どこか地球の青を思わす静謐な空間の中で、リボンズとティエリアは対峙していた。 お互いに銃を構えて相手を狙い、緊迫した空気が二人を包む。 今こそがこの戦いの勝敗を分ける天王山なのだと、二人とも分かっていた。 刹那がイノベイドの上位種、真に人類を導く者たるイノベイターに完全に覚醒した今、 リボンズもティエリアも含め、イノベイドの役目はもう終わったのだ。 ティエリアが生意気にもヴェーダを返せと言ってくる。 イオリア計画を遂行させる為に、刹那の得た能力で人類同士の対話を完遂させる為に。 しかし、そんな事をリボンズが認められるわけがなかった。  自分こそがこの計画の遂行者なのだ。  イノベイドの垣根を越え、真のイノベイターさえ超越した、まさしく神たる存在。  神々しいその地位に相応しいのはこの僕だ。  この数年、僕こそが人類を導いてきたのだから――! 執念にも似た強い意志を増幅させ、ティエリアが攻撃してくる前に、 リボンズは引き金を迷いなく引いた。 「………!!!」 銃弾がティエリアの腹部を撃ち抜く。 その一発でティエリアの内臓は激しく損傷し、 その体は修復不可能なほどに致命的なダメージを負った。 脱力したティエリアの体が、ヴェーダの蒼に抱かれるようにゆらゆらと頼りなく揺れる。 バン!バン!バン! 止めをさすように、リボンズが容赦なく銃弾を撃ちこんで行く。 同情も憐れみも何も感じない。 ただ勝者の優越感だけをその体全体に漲らせながら、 リボンズは何度も何度も引き金を引いて、ティエリアに凶弾を浴びせ続けた。 「はははは!!!この僕に逆らうなんて、身の程知らずもいいところだ!!!  思い知れ、ティエリア…!!」 リボンズの嘲笑が高らかに響く。 既に命の飛び去った体に何発も銃弾を浴び、 まるで操り人形のようにティエリアの体がくるくると舞った。 血飛沫が噴き出して、文字通り血の雨のように飛び散っていく。 「僕だ…!僕こそがイノベイターを超える存在だ…!!下等生物どもめ、足元に跪け…!!」 リボンズが勝利宣言と共に放った最後の銃弾が、ティエリアの額にめり込んだ。 命の全てを散らすように、大量の血液が脳から迸ってヴェーダに舞い散った。 「ふん。死んだか……」 リボンズがティエリアをゆっくりと覗き込む。 ティエリアの体は完全に沈黙し、ただの力ない物体として空間に浮かんでいた。 しかし死してなお、その紅い瞳はリボンズを睨みつけるように見開かれている。 まるでリボンズの行動をこれからも邪魔立てしてやるとでも言うかのような厳しい光が そこに漂っている気がして、リボンズは怒りを爆発させた。  ティエリア・アーデ――。  散々手こずらせてくれた、イノベイドの出来損ない。  最後の最後まで僕の前に立ちはだかり、あまつさえ追い詰めようとした。  それどころか死体となってもまだ、その意志を消そうとしない、生意気なマイスター。  殺しても殺しても殺し足りない。 狂おしいほどの憎悪が体の隅々にまで沁み渡り、血潮が湧き立つ。 憎くて憎くてどうにも我慢できない。 リボンズは顔を引きつらせて唇を噛み締めながら、空中に浮かぶ死体を両手で掴み、 そのまま乱暴に床へと叩きつけた。 既に活動を停止したティエリアの体から、それでも残血がびゅっと噴き出す。 返り血を浴びて、リボンズの顔が邪悪に歪んでいく。 ついさっきまで確かに生きていたこの命を僕が作り、 この手で奪ってやったのだという生殺与奪の優越感で一杯になる。 邪悪な微笑を浮かべながら返り血を一舐めし、 リボンズはティエリアの死に顔を間近で凝視した。 どれだけ血にまみれていても、やはりイノベイドらしく、どこまでもその顔は美しい。 死の影が濃いからこそ、なおその美しさが際立っている気さえした。 「この僕に逆らうからこんな事になるんだよ、ティエリア。  せっかく美しい体を持っていたのにね。愚かな子だ」 ――僕が与えた命なのに、無駄に使うなんてまさに万死に値する。 ティエリアの死に顔を見てもなお、リボンズの憎しみの炎は一向に消え去ろうとしなかった。  死体を美しく整えてあの世に送り出すのが人間の葬送だとか。  くだらない。  死んだらそれまでだ。美しいも汚らしいもあるものか。  たとえ絶世の美貌を持つイノベイドであろうとも、  死んだら腐敗して用済みになるだけの事。 それでも、人間の側に付き、自分は人間だと宣言したティエリアだ。 最後の最後まで人間に心奪われたまま、結局リボンズの元に返って来る事はなかった。 それならば死体をこれ以上ないくらいに辱め、 誰もが目を背けるほどのおぞましい姿で放置してやる。 リボンズは身を焦がすほどの嗜虐心に心躍らせ、銃の代わりにナイフを手に取った。 にやりと歪に笑いながらティエリアのパイスーをビリビリに引き裂いていく。 布ごと刃が皮膚を切り裂いたが、血流の止った死体からはもはや血は一滴も吹き出ない。 死んだ鳥を捌いたように、肉だけがぱっくりと裂けてリボンズの目を潤した。 体の至る所に付いた銃弾の跡が艶かしい血肉を晒し、リボンズの加虐心を刺激する。 「生きていないというのは残酷な事だね、ティエリア。  何も感じない。考えない。どうされても、抵抗も出来ないのだから」 銃痕に指を押し当て、抉るようにぐりぐりと回しながらいたぶる。 その度に生命の消えた青白い肌が蠢くが、ティエリアの顔は固まったままで、 苦痛の色さえ浮かびはしない。 指に付着した血痕をねっとりと舐め取ってティエリアの味を堪能し、 リボンズはまだ責め足りずに傷跡を嬲り続けた。 侮蔑しながら肢体を見回した視線の先で、 まだ赤く色付いた乳首が、指を動かす度に僅かにその先端を揺らしている。 「可愛い乳首だね。生きているうちに可愛がってあげれば良かった。  さぞかし君も悦んだろうに、惜しかったね」 乳首に刃先を当て、軽く動かすと先端の尖りには鋭い傷が付いた。 「ふふふっ。残念だね、ティエリア。  生きていたなら、さぞかし心地いい悲鳴をあげたろうに」 リボンズは残酷に笑いながら、尖りの先端を指で摘み、ぐりぐりと捻りあげて引っ張った。 伸びたそれが熟れ時の野いちごのようにも見える。 「切り取って食べてしまいたいよ、ティエリア。  君もリジェネも僕に逆らってばかりだった。  不適格な細胞は、根絶しなきゃどうにもならない。せめて僕の血肉になってみるかい?」 死体を思う存分辱めると、高揚した身体がますます昂ぶっていく。 とても人類の革新者には相応しくない残虐な欲望に支配されている事に、 リボンズは気付かない。 ただ暴発しそうな体と意識を持て余し、 冷えたティエリアの乳首に勢いよく吸い付いて舌で捏ね回した。 ナイフで付けた傷口の血の痕を舐め、続いて責めるようにきつく噛む。 壊れても一向に構わない程、リボンズはティエリアの乳首を激しく弄んだ。 乳輪をなぞり、その下の白い肌をゆっくりと舐めると、随分冷えているのが分かる。 生きていた時の痕跡が段々と去り、刻一刻と死の影がその体を覆い尽くしているのだ。 「あとは腐っていくだけだね、ティエリア。  その前に、僕が君を汚してあげるよ。裏切り者に相応しくね」 昂ぶった意識は性欲に直結する。 ティエリアの美しい死体を前にして、凶暴な背徳感が強まらないわけがない。 リボンズのペニスは猛り狂い、今にもはちきれんばかりに疼いていた。 全身が粟立つほどの興奮に苛まれ、リボンズは耐え切れずにノーマルスーツの下半身を露わにした。 飛び出たそこは、既に異常なほどに勃起していた。 金目を血走らせながら、リボンズはティエリアの股を大きく左右に割り開く。 まだその体に硬直は始まってはいない。 容易に開いた股の中心部を食い入るように見つめると、 ペニスはなお震えんばかりに反り返り、 大量に溢れる先走りが勃起を滴って床にまで飛び散っていった。 もはや我慢ならず、リボンズはティエリアの膣にむしゃぶりついた。 まるごと飲み込むように口を大きく開いて股間全体を咥え、 激しく舌を動かして陰部を舐める。 クリトリスをしゃぶり回し、舌を膣に突き入れて内部を掻き回し、 ティエリアが生きていたなら悦びで狂わんばかりの淫らな舌戯をたっぷりと与えてやった。 だが当然、そこには何の興奮の兆しも見えず、冷えた膣には愛液の一滴も湧き出て来ない。 それでもリボンズの熱い唾液がそこを潤し、皮膚をふやかすように温めた。 「死んでもまだ感じてるのかい、ティエリア…?」 興奮を煽るために言った侮辱の言葉が、期待以上にリボンズの淫欲を高揚させる。 ペニスが暴発寸前でびくびくと脈打った。 自分を抑え切れない。 ティエリアの膣肉を指で強引にこじ開け、内部の赤い粘膜に目を奪われながらも 膣口に亀頭を押し当てる。 ずんと腰を押し出すと、死んだ細胞にペニスがずぶずぶとめり込んでいった。 奥の方はまだ生きていた名残を残して温かかった。 かすかに潤んでいるような感触さえある。 「いやらしい出来損ないめ。死んでも男を誘うのか…!」 堪らず腰を振ると、ティエリアの身体が前後に大きく揺れて、 まるで生きているかのように錯覚させた。 膣肉がぎゅうぎゅうと締め付けてくる。 リボンズが快感に震える。ああっ、と自分でも初めて聞くような悦楽の声が漏れた。 「そのまま締め付けているがいいさ…!地獄でも男を食らい尽くす淫売め…!!」 ティエリアの大きく開かせた足首を掴み、結合部を凝視しながら リボンズは激しいピストンを打ち込んで行った。 どうやら性交の経験のなかったらしいティエリアの膣肉は激しい抽迭で裂け、 かすかに血のような跡が滲んだ。 リボンズの顔に鮮やかに喜色が浮かぶ。 「この僕が初めての男というわけか…!嬉しいだろう、ティエリア…!?  ほら、もっとたっぷり飲み込みなよ…!気持ちいいんだろう…!?」 肉棒を咥え込んでは吐き出す淫らな光景から目を離せない。 その度にペニスに強烈な快感が走る。 リボンズのストロ−クが段々激しく、小刻みになっていく。 「僕が神だ…!この計画の遂行者だ…!愚かな人間め、思い知れ…!!」 ティエリアの見開かれたガラスのような瞳に、リボンズの勝ち誇る歪んだ笑顔が映った。 じっくりとそれを見つめながら、リボンズはティエリアをがくがくと激しく揺さぶり、 奥の奥まで犯し尽くした。 「さあ、くらえ…!」 神の血潮を注ぎ込むような優越的な気分に支配されながら、 ティエリアの奥深くにペニスを突き刺し、精を思い切り吐き出していく。 狭い膣内に収まりきれないほどの大量の精液を撃ち付け、 リボンズは荒ぶった息を整える事もせずにペニスを抜いた。 亀頭の先端に引き摺られた白濁が、ぱっくりと開いた膣口からどろりと糸を引く。 汚してやった…! リボンズの勝利の瞬間だった。自然、口元が綻ぶ。 陵辱を受けても、ティエリアの顔は屈辱に歪む事も怒りを漂わす事もない。 生者と死者の圧倒的な距離がそこにあった。 「僕の勝ちだ、ティエリア…!あの世で不様に泣き叫ぶがいい…!!」 狂ったように笑いながら、リボンズは再び勃起を扱きあげていく。 まだまだ欲は去りそうにもなかった。 半勃ちの状態でティエリアの膣内に埋め込んで扱き、その締め付けで勃起を完成させた。 勃ちきるとそのまま奥まで突き刺し、 弛緩してもなお締め付けてくる膣壁を引き裂くように、乱暴な突き上げを食らわしていく。 自ら膣内に放ったばかりの精液が、ペニスに纏わりついてくちゃくちゃと卑猥な音を出した。 それがまるで生身のティエリアの興奮を伝えてくるようで、 リボンズはますますその身体を欲情に焦がした。 「ははははは!どうだ、ティエリア…!?気持ちいいか…!!」 狂ったように嘲笑いながら、腰を掴んで結合を深め、 それだけでは足りずに突く度に思い切り引き寄せながら、子宮口までたっぷりと犯し尽くす。 強い摩擦が絶えずリボンズに快感を与え、すぐに2度目の射精が近づいた。 ずぼっと音を立てながら勃起を引き抜き、ふわりと浮き上がって高みからティエリアを見下ろす。 勃ったペニスが男としての支配欲をも満たし、 全てにおいて上位種であるという優越感がリボンズの全身に漲った。 「残念だったね、ティエリア。結局何一つ、君の望みは叶わなかった。  忠告しておくよ。  もし今度君を造る事があったとしたら、今度こそ僕の忠実な奴隷になれとね」 リボンズは金目を威圧的に輝かせて勝ち誇り、ペニスをぐいと扱き上げた。 鈴口が口を開け、その先端から勢いよく精液が噴き出した。 命そのもののような白い液体がびゅびゅっと散らばって、ティエリアの全身に降り注ぐ。 ところどころに付いた痛々しい銃弾の跡に、白濁が被さった。 血の赤と精液の白が混じり合う。 とろりと溶けてティエリアの体の側面に沿って流れていく精液が、 妖しいほどに美しくリボンズの目に映った。 「誰も僕を止める事など出来ない…!  イノベイドだろうとイノベイターであろうと、イオリアであろうともね…!!ふははははは!!!」 あくまでも静謐なヴェーダの胎内に、リボンズの狂ったような笑いだけが響き渡った。 end