「セラヴィーの修理がそろそろ終了するですぅ。悪いんですけど、アーデさん呼んで来てくださいですぅ。  今日中に機体テストを終わらせないといけないですからぁ」 格納庫では、ハロが忙しくセラヴィーの破損箇所に修理を施している。 休む間もなく行ってきた作業がようやく終わりに近づき、 ミレイナがコントロールパネルでハロに指示を出す手を休めて、俺に依頼してきた。 わかった、と頷き、俺はティエリアの部屋へと向かった。 時刻は既に23時に迫ろうかとしている。 今日中と言いつつも、夜中2時3時位までは許容範囲だろうが、 それでもそれほど時間に余裕があるわけでもあるまい。 急ぎ足で廊下を進み、ティエリアの部屋の前に立ち、コンコンとドアをノックした。 しかし、返事がない。 まだ就寝には早すぎるほどの時間のはずだが、激しかった戦闘に心身共に疲れ果て、 さすがのティエリアも眠り込んでいるのかもしれない。 気遣ってそっとドアを開けて中の様子を窺うと、意に反して部屋の明かりは明々と点いたままだった。 だが、部屋の隅に置かれたベッドの方から、すーすーと心地よさそうな寝息が聞こえてくる。 やはり――。 起こさないように静かに部屋に足を踏み入れ、ベッドの脇にそっと立った。 予想以上に安らかな表情で、ティエリアは眠り込んでいた。 少し距離が離れているにも関わらず、シャンプーか石鹸かのいい匂いが漂ってくる。 風呂上がりのまま、着替える気力もなくベッドに入ったのか、 布団に包まったティエリアの体を覆っているのは制服でもパジャマでもなく、白いバスローブ一枚だった。 胸元が広めにはだけ、白い肌がチラチラと垣間見えている。 わずかに盛り上がったように見える谷間の起伏が、ティエリアの小さめのおっぱいを無闇に想像させた。 いかん、と何とか視線を外して表情を窺うが、濡れているせいでいつもより濃い紫に見える髪が 額に張り付くように掛かっているのが、やけに蠱惑的で逆効果だった。 見事に依頼を忘れ去ってぼーっと寝顔を見つめていると、俺の鼓動が勝手に速くなっていく。 普段のティエリアがまず見せる事のない無防備な寝顔、そして目に痛い程の白く柔らかそうな素肌。 背徳的な程にティエリアの全てが艶かしく見えて、 制御を目論む心の葛藤とは裏腹に、俺の股間は熱を集めて疼き出してしまう。 思わずごくりと生唾を飲み込み、その幼いほどの顔を覗き込むように身を乗り出すと、 明かりを遮ってティエリアの顔にふっと影がかかった。 「ん…」 違和感を感じてか、ティエリアが軽く眉根を寄せる。 はっと俺が身を引くと、再び遮りをなくした明かりがその顔にまんべんなく落ちた。 「ふあ……」 寝言のような声を出して、ティエリアが右手を額へと持っていく。 どうやら明かりがまぶしいらしい。 幼稚なほどのその仕草で、俺の我慢はあっけなく限界に達した。 「ティ、ティエリア……」 震える声と同様に震える指で、ティエリアの額にかかる髪をそっと撫でる。 その瞬間、ん、とティエリアが顔をしかめて、俺は正気に返り、慌てて指を引っ込めた。 何と言っても、日頃はセラヴィーで敵を殲滅しまくっているティエリアだ。 寝込みを襲って手を出そうとしている事がバレたら、一体どんな報復をされるか分かったものではない。 このままティエリアを起こしてミレイナのもとに、という考えが一瞬だけ頭をよぎったが、 そんな僅かな理性の抵抗も、ローブの胸元からチラチラと覗くピンク色の乳首の前には無駄な足掻きでしかなかった。 初めてじっくりと見たかもしれない、ティエリアの素肌。 透けるように白いその肌に、思い切り俺の跡を残してやりたくて仕方なくなった。 (お、男の目の前で、そんなはだけた格好で、眠り込んでるお前が悪いんだからな…っ) 心の中で浅ましい責任転嫁をしながら、呼吸を止めて静かに指を胸元へと這わす。 指先が柔肌を押した瞬間、 「んっ…」ぴくんとティエリアの体が揺れて、今度こそ制御が利かなくなった。 「ティエリア!!」 自分を鼓舞するように名前を大声で呼び、布団を勢いよく引っぺがす。 そのままティエリアの上にのしかかり、乱暴にローブを左右に引き裂いた。 ほんのりと温かい白い肌、小さめの可愛らしいおっぱいが露わになる。 その桃色の先端がぷるんと揺れて、俺の目を釘付けにした。 飴玉のような先端の尖りにむしゃぶりつきたくて堪らなくなる。 堪らずおっぱいをぐいと掴むと、手の平より小さいサイズにも関わらず, 期待以上の柔らかさと弾力が返って来た。 「――――――!!?」 さすがにティエリアが目を覚まし、事態を飲み込めず戸惑って視線をあちこちに揺らした。 その紅い瞳が俺の顔を捕らえた次の瞬間には視線が下に向き、 自分の胸に俺の指がしっかりと食い込んでいる事にようやく気付く。 「――――ッッ!!!!」 恥辱と怒りが入り混じり、ティエリアの頬が瞬間的に紅潮する。 額に載せられていた手が、俺の頬目掛けて勢いよく飛んできた。 「おっと…!!」 間一髪でそれを避け、ティエリアが体勢を立て直してもう一発をお見舞いしようとしたその矢先に、 俺は一気に唇を奪った。 そのまま舌を突き入れ、有無を言わせずれろれろと舌を絡み合わせると、 ティエリアは噛み付く事さえ出来ずに、悔しそうに俺の下で体をよじった。 「んッ、んッ…!」 うめくような声がティエリアの喉の奥から漏れてくるが、 舌を通して直接俺の鼓膜を揺らすその感じがむしろ欲望を煽り立てる。 絡み合う粘膜の刺激を俺は快く受け止めていたが、 ティエリアにとっては寝込みを襲われた想定外の事態である事に違いはなく、むしろ恐怖さえ感じているに違いない。 それを裏付けるように、ドクドクとティエリアの鼓動は早鐘を打っていた。 俺の下で、ティエリアの体がおののくように震えている。 押し返そうと俺の肩を掴んだ指が肌に食い込んでくるが、痛みをアドレナリンが掻き消した。 あのティエリアを組み敷いているのだ。 いけない事だと分かっていながら、どうしようもなく興奮してしまう己に気付かずにいられない。 ズボンの中でみるみるうちに勃起していくペニスの圧迫感を感じてか、 ティエリアが下半身をひねるようにして逃げようともがいた。 だが、皮肉にもティエリアの太ももが俺のペニスに当たり、逆に淫欲が燃え盛ってしまう。 逃げ場所を与えてやる事は、今となってはもはや不可能だった。 深いキスを続けながら右手でティエリアの胸を揉みしだき、 指先で乳首をひねって擦り合わすと、ティエリアの舌がびくんとのたうった。 目を開けて表情を窺ってみると、真っ赤な頬を更に赤くして 苦しげにきつく瞼を閉じているのが、妙に色っぽく見える。 嫌がる表情がこうも男をそそるとは、ティエリア自身気付いてはいないのだろう。 「んむーッ、んーッ…!!」 キスから逃れようとティエリアが嫌々と頭を振るのを、俺は左手で抑える事で押し留めた。 ティエリアから抵抗の意志を削ぐ様に更に舌を執拗に絡み合わせ、 乳首をもきゅきゅっと摘んで刺激してやると、思い通りにティエリアから力が抜けていく。 いくらマイスターとは言っても、真上から体重を掛けてのしかかられては さすがに抵抗も出来ないと悟ったのか、ティエリアは既に諦めの境地に至っているようだった。 十分近くもちゅぱちゅぱと舌を絡め続けていると、 ティエリアは完全に脱力して、深々とベッドに身を預けるまでになった。 いい子だ、という思いを込めて、ティエリアの濡れた髪を撫でてやると、 ティエリアが軽く喉を開いたのが分かった。 もしや、今更悲鳴? 訝しく思いながらも、再び髪を梳かす様に指に毛束を絡める。 「――――ッッ!!!」 ティエリアが今度は驚く程の力で、俺を撥ね退けようと体を大きく震わせた。 明らかに今までで一番の、必死の抵抗だった。 俺の肩にぎゅうぎゅうと爪を食い込ませ、腰を跳ね上げるようにして俺を押し返そうともがいている。 体勢的に相当苦しいはずだろうに、このまま壊れても構わない、とでも言わんばかりの 凄まじい拒絶をティエリアは見せていた。 さすがに怖くなって、俺は慌てて唇を離した。 さっきまで諦めの境地にいたはずのティエリアなのに、髪を撫でただけで何故今更…? 不審に思って見下ろすと、口元を唾液でてらてらに汚したティエリアが、泣き出しそうな目で見上げてくる。 怒りと嫌悪と羞恥に、困惑や切なさまで混じった複雑な視線だった。 唾液の跡と相まってこれまた扇情的でたまらないが、この瞳を見てしまってはさすがに良心が咎める。 「ど、どうした…?」 恐る恐る聞いてみると、ティエリアは泣き出しそうな瞳のままで唇をぐいと拭い、 「ぼ、ぼくに触るな…っ」と、掠れる声を更にか細く震わせながら呟いた。 ずきんと胸が痛む。今更ながら乱暴を働いた事を後悔し、俺は慌てて乳房から手を離した。 ごめん、と謝ったが、ティエリアはまだ不満そうに瞳を瞬かせて、 何か言いたそうに唇を噛み締めている。 涙が薄っすら浮かんだように濡れた瞳と、紅潮してかすかに震え続けている頬が 見れば見るほど蠱惑的でたまらない。 まだ治まらない勃起の疼きを感じつつ、それでも俺は何とか理性を取り戻して、 ごめん、ごめんと謝りながら髪を撫でてやった。 だが、気持ちを落ち着かせるはずのこの行為に、ティエリアは何故か体を急激に強張らせた。 再び何かを堪えるかのように瞳をきつく閉じ、ふるふると体を震わせている。 何か言いたそうに唇が動くが、結局それは言葉にはならない。 直感的に、ティエリアが言い出せない程の重大な秘密を抱えているらしい事に気付く。 探るようにティエリアの顔や体に視線を巡らしつつ髪を撫で続けていると、 ふと何か異質な感触を手の平に感じた。 「……っ!」 俺の訝しげな心の揺れを敏感に感じ取ったかのように、ティエリアがかっと目を開けて 縋るように見つめてくる。 これ以上秘密を探らないでくれ、とでも言うようなその視線で、むしろ俺の探求心は強まってしまった。 「大丈夫…。大丈夫だよ、ティエリア……」 「や、やだ…っ、やめろ…っ」 耳元に低く囁きながら、違和感の正体を掴むべく、髪の内部へと指を侵入させていく。 しっとり湿りつつもサラサラした髪の毛が指をくすぐる感じが無性に欲情をそそった。 今やティエリアは抵抗も忘れ、はっきりと分かるほどに涙をその目に湛えて、体を硬直させている。 「無理。何を隠してる?」 非情にも端的に呟いて、俺は髪を掻き分け、地肌を優しくなぞった。 異物の正体に行き当たるのに、それほど時間はかからなかった。 ぼこっと盛り上がるように地肌に貼り付いた異物の先端を摘み、そっと引っ張ると、 それは自分からピンと外部にせり出した。 「は、はうう…っ」 ひた隠しにしてきた秘密を露わにされて、ティエリアが困り果てたように目を伏せる。 みるみるその瞳に涙が浮かんでくるが、せめてものプライドを保つかのように、 ティエリアは結局涙を一粒たりとも零さなかった 頭上に三角に立ち上がったそれは、髪の毛と同じ、濃い紫色の柔らかそうな毛で覆われていた。 中身が空洞になっていて、どう見ても獣の耳を思わせる。 ティエリアの顔の真横に付いた人間の耳とは全く別に、 その二つのねこのような獣耳は、頭部の上の方に地肌から直接的に生えていた。 「ティ、ティエリア……」 さすがに驚きを隠せずに、俺は呆然とティエリアのねこみみを見つめた。 お前、人間じゃなかったのか……。 その言葉だけは、どうしても口に出せなかった。 真実の姿を晒したティエリアが、その言葉に深く傷付くであろう事は確実だ。 そしてあえて辛辣な言葉を吐かなくても、 ティエリアは既に怯えきったかのように俯いて、唇を噛み締めている。 その姿に、庇護欲にも似た愛情が込み上げてくるのを俺はひしひしと感じていた。 改めてねこみみを見やると、それはすっかりティエリアに馴染み、 最初からずっとそこにあったかのようにさえ見えた。 ティエリアの切ない表情が、亜人への本能的な嫌悪を至極簡単に吹き飛ばしてしまったのか、 元から備えていたが故に、その人外の美しさを誇る容姿とマッチしたのか、 その辺は定かではないが、最初見た時に感じた違和感が秒ごとに消え去っていく。 むしろ頭上にぴょこんと立ち上がったねこみみが、どうにも可愛らしくてたまらない。 急に、普段の取り澄ましたティエリアが身近な存在に思えた。 思わず噴き出し、つんつんとねこみみを突付いてみる。 ティエリアがびくっと肩を竦めて表情を硬くした。 「ば、ばか…っ。やめろ…っ」 「なんで?可愛いよ、ティエリア」 もうそれが付いているのが当然とばかりに、俺はねこみみに口を寄せ、 ふうっと内部の孔の奥へと息を吹きかけてみる。 ひゃうっ、とティエリアが身震いして、俺の腕をぎゅっと握り締めた。 「こっちも聞こえるの?」 ねこみみの奥に響かすように静かに囁いてやると、 ティエリアがあからさまに顔を真っ赤に染めてこくこくと頷いた。 どうやら人間の耳以上に、聴覚も感度も研ぎ澄まされているらしい。 そうなると、次のステップを試してみたくて堪らなくなる。 ねこみみの先端を摘んできゅうっと上部に引っ張ると、中の淡いピンクが目に飛び込んできた。 ティエリアの素肌そのもののように僅かに赤く火照って、俺を誘っているかのようだ。 堪らず舌を差し入れ、奥の方まで突き入れて蠢かすと、 「や、やう…っ」ティエリアがびくびくと体を震わせているのが体越しに伝わってくる。 そのまま桃色の肌部を執拗に舐め続けていると、ティエリアの声はどんどんと甘く、 うっとりとしたものに変わっていった。 「気持ちいいの…?」 「あ…、う、うん……」 相当声を落として囁いたが、その声を抜群の聴覚でしっかりと拾い、 ティエリアが恥ずかしそうに小さく頷いた。 日頃のティエリアではまず考えられない素直な態度だった。 きっと長年にわたって必死に隠してきた秘密を受け入られた安堵感で一杯なのだろう。 強姦まがいの行為の恥辱を忘れ去ってしまうほどに。 今のティエリアが、クルーを家族のように思っている事は、俺とてよく知っている。 その一員である俺に人外である事を受け入れられた喜びは、他には変えがたいものに違いない。 ……と、ここまで考えて、別に俺じゃなくても、他のクルー達だって ティエリアの秘密をあっさりと受け入れたんじゃないかとふと思い当たった。 よく思えば、今や強い絆で結ばれたクルー達だ。 今更、ティエリアが人でないという程度の事実に、心乱れる人間などいるはずがない。 そう思うと、急激に不安が湧き起こってくる。 人外である事に気後れして、ティエリアはあえて誰とも恋愛関係にならずに来たに違いないのだ。 最後のタブーから解き放たれたティエリアがようやく自由になり、 他の男といい関係になる可能性は大いにある。 最初にティエリアの心をほぐしてやったこの俺を踏み台にして――。 いまや蒸れるほどに熱を持ったねこみみをしつこく責めながら、 俺は燃え盛るような嫉妬心が体に渦巻くのを感じていた。 一度は抑えていた淫欲が再び滾り始める。 この場を逃したら、もう二度とティエリアに触れられなくなるかも、という危惧もまた、 俺の背中を後押しした。 再びティエリアの胸を手の平で包んで揉みあげ、指の腹で乳首をくりくりと円を描きながら責めると、 ティエリアの甘い声に切ないものが色濃く混じり始めた。 「ぁ…っ、ぁ…っ、ん…っ」 声を出さないように耐えながらも、堪えきれずにティエリアの喉からはかすかな喘ぎが溢れ出す。 最初に触れた時とは正反対に、全く拒絶もして来ない。 「乳首、きもちいい?すごく硬くなってる…」 「ん…ぁ…、そ…んな事…な…い…、んっ…」 ねこみみに甘く囁きかけると、ティエリアがふるふると首を振って否定した。 しかし、弄る度に硬度を増す尖りがティエリアに甘い快感をもたらしている事は、 その蕩けるような表情でお見通しだ。 秘密を暴かれたばかりのティエリアと、もっと深い秘密を共有したくて堪らない。 ぺろりと一舐めしてからようやくねこみみを解放し、俺は体を沈め、ティエリアの乳首を口に含んだ。 「ひゃうぅっっ!!」 余程刺激が強かったのか、途端にティエリアの体が飛び跳ねてベッドが大きく軋む。 そのまま先端を舌で突付き周囲をねぶり、ねっとりと刺激してやると、 ティエリアが明らかに快感の色濃く混じった声をあげながら、俺の髪の毛を掴んで掻き毟った。 「あん…っ、あぁ…っ、や…、そ…れ…、や…っ」 最初引き離すように掴んでいたその手が、段々と乳房に押し付けるように力の入れ具合を変えていく。 扇情的な仕草。もう我慢は出来ない。 腰に頼りなく巻き付いているだけのローブの紐を解いたが、脱がせるのももどかしい。 隙間から下半身へと手を伸ばし、すべすべの肌に指を沿わせながら秘裂を探る。 ここに来て初めて俺は、ねこみみが付いている割にはその肌に余計な体毛一つ生えていない事に気付いた。 ケモノ的にはほとんどパイパンと言えるのではないか。 そう思うと、そのいやらしさにペニスがはちきれそうに疼いた。 興奮を抑え切れずに息が乱れる。 ティエリアのねこみみが俺の淫欲の呼吸を集めてか、時折ピクピクと揺れた。 軽く開いた口の中で蠢く真っ赤な舌が艶かしい。 陰唇を開き亀裂に指を到達させると、そこは既にとろとろに湿り気を帯びている。 「ティエリア、すごいぬるぬるだよ…?」 亀裂を前後にゆっくりと擦りながら囁くと、ティエリアが寄せた眉根を切なげに引きつらせた。 「あ…っう…っ、そん…な恥ずかし…いこと言う…な…。分かっ…て…」 最後まで言い切るまでに、自分で言った言葉のいやらしさに気付いて、 続く言葉を飲み込むティエリアが可愛くて仕方ない。 ティエリアの更なる秘密をこの目でしっかりと見たくて仕方なくなり、 俺はゆっくりと下方へ移動していった。 もうローブはティエリアの体の下にシーツのように敷かれただけで、 既に体を隠す役目を果たしてはいない。 うっすらと赤く色付いたティエリアの肌がまぶしかった。 普通の人間以上に艶めいた白い肌から香る芳しい香りは、ボディソープによるものだけではあるまい。 唇が触れる位までティエリアの腹に顔を近づけると、ほのかな香りが殊更に強まった。 もう何年も傍にいながら、初めて嗅ぐ上質な香りに頭がクラクラとしてくる。 もしかしてこれがフェロモンという奴なのかもしれないが、そんな細かい事を考える余裕は既にない。 柔らかい太ももに手を掛けると、ティエリアが一瞬びくっと体を強張らせて怯えた目で見つめてきた。 「大丈夫だよ。怖くない」 子猫をあやすように優しく声を掛け、頼りなく震える太ももを静かに割り開いていくと、 まだ汚れも知らないかのような秘裂が目の前に曝け出される。 愛液が蜜のように桃色の亀裂をコーティングした様は、卑猥さよりも可憐さを醸し出していた。 汚してはいけないような、徹底的に汚しきってしまいたいような相反する感情がせめぎあったが、 とろとろに潤んだそこをまじまじと見つめていると、やはり欲望の方が勝った。 「ちゃんと付いてるじゃん。クリトリスもおまんこも。人間と全然変わんないな、ティエリア?」 独り言のように呟いた俺の言葉はごくごく小さい物でしかなかったはずだが、 ティエリアのねこみみは鋭敏にそれを拾ってぴくんと揺れた。 「ば、ばか…っ。当たり前…だ…っ」 秘所を見られる恥ずかしさに瞳を閉じて耐えながらも、ティエリアが怒ったように言葉を吐き出す。 「そ、それに、固有名詞…を口にするな…っ」 急激に羞恥が募ったのか、傍目にも分かるほどに顔を真っ赤に染めたティエリアが、 世界一美しくも可愛らしい少女に見えた。 「ごめん。じゃあ、ここ、どう?」 愛液を塗りつけた指で、クリトリスを軽く擦ってやる。 「あっ、んっ、ぁっ…!!」 ティエリアの嬌声が一段と大きくなり、太ももがぶるっと痙攣する。 途端にふにゃあっと蕩けた表情が、毛並みのいい猫を思い出させた。 そのまま肉芽を擦り続けてやると、ティエリアの嬌声は子猫のように切なく甘くなっていく。 「あん…っ、あ…、んっ…!そ、そこ…っ、だめ…っ、ふあ…んっ…!!」 クリトリスはあっという間に俺の指先で充血して勃起し、 ティエリアの腰が刺激に耐え切れないかのようにくねりはじめた。 俺の指から逃げるように蠢いたかと思うと、今度は押し付けるように撥ねあがるのが何ともいやらしい。 淫らになっていくばかりのその体の望む通りに素早く小刻みに肉芽を転がすと、 ティエリアはすすり泣くような嬌声をあげながら、握り締めた拳を噛んで快感に耐えている。 「ティエリア、どう?そんなに気持ちいいの?人間じゃないのに?」 「あんっ、んんっ、いじ…わる…っ!君が…っ、触っ…てるから…だろ…っ!あうぅっ…!」 「でも、人間みたいに気持ちいいんだろ?すごい感じてるじゃん」 「あふぅっ…!やっ、んんっ、んっ、る…さい…っ、ああっ!!」 快感に乱れた今ならもう平気だと割り切り、指でクリを押し潰して更に刺激を強めながら、言葉でも責めてやる。 こんなに丁寧に可愛がってやっている今、 ティエリアがこの程度の言葉で傷付く事はないはずだという自信が俺にはあった。 ついでに、花のつぼみのような乳首に空いた手を伸ばし、 ついばむように強弱をつけてひねり上げると、ティエリアの体が淫猥にのたうつ。 「ふあ…っ!あぁんっ、あう…っ、それ…っ、だめぇ…っ!」 「だめってどこが?クリ?乳首?」 「あぁっ、あんっ!りょ、両方…っ、やだ…っ!」 言葉だけの拒絶を嗜めるように乳首をくりくりと扱き、クリトリスを優しく弾くと、 ティエリアは思惑通りに更に快感を昂ぶらせていった。 腰が揺れっぱなしになり、溢れ出す愛液が太ももを伝って、 体の真下に敷かれたままのローブにも染み込んでいく。 あれから亀裂には一度も触れず、クリトリスを擦っているだけなのに、 ぬちゃぬちゃといやらしい音が響いていた。 潤む瞳、快楽に蕩ける表情、そして水音が響く度に反応してふるふると震えるねこみみ。 余程気持ちいいに違いない。それほど、秘密を許した事に安堵しているのだろうか。 「んっ、ああっ、も、ダメ…っ、もういいから…っ、早くぅ…!」 ティエリアがクリトリスを捉えた俺の腕を掴み、涙目で訴えてきた。 もうイキそうになっているらしい。 早く、のあとに続く言葉は分かっていたが、あえて意地悪をして焦らす事にする。 「早く、何?」 震えるねこみみに向かって囁き、俺はティエリアの亀裂へと顔を近づけていった。 人間にはない甘い香りが立ち昇る。 クリトリスを責め続けたままで片方の指で陰唇を割り開き、 ぱっくりと開いて現れた赤い粘膜に舌を這わすと、途端にティエリアの腰が大きく飛び跳ねた。 「あううっっ!!だめぇぇっっ!!あぁぁっっ!!!」 一段と激しくなった嬌声を聞きながら、甘い蜜を堪能するようにれろれろと舌をくねらせ、 濡れた裂け目を執拗に舐め回す。 ティエリアは仰け反るように体を大きくくゆらせ、もはや堪えきれずに淫らな声を上げ続けた。 穴の中にまで入り込む程に舌を尖らせ、素早く前後に舐ると溢れ出した愛液が しっとりと秘裂全体を覆っていった。 自分の体の変化に付いていけないとでもいうように、ティエリアが強くシーツを握り締めてふるふると首を振り、 それでも快楽に溺れる一歩手前でなんとか頑張っている。 「んはぁっ、んんっ、やっ、やっ…!こんなの…嘘…っ、は、はじめて…なの…にぃ…っ」 はじめて、というティエリアの言葉で、罪悪感と興奮とが混じり合って一気に昂ぶった。 だが、初めてならば尚更、一生忘れられない程に快楽を教え込んでやりたくなるのが性というものだ。 クリトリスに指を強めに押し当て、絶頂に追い立てるように規則的に前後に擦り上げる。 同時に膣の入り口にまで舌先をめり込ませ、ぐちょぐちょと掻き回してやると、 敏感になったクリトリスと膣壁は処女にも関わらず、ティエリアを急激に追いたてた。 「あぁぁっ!!き、きもちい…っ!も…っ、我…慢、できな…っ…!  ごめ、ごめんなさ…っ、ふあああああっっっ!!!」 必死に歯を食いしばって耐えていたティエリアの口が、遂に快感に耐え兼ねて大きく開かれた。 淫らな絶頂の嬌声が喉奥から迸り、背骨がぐぐぅっと反り返る。 びくんとびくんと全身を小刻みに痙攣させながら、ティエリアは俺の目の前で絶頂に達した。 罪を犯したかのように、謝りながらイったティエリアが余りに愛らしくて――。 「ティエリア、すごく可愛いよ」 そう言ってやると、とろんと快楽にとろけた瞳が返って来る。 瞬間的に股間がはちきれそうに脈打った。 ズボンを押し上げているペニスの先端が下着にべったりと張り付いているのが分かる。 きっと臨戦態勢で勃起し尽くしたばかりか、カウパーまでたっぷりと滲み出ているに違いない。 これを見たティエリアが怯える事は想像に難くなかったが、もはや欲望を抑える事など出来はしなかった。 ズボンと下着を下ろすと、ガチガチにそそり勃った肉棒が空に勢いよく飛び出した。 「ゃ…」 やはりティエリアは怯えた目でペニスを見つめたが、 大人らしく落ち着かせてやる余裕は俺にはもう残ってはいない。 ティエリアの足を大きく開かせ、イッたばかりの秘裂にペニスをあてがう。 亀頭が触れた瞬間、ティエリアがびくっと全身を硬直させた。 「ティエリア、力抜いてたら痛くないから……」 一応声を掛けてゆっくりと腰を進め、膣肉を引き裂くようにペニスを埋めていく。 ぬぷ、ぬぷ、ぬぷ……。 ペニスがどんどんとティエリアの中に侵入していく光景を、 俺はどこかまどろっこしい気持ちで見つめていた。 熱い膣壁はしっとりと潤み、歓迎するかのようにペニスを包み込んでくれる。 処女に相応しい、心地よい締め付けだった。 いきなり乱暴に突きまくりたい衝動を何とか堪え、俺はゆっくりと腰を前後に動かした。 「ひぅっ…、ぁっ、あ…っ、あ…っ」 腰を押し出し、肉棒を埋め込む度にティエリアが瞳を揺らし、か細い声を漏らす。 イった直後の弛緩した膣壁でも、やはり破瓜の痛みがあるに違いない。 「痛いか?」 動きを止めて尋ねると、ティエリアはきつく握った手を震わせながら、わずかに首を縦に振った。 が、直後には否定するようにはっきりと首を横に振る。 「い、痛くない。大丈夫だ…」 本心なのか俺への気遣いなのか分からないが、ティエリアの否定に便乗させてもらうことにした。 膣壁の抵抗をカリ首で弾き飛ばし、ぐっぐっと内部まで押し込むような緩やかなピストンを心がけた。 何回か往復すると、きつすぎるほどだった処女壁もようやく肉棒に馴染んでくる。 愛液と先走りが混じり合い、すべりのよくなった膣壁で得られる摩擦の快感がたまらない。 膣自身が自分でペニスを奥までいざなう様な、吸い込まれるような感触。 こうなると、ティエリアの方にもさすがに快感が生まれ始めたらしい。 「あんっ、ああっ、な、なんか…、おかしい…っ、あっぁんっ、あんっ!」 ペニスが内部を擦り立てる度に、ティエリアが甘い声を上げはじめる。 ずっぷりと奥まで深く挿入し、試しに強く突き上げてみても、もはやティエリアに痛みの色は見えなかった。 代わりに愉悦の嬌声と気持ち良さそうな表情が返って来る。 だが一方で、初めて知った男根の快感に酔う事への躊躇いも、その表情から完全に消える事はない。 それが尚更俺を魅了した。 「もう痛くない?」 「あんっ、んっ、い、痛く、ないっ、ん…っ、あぅ!」 「よし。じゃあ、行くよ」 悶える腰をしっかりと掴んで抽挿の速度も勢いも強めると、 ティエリアの顔が激しいピストンに併せて気持ち良さそうに蕩けた。 ずんずんと突き上げる度に少女らしいおっぱいがゆらゆらと揺れ、 乳首が誘うように勃ち上がっては興奮の色付きを増していく。 「あんっああっ、ああっ、やっ、すご…っ、あああっ!」 自然に深くなっていく交合の快感に我慢できないかのように、 ティエリアは頭を左右に振って、身悶えるようにシーツをぎゅっと掴んでいた。 カリが内部を思う存分引っ掻き回し、亀頭が子宮近くにまでめり込む。 「あうぅっ、ああっ、あぁんっ、また…、また来る…っ、なっ、なんで…っ、ああっ!」 2度目の絶頂が近づいたティエリアが、腰を掴む俺の腕に助けを求めるように手を掛けてくる。 抵抗を振り払うように逃げようとする腰をより引き寄せ、 勢いよく奥まで抉ると、ティエリアの嬌声は一段と激しくなった。 「んふあっ、ああっ、んっ!すご…っ、だめ、だめぇぇっっ!」 「それはこっちのセリフだ!ほんとに初めてかよ!?ティエリアッ!?」 頭をもたげ始めた射精感を感じつつ、奥の方だけを細かく小刻みに亀頭で突付きながら問い質すと、 泣き出しそうに歪んだ表情のままで、ティエリアがこくこくと必死に頷いた。 途端に膣壁がカウパーを絞り尽くすかのようにきゅうきゅうと締め付けを強めてくる。 堪らずペニスを先端まで引き抜き、体位を変えて射精感を遠ざけようと、 ティエリアの体を横向きに反転させた。 その瞬間、めくれたローブの端から、俺の目に人にあらざる異物が飛び込んでくる。 横向きのティエリアの尻の谷間の重なる辺りから、 髪とねこみみ同様の紫のしっぽがにょっきりと生えていた。 「はう…っ、んっ、や…だ…っ、見る…なっ!」 ティエリアが何とかしっぽを隠そうと身をよじったが、 俺の手が未だ腰をがっしりと掴んでいるものだから身動きが出来ず、しっぽだけがゆらゆらと困惑気味に空中で揺れる。 ティエリアが制服を纏った時の姿を思い出してみた。 髪の毛に隠されていたねこみみ同様、あんなに体にぴったりとフィットしたズボンの 一体どこにこれを収納していたのか、さっぱり分からない。 まあ、そんな事は今となってはどうでもいい事だ。 「今更……」 俺の呟きに、ティエリアのねこみみが敏感に反応してぴくんと揺れた。 言葉通りだった。 今更ティエリアにしっぽの1本2本生えていようが、大した問題であるはずがない。 しっぽの存在を許容する証しとして、俺はペニスを勢いよく横向けのティエリアの秘肉に捻じ込んだ。 「あううっっ!」 ティエリアの体がずんと揺さぶられ、一瞬しっぽがびんと硬直する。 突き入れたままで片足を空中に高く上げさせて抱え込み、 体が上下する程の激しい抽迭を繰り出してやった。 「あぁっ!あぁぁんっ!やぁぁっっ!」 正常位の時とは違う角度でより結合が深まり、カリ首がティエリアの敏感な所を遠慮なく抉り続ける。 じゅくっじゅくっじゅくっ。 抜き差す度にいやらしい音が激しさを増して響き渡り、 大きく開かれた膣がすんなりと肉棒を奥にまで受け入れてくれる。 突く度にしっぽの先端がぴんと硬直して、ティエリアの快感の激しさが膣の熱さ以上に存分に伝わってきた。 「あんっ、あっ、お…く、突かないで…っ!おかしくなる…っ!  な、なん…で、こん…なこと…に…っ、ふぁっ、あぁんっ!」 更なる秘密を暴露した羞恥と強まる一方の快感に苛まれ、ティエリアは困惑しきった様子で喘ぎ続けていた。 シーツを握りしめた指が限界的に震えている。 透けるように白かったきめの細かい肌には汗が滲み、ほとんど湯上りのように赤く染まっていた。 「奥ってここかよッ!?」 「やあっ、ひあっ、も、もうだめぇ…っ!!ばかぁっ…!!」 更にぐっと足を抱き寄せて体を密着させ、奥の奥にまで肉棒を叩き付けると、 ぐちゅぐちゅっと卑猥な音が鳴り響く。 耐え切れず、抽挿を制するように伸びて来たのは、手ではなくしっぽだった。 ひゅるんとムチのようにしなった紫のしっぽが、激しい突き上げを静止させんばかりに 俺の腕に巻き付いてぐいぐいと締め上げ始める。 見た目以上に艶やかで柔らかい毛束が皮膚をくすぐり、 不意にぞくぞくと戦慄にも似たものが背筋を駆け上ってきた。 が、それはもちろん不快感などではなく、興奮に他ならない事にティエリアは気付かない。 「しっぽ邪魔っ!!」 邪険にしっぽを振り払い、諦め悪く再び絡みつこうとする所を逆に握り返してやった。 「あんっ、ああっ、来ちゃ…っ、来ちゃうぅっ!あぁぁぁっっ!!!」 想像以上に弾力のあるそれをぎゅっと握り締め、ずんっと深く一突きすると、 途端にティエリアの膣肉が痙攣するように蠢いて締め付けを強めた。 それが決定打になって、止めるすべもなく精液が尿道を掛け上がってくる。 「ぐっ…!」 低くうめいてティエリアの足を解放し、ペニスを乱暴に抜き去って最後の刺激を与える。 ティエリアはぐったりと脱力して、かすかに体を震わせながら、 切なげな瞳でどこか遠くを見ていた。 その無防備な脇腹目掛け、どくどくと白濁を噴射する。 勢いよく飛び散った白濁液がティエリアの白い肌にもっと白く跡を付け、 たらりと腰から腹の曲線を滴り落ちていった。 ** 「あー、なんて言うか、…ごめん」 ティッシュで脇腹に散らばった精液を拭き取り、 ティエリアの秘所に満ちた愛液をも拭いてやりながら一応謝ると、 「……構わない」 ティエリアがされるがままになりながらも、ぼそっと呟いて答えてくる。 その後はティッシュの擦れる音が響くだけで気まずい沈黙が続き、堪らず俺が折れて口を開いた。 「ねこみみもしっぽも、俺は気にしないからな」 「……ああ」 ティエリアの表情には安堵の色が濃く浮かんでいたが、 やはり本能的な戸惑いや怯えもまた、その顔から完全に消え去ってはいない。 「本気で気にしないから」 念を押してそう言うと、ティエリアがゆっくりと体を起こして、じっと俺の顔を見つめた。 赤い瞳に疑いの色がまざまざと浮かんでいる。 その目が唐突に、まだ剥き出しだった俺の股間に移った。 「信じられないな」 ティエリアは静かにそう呟いて、真剣な表情のままで俺の下へと這うように近づいてきた。 その背後で探るようにしっぽがゆらゆらと揺れているのが、余りに不思議な光景だった。 「ほら。やはり迷っている」 俺の心の機微を知り尽くしたかのように、ティエリアが寂しそうに微笑む。 そんな事ない、と思わず抱き締めたくなった瞬間に、 ティエリアが一気に距離を詰め、俺の股間へと顔を落とした。 「ちょ、ティエリア…!?」 まだ自らの愛液が付着したままの肉棒を、ティエリアは少し躊躇った後に唇で柔らかく包み、 やがて口の中に咥え込んでいった。 そのまま竿に舌を這わせながら舐め回されると、あっという間に俺の欲は復活していく。 艶やかな唇の隙間から勃起が唾液にまみれてテカって覗き、その視覚刺激でペニスは更に昂ぶった。 「な、なんで…っ?」 俺の問いには答えず、ティエリアは無言のままでペニスを奥まで咥え込んではまた抜き出し、 舌と頬の内側の粘膜で丁寧な摩擦刺激を与えてくる。 咥えるのが苦しくなれば代わりに裏筋を舐め上げ、竿を片手で扱きながら亀頭を舐め回した。 たどたどしかった動作が、段々と手慣れたものに変わっていく。 ちゅぱちゅぱと音を立てながら亀頭を咥え、舌をカリに這わせて舐め上げたり、 小刻みに舌先を震わせて刺激したり。 一体どこで習ったのかと訝しく思ってしまうほど、ティエリアの口戯は気持ちよかった。 ティエリアの熱い口腔内にも負けないくらいに、肉棒が熱を持って脈打っている。 ティエリアの小さい頭を掴んで喉奥にまで激しく突き入れたい衝動を必死に抑えながら、 俺はティエリアに疑問をぶつけた。 「だ、だから、なんで…っ?」 「……ぼくは君に秘密を晒した。だが、これがぼくの秘密のすべてなわけではない。  たった1回の行為で飽きられたのでは困る」 ティエリアがじゅるりと先端を吸い込みながら、恥ずかしそうに目を瞬かせる。 その瞳には有無を言わさぬ切迫感のようなものが漂っていて、その真剣さが痛いほど伝わってきた。 あ、飽きねーよ、と快感を堪えながら呟くと、ティエリアがきゅうっと竿を握り締めて 本当に?という視線を向けてきた。 頷くと、今度は舌先で鈴口をつんつんと突付いてくる。 どう見ても素人とは思えない判断の良さ。 そ、そんなの一体どこで、と訊こうとしたその矢先に、読んだようにティエリアが 「……ヴェーダ」 と呟いた。なるほど、と合点がいくと同時に、トレミーやティエリアが ヴェーダとアクセス出来なくなったのは、もう5年近く前だった事に気付く。 つまり、ティエリアはそんな昔に既に知識を仕入れ、今まで封印してきたと言う事か。 となると、処女の割にはやけに感度が良かった事にも納得がいった。 だが、お前こんなにいやらしい体になるまで一人で5年もオナってたのかよ、 とからかう気分には全くなれない。 むしろ秘密を抱えたティエリアが、愛し合う相手を求めながら得られずに過ごしてきた その歳月の長さに、同情にも似た切なさを感じてしまう。 「お、俺でいいのか…?」 寝込みを襲って手篭めにしておきながら、今更ながら都合のいいセリフに我ながら辟易とした。 だがティエリアは口戯を止める事もなく、むしろ返答のように念を入れて亀頭を責めてくる。 竿を扱く手の上下運動の速度も段々速まってきて、 もうどんな罵倒を浴びせられても気にならない所まで、快感が強まってしまった。 俺の快感をコントロールする愉悦に浸り、ティエリアがふっと頬を緩める。 途端に強まる射精感。 「いくら戦闘後で疲れていたとはいえ、このぼくが侵入者に気付かず眠りこけるなどありえない事だ。  つまり、ぼくは最初から君に心を許していたという事だろう」 その優しげな言葉で、今度は嬉しさが唐突に湧き起こってきた。 ねこみみごと紫の綺麗な髪をよしよしと撫でてやると、ティエリアが気持ち良さそうに瞳を細める。 おしゃまな猫を飼いならした様な気分になって、俺は苦笑しながらティエリアの髪を撫で続けた。 そうこうしているうちに、ティエリアの手の動きが段々と激しくなっていく。 俺の一番感じる速度と強さを覚え、亀頭の感度までも知り尽くしたように 最も弱い部分を責められると、もう我慢はきかない。 駆け上がってくる熱い塊の存在を知っていながら、ティエリアは頑として口を離す事はなかった。 ぶしゅうっと吹き出た精液がティエリアの小さい口に収まらず、ごぼごぼと唇の端から垂れ落ちる。 「んぐ…っ」 その苦味ときつい臭いに顔をしかめながらも、ティエリアは吐き出すのが俺への不義理だとでも言うかのように 精液を口の中に溜めたまま、結局飲み込む事も出来ずにいた。 苦しげな中にも困り果てた表情でどうしよう、と問い掛けるように見つめられ、 放出直後にも関わらず愛情が爆発した。 ぎゅっとティエリアの体を抱きすくめ、驚いたようにぴんと張り詰めたしっぽをも抱き寄せると、 ティエリアの腕がおずおずと俺の背中に回された。 「吐き出していいよ」 許しを与えてやると、ティエリアは一瞬躊躇ったようだったが、 俺が抱擁を止めるつもりがないのを悟るとティッシュを取り、素直にぺっと精液を吐き出す。 「今度は飲めるようにするから……」 ティエリアが申し訳なさそうに呟く。 何が何でも次の機会を確保しようとしているらしいティエリアがいじらしくて仕方ない。 ティエリアほどの女ならばどんな男だって受け入れるだろうに、 一番重要なその事をヴェーダは教えなかったらしい。 必要以上にいやらしい性戯の知識は教え込んだくせに――。 だが、コンピュータらしいその無機質さに、今は心から礼を言いたい気分で一杯だった。 「無理しなくていいよ。機体テストが終わったら、今日は一緒に寝てやるから……」 骨が折れそうなほどに強くティエリアを抱き締め、照れ隠しに静かに耳元に囁きかけると、 急にティエリアの様子が変わった。 「機体テスト!?セラヴィーの修理が完了したのか?何故早くそれを言わなかった!」 さっきまでの甘い空気はどこへやら、どんっと俺を突き飛ばし、怒気を含んだ目で睨みつけてくる。 そのままベッドから飛び降り、クローゼットからパイスーを引っ張り出すと、 ティエリアは全裸の体に手際よく纏っていった。 「ミレイナに頼まれてぼくを呼びに来たんだな?なのに全く、君と来たら…!!」 パイスーを着込みながら、ティエリアは壁に掛けられた時計に鋭い視線を送った。 時計の針は既に0時を回っている。 「今日中に整備を完了しなければいけないというのに…!」 愚痴りながらも、ティエリアは器用にしっぽをパイスーの中に納め、 ねこみみまでも髪の毛の中にあっという間に隠しきってしまった。 まさに神業レベルの早業で、いつも目にしていたあのティエリアが俺の目の前に立っていた。 「ティ、ティエリア…。秘密…」 「だまっていろ」 呆然と呟く俺を上から睨みつけながら、ティエリアがさっと踵を返す。 背中に漂う不穏なオーラ。どうやら相当に機嫌を損ねているらしい。 そのまま無言でドアまで大股に歩いていき、ティエリアは乱暴にドアノブに手を掛けた。 このまま出て行くかと思われた直前、ティエリアが唐突に振り返った。 あっけに取られて呆然と見返すばかりの俺。ティエリアの鉄面皮が瞬間的にふっと緩む。 「その話はテストの後だ。機体の確認を優先する。ぼくはもう、誰も失いたくないからな。  だが、夜は長い。ここにいてくれ……」 一瞬だけ天使のような微笑に恥じらいを紛らせ、ティエリアが颯爽と部屋を出て行く。 俺の方こそが完全にティエリアの虜になっていた事を、この時改めて確信した。 そして同時に、新たな欲望が体中に広がっていく。 ティエリアの体がどんな風になっているのか、もっともっと知りたくなった。 あのしっぽ、感度も動きも良さそうだった。 あれを握ったり咥えたりして責めたら、ティエリアはどんな声を出すのだろう。 そして、爪は、歯は、少しは人間と違っているのだろうか。 腹に毛はまるで生えていなかったが、背中や足はどうだろう。 ついさっきまで目に焼き付けるように拝んでいたティエリアの裸体が、 ヴェールがかかり、ぼやけたようにしか思い出せない。 そうとも。ティエリアの言った通りだ。夜はまだまだ長いのだ。 好奇心とともに淫欲が全身に漲ってくるのを感じながら、 俺はティエリアが一刻も早く機体テストを終えて帰ってくるのを待ち侘びた。                                 END