ティエリアが部屋に入ると、リジェネは床に寝そべり、薄手の本を真剣に読み込んでいた。 「ティエリアか…。今日はリボンズはいないんだね。二人きりか」 扉の傍に立ったままのティエリアを頭だけで振り返り、リジェネが淡々と答える。 いつもはティエリアを見た途端に、からかうチャンスを探る事に邁進するリジェネなのだが、 今は余程真剣に読み込んでいたのか、ティエリアが近づいて行っても真顔のままで表情を崩そうともしない。 「一体何を読んでいるんだ?リジェネ」 訝しげにティエリアが尋ねると、リジェネは再び本に目を落とした。 ティエリアに本の内容を教えるべきか否か、どこか迷ったような雰囲気が漂っている。 こういう態度もまた、いつものリジェネには考えられないものだった。 どうにも、腑に落ちない。 ティエリアが眉をひそめて屈み込み、文面を追おうと目を凝らす傍から、 リジェネは本を独り占めするかのように、さっとティエリアの視界から外してしまった。 ティエリアの頬がむっと膨れる。 別にリジェネが何を読んでいようとたいした興味はないが、露骨に隠されると気分が悪い。 「見せてみろ」 高圧的に言い放って、ティエリアはリジェネにほとんど覆い被さるようにして、本に手を伸ばした。 「ダメ!!!」 リジェネが聞き分けのない子供のように叫んで、本を体の下に隠し、 宝物を守るかのようにぎゅうっと抱きかかえ、ティエリアをじろりと睨み付けた。 「ティエリア、この本は君にはまだ早いよ。君、すごく子供だもの」 まるで自分を小馬鹿にするかのようにリジェネが発した言葉に、ティエリアはむっとすると同時に呆れた。 自分が子供のような仕草を見せている癖に、人を子ども扱いするとは何事か。 「君に言われたくはないな。子供は君の方だろう。 僕はもうすぐマイスターとして活動をはじめるんだぞ。君とは違う」 よどみなく言い返すティエリアの顔を、リジェネは試すようにじっと見つめた。 冷たさを帯びたリジェネの紅い瞳に、一瞬腹黒い悪巧みのようなものが走ったような気がして、 ティエリアの背中に冷や汗が滲む。 リボンズの目をかいくぐっていつもリジェネには裏をかかれ、好きなようにいたぶられて来たのだ。 酷い時には生死の境さえ、垣間見たこともある。 最近ましになってきたとはいえ、悪戯に満足に手加減も加えないのは、 リジェネの精神がやはり幼いからなのだろう。 だからこそ、最初にヴェーダに選ばれておきながら、 結局マイスターとしての立場をティエリアに奪われる事になったのだろう。 だが、その事さえリジェネは特に悔しくも思っていないらしい。 むしろ戦闘に明け暮れるマイスターなどより、高みから戦局を覗き、 その変動を愉しむ事が可能な今の立ち居地を喜んでいるらしい。 それがどうにもティエリアには理解できない。 完全な相似型の肉体を持ちながら、リジェネの腹が全く分からない。 ただ幼い、というのなら話は簡単なのだが、もっと深い野心のようなものが リジェネの中には眠っているような気がして、ティエリアは気が気ではないのだった。 今だって、何を隠しているのか分かったものではない。 もしかして、リボンズにさえ知らせていない、世界を混乱に陥れる禁断の書物なのではないか――。 どうしても疑いが晴れず、ティエリアは乱暴にリジェネの体の下に手を差し入れ、本をむんずと掴んだ。 「見せてみろ!」 「……っ!」 リジェネが不満げに唸る。 いつも見下しているティエリアにやり込められるのは本意ではない。 逆襲しようと拳を握り締めた瞬間、全く違う考えがぽんっとリジェネの頭に煙のように浮かんだ。 くすりと勝手に頬がほころぶ。 無闇に意地を張るよりも、新しく思いついた考え、こちらの方がはるかに素晴らしく、面白い。 リジェネが腹を浮かせると、ティエリアの手が本を簡単に引きずり出した。 ティエリアが本の表紙に目をやると同時に、リジェネは被せるように本のタイトルを口にした。 「『はじめての性教育』…。人間の小学校で、教師用に配布されているものだよ」 ティエリアの顔を見つめ、にやりと笑いながら話すリジェネの言葉には、 明らかに卑猥な響きが濃く混じっている。 だがタイトルを聞いてもなお、ティエリアは顔色一つ変えようとしなかった。 「性…教育…?なんだ、それは?重要な事案なのか?」 きょとんとして聞き返し、ぱらぱらと中身をめくってみてもなお、ティエリアの表情は変わらなかった。 まるで理解できていないのだ。 さすがに可笑しくなって、リジェネはぷーっと噴き出した。 ティエリアが咎めるように睨み返してくるのを手で制して、リジェネは笑いながら弁明した。 「いや、ごめんごめん、君があんまり子供だから、つい」 「だから、君に言われたくはない。君が余りに幼稚だから僕が代わりに選ばれたんじゃないか」 リジェネの言葉を切るようにティエリアが語気を強めて言った。 まるで説教でもするかのような目で、リジェネをぐっと睨む。 リジェネが口を抑えて笑いを堪えた。 ティエリアが真剣であればあるほど、その大人ぶった態度と世間知らずな幼稚さのギャップが笑えて仕方ないのだ。 自分が幼稚な部分を持っている事は認める。 だが、知識に関してはティエリアよりはるかに多くの物事を知っている。 有意義無意味に関わらず、貪欲に知識を得ようとするリジェネと、 与えられた枠組みの中で使命を果たす事に忠実なティエリア。 それはきっとリジェネとティエリア、生まれもっての双方の性格の相違によるものに違いない。 やはりリジェネは、先ほど浮かんだ考えを、 どうしても無知なティエリアに試してみたくて堪らなくなった。 ティエリアの真横に座り、一緒に本を覗き込む。 そして本に描かれている、女性の生殖器の断面図に人指し指を沿わせ、 まるで現実に愛撫しているかのようにすりすりと紙面を擦った。 「ほら、これ…。クリトリス、膣、子宮って書いてあるだろう?人間の女の生殖器だよ」 リジェネの指先が、言葉での説明どおりに部分部分を指し示していく。 ティエリアの瞳が不思議そうに揺れる。本当に無垢なまま、何も知らないのだ。 楽しげに微笑みながら、裏腹にリジェネにはほの暗い感情が強まっていった。 ティエリアが白ならば、自分は徹底的に黒に。 ティエリアがマイスターになるのならば、自分は徹底的に策謀家に。 対であるという事は、つまりそういう事なのだろうとリジェネは思う。 ティエリアの肩にほとんど顔を乗せるようにして近づき、その無防備な耳元にそっと囁きかけた。 「この膣って部分を使って男とセックスして、精液を注ぎ込んでもらうんだよ。  そして、精子は卵子と受精して分裂を繰り返し成育し…、やがて子供が産まれる。  まあ旧世代の繁殖方法なんだけど…。それでも、やっぱり生命の神秘だよね」 指先をいやらしくくねらせ、くにくにと尺取虫の伸縮を思わせるような動きで絵図をさする。 少しでも知識のある者なら即座に性的なものを連想するかのようないかがわしい動きにも、 ティエリアはやはり顔色一つ変えはしない。 これがマイスターとして重要な知識なのかどうか見極めんばかりに、 黙ってリジェネの言葉に耳を傾けているのだった。 「うん、そうだよ。すごく重要な事だ。これから人間と暮らす君は、 いつ裸に剥かれてもいいように女に造られているよね。だったら、性の知識は必要不可欠だよ」 リジェネが心を読んだように言葉を続けると、ティエリアの表情がようやく変わった。 「本当か?」 「うん、もちろん」 ティエリアの目が、知識を吸い取る探求心に瞬間的に彩られる。 そして食い入るように絵図を凝視すると、説明文を熱心に目で追いはじめた。 「ペニス…、精液、……尿道……」 ぼそぼそと専門用語を口にして確認していくティエリアは、 その言葉の持つ真の卑猥さに全く気付いてはいない。 それでもページをめくり、男女の絡み合う交合図を目にした瞬間、その目が困惑したように揺れた。 見逃さず、リジェネが声を落として囁きつつ、交合図に指を這わす。 「そう。人間の男の勃起したペニス、これを女、つまり君の股間に付いている膣に挿入するんだよ…。 ペニスはそれだけでは射精できない。君の中に入ったこの太くて硬い物は、君の膣分泌液、 いわゆる愛液ですべりを良くしながら、君の中を何度も出たり入ったりして摩擦を繰り返す。  そして性的興奮をお互いに高め合い、最終的にまっ白く粘った熱い精液を君の深くに射精して、  セックスの完了ってわけさ」 まるで男のピストン運動のように指を小刻みにくねらせながら、 リジェネは誘惑めいた甘い語調でティエリアの耳元で囁き続けた。 説明が終わりに近づくごとにティエリアの息が心なしか乱れ、 体からは熱まで発散されているような気がする。 想像以上に露骨な反応に、リジェネは笑いを噛み殺した。 「そ、そうにゅう…?」 ティエリアが戸惑ったように呟く。 リジェネが声を更に低めて、欲情を煽るような響きを多分に含ませた口調でティエリアに囁き聞かす。 「そう。男のペニスを、君のあそこに突き挿すのさ。がっちりと、かみ合うようにね」 「……ッ」 ティエリアが露骨にごくりと唾を飲み込む音が、リジェネの耳にはっきりと届いた。 ふとティエリアの下半身に目をやると、股間を居心地悪げにむずむずとすり合わせている。 言葉と絵だけの僅かな教授にも関わらず、本能的にセックスの意味を悟り、 子作り名目以上の行為のいやらしさと、それから得られる快感を無意識的に予測しているに違いない。 (子宮が疼くという奴か…。哀れだね、女の体というのは) そう心の中で呟きながらも、実の所、リジェネの心に憐れみの感情は一切なかった。 恐らく初めての性的衝動をその身に感じ、 愛液でベタベタになっているであろうティエリアの陰部に、既に興味が集中している。 リジェネ自身は中性に作られているものだから、尚更好奇心は強まっていた。 「ティエリア、予行演習してあげるよ。いきなり人間の男にイノベイターの体を触らせるのは、  精神的にも肉体的にも良くない。そう思うだろう?」 耳元に口を寄せ、甘く囁きながらリジェネが耳たぶをぱくりと甘噛みする。 「ひゃう…っ」 その瞬間、ティエリアが声を堪えて唇を噛み締め、びくんと体を強張らせた。 リジェネが舌を伸ばし、耳の繊細な造形に沿わせてゆっくりと舐め上げていくと、 ティエリアの股間のもぞもぞが一際大きくなる。 抵抗する事さえ忘れてしまったかのように瞳を閉じ、体を震わせながらも 熱い舌に舐められるままになっているのは、ティエリアのマイスターとしての義務感か、 それとも体の欲求に逆らえないからか。 「まあ、どちらでもいいさ。君は女なんだから、こうなるのは仕方ないよね」 リジェネの囁きが、ティエリアにはヴェーダの囁きに聞こえた。 リジェネの息が耳に熱くかかる。拒絶心がみるみる押し込められていく。 そのたびに秘所が熱を持ち、下着まで張り付かせるほどの何かが溢れ出しているのを、 ティエリアははっきりと感じていた。 急に訪れた体の変化に、頭がついて行かない。 やがてリジェネの舌が首筋を這い回りはじめると、 悪寒に混じって、ぞくぞくと背筋を電流のようなものが駆け上ってくる。 「や…、やめて……」 ようやくティエリアが絞り出す様に一言呟いたが、 疼きを堪えるかのように太ももを必死ですり合わせ、 もじもじした態度では何の説得力もあろうはずがない。 ちゅっと音を立てて首筋を吸い上げられた時、ティエリアの口から飛び出たのは悲鳴ではなく、 「ふぁっ」という快感の喘ぎだった。 リジェネの舌の卑猥な動きに骨抜きにされるかのように、全身から力が抜けていく。 いつの間にか、リジェネの指がティエリアのズボンのベルトを外し、ボタンを外し、 ジッパーまで下げて行った。 これ以上好きにさせるわけにはいかない。 恥ずかしい、怖い、きっとこれは悪いことだ――。 色々な思考がティエリアの脳内を駆け巡ったが、リジェネの指がズボンの中にするりと侵入し、 下着の上から陰核を揉み始めると、瞬時にしてマイナスの考えは吹き飛んでしまった。 「ほら、ここだろう?ティエリア…?クリトリス。違ってるかい?」 リジェネが意地の悪い笑みを浮かべながら、肩口から股間を覗き込み、 くにくにと指で陰核を押し込んでは揉み上げる。 「んっ…、は…、んっ…」 ティエリアの声が唐突に裏返った。 もともと快感神経が密集している敏感な場所である。 たとえ下着越しでも、初めて得たクリトリスの快感は、ティエリアには強烈なものだった。 リジェネの柔らかい指遣いが、未開の場所を秒ごとに開発していく。 「あ…う…っ、リジェ…ネ…、そこ…、だ…め…っ」 「だめ?気持ちいいんだろう?女になら誰にでも付いてるいやらしい粒だよ?  なんでこんなものが付いているか、分かるかい?  気持ちよくなって女性器を潤し、挿入に備えるためだよ」 リジェネが言い聞かすように囁き、ティエリアの太ももをぐいと割り開いた。 脚が開くと余計に手が奥まで滑り込み、俄然触りやすくなる。 布越しに肉芽を突付き、指先に挟んで軽く扱き、敏感に火照った所を再び揉むようにやわやわと刺激する。 「んは…っ、はうっ…!やめてっ…、んんっ!!」 いつしかティエリアの頬は上気し、吐き出される息も熱く、荒くなっていた。 戸惑うように首だけを振ってせめてもの抵抗を試みるが、 とぷとぷと体の中心から熱い液体が漏れ出していくのを感じ、恥ずかしさが消えない。 「気持ちいいんだろ?」 耳元で幾度も囁かれるその言葉も、否定する事がどうしても出来ない。 確かにティエリアのそこには、ついさっきまで全く知らなかった妖艶な快感が生まれていた。 それどころか、ぐにぐにと柔らかく揉み込まれる度に快感が強まり、 もっと気持ちいい世界が広がっている気さえしてくる。 全身に微電流が走り、勝手に筋肉が緊張してピクピクと震え、 知らず知らずのうちに全身を更に敏感にしていくようだった。 これ以上触られると、自分が全く知らない誰かになってしまうような恐怖を感じた。 「リ、リジェネ…、もう…、やめて……っ」 息も絶え絶えに声を絞り出し、ティエリアはようやくリジェネの手首を掴んだ。 指の動きが止まると同時に、にわかに快感が遠ざかる。 なんとか開いた半開きの瞳に、自分のズボンの中にずっぷりと差し入れられた リジェネの白い手の平が飛び込んできた。 「や…っ」 急激に羞恥が募り、堪らずぎゅうっときつく目を閉じた瞬間、リジェネのもう片方の手が その隙を見計らったかのように、ティエリアのズボンと下着をずるりと太もも中ほどまで引き下げた。 「――――ッ!!!」 冷たい空気が秘所に当たった次の瞬間には、溢れ出した愛液が蒸れたような熱を発する。 ティエリアが足を閉じようとしたその矢先に、リジェネの指が秘裂を捉えた。 そのまますりすりと割れ目に指先を這わせて往復させ、 リジェネはティエリアのそこが処女とは思えないほどに濡れそぼっているのを指先で確認した。 「ほら、すごい濡れてる。分かるかい、ティエリア?」 しかし、その濡れ具合とは裏腹に、初めて膣粘膜を弄られたティエリアには、 内臓を直接擦られているような微妙な不快感が強い。 「ん、やだっ…気持ち悪い…っ」 リジェネの問いかけにぶんぶんと頭を振って否定し、 掴んだままの手首をきつく握り締めて不快感を伝える。 「気持ち悪い?そんなわけないじゃない」 ふふっと嘲笑しながら、リジェネの指がちゅくっ、ちゅくっと湿った音を響かせて、 何度も何度も入り口の裂け目を擦りはじめた。 膣――もともと摩擦で快感を得るために存在しているといっても過言ではない、淫らな女の部分。 しつこく裂け目を擦られ続けた結果、段々と膣口は刺激に馴染み、淡い快感さえ生み出そうとしていた。 「あ…、んっ、ぁ…、うそ…っ」 いつしか指の前後に併せ、ティエリアの声は乱れ出し、腰までが不安定に揺れ始める。 己の意志とは全く関係ない淫らな体の反応に、ティエリア自身が驚きを隠せなかった。 フン、と軽く鼻で笑って、リジェネはそんなティエリアに現実を教える為に、 彼女の指を秘裂へと導いてやる。 「嘘じゃないよ。自分で触ってごらん?」 指が膣口に触れた瞬間、驚いたように指先がびくんと跳ね上がった。 自らの痴態を信じたくないかのように、ティエリアの表情がくたあと悲しげに歪む。 だが、再び無理矢理に指先を膣口に押し付けられると、 もうそのとろとろに濡れた熱い愛液の存在を認めないわけには行かない。 「んく…、ううっ…」 ほとんど泣き出しそうなか弱い声を漏らし、ティエリアがきつく唇を噛み締めた。 初めての経験にも関わらず、こうも濡れそぼってしまった自分の体のいやらしさを 本能的に思い知っているのに違いない。 リジェネが今日一番、唇を淫猥に歪ませて笑った。 ティエリアの恥ずかしがる様、嫌がる様、悔しげな様はリジェネにとっては最高の玩具でしかないのだ。 まだこんな程度ではつまらない。 もっともっとティエリアで遊び尽くし、骨の髄まで愉しみをしゃぶり尽くしたい。 ある種の純粋な欲求だけが、リジェネを支配していた。 リジェネの手首を掴んでいたティエリアの手は、少し乱暴に手を振っただけで簡単に振り払われた。 「さあて。じゃあ、クリトリスを直接、触らせてもらうとしようかな」 リジェネは愛液をまとわりつかせてぬるぬるになった指先を、 ゆっくりとクリトリスへと押し付け、軽く震わした。 「ぁぁんっ!!」 それだけで鋭い快感が走り、ティエリアが息を吸い込んで体を硬直させるのが、 リジェネの嗜虐心を十分に満足させた。 「行くよ、ティエリア」 「んんっ、ああっ!!!あぁぁっっ!」 宣告と同時に、リジェネの指が前後にくねくねと動き出す。 既に敏感にされて尖った処女の肉芽を、遠慮なくぬるぬると擦り上げられて、 ティエリアの全身に凄まじい快感が走った。 直接急所を嬲られる感覚は、布の上からのそれの比ではない。 「ああっ!あぁんっ、あっあっ!あぁんっ!!」 指が擦れる度に淫らな声が勝手に迸り、腰がガクガクと震え出す。 何度も愛液が奥から滲み出て、とろりと尻の方まで滴っていった。 生まれて初めての直接的な陰核の快感は、一瞬で虜になってしまいそうな程に強烈なものだった。 まだ太ももに絡みついているズボンと下着を一刻も早く脱ぎ去り、 自ら大きく脚を広げて、この快感を余す事なく受け止めたい気持ちにさえ陥ってしまう。 「ティエリア、すごく感じてるね。これがクリトリスだよ。気持ちいいだろう?」 「あうっ、ふあっ、んっんっ!う、うんっ、き、きもちいいよぅっ…!」 リジェネの問いかけにこくこくと首を振り、もっともっととねだるように 自ずから腰を押し付けるティエリアは、もはや完全にリジェネに屈していた。 リジェネが緩急を付けてティエリアを焦らすと、 ティエリアは自分で腰をくねらせて指に押し付け、快感を貪り尽くす。 事前知識が皆目なかった事が、ティエリアをこうまで淫らにさせたのかもしれない。 紫の髪が卑猥に揺れて肩に落ちる光景をぼんやりと見つめながら 指を小刻みに動かし続けていると、その単純な責めにリジェネの方が早くも飽きた。 クリトリスから指を離し、ティエリアの不満げな視線を感じながら、リジェネは彼女の脚の間に座った。 ズボンに手を掛けると、ティエリアが快感に呆けた目でぼうっと見下ろしてくる。 その瞳に抵抗の意志はまるで見えない。 むしろ手の掛からない良い子のように、ティエリアは自分で腰を浮かせ、 はやく脱がせるように促してくる有様だった。 それほどまでに快感に夢中になっているのだ。 中性のリジェネには、それほどの快感はどう頑張っても得られはしない。 そこはかとない嫉妬心を感じながらも、自らの好奇心を優先させて、 リジェネは意地悪い笑みを見せつけながら、下着ごとズボンを脱がせていった。 ようやく下半身が自由になると、ティエリアの太ももが所在なさげにか細く震えた。 開けばいいのか閉じればいいのか今更迷っているかのようだったが、 リジェネが左右に大きく押し開いていくと、素直に応じて脚を開く。 「んう…っ」 それでも一瞬だけ、ティエリアの瞳に羞恥が強まったのが印象的だった。 すぐにリジェネの目の前に、完全に濡れそぼり、 処女にも関わらず、ぱくぱくと口を開け閉めする卑猥な膣口が現れる。 「やらしいね、ティエリア。処女の癖にこんなに欲しがるなんて」 くすっと悪戯っぽく笑って口だけで咎め、リジェネは人差し指をゆっくりと膣口にあてがった。 最初触れた時より、もっと熱い。 潤み切った膣肉の誘惑というものに、中性の身でありながら、 奇妙なほどに興奮を覚えずにいられなかった。 この美しいイノベの処女壁が咥え込む第一号が、たとえ指とはいえこの僕なのだと思うと、 思わず笑い狂いたいほどの優越感が満ちてくる。 「ほら、ここが膣、だよ。線にしか見えないけど、孔になって子宮まで繋がっているんだ」 秘唇を片方の指で開き、完全に露わになった挿入口に指先を軽く突き挿すと、 ティエリアの腰が挿入を拒むかのようにびくんと波打った。 「リ、リジェネ…」 困ったような、怯えたような声が頭上から降って来るが、だからこそ快い。 リジェネはもう片方の手でティエリアの腰を抑えつけると、一息に指をずんっと突き入れた。 「はううっ!!!」 初めて内部を貫かれる衝撃にティエリアが身悶える。 処女とはいえ、指の1本程度では痛みなど別段あるはずもないが、 その代わりに、異物を飲み込む不快感が容赦なくティエリアを襲っていた。 「あれ?気持ち悪いのかい?」 リジェネが奥まで指を埋め込んだ所で動きを止め、ぐにぐにと内部を軽く掻き回して様子を探る。 「ひゃ、ゃめっ…!」 ティエリアが体を硬くするのに併せるかのように、膣壁がぐいぐいと痛いほどに指に絡みついてきた。 「すごい締め付けだねぇ、ティエリア?男は大喜びだね」 「お、男…?」 醜悪なほどに顔を歪めてリジェネが嘲笑うが、ティエリアに反論の余裕は全くない。 体の真芯を貫かれた異物の感触に戸惑い、ただ脚を震わせているのだった。 「そう、男だよ。ここに本来挿れるのは、指なんかじゃない…。男の勃起したペニスさ。 さっき絵で見ただろう?」 リジェネがくすっと愉悦の笑みを浮かべて、ゆっくりと指を引き抜いていく。 ずるりと壁を擦られる感触で、ティエリアの体がびくっと大きく震えた。 「ペ、ペニス…?あんっ!!」 ティエリアが答えてきたところで、再び指を素早く突き入れる。 ぐちゅっと淫らな音が響き、僅かではあったが異物の不快感に摩擦の快感が混じった。 ティエリアの顔がぱっと紅潮する。 リジェネが反応の敏感さに微笑みながら、再び指を引き抜いていく。 「そう。指なんかよりはるかに太くて硬くて、すご〜く気持ちいいモノさ」 そのまま声を潜めて囁きながら、リジェネは指の抽挿の速度をどんどん速めていった。 ぬるぬるの膣壁を何度も擦りあげていると、最初鈍かったティエリアの反応が、 段々と過敏になってくる。 「んっ、んっ、リジェネ…、なんかおかしい、あうぅ…っ!」 クリトリスの鋭い快感とはまるで違う、じわじわ内部から迫って来るような 底広な快感がティエリアに訪れていた。 指の抜き差しに応じて腰が淫らにくねり出し、膣口からはくちゅくちゅといやらしい音が響く。 とろとろに蕩けた処女壁が、何の抵抗もないかのように指をなめらかに滑らせていた。 熱い疼きに触発されるように、ティエリアの脚が膝立ちになり、より大きく開かれていく。 「あっあっ、んっ、気持ちいいよっ…、リジェネ、体の、なかが…っ」 後ろ手に手を付いて体重を支え、腰をいやらしくくねらせながら指をずっぷりと奥まで咥え込み、 紅潮した顔で快感を訴たえるティエリアが、リジェネの目にもこの上なく淫らなモノに見えた。 リジェネの加虐心が最高に荒ぶる。 「体の中、じゃないだろう?ティエリア」 言葉の単純な違いを咎めるように、リジェネがきつい口調で言った。 快楽に浮かされたティエリアは何も考えられないかのように、素直に応じてくる。 「んっ、んっ、ち、膣…、膣がきもちいいっ…!すごくきもちいいっ!」 まるで耳や目を示すのと同じ語調で、ティエリアはその部分を指す単語を、何の恥じらいもなく口にした。 ふと、リジェネに物足りなさが募る。 もっと羞恥を植え付けてからコトにかかれば良かった、それならもっと愉しめたのに、 などと冷静に考えを巡らすが、もはや後の祭り。 (まあ、それならそれでいいや。  どうせだったら、トレミーの男どもがびっくりする位にいやらしく仕込んでやるか) まだ見ぬ男たちの顔を想像して嘲笑い、リジェネは指をぐちょぐちょと抜き差しながら、 クリトリスまでをも空いた指で押し潰す。 「あうううっっ!!!」 外と中の2箇所責めの刺激は、想像以上の快感をティエリアに与えた。 ティエリアの腰が逃げ惑うように跳ね上がる。 一瞬膣壁がぎゅうっと締まったが、直後、まるでペニスの挿入を待ち侘びるかのように 入り口がしんなりと弛緩した。 「指1本では物足りない、か。いいよ、もう1本あげる」 リジェネがもう1本、中指を挿し入れ、2本の指で膣壁をこじ開ける。 狭い処女壁は、指を中腹まで咥え込んだ所で一杯になった。 それでもゆっくりと抽挿がはじまると、 その圧迫感から得られる快感に、ティエリアの手がぶるぶると震え始める。 リジェネが内部を激しく攻め立てながら、クリトリスをも小刻みに刺激すると、 ティエリアを涙まで流さんばかりの凄まじい快感が襲った。 「ああん!ああっあふっああっ!すごっ…!きもちいいよぅっっ!」 初めてにしては強すぎる程の快楽の波に翻弄され、何も考えられなくなってしまう。 「ほら、もっと感じて。もっと淫らになってごらんよ」 「あっううっ、あんっ!もうやだぁぁっ、もうむりぃっ…!あぁぁんっ!!」 じゅぶっじゅぶっと激しい水音を撒き散らし、愛液を指にたっぷりと纏わり付かせながら、 リジェネは執拗に指を動かし続けた。ティエリアの嬌声と内壁の蠢きで、嫌でも手技に熱がこもる。 やがて奥の方が弛んで熱くなり、かすかに壁が脈動しはじめる。 絶頂が近いのだ。 「ティエリア、イキそうなんだね」 リジェネがつとめて冷静に呟くと、ティエリアの喘ぎ混じりの無防備な返事が返ってきた。 「い、イキそう…って、あんっんっあっ、な、何…?」 「性的絶頂。オーガズムの事だよ。一番気持ちいい瞬間の事さ」 リジェネの言葉を聞いた途端、敏感に反応した膣壁がにわかに締め付けを強めた。 「い、一番、きもちいい…?あうっ、あんっ、ま、まだ気持ちいい事が、あ、あるの…っ?」 「そうだよ。多分、今感じてるのより段違いに気持ちいいはずだ」 にっこりと微笑んで、リジェネは指を軽く折り曲げ、膣壁の一点をぐっと押し込んで撫で上げた。 そしてクリトリスを押し潰して、リズミカルに擦り上げて責める。 「はうぅぅんんっ!!そこっ、それやらぁぁっ!!!あっあっあぁんっ!」 これまで以上に深まった、強すぎる快感に一際激しい嬌声を上げ、 ティエリアが天を仰いで首を苦しげに振り、髪を乱す。 背中がぐぐぐっと反り返りはじめた。 その瞬間を見逃さず、リジェネは教え込むように囁いた。 「イク時は絶対に分かるはずだ。強烈な快感らしいからね。  だから、イク時はちゃんと言うんだよ、ティエリア…?」 「んっんっ!は、はぁんっ、っふうっ…!ああっ、んんっ!!」 ティエリアはもはや言葉にならない言葉を発しながら、ただ首だけを上下に振って了承の意を伝えてくる。 リジェネの指が絶頂を促すように勢いを強めて膣内にめり込み、執拗に壁を刺激し尽くしていく。 同時に剥き出しになったクリトリスまで素早く擦り上げられて、ティエリアに遂にその時が訪れた。 「はぁぁぁんっ、わ、分かるぅ…!何か来るぅっ!!!リ、リジェネぇっ、イ、イクぅぅぅうっ!!!」 膣壁の快感が最高潮に達し、快感を集約したような熱の塊がティエリアの奥の方で弾けた。 教えられた通りのいやらしい言葉を叫びながら、ティエリアの背中が海老反りになり、 腰が2、3度卑猥に跳ね上がって痙攣した後、ようやくぐったりと落ち着いた。 極まった悦びで、ぽろりと涙が一滴、頬を零れ落ちていく。 初めての性的絶頂。 ティエリアは全身を小刻みに痙攣させながら、生まれてはじめての激しい快楽を全身で味わっていた。 凄まじい快感の奔流。頭が真っ白になるとは、まさにこの事であろう。 汗まみれのティエリアからリジェネがそっと指を引き抜くと、とろりと愛液が糸を引いて溢れ出た。 「よく言えたね、ティエリア。初めてなのに、いい出来だった」 リジェネが優しく褒めると、ティエリアはまだ消えない快楽に瞳を潤めたままで ぼんやりと見返してくる。 その涙で濡れた無垢な瞳をじっと見ていると、消えない嗜虐欲が体の中で渦巻いて仕方ない。 「おまんこ、って言うんだよ」 眼鏡をくいくいと上げながら、リジェネが意味深に微笑みながら囁いた。 「……???」 ティエリアが不思議そうな顔を返してくる。 あどけない表情。本当にいじめ甲斐のある子だ、とリジェネが含み笑った。 「さっきまで指を挿れていた、君の気持ちいい場所さ。膣、っていうのはほとんど学術用語だ。  セックスの時には、おまんこって言った方がみんな喜ぶと思うよ」 丁寧に真面目に、穏やかな口調で説明すると、 無垢なティエリアはその脳細胞に素直にそれをインプットしていく。 こくんと頷き返したティエリアに、リジェネは征服しきった愉悦を感じた。 ちらりと陰部に目をやると、まだ欲望を掻き消すのはもったいないとでも言うかのように、 秘所が卑猥に色付いたまま、リジェネを誘っている。 「もう1回、だね、ティエリア?せっかく覚えた快感だ。  あんな気持ちいい事が、悪い事なはずがない。君もそう思うだろう?」 リジェネの黒い問いかけに、ティエリアは少し怯えた目をしたが、 すぐに俯いてしばらく考え込み、やがてこくりと頷いた。 グリニッジ標準時にして、既に深夜になっているだろうか。 疲れた体を引きずってリボンズがホームに帰り着いた途端、 館内には何やらいつもと違う不穏な気配が立ち込めていた。 明らかに、いつもと空気が違っている。リボンズは訝しげにあたりを見回した。 嫌な予感が脳裏を駆け巡る。 リジェネとティエリア――。 日頃折り合いがいいのか悪いのか定かではないあの二人を、 文字通り二人きりにして雑事に出かけた事を、リボンズは激しく後悔した。 きっと、二人の間に良くない事態が起こったに違いない。 リジェネはまだいい。 しかし、ティエリアの方は、ようやくマイスターとして送り込む準備が整った所なのだ。 こんな所であの体が使用不可能にでもなってしまったら――。 込み上げてくる危機感にいてもたってもいられず、 リボンズは二人のいるであろう部屋に向かって駆け出した。 長い廊下を走り抜け、角を曲がり、階段を駆け上り、また廊下を走って――。 ぜいぜいと息を乱して、ようやく二人の気配が感じられる部屋の前に立った時、 リボンズの想像を遥かに越える異様な物音が室内から響いてきた。 「ああんっ、あうっ、あんっ、リ、リジェネっ、いいよぅっ!もっと、もっと舐めてぇぇっ…!」 分厚いドアを隔ててもなおはっきりと分かるそれは、間違いなく性交の嬌声。 リボンズの頭から血の気が引く。 崩れ落ちそうな体を奮い立たせ、リボンズはゆっくりとドアノブを回し、重い扉を開けた。 途端に性臭の匂いが鼻をつき、じゅるじゅるという、何かを啜るような音が響き渡る。 飛び込んできた光景に、リボンズは我が目を疑った。 全裸のティエリアが床の上で大きく脚を開き、嬌声を上げながら激しく悶えている。 その股の間には、イノベ服のリジェネ。 ティエリアの開いた太ももを手で押さえつけ、秘所に吸い付いて舐め回し、 いやらしい音を立てながら愛液を啜っているのだ。 「ふぁぁんっ、溶けちゃうぅっ、おまんこきもちいいよぅっ!なんでこんなにぃっ!」 すすり泣くような嬌声を発しながら、ティエリアは快感に体を捩り、 自分自身の指で剥き出しの乳房を揉み上げ、乳首をきゅうきゅうと捻り上げている。 その欲情した体のあちこちに認められるのは、真っ赤な性交の痕跡だった。 もちろん、中性であるリジェネがまともにセックスをこなせるわけがない。 一方的にティエリアを責め立て、たった一日でティエリアの無垢な体と頭を開発し尽くしたに違いない。 貴重なマイスターなのに――! リボンズは燃え上がらんばかりの怒りで血が滲むほどに唇を噛み締め、 絡み合う二つの肉塊にずかずかと近づいていった。 「あううっ!イく…っ、またイクぅぅっ!!!あぁぁぁぁっ!!」 リボンズがリジェネを引き離す前に、ティエリアが身震いして腰を跳ね上げ、 彼の目の前で激しい絶頂に達した。 この絶頂の前に、既に何度も回を重ねているであろう事が雰囲気ではっきりと窺い知れて、 リボンズの怒りは一層激しくなった。 リジェネがようやく秘所から顔を離し、 ぶるぶると拳を握り締めて怒りに震えるリボンズをやおらに振り返る。 「あれ?もう帰ってきたんだ。お帰り、リボンズ。首尾はどうだった?」 べたべたに愛液にまみれた顔のままで、リジェネがくすっと笑う。 まるで悪びれもしない確信犯的なその様子に、リボンズは一瞬、殴りかかりたい衝動に駆られた。 (くっ、こいつ…!けど、リジェネはまだ作ったばかりだ。  教育を施せば、ティエリアが戦闘で壊れた後も、スペアとして問題なく使える可能性が――) 冷静な思考で何とか怒りを抑え込み、リボンズはティエリアに目を移した。 快感に蕩けきった、うっとりした目が返ってくる。 「………」 それはリボンズでさえ、思わず見惚れてしまう程の淫靡さだった。 その勃った乳首に、濡れそぼった秘所に、嫌でも視線が集中する。 リボンズは思わずごくりと生唾を飲み込んだ。 リボンズの欲を敏感に嗅ぎ取って、リジェネの瞳が淫猥に揺れる。 「ねえ、リボンズ。君って男型だったっけ?もしそうなら、ティエリアにペニスを挿れてあげてよ。  ティエリア、欲しくてたまらないってさ」 見せ付けるように、リジェネが指で秘唇をくぱあと左右に開く。 ねっとりとした粘液がその中心で渦を巻いているのが、嫌でもリボンズの目を捉えた。 ぴくんと仰け反ったティエリアが、何かを求めるような濡れた瞳でリボンズの下半身を見つめる。 気を抜くと完全に魅入られてしまいそうな誘惑を何とか振りほどき、 リボンズは怒りを取り戻してリジェネをきつく睨み付けた。 「ティエリアはマイスターとして使う。君だって分かっているだろう?何故こんな事をした」 きつい語調で叱りつけるが、リジェネは臆する事もなくにやっと唇を歪めて、平静に答えた。 「だから、だよ。せっかく女に作ったんだ。  最高かつ有効な使い道があるって事を、体に教え込んでやったのさ。  これでいつでも、即戦力で男をたぶらかせるだろう?」 いけなかったのかい?とでも言いたげなリジェネの笑顔を睨み返し、 リボンズはティエリアの手を掴んで強引に立たせた。 「はう……」 長い責めの挙句、ティエリアはろくに足腰も立たない状態らしい。 膝がガクガクと震え、腰ががくんと落ちるのをリボンズは抱きかかえる様にして引きずって行った。 「全く、冗談じゃないよ…!こんな状態の女を人間の世界に放り込んで、 うっかり孕まされでもしたらどうするのさ!  大体、それ程必要な知識なら、この僕がまず教え込んでるに決まってるじゃないかっ!」 ぶつぶつと文句を言いながら、リボンズはティエリアを引きずりながら部屋を出て行く。 そして扉の向こうからリジェネを睨みつけ、「君のお仕置きは後だ。覚悟しておくんだね」 冷たく金目を光らせて威嚇し、廊下をずるずると進んでいった。 数週間後。 中性の体に作り変えられ、簡単に他人の意見に迎合しないプログラムを追加されたティエリアが、 颯爽とプトレマイオスに降り立った。 もちろん、ホームでの記憶は全て消去されている。 終わり