳房まで、 下からねっとりとした視線でくまなく見上げていった。 湯熱で赤く染まった白い肌が、たまらなく可愛く見える。 妙な気配に勘付いたティエリアが、らしくもなく赤面し、半身になって体の前面を隠そうとした。 意地悪い気持ちを昂ぶらせて、フェルトがティエリアの腰を両手で掴んだ。 「な…!」 ティエリアが焦りを隠せずに短く叫ぶのが本当に心地いい。 足を肩幅に開いて、堂々と仁王立ちしていたのが裏目に出た。 座ったままのフェルトからは、ティエリアの女性器は完全に丸見えだった。 視線を感じたティエリアが慌てて足を閉じようとするのを、 太ももをこじ開けるように手を移動させて、阻止した。 腕の力で更に股が開き、まだ綺麗な陰唇がぱっくりと開き、ピンクの膣穴がはっきりと見える。 「ふうん…。機械の癖に…体液はちゃんと出るんだ…。もう濡れてる…」 一見した所、ティエリアのそこはまるで興奮の兆しなどないように思えたが、 フェルトは薄笑いを浮かべて、あえて嘘を言った。 「く……!」 意外にも、ティエリアは言葉の意味を知っていたらしい。 ぱっと顔を紅潮させて、ぷいと横を向いてしまった。 幼さを色濃く残す仕草なのに、それがますますフェルトを不安にさせる。 (……。可愛い…。こんな感じでロックオンにこの子が迫ったら…) 女の自分でさえ、今の仕草でぎゅっと抱き締めたい気持ちになってしまった。 (それに…ティエリアの裸…。めちゃくちゃ綺麗…) これを見てしまったら、ロックオンは一発で陥落してしまうだろう。 抑えきれない嫉妬が、めらめらと湧きあがってきた。 ティエリアを汚してやりたくて仕方なくなる。 フェルトはもう、我慢できなかった。 指をそっとティエリアの股間にあてがい、膣穴をなぞるようにゆっくりと動かした。 「ぁ…っ!」 ティエリアが想像以上の可愛い声を小さく出し、目を細めて体を震わせた。 いつもの高圧的な態度と反比例して、そんな仕草がますます可愛いとしか思えない。 悔しさと興奮が入り混じり、フェルトはできるだけ冷静に行為を続けた。 数回、膣口をほぐすように指を這わせると、中からたっぷりと愛液が滲み出てきた。 「ん…っ、は…っ、やめ…っ」 ティエリアは本能的な快感に、逃げ出す事も忘れたかのようで、体を震わせながらも 大人しく責めに耐え続けている。 「すごい濡れてる…。気持ちいいんだ…」 低い声で囁くと、ティエリアが今更抵抗してきた。 「うるさ…い…!あくっ…、…私にさわる…な…!」 「ねえ…?誰かとした事…あるの…?」 無視してフェルトが入り口を軽くほじりながら、聞いた。 「ん…っ、何…を…だ…」 「何って…。今してるようなこと…」 「あるわけな…い…、あ…っ!やめろ…っ」 フェルトが指の動きを一段と速めて、入り口を素早く擦った。 指が膣口に当たる度に、どんどんと面白いほど愛液が滲み出てくる。 ティエリアの息が休息に乱れ、堪らず後ろの壁にもたれかかって快感に耐えた。 開いている足が、更にゆっくりと開いていく。 フェルトが指をもう1本増やして広範囲を擦り上げながら、 出た愛液をもう一度塗りこむように、入り口を丹念に責め続けた。 (した事ない…。そうなんだ…。ロックオンともまだ…。良かった…) とりあえず安心したフェルトだったが、ここで手を抜くわけには行かない。 ティエリアを性的に支配してやれば、今後あらゆる意味で優位に立てるのは間違いないと思われた。 指にたっぷりと愛液をなすりつけて、わずかに勃ちあがったクリトリスをぐいっと押しつぶした。 「あはぁっ!!」 膣入り口の鈍い快感と違う、鋭い快感が走ってティエリアの腰が跳ね上がる。 素早く左右に指を動かしてクリトリスを擦ってやるフェルト。 「あっ、やっ、やっ、あっ、んっ」 荒く息を乱しながらも、指の動きに合わせて短く喘ぐ声が浴室に響いた。 勝った…。 フェルトはほの暗い優越感を感じながら、質問をはじめた。 「ねえ…。まだ聞きたいことが…あるの…。ティエリア…、好きな人…いる…?」 「好き…な…ひ…と?あ…っ!」 「そう…。他とは違う…、特別な人のこと…。  心が締め付けられたり、あったかくなったり…、一緒にいたいとか…思う人の事…」 丁寧に説明されて、快感に目を細めながらも、ティエリアが思い当たる人物を検索し始めた。 そもそも今のティエリアに、まだ恋愛感情など分かろうはずもない。 それでも、今のところ他の人間とは違う、特別な人物と言われたら…。 「ロ…、ロックオン…の事…か…?」 返答に、フェルトは愕然となった。 無表情で指を離し、シャワーノズルを掴んでティエリアの股間に押し当てる。 「違うよね…?ティエリア…、人間じゃないもの…。そんな人いるわけない…」 人でないあなたがロックオンに想いを寄せるなんて、絶対に許せない…! フェルトが蛇口を一気に捻った。 ノズルから激しく飛び出した湯が一塊になって、ティエリアのそこに容赦なく当たった。 「あああっっっ!!!」 クリトリスに、膣穴に、陰唇に水塊がくまなく当たり、しかもひとつひとつの水滴が細胞単位で快感を高めていく。 複雑な快感でティエリアは何も考えられずに、ただ喘いだ。 フェルトがノズルを色々動かして、当たる位置と水圧を変える。 それがまた何とも言えない快感を与えていく。 「あんっ、あんっ、ああっ、あんっ、あんっ!」 大きく声を上げながら、短時間にも関わらずあっけなく絶頂間際まで追い込まれてしまった。 「ティエリア…。好きな人なんて…いちゃいけないの…。あなたは人間じゃないんだから…。  こうやって気持ちいい事だけしてたら満足な、そういう存在なんだから…」 「あうっ、あんっ、やぁっ、何…言って…、あんっ、も…だめ…んっ」 「イクんだ…。機械の癖に…。変なところだけ人間ぽいんだから…」 フェルトが呆れたように呟いて、性器を掠めるように湯の方向を調整した。 高まっていた快感が急速に萎んで、ティエリアが潤んだ瞳で抗議の視線を向ける。 「何見てるの…」 意地悪く見上げるフェルトだったが、その口調は視線よりもはるかに意地の悪いものだった。 何か言いたげに、ティエリアがすねたように唇を尖らせる。 フェルトが咎めるように、クリトリスに直に当たるように、ノズルを動かした。 「ひゃあっっ!!それ…っ!!」 一瞬で歪んだティエリアの艶っぽい表情を苦々しく感じながら、フェルトがまた水を急所から外した。 「くう…っ、なん…で…っ!」 欲求不満のティエリアが、堪らずノズルを掴んで自分で気持ちいい所に押し当てようとするのを、フェルトが止めた。 ティエリアが懇願の目付きで睨んでくる。 あえて冷たい口調で貶めるように聞いてやるフェルト。 「どうしたいの…、ティエリア…」 「んく…っ、べ、別に…あはあ…んっ!!」 言葉を切るように、再びクリトリスにノズルを押し当てる。 ティエリアが快感に身をよじって間もなく、再び脇に水圧を外してやった。 あまりの仕打ちに、ティエリアの潤んだ瞳には、快感とは違う混乱の涙が浮かんでいた。 「ちゃんと言って…。イキたいんでしょ…?言ったらイカせてあげる…」 こんな状態でも、いやむしろこんな状態だからこそ、プライドの高いティエリアは、やはり悔しいのだろう。 ひくひくと涙を流してしゃくりあげてしまった。 泣き方さえもこんなに可愛いなんて…許せない…。 「なんで泣く必要があるの…?しょうがない子…。でも、ちゃんと言わなきゃだめ…」 フェルトが無情な言葉を吐きながら、もう一度陰部にノズルを押し当ててやった。 「ああんっっ!!」 せっかく得た快感だったが、フェルトはまたすぐに水を外してしまう。 遂に我慢できずに、ティエリアは唇を噛みながらも、欲望に負けてしまった。 小さい声で、仕方なく呟いた。 「イキ…た…い…」 「え?聞えない…。もっとはっきり言わなきゃ…ダメ…」 「イキたい!イカせろ!」 開き直って大声で言い放ったが、フェルトはまだティエリアの望みに応じようとはしなかった。 「早くしろ…!」 苛立つティエリアを試すように見つめて、フェルトが言った。 「……。好きな人…。特別な人なんて、いないよね…、ティエリア…?」 「何のことだ。何でもいいから早くしろ…!あんっ!」 フェルトがまたシャワー水をクリトリスに当ててきて、高圧的な言葉が一瞬で喘ぎに変わった。 わざと急所を外すかのような絶妙な角度で位置を調整して焦らし続けるフェルトに、堪らずティエリアが叫んだ。 「早く…、早くしろ…っ!も…我慢できない…!」 「じゃあ、言って。人間…。あたしたちに…特別な事は求めないって。  ロックオン…と仲良くならないって…」 「く…、わか…った、私は…、誰にも期待…しない…からっ、早…く…っ」 「……。絶対…約束破っちゃ…駄目よ…。いいよ…。イカせてあげる…」 ティエリアの言葉を聞いたフェルトが、更に蛇口を捻って水圧を激しくし、 ティエリアの性器全体に当たるようにノズルを押し当てた。 「ああああっっっ!!」 待ちわびた快感で、ティエリアが叫ぶ。 フェルトの手を振り解いて自分でノズルを掴み、自分の好きな角度で水圧を楽しみ始めた。 「ああんっ、ああっ、ああっ、いい…っ!」 ノズルを股間に押し当てて快感に咽ぶティエリアをじっと眺めたまま、フェルトが呟いた。 「気持ちよさそうね…。ティエリア…。こういうの、好きなんだ…私が…見てるのに…」 「う…、うるさ…ああっ、ああんっ」 ティエリアが大きく足を開き、近距離でクリトリスに当たるようにノズルを固定して動かなくなった。 首を大きく反らして、焦らされ続けた快感を思う存分味わう。 ティエリアの体が限界寸前でヒクついているのを、じっと見つめるフェルト。 他人の絶頂を見るのは、初めてだった。 「も…ダメ…、あうっ、あっ、イ…ク…、イクぅぅっっ!!!」 一声大きく喘いでティエリアが背筋を反らし、やがて脱力してバスタブにしゃがみこんだ。 出しっ放しだったシャワーのせいで、湯が思いのほか深く溜まっていて、 ティエリアの体が沈みこむと同時に派手な水しぶきをあげて、浴槽から溢れ出してしまった。 出っぱなしのシャワーを、フェルトが止めてやる。 絶頂の余韻を味わっているティエリアには、少女よりも女の艶っぽさが漂っていた。 ティエリアの高まりをつぶさに見てきたフェルトの股間もまた、疼いて仕方なかった。 自分も気持ちよくなりたい。今となってはタブーは一切感じなかった。 立ち上がってバスタブの縁に足を掛け、ティエリアに見せ付けるように性器を晒した。 ティエリアがぼんやりと見つめてくる視線で、じゅくっと愛液が滲み出るのが感じられた。 「見てて…。ティエリア…」 ゆっくりと指を股間に持っていく。 膣に指を這わすと、そこは湯とは違うもので既にたっぷりと潤っていた。 ゆっくりと割れ目を前後に擦り上げると、緩い快感が走った。 ティエリアの目がそこに釘付けになり、視線で欲情がどんどん高まっていく。 「あん…、ティエリア…、気持ちいい…から…見てて…」 言いながら割れ目を擦り、開いた片方の指で乳房を揉みあげる。 自分で乳首をはじくと、鋭い快感が走った。 剥き出しの陰部からは滴り落ちた愛液が太ももを伝っていく。 ティエリアの視線にも興奮が混じり、一度整ったはずの呼吸が再び性欲の昂ぶりで乱れ始めた。 女同士だという事は関係ないほど、淫靡な雰囲気が漂う。 ほとんど無意識でティエリアが動いた。 「あふっっ!」 クリトリスに吸い付かれて、フェルトが小さく嬌声を洩らした。 舌先でクリトリスを2,3度掠めるように刺激すると、フェルトが淫らに喘ぎながらティエリアの髪を掴んできた。 ティエリアの舌にそこを押し付けるように、腰を淫らに動かすフェルト。 14歳の彼女に性交の経験などあるはずもなかったが、ほとんど本能的な正確さで、快感を得る方法は知っていた。 「あ…んっ、いい…。すごく…。ティエリア…、あぁ…」 ただでさえ普段無口なフェルトの、今まで聞いた事もない声が浴室に響く。 舌にクリトリスが前後する度に、じゅくっという粘着音が響いた。 下半身を責められながら、フェルトが片手で自分の胸を揉み上げる。 発育過多なほどの乳房が、舌先まで届きそうなほど形を変えて持ち上げられた。 膣からは新しい愛液が次々に漏れ出てくる。 すぐ下方の湯から立ち上る湯気と、動く度にいやらしく鳴る水音が、フェルトの体まで火照らせているようだった。 フェルトの体の水滴ごと舐め取るように、ティエリアは太ももの下の方から舌をべっとりと這わせて、滴る愛液を舐め取った。 「は…」 随分敏感になっているらしいフェルトは、それだけで太ももをぴくぴくと痙攣させてがくがくと足を震わせた。 ティエリアが下から持ち上げるように片方の太ももを抱え上げ、特に迷う事もなくフェルトの体のほぼ真下に潜った。 顔を真上に向けてそこを眺めると、ぱっくりと開いた膣内から誘うような肉壁が見えた。 ぬらぬらと光る愛液がそこをますます卑猥に見せている。 舌を突き出しながら、膣口へと舌を伸ばす。 舌が熱いそこに触れた途端、声にならない声があがって、ティエリアの髪を掴むフェルトの腕に、力が込められた。 中にめり込ませるように素早く舌を前後させると、溢れ出した熱い愛液が逃れようもなくティエリアの口中に流し込まれた。 「あんっ、あはっ、ああっ、うそ…っ、あふっ!」 フェルトの腰は揺れっぱなしで、押し付けられる度に呼吸が遮られて苦しくなるが、 彼女の淫らな声を聞きながら、ティエリアは舌を遣い続けた。 「あんっ、ティエ…リア…ッ…!も、ダメ…、イキそ……」 ティエリアの痴態を眺め続けて、火照っていたフェルトの体は、早くも限界を迎えようとしていた。 言葉どおりに太ももは痙攣し、膣口に這わせる舌にも内部の熱さが伝わってきた。 許可の言葉の代わりに、ティエリアは舌を更に押し付けて、膣口からクリトリスまでを素早く乱暴なほどの強さで舐め回した。 堪らず両手でティエリアの頭を強く掴むフェルト。 すぐに限界が訪れた。 「あっ…、あっ…、ダメ…、だめぇぇえ!!!」 フェルトが腰を跳ね上げて、しばし硬直して絶頂を味わう。 一気に愛液が噴出して、ティエリアの顔一面を覆うほどに溢れ出た。 太ももを支えてやっていた腕を放すと、すぐにフェルトが屑折れた。 またしても派手に水滴が飛び散る。 自分の行為で達したという事実のおかげで、目の前で荒く息を吐くピンクの髪の少女に、 不思議なほど自然な親近感を覚えた。 「……気持ち良かったか…?」 ごく自然に問い掛けられて、フェルトがこくんと頷いた。 もう意地の悪い気持ちは消えていた。 「ティエリアも…気持ち良かった…?さっきの…」 「……ああ」 素直に答えたが、水圧での快感を思い出して、またじゅんと下腹が熱くなる。 フェルトが上気した顔のまま、うっすらと目を開けてティエリアの顔を正面からまじまじと見つめた。 目と目が合ったかと思うと、不意にフェルトが軽く吹き出した。 「何がおかしい…?」 急に恥ずかしくなって不機嫌に言うティエリアに、フェルトが訥々と語り始めた。 「違うの…。ごめんね…。可笑しかったわけじゃないの…。想像…しちゃったの…。  私たち…、ここじゃない所で出会ってたら…どうだったかな…って…」 「例えば、地上とか、か…?」 「うん…。普通に学校行ったりして…、部活とかで一緒になったり…、  もしかしたら飛び級して同じクラスになったり…」 話しながら、フェルトの視線が遠くを見つめるように切なげに細められて、 釣られてティエリアも同年代の人間の日常生活を、精一杯想像してみた。 自分とはまるで関係ない世界の事だと思ってきたが、フェルトの顔つきを見る限り、 その世界が何にも替えようのない、きらきらしたまばゆいもののように感じられて仕方ない。 「……。普通の暮らしがしたいのか…?」 ティエリアの問い掛けに、遠くへ行っていた意識が急に戻ってきたかのように、フェルトが真顔に戻った。 今更そんな事は考えても仕方のない事だという事は、誰よりもフェルト自身が分かっている事だ。 「…まさか。でも、ちょっと…思っただけ…。  地上で普通の女の子として出会ってたら…案外いい友達に…なれたかも…って…」 ティエリアもフェルトもお互いにこういう事を話す柄ではないが、 行為の余韻のせいか、何となく心が通い合う感じを、二人とも感じていたのは確かだった。 「…そうだな」 思いがけないティエリアの言葉に、一瞬驚いたフェルトだったが、 ロックオンの事が頭を掠めてまたしても冷静でいられなくなった。 やはり、こんな素直さでロックオンに近寄られたら、堪らない。 親友同士のような率直さで、最後の釘刺しに向かうフェルト。 「……。ティエリア…。私…、ロックオンが好き…みたい…。  だから…、ロックオンに…近寄らないで…。約束…して…」 もともと恋愛にルールなどない上、心を縛る事など出来もしないが、 あえて強引に線引きをしようとするのは、やはり少女らしい身勝手さ故かも知れなかった。 しかしこの時のティエリアはまだ、フェルトの言いたい事が理解できなかった。 「…近寄るなと言われても、それは不可能だとしか言いようがない…。  私は彼に一度助けられたのだから、今度は私が守らないといけないからな…」 「それならそれでいいけど…、その…さっきのような事…、絶対しないで…」 「……?彼がしようとしなければ、私からするような事はない」 淡々と答えるティエリアに、フェルトの苛立ちが募っていく。 「ロックオンがしたがっても、絶対に駄目…。抜け駆けしたら…許さない…。  ティエリアがしたいなら…私がしてあげるから…。いいよね…?」 「……」 「約束…ね」 ティエリアが返答に困っているのをいい事に、フェルトは勝手に約束を結んでしまった。 「もう…出よう…」 一安心して、フェルトが湯船から出ようと体を動かした。 狭い浴槽内で、フェルトの足の指が思いがけずティエリアの股間をかすった。 「あ…っ!」 一度達したそこに再び快感が走って、ティエリアが小さく呻くのをフェルトは聞き逃さなかった。 もう一度バスタブに座り直し、足を伸ばしてティエリアの陰部を軽くまさぐると、 ティエリアの顔がすぐに紅潮し、息が乱れ始めた。 「あ…ん…っ!や…っ、はな…せ…っ、あ…っ…!」 鈍感な足指とは言え、湯の中でもティエリアのそこが潤いはじめたのが分かる。 フェルトが更に指を小刻みに擦りつけた。 水面が妖しく揺らめいているのは、フェルトの足の動きのせいだけではなかった。 「……したいんだ…。もう一回…」 フェルトの言葉に従うように、ティエリアの足も受け入れやすいように徐々に開いていき、腰が僅かに揺れている。 硬くなったクリトリスをくいっと強めに刺激してやると、 ティエリアは簡単に反応して、大きく口を開けて気持ち良さそうに喘いだ。 フェルトが嫣然と微笑んだ。 「いいよ…。してあげる…。その代わり…、ロックオンに近寄らないで…。  何かあったら…ちゃんと教えて…。いい…?」 苦しげに目を細めたままで、こくこくとティエリアが頷いた。 フェルトが足責めを中止して、きゅきゅっと手の指でクリトリスを小刻みに擦りあげた。 足とは違い自由自在に動く指が、簡単にティエリアを追い立てていく。 「あふっ…!あ…っ、あ…っ!はう…っ!!」 2本の指でクリトリスをきゅっと摘んでやると、びくんと水面を揺らしてのけぞった。 「そんなに気持ちいいんだ…」 摘んだまま、もう片方の指で勃ちあがった芽を素早く擦ると、か細く喘いでティエリアの足が一際大きく開いた。 「…立って…。立てるでしょ…、ティエリア…」 フェルトの指示に必死で従い、ティエリアが震えながらも何とか立ち上がった。 がくがくと震えている膝小僧が可愛くて仕方ない。 思わずぺろりと舐めてやると、ティエリアの腰があっけなく折れてしまった。 座り込もうとしたティエリアだったが、後ろの壁に尻が当たり、膝を屈折した不自然な体制ながらも、 何とか立ったままで我慢した。 フェルトがさっき自分がされたように、下から片方の太ももを持ち上げて足を開かせ、 そのままバスタブの縁に足を乗せた。 ティエリアの陰部が隠すものなく晒された。 剥き出しのクリトリスは既に赤く充血し、はっきりと勃ち上がっている。 硬く意思表示するそこを指で擦る。 「いた…っ!」 小豆大にまで膨らんだそこは、敏感になりすぎてもはや指では痛みしか伝えないようだった。 代わりに、フェルトが舌を伸ばす。 べろんと大きく舐めあげると、今度は期待通りの反応だった。 そのまま舌を丁寧に這わせ、硬質な芽を根元から堀出すかのように転がし続けた。 「あんっ!あ…っ!あふ…、あっ…!」 ティエリアの嬌声がどんどん大きく、絶え間ないものになっていく。 愛液が、誘うように膣口から滴り落ちていった。 フェルトが舐め続けたまま、人差し指を膣口に押し当てた。 そのまま何の断りも入れずに、指をずぶずぶと侵入させていく。 はじめての異物感は、クリトリスの快感に紛れて弾け飛んでしまった。 それでも何かに押し広げられる異様な感覚で、ティエリアが下を覗き込む。 フェルトの舌が股間を這う淫らな光景に更に情欲を掻き立てられながらも、 その向こうで、フェルトの指がしっかりと自分の体内に納まっているのが視認できた。 想像以上の光景に思わず息を呑むティエリアだったが、すぐに指が動き始めると、 初めて知る内部の快感で完全にとろけてしまった。 「は…あ…、あぁっ、あぁっ、あ…っ!」 指の出し入れに応じて、喘ぐ声が絶え間なく響く。 クリトリスだけの時よりも、深い快感を感じる。 それをちゃんと知っているのか、フェルトがあえてクリトリスへの責めを緩やかなものに代えて、指の出し入れに集中した。 溢れ出る愛液が指に絡み付いて、どんどんスムーズな抜き差しが可能になっていった。 「ああっ、んっ、あんっ、ゆ…、指…なの…か…?」 「そう…。指が入ってるの…。ティエリアの中に…。 すごいよ?中がぎゅうぎゅう締め付けてくる…。 ティエリアの中…、すごくあったかい…」 指が抜き差しされる度に、体がどんどん熱くなり快感が高まっていった。 縁に1本掛けているとは言え、ほとんど片足だけで体重を支えている故に、膝ががくがくと震え始めた。 「あ…っ、も…立って…られない…!フェル…ト…!」 フェルトが指を入れたままで全ての動きを止めた。 確かに膝は今にも崩れ落ちそうなほど痙攣し、太ももまでひくひくと震えている。 「仕方ないな…。じゃあ…、後ろ…向いて…。そう…。壁に手を付いて…」 壁に手を付いて尻を突き出す淫らな体位の指示にも、ティエリアは素直に従った。 一度抜かれた指が、再び入ってきた。 「あう…っ」 内壁を押し広げられる快感で、ティエリアが腰を跳ね上げる。 「すごいよ…。さっきよりももっときつくなってる…。もう1本、いけるかな…」 フェルトがもう1本、こじ入れようとしたが内壁の想像以上の抵抗でそれは断念せざるを得なかった。 「処女…なんだ…。ティエリア…。本当に…」 改めて確認するかのような,フェルトの声が後ろから聞えてくる。 顔が見えないために、余計に恥ずかしさが募った。 「早く…しろ…!」 思わず叫んだその言葉が、快感をねだる言葉そのものにしか捉えてもらえないだろう事に気付いて、 ティエリアが真っ赤になった。 「あっ!今、きゅって締まった…。ふふ…。いいよ…。してあげる…」 フェルトがゆっくりと指を出し入れしはじめたのが分かる。 膣壁を擦られる度に、体内に快感が充満していった。 「ああん、あっ、あっ、うく…っ!」 声を出さないようにしようと思っても、無駄な試みでしかなかった。 それどころか自分の嬌声に混じって、溢れ出た愛液と指が擦れあう卑猥な粘着音まで耳に届く。 フェルトの指がどんどん早く動き始め、容赦なく体が昂ぶっていく。 無意識状態で尻が高く持ち上がっていくのに、ティエリアは全く気付かなかった。 動かしやすくなったおかげで、フェルトが更にスピードをあげて膣内を擦っていく。 たっぷりとほぐされた膣内は、もう一本の指を受け入れるには十分なほど、開いていた。 「ああんっっ!!」 人差し指に沿わせて、中指まで押し入ってきた。 冷たい壁に顔を押し当てて快感に耐えるティエリアに容赦なく、指の抽迭が加えられた。 2本の指が狭い膣壁を押し広げながら、敏感な所を余す事無く刺激していく。 処女ゆえに、その刺激だけで体が満杯になり、堪らずティエリアが涙を流した。 「あぁっ、あぁっ、ひくっ、あんっ、ああっ!!」 喘ぎにすすり泣きが混じる。 気持ちいいのに切なくて堪らなかった。 「泣いてるの…ティエリア…。だいじょぶ…。イカせてあげるから…」 察したフェルトが、開いた手を前に伸ばしてきた。 すすっとクリトリスを擦られて、もう我慢できなくなってしまった。 ティエリア自身も本能のまま腰を僅かに振り立てて,最高の快感を貪った。 「あうっ!ああっ!ああっ、また…イク…!!フェル…!」 「いいよ?イッて?ティエリア…」 フェルトが指に力を込め、内壁を深く抉りながら出し入れを速めた。 腰が限界まで高く持ち上がっていく。 膣壁が一気に収縮して、フェルトの指を締め付けた。 「あああんんんっっっ!!!」 大きな声を上げて、ティエリアが絶頂を迎えた。 同時にフェルトが指の動きを止め、埋め込んだままで内部の熱を味わった。 どくんどくんと収縮を繰り返す膣壁の波が収まってもなお、余韻を逃したくないかのように、 指をきつく締め付けたままのティエリアだった。 行為が終わって初めて、まるで引きちぎられそうなほどの締め付けだった事に、ようやくフェルトは気付いた。 ゆっくりと指を引き出すと、じゅくっと言う音と共に大量の愛液が溢れ出て糸を引いた。 背中を向けたまま、まだ尻を突き出したままのティエリアのそこが、指を受け入れていた形のままでぱっくりと開いている。 荒く息を吐き続けるティエリアが人外の存在だという事は、完全に忘れ去ってしまっていた。 洗面器を取って湯を掬い、後ろから優しく湯を掛けて汗と体液を洗い流してやる。 ティエリアがようやく落ち着いて振り返った。 けだるい沈黙が続いたが、決して不快なものではなかった。 「出よっか…」 フェルトの言葉に軽く頷いて、ようやく二人は湯船から出た。 その後、なぜか離れる気にはなれずに一緒に食事をした上、 その夜は一緒のベッドで、抱き合うように寄り添ってゆっくりと眠った。 スメラギ達クルーは、ほぼ同年齢の少女二人がようやく打ち解けた事を微笑ましく思い、また安堵したのだった。                                     <終わり>