最近にしては珍しく、リボンズから呼び出しが掛かった。 しかも、緊急の用件らしい。 リボンズが自分を疎ましく感じているらしい事は、よく分かっている。 不審に思いながらも、リジェネはリボンズの下へと向かった。 階段の上から広い部屋を見下ろすと、リボンズはいつも通りに豪奢なソファーに一人ゆったりと座って、 余裕ぶった笑顔を湛えながらリジェネを見上げ、早く下りて来い、と目だけで促した。 こういう雰囲気のリボンズは、いつも何かを企んでいる。 …それがリジェネにとって良い事か悪い事は置いておいて。 警戒心が自ずと強まるのを決してリボンズに気取られないように、 リジェネはいつも通りの微笑を浮かべ、静かに階段を降りて行った。 「呼んだかい?リボンズ」 リボンズの脇に立ち、落ち着いた口調を装って尋ねる。 「ああ。もうはじまる所だよ、リジェネ。  これ以上待たされたら、僕だけで楽しまなければいけない所だった」 リボンズの返答には、言葉の刺々しさの割には何の感情も込められてはいない。 真意を測りかねて、リジェネは思わず眉をひそめたが、即座に笑顔を取り戻し、 「わざわざ呼び出して、何を見せてくれるつもりだい?リボンズ」 優雅に、無邪気に、何も悪意はないかのように答える。 しかし、穏やかなやり取りの裏で、場の空気は確実に凍り付いていた。 最近の二人はいつもこうだ。 まるで、狐と狸の化かし合い。互いに真意を隠しつつ、腹を探り合う。 少し歯車が違えば、足元から奈落に引き摺り込まれる。 上位種を気取っているリボンズがその危うさに気付いているのかいないのか分からないが、 それを直感的に分かっているからこそ、今の所、彼はリジェネに積極的な干渉をして来ないのだろう。 「座りなよ」 リボンズがリジェネに隣の席を促した。 断る理由は全くない。 リジェネは素直に頷き、リボンズと微妙な距離を取って、同じソファーに腰掛けた。 フン、とリボンズが軽く鼻を鳴らして笑う。 相変わらずいまいましい笑い方をする奴だ、とリジェネが心の中で舌打ちした時、 リボンズが目の前に設えた大型モニターを起動した。 自然にリジェネの意識がリボンズへの警戒からモニターの映像への興味に移る。 が、次の瞬間、モニター内に映し出された光景にリジェネは言葉を失った。 コロニ―型母艦、ソレスタルビーイング。 モニター内に現れた部屋は、イノベイターの居住するこの母艦内のどこかの一室に間違いない。 かなり狭いその部屋の床に、パイロットスーツに身を包んだ濃紫の美しい髪を持つ少年が力なく横たわっている。 カメラがわざわざ顔をアップにするまでもなく、リジェネにはそれが自分と同じ塩基配列を持つ片割れのような存在、 ティエリア・アーデだと一瞬で分かった。 「簡単だったよ。彼をおびき出すのはね」 リジェネに説明するように、リボンズが画面を愉しげに見やりながら、淡々と口を開いた。 「ヒリングやリヴァイヴが脳量子波を掻き回してくれたおかげで、ヴェーダを経なくても簡単に繋がる事が出来た。  相当な遠距離だったけどね。  彼の脳内に暗号を送ったのさ。その場所にヴェーダがあると思わせるに十分なデータとともに。 今プトレマイオスは疲弊している。ティエリアが独りで偵察に訪れるであろう事は分かりきっているからね。 案の定、独りでノコノコ現れたティエリアを、彼が捕まえたというわけさ」 「彼……?」 思いがけない事態に、さすがに動揺を隠せないリジェネを見下すように眺め、 リボンズは意地悪く唇を歪める様にして笑った。 画面の中に、一人の赤毛の大柄な男がのっそりと現れる。 リジェネの顔が凍り付いた。 「ア、アリー・アル・サーシェス…!?」 「何を驚いているのさ。君だってティエリアに会いたがっていたんだろう?  アリーの後に、対面すればいいじゃないか」 「……ッ」 思わず怒りの言葉を叫びそうになるのを何とか飲み込み、リジェネはリボンズを睨みつけた。 (あんな男にティエリアを与えるなんて…!) 今からアリーは、ティエリアに酷い暴行を加えるに違いない。 その証拠に、画面の中のアリーは赤毛を燃え上がらんばかりに滾らせて、 気絶しているらしいティエリアをギラギラと光る野獣のような目で凝視しているのだ。 涎を垂らさんばかりの下卑た半笑いを浮かべながら。 人間的な欲望に遠いイノベイターのリジェネでさえ、 アリーが抑え切れない性欲をティエリアで発散させようとしている事位は分かる。 それも、恐らくほとんど拷問に近い激しさで。 「しょうがないじゃないか。君は戦闘型じゃないし、ティエリアとやりあって勝てる見込みはない。 ずっと前にサーシェスと約束していたんだよ。ティエリアを捕まえたら、その体を好きにしていいとね」 リボンズのとぼけた言葉に、激しい怒りが込み上げてくる。 それがティエリアと同タイプとしての共有意識的なものなのか、 常に自分の先回りをするリボンズの傲慢さへのものなのかは定かではない。 唇を噛み締め、拳を握り締めたリジェネに、リボンズは余裕の表情で笑いかけた。 「何か文句でも……?」 人を食ったような、小馬鹿にしたような高圧的な態度だ。 しかし、悔しいが、今はリボンズに逆らう事は出来ない。 ティエリアは仲間というわけではないのだから、尚更――。 「目を離すんじゃないよ、リジェネ。 こんな面白いドラマは、もうニ度と見られないかもしれないんだからね。 それとも、そんなに悔しいのかい?片割れが酷い目に遭うのが。  それなら、ティエリアと意識を繋いで共有してやればいい。苦痛も快楽も…、ね」 リボンズの笑顔が悪魔のような邪悪さを極めた。 「く…っ」 画面の中のアリーがゆっくりとパイスーを脱いでいくのを、 リジェネは黙って見ているしか出来なかった。                *** 手早く全裸になったアリーは、早くも半勃ちに欲を晒す自身の熱さを持て余しながら、 目の前で横たわる美貌の少年の姿をたっぷり時間を掛けて見下ろしていた。 両手を後ろ手で縛り、両足もがっちりと縛り上げている。 今ティエリアが目を覚ましても、完全に緊縛されたこの状態では何の抵抗も出来ないに違いない。 獅子が無垢な子猫をいたぶるような残酷な嗜虐心を感じながら、 アリーはようやく訪れたこの人外の美少年との再会に心躍らせていた。 大将、リボンズから既にお許しも出ている。 「メメントモリ撃墜に、軌道エレベータ破壊、00ライザーの登場……。  へっ、随分待たせてくれたじゃねえかよ、小僧〜」 文字通り舌なめずりしながら、光り輝かんばかりの美貌を持つティエリアの寝顔と滑らかな肢体を、 上から下まで嘗める様に何度も何度も見直す。 初めてリボンズにティエリアの自慰に耽る姿を見せられてから、もうどれほど期間が過ぎたろうか。 想像以上に手間をかけられたせいで、アリーの欲望は爆発寸前にまで燃え上がっていた。 世界情勢が刻一刻と変わる中、ろくに外出も許可されずにリボンズの子飼いに甘んじていたのだ。 ようやく慣れてきたとは言え、宇宙空間での生活は過度のストレスを彼に及ぼした。 慰めに、あれから何度かティエリアの自慰を見せられた。それだけではない。 ヒリングの思念を通してリボンズがモニターに投影させた、 精神空間内で女になったティエリアとリヴァイヴとヒリングが絡み合う姿もしっかりと見届けた。 だが、いくら自慰に興じてみても映像だけで満足出来るはずもない。 ティエリアがその体を淫らに開発して行けば行くほど、その脳が淫らな行為への快感を覚えて行けば行くほど、 アリーの牡としての興奮は日毎に強まって行った。 人任せではなく、自分で徹底的に陵辱したい。 壊れるほど乱暴に突きまくり、ボロボロの廃人になるまで体の全てを味わい尽くして、 もはや男根なしでは満足出来ないほどに支配してやりたい。 ティエリアが結局、現実世界でも脳内世界でも誰にも破瓜を許していない事もまた、 アリーの支配欲を煽っていた。 「こんな美味そうな小僧、誰が人にやるかよ」 喉を鳴らして生唾を飲み込み、アリーはナイフを携えて、ティエリアの傍に屈みこんだ。 紫のパイスーの胸部分にナイフの鋭い切っ先を押し当てる。 扱いには慣れているはずなのに、過剰な期待で指が震えた。 ティエリアを起こさないように、静かに静かに刃を立てて硬い布を切り裂いていく。 ジーッと布の裂ける音が、息を殺した部屋にやけに大きく響く。 露わになったティエリアの白い胸がかすかに上下して、安らかな呼吸をアリーに伝えた。 どれだけ注意しても、時折切っ先が滑らかな肌に当たり、軽い傷跡を残してしまう。 目が覚めるほどの痛みでもないのか、ティエリアが目覚める気配は一向にない。 雪の結晶のようなその肌に血の跡が滲む光景は眩暈がする程に扇情的で、同時に強烈な加虐心をも煽り立てずにいられない。 「綺麗な肌してんじゃねぇかよ…。さすがにイノベイターだな」 アリーは思わず見惚れて、柄にもなく溜息を吐いた。 すーすーとティエリアの寝息が途切れる事なく聞こえてくるそのすぐ脇で、 アリーのペニスは残虐な暴力性を湛えて、いつしか完全に勃起し尽くしていた。 首から股まで完全に布を切り裂いて脇の部分を切り取ると、 ティエリアの美しい裸身がアリーの目の前に惜しげもなく晒される。 北欧の陶器を思わせる艶やかでしとやかな肌、 ほんのり桃色に色づいた果実のような乳首の先端に視線が集中した。 紫がかった黒髪が、整った顔にはらはらと落ちる。 滑らかな曲線を描く体のラインに女以上の艶かしさが漂っているように感じられるのは、 焦らされ続けた欲求不満のせいだけではあるまい。 モニター内で見た時よりも遥かに魅惑的なティエリアの肢体に、 アリーはもはやこれ以上、興奮を抑えきれそうにもなかった。 アリーは凶悪な衝動で疼く、自らの男芯を見下ろした。 普通では有り得ないほどにガチガチに固まった、黒炭を思わせる真っ黒な皮。 使い込んだ黒さと違う事は一目で分かる。 この醜悪な肉の塊同様、アリーの肉体の至る所は真っ黒に焼け焦げて炭化していた。 自ら「消し炭」と称した醜い身体。 当然、アリーはこの程度の事で外見的なコンプレックスを抱くような男ではない。 しかし、ある意味戦闘での敗北によって付けられた傷跡である事は間違いない。 その事が、アリーに充分な劣等感と復讐心を抱かせていた。 「見ろよ、小僧。この真っ黒な身体をよぉ?お前らが可愛がってくれたおかげで、  大事な商売道具が傷物になっちまったじゃねぇかよ?責任は、その体で取ってくれるんだろうなぁ?」 まだ眠りから覚める気配もないティエリアの横顔に、どうしようもなく興奮が募る。 その股間にしっかりと付いた少年のペニスでさえ、 アリーを萎えさせるどころか、より一層の背徳的な欲望を与えた。 昂ぶり尽くした欲を証明するかのように先端には先走りがたっぷりと滲み、すえた臭いが辺りに充満していく。 きっとこの行為を、リボンズは余さず見届ける事だろう。 いつもと同じく、眉一つ動かさず、退屈しのぎだと言わんばかりの冷酷な微笑を浮かべながら――。 「へっ、見たかったら気の済むまで見てて下さいや、大将」 全身がぞくぞくと粟立ち、アリーはいよいよ我慢が利かなくなって、 武者震いの止らない腕でティエリアの体をうつ伏せにひっくり返した。 「う……」 さすがにティエリアが軽くうめく。 ティエリアが完全に意識を取り戻す前に、アリーはナイフでパイスーの背中をビリビリ引き裂いていった。 もはや手付きに手加減は一切加えられていない。 乱暴に上下に動く刃の切っ先が、容赦なくティエリアの素肌に鋭い傷跡を残していく。 真っ赤な血が白い肌に細い線を残す度に、アリーの心臓はまるで戦場にいるかのように荒々しく高鳴った。 異常な量の先走りが肉棒を滴り落ちていく。 これほどまでに興奮した事は、戦争と酒宴に明け暮れた、尋常ではないアリーの人生においても、記憶になかった。 「たまんねえ、たまんねえぜ、小僧〜〜」 暴れ出したい程の興奮で顔面を引きつらせながら、 アリーは剥き出しになったティエリアの腰から双丘にかけての柔らかな曲線を凝視した。 丸みを帯びたカーブが重なり合った先に、未だ誰の男根も分け入った事のない未踏の地が待っているのだ。 ご丁寧にもその場所は、この少年自身の指によって、既に快楽を感じるようにしっかりと開発されている。 過去何度となく見てきた、自慰に喘ぐティエリアの艶かしい表情と嬌声を思い出して、 アリーのペニスが欲望にびくんと震えた。 もう我慢が出来ない。 視姦を愉しむ余裕さえなくし、アリーは少年の腰を持ち上げて膝立ちにさせ、双丘を左右に強引に割り開いた。 手に当たる肉の感触は女以上の柔らかさと弾力を併せ持ち、アリーをますます興奮させた。 両足をしっかり縛っているせいで、満足に割れ目が開かないのがもどかしい。 「う……?な、何……?」 体を弄られる感触で、ティエリアがようやくおぼろげに意識を取り戻す。 後ろ手に両手を縛られ、顎を冷たい床に付き、 尻だけを突き出した卑猥な格好を取らされている事をティエリアの脳が理解する前に、 アリーはペニスの先端をぐいぐいとアナルの窄みに押し付け、先走りの粘液で入り口をたっぷりと湿らせていく。 熱く、異様な感触にティエリアの背中がびくびくと震え、「あっ…」と軽い喘ぎのような声が漏れる。 アリーの欲望が、一気に増幅して弾け飛んだ。 「オラアッ!ぶち込んでやるぜぇ!!欲しかったんだろ?たっぷり咥えろや!!!」 今まで抑えていた欲望を全て開放するように叫び、アリーは狭い窄みへと強引に亀頭を捻じ込ませた。 「ひっ…!!」 繊細な皺を乱暴に突き破り、指しか受け入れた事のない細い肉壁を、 男根のもっとも太い部分が容赦なくこじ開けた。 めりっという肉の裂けるいやな音が、体を通してティエリアの鼓膜を振わせる。 「んぐうううっっっ!!」 無意識状態で叫んでしまった耳を塞がんばかりの悲壮な悲鳴が、他人の声のようにティエリアの耳に響いた。 ようやくはっきりと意識を取り戻したが、目覚めた矢先に、 太い針で刺されたような峻烈な痛みが下半身に走る。 「あぐうっ、な、なに…っ!?んんんっっっ!!」 ティエリアがアナルに感じる凶悪な異物感の正体を確かめようと、何とか顔を振り向かせようとする。 アリーはその腰をぐいと一際高く持ち上げて、少年の顎を再び床に押し付けて制止した。 「ほうら、いくぜぇ…!?」 アリーは肉壁の強すぎる程の締め付けをたっぷりと味わいながら、 根元までずぶずぶと挿入していった。 極狭の肉壁は、異物の侵入を跳ね返さんばかりの凄まじい圧迫感を備えていた。 快感と痛みが入り混じるほどの締め付けだった。 「へへっ…!いい締まりしてんじゃねえか…っ!」 亀頭の痛みに悶えたのも一瞬だけの事で、アリーはティエリアの悲鳴でますます勃起を硬くしながら、 ぐいぐいと回転させるように腰を動かして肉壁の抵抗を撥ね退ける。 「ひぐ…っ!やっ、痛いぃっっ!」 見慣れない部屋の床に、激痛のあまり零れ出したティエリアの涙がぽたぽたと滴った。 何かが体を引き裂いて、奥の奥まで突き入れられているのだけは分かる。 やがて異物の進みが行き止まりで停止して、ようやくティエリアはそれが随分熱い物体である事を理解した。 「全部入ったぜ?どうよ、小僧。てめぇの指なんかよりデカくてよっぽど気持ちいいだろうが?」 背後から聞こえてきた男の声。 その声を聞いた途端、ティエリアの体がかっと熱くなる。 聞き覚えがある声、などという表現では生温い。 忘れようがないその声で、ティエリアは憎しみの感情を瞬間的に爆発させた。 「アリー・アル・サーシェスッッ!!!」 ついさっき宙域で見たアルケーガンダムの遠影と、 放たれたビーム砲をもろに食らった時の衝撃が、ティエリアの脳裏に蘇った。 即座に自分が囚われの身となった事を悟り、流れる涙が痛みから悔し涙へと変わる。 「おうよ。名前まで覚えててくれたのか?うれしいねぇ。めったに戦場でも会いやしねえのにな」 猫撫で声と共に、肌の触感を愉しむ様に尻の曲線をさわりと撫でられ、ティエリアに吐き気と悪寒が押し寄せた。 忘れられるわけがない。この男は、ロックオンの仇だ。 戦争を楽しみ、他人を傷つける事でしか己の存在を確立する事が出来ない、狂った男なのだ。 こいつの自己満足の為に、ロックオンは志半ばにその命を失う事になった。 いや、そればかりか、ロックオンの戦いの根本に、この男は深く関わっていたのだ。 少年兵を洗脳してテロを頻発させ、ロックオンの家族の命を奪ったのだから。 虫けらのように他人の命を弄び、他人の苦痛でしか喜びを見出せない下劣な男。 そんな男の為に、ロックオンは人生を左右されてしまったのだ。 「くぅ…っ、き、貴様ァっっ…!!」 床に顔を押し付けられながらも、ティエリアは何とか後ろを振り向いた。 その横目に、真っ黒に焦げたような肌が飛び込んでくる。 「それが…っ、その程度があの人の命の代わりにお前に与えられた代償か…ッ!?」 込み上げてくる憎しみを抑えられない。 四肢の縛鎖を振りほどかんばかりに体を捩る度に、肉棒の埋め込まれたアナルが強烈に痛む。 それでも縛られた体躯を懸命に捩りながら、ティエリアは腹の底から憎しみの叫びを絞り出した。 「貴様のせいでロックオンは…っ!」 「ああ?ロックオンだァ…?ああ、あの若造かぁ。懐かしいねぇ」 とぼけた声で言いながら、アリーがティエリアの腰をぐっと掴んで更に自分へと引き寄せる。 ずんっと勃起が奥までめり込んで、ティエリアは堪らず悲鳴を上げた。 アリーは声を落とし、残酷な響きを強めた。 「それがどうした?お前の恨み事や愚痴なんざ、一切興味ねえんだよ、ガキが。  ケツにチンポぶち込まれながら抜かす事じゃねえだろ?」 真っ黒い肉棒が真っ白な皮膚を貫通し、縁には鮮血が痛々しく滲んでいる。 血走った目で繋がった部分を凝視し、込み上げてくる薄笑いを抑えもせずにアリーがペニスをじゅるっと引き抜く。 「あぐぅっ…!」 ちぎれた肉ごと引きずり出されるような鋭い痛みにティエリアが堪らず声を上げた次の瞬間、 「たっぷり味わわせてやるぜぇ?人間様の旨みって奴をなァ…!!」 アリーはずんっと腰を大きく突き出し、裂けた肉壁を再度亀頭でこじ開けながら奥まで一気に突き入れた。 「あぐあああっっっ!!!」 脳天まで突き抜けるほどの痛みがティエリアを襲う。 体中から血の気が引き、血液が集っているはずの頭でさえ、貧血のように一瞬真っ暗になった。 直腸を突き破るような強烈な一突きでティエリアの体は大きく揺さぶられ、 顔面が床に当たってがんっと鈍い音を出す。 体が痛みを逃す時間さえ与えてもらえず、直後、乱暴な抽迭がはじまった。 「おらおらァ!今日は何回イクかわかんねえぞォ、小僧!?まずは一発目だ!!」 「ひああっ、ああっ、ああっ、ああっっ!!」 ティエリアの悲痛な悲鳴を聞きながら、アリーは腰を激しく振って何度も何度も奥まで抉り続けた。 裂けた肉壁から溢れ出す鮮血と、黒炭ペニスの先走りが混じり合う。 キツすぎる締め付けの中でも僅かにペニスの侵入が容易になったのに味を占め、 アリーは声を出して嘲笑いながら、乱暴に腰を打ちつけ続ける。 「はっはぁ!!いいぜぇ、もっと泣け!喚け!!俺にとっちゃそれが最高のご褒美なんだからなァ!!」 肉棒を引き出す度に、ずるずると壁が食らい付いてくるような感触が堪らない。 ガクガクと細い体を人形のように前後に揺さぶっていると、 ティエリアの顔面が床で擦れ合う音までもが、はっきりとアリーの耳に届いた。 時折唇が床で塞がれるのか、抽迭の度に迸るティエリアの悲鳴はかすかにくぐもっていた。 「んぐっ…!んああっ…!んんっ!やっ、やぁぁっ…!」 「あぁ?さっきの威勢はどうしたァ?何か言ってみろよ!?ケツが良すぎて声も出ねぇかぁ!?」 挿迭を繰り返す度に、新しい血が黒い肉棒の表面にべったりと付着する。 傷つけ犯しているという、野獣の捕食のような本能的な愉悦にアリーは浸りきっていた。 炭化した肌の感度は、以前に比べて遥かに落ちている。 それでも期待以上だった後孔の締め付けと、嗚咽にも似たティエリアの苦痛の悲鳴が、 あっという間にアリーに一度目の射精感をもたらした。 「出るぞォっ…!?たっぷり射してやるから全部飲み込めよ、小僧ッッ!!!」 「んんーーッ!!」 ぐいっと掴んだ尻に力任せにペニスを捻じ込み、ぐいぐいと小刻みに扱き上げて精液の噴射を促す。 激痛の余り、ティエリアは聞き逃すほどの高い声で悲鳴を上げた。 「おらっ、イクぞッッ!!!」 強烈な一突きとともにアリーの動きがぴたりと止まり、鈴口から勢いよく精液が吐き出されていく。 生身の肉体の中に射精するのは、随分久しぶりだった。 どろどろに濁った白濁がペニスから噴出す度に、勃起には最高の快感が走る。 「おらよ、出てるの分かるだろォ?欲しかったんだろ?コイツがよぉ」 アリーは唸りながら長い時間を掛けて、ティエリアの奥に精液を目一杯注入した。 発射された大量の精液が、ティエリアの内部全てを白く染め上げていく。 「う…、うぅ……」 ティエリアの傷ついた肉壁は白濁の熱を受けて、しくしくと灼けるように痛んだ。 四肢を縛られている為に身動きすら出来ないが、それがなかったとしても身じろぎ一つ躊躇うほどの痛みだった。 射精し尽くしたアリーが、ふう〜っと気持ち良さそうな声を吐きながらペニスを抜き出す。 じゅるりという音とともに血と精液ごと引き摺り出されるような不快な感触に、 ティエリアは再び唇を噛んで耐え忍んだ。 肉棒がアナルからずぼっと抜けた途端、 まだ赤黒く膨らんだ先端から、ポタポタと血と白濁の混じり合った滴が滴り落ちる。 その先ではたった今まで勃起で蓋をしていたアナルの入り口が、 肉棒の形そのままにぽっかりと卑猥に口を開き続けていた。 その内部から白く濁った液体がどろりと溢れ出て、双丘の谷間をゆっくりと垂れ落ちていく。 アリーの目が血走り、瞬間的に欲望が蘇った。 「ちゃんと閉めとけや、小僧。  せっかくたっぷりと射れてやったっていうのにだらしなくこぼすなんて、随分締まりのわりぃケツ穴じゃねぇかよ」 白濁と鮮血の溢れ出す白い尻を責める様にバシンと叩くと、そこが真っ赤に色付いた。 きめ細やかな色白の肌だからこそ、くっきりと得られる嗜虐の愉しみ。 アリーの射精済みのペニスは結局治まる気配もなく、 勃ちあがったままのそこが再びガチガチに硬度だけを増していった。 アリーが手を離すと、両足を縛られたティエリアの腰は、そのまま力なく床へと突っ伏すように崩れ落ちた。 体が真っ直ぐになったせいで、後孔が双丘に隠れてチラチラとしか見えないのに機嫌を損ね、 アリーは強引に肉丘をぱっくりと割って、いやらしく白濁を吐き出す穴をじっくりと視姦してやる。 「やっ…、いや…ぁ…っ」 恥辱によるものかあるいは恐怖によるものかは分からないが、ティエリアの全身がびくびくとか弱く震えるのが堪らない。 「いつまでもダラダラ垂らしやがって…。  自分で掻き回してばっかりいるから、こんなだらしねぇ穴になるんだ。そうだろ?」 全身の隅々にまで満ちてくる強烈な欲情を感じながら、アリーは人差し指で垂れた白濁を全て掬うと、 傷ついて血の滲む入り口へと塗りつけはじめた。 「…っ、い…た…っ…!」 悲鳴と共に、びくんとティエリアの腰が跳ね上がる。 「そら、お前の大好きな指だ」 そのまま穴の中に突き入れようと指先を立て先端だけをめり込ませた時、 ティエリアが「やめ…ろ…ぉ…」とか細く懇願してきた。 「あん?痛いのか?」 甚振るように爪先だけで軽く入り口を掻き回す。 血と精液が混じり合ってグチョグチョと卑猥な音を立て、まるで女の愛液のような触感をアリーに与えた。 知らずに唇が釣り上がる。興奮が狂悪なほどの強さで昂ぶっていく。 「せっかく突きまくってやったのに、さっきはずっとヒイヒイ言ってたじゃねぇかよ。  お前はチンポより指の方が好物なんだろうが?  てめぇで前立腺開発しながら、誰かにヤラれるの待ってたんだろ?遠慮してんじゃねぇよ」 ティエリアがふるふると力なく首を振って、抵抗の意思を見せているにも関わらず、 アリーは熱いアナルへとぬぷぬぷと指を突き挿していった。 ペニスの形のままにだらしなく開いていたはずの肉壁が、 指が入った途端にぎゅうぎゅうと締め付けてくる。 「あっ…、ああ…っ」 ペニスより遥かに細いとは言え、男の節張ったごつごつとした指を入れられて、 ティエリアの全身が総毛立つ。 どう我慢しようとしても、声が漏れてしまうのを抑えられない。 アリーが自分の声で興奮を募らせる事は、直感的に分かっている。 何とか声を我慢しようと体に力を入れると、硬直した括約筋がアリーの指を締め付け、 その不快感でまた声が漏れて体が震える悪循環だった。 「へっ、もう感じてんのかよ…。戦場でサカリの付いた猫みたいに襲い掛かってきた時とは別人だなぁ、小僧?  それともあん時もマジでサカってたのか?」 「だ、黙れ…っ!ぼ、僕は…っ」 アリーの嘲笑に言葉で応戦しようとしたその時、ずんと直腸壁を指で押し込まれて、 ティエリアから一気に力が抜けた。 「ふあ…っ」 唐突に、今までで一番艶かしい声が漏れた。 アリーの指が押し込んだ場所、そこは紛れもなく、 ティエリアが自慰の時に自分で愛撫していた、最も快感を感じるスポットだった。 アリーの指がその一点だけを狙って、擦りながらも押し込むような絶妙の刺激を与え始めた。 「あ…っ、ふ…っ、や…っ、や…っ、あ…ん…っ…!」 それほど時間を掛けられなくてもそこはあっという間に熱を持ち、強い快感となってティエリアを喘がせた。 アナルを掻き回す卑猥な水音が激しくなっていく毎に、 ティエリアの嬌声も快感も激しいものへと変わっていった。 「ほうれ、ここだろォ?分かるぜぇ?ここだけやけにコリコリしてっからよォ…。  毎日毎日シコっただけで飽き足らず、自分で開発してたんだろ?気持ちいいだろうが」 「あん…っ、あぁ…っ、ああっ…!な、なん…で…そ…んな事…っ、ふあ…んっ…!」 「見てたんだよ、リボンズの大将と一緒にな。  お前が一人でヤってる姿も、イノベイターの二人と3人でヤってる姿も、しっかりとな。  あの大将、今だって見てるに決まってらぁ。どうよ、興奮するだろ?」 「んっ、あんっ…、う…、嘘…っ、んあっ…!」 「嘘じゃねえよ。ついでに言えば、お前の性欲だって最初はあの大将が遊び半分で与えたもんだ。  もっとも、今は間違いなく、お前自身が勝手に感じてるだけだけどな…!」 「ぁ…っ、あうぅっ…!!」 ティエリアの淫らな喘ぎとぐいぐいと指を締め付け続けるアナル、 そして刺激する度に熱くなって、ますますそのぷっくりとしたいやらしい感触を顕にする前立腺。 アリーの興奮は最高潮に達し、もはや後ろから指を突き入れているだけでは満足出来なくなった。 淫らに喘ぎ、快楽にだらしなく歪んでいるだろうティエリアの表情をも拝みたくて仕方なくなる。 ずぼっと乱暴に指を引き抜き、同じ位の乱暴な手付きでティエリアの体をひっくり返した。 「あぐ…っ…」 仰向けになったティエリアの腰部が、そのちょうど真下に縛られた両腕が来ている為に、 否応なしに突き出される格好になる。 体重が掛かった衝撃で後孔の傷口が床で圧迫され、鈍い痛みが走ってティエリアは顔を歪めた。 しかし、自分の股間が淫欲を湛えて勃ち上がっているのを知ると、 一気にその頬が羞恥と恥辱で真っ赤に染まる。 アリーの視線が、まだ少年そのものの幼さを残しながらもしっかりと勃起したティエリアのペニスに注がれ、 続いてその表情を覗き込むように見つめた。 視線が絡み合い、敵同士の激しい火花が瞬間的に飛び散る。 だがアリーの方は上位にいると言う余裕を全く崩す事もなく、悠々とした笑みを浮かべて顎鬚をいじった。 「そういや、顔を合わせるのは初めてか?まあ、俺はずっと見てたんだけどなぁ、この場所でよ」 「こ、ここは…っ…」 口に出したものの、あえて答えを聞かなくても、 ティエリアはここがリボンズ達イノベイターの居城である事を直感的に感じていた。 初めて見るアリーの顔に、憎しみが募る。 それにもまして、自分の痴態を全て見られていたという屈辱で、憤怒がめらめらと込み上げてくる。 こんな最低な男にロックオンは命を奪われたのか…! 強烈な憎しみで体が激しく震え始めた。 「貴様ァッッ…!!」 噛み付かんばかりに激しく身をよじって暴れるが、縛られた四肢のせいで何も出来ない。 裏腹に結び目が肌に食い込み、自分自身が傷つけられる結果になった。 悔し涙が飛び散る。 「へっ、悔しいか?そりゃあ悔しいよなぁ…」 アリーは目を細めて、絶世の美少年が屈辱に震える姿を堪能していた。 一度目の陵辱の際に床で摩擦された結果、ティエリアの顔にはいくつもの擦傷が付いていた。 薄っすら血の滲む傷跡と、しゃくり上げつつ憎悪の視線で自分を睨みつけて来る紅い瞳、 そしてその意思とは裏腹に、アナルの快感に反応して勃起した少年のペニス。 目の前にいるティエリアの全てが扇情的だった。 「そんな顔すんなよ、小僧…。苛めたくなっちまうだろォ…?」 見せ付けるように、アリーはゆっくりとティエリアのペニスへと手を伸ばしていく。 「やっ、やめろ…っ!」 ティエリアの言葉を無視し、アリーは勃ったペニスの先端を、ゆるゆると指先で擦ってやった。 「ん、ひぐ…っ、は…う…っ!」 涙が一滴零れ落ちたのと同時に、ティエリアの表情が快楽に歪み、ペニスがぶるっと震える。 「ほれ、気持ちいいだろうが」 アリーはにたにたと笑いながら、先端に滲む先走りを広げるように亀頭に塗り込み、 円を描いたり鈴口を突付いたりしてティエリアを責め立てた。 「あ…っ、いや…っ、だ…、だめ…っ…」 快感に支配される事だけは避けなければいけないと、ティエリアが必死に唇を噛み締めて堪える。 しかし皮肉にも、耐える事がよりカウパーの分泌を過剰にし、 だらだらと漏れ出した液体は無垢な先端に滲むだけでは飽き足らず、竿にまでしとどに滴り落ちていった。 「おいおい、随分我慢汁の出がいいなぁ?ケツのやらしいとこ弄りすぎたせいか?」 ひゃははと意地悪く声を立てて嘲笑いながら、アリーはティエリアの亀頭だけを弄び続けた。 ロックオンの為にも、自分自身のプライドの為にも、こんな男に屈服させられたくない。 させられるわけにはいかない。 しかしどれだけティエリアが心で強く願おうとも、体の方は刺激に忠実に反応してしまう。 焦らすように先端しか弄られない事で、近いはずの射精が一向に得られない。 「あ…っ、あん…っ、んん…っ、や…っ、あん…っ!」 声だけが淫らな色を強めて無機質な部屋に響き続け、余りの屈辱でティエリアは気も狂わんばかりだった。 復讐の念だけで自我を繋ぎ止め、 にやにやと下卑た笑みを浮かべながら先端を嬲り続けるアリーを睨み付ける事で、せめてもの抵抗を試みる。 が、そんなティエリアにチラと目をやっただけで、 アリーはせせら笑いながら鈴口を強めに突付き、逆にティエリアを仰け反らせた。 ぎゅっとカリを握り締められると、ティエリアに強烈な射精感が湧き起こる。 だが、アリーは一向にペニスを扱こうともせず、一瞬の快感をティエリアに与えただけで、 すぐに指の締め付けを緩めて竿を解放してしまう。 惨めにとぷとぷと先走りを垂れ流しながら、イキたくてもイケない生殺しの状態でティエリアは放置されてしまった。 「あんだぁ?その目は?せっかくイカせてやろうと思ってたのによォ?」 「んっ、だ、誰が…っ…」 思わず振り立てたくなる腰を抑えつけ、満たされない欲望が顔に出ないようにと必死に努力し、 ティエリアはアリーを睨み返した。 アリーがにやりと唇を歪め、探るように顔を覗き込んでくる。 ティエリアは顔を横向けて視線を反らした。 その事がアリーの嗜虐心を煽る事は分かってはいたが、そうするより他に抵抗を示す道がなかった。 「そうかよ。イキたくねぇってか?それならそれでかまやしねえ。代わりに、俺をイカせろや」 アリーがおもむろにティエリアの胸の上に馬乗りになった。 体重が掛かって咽るティエリアの目の前に、ガチガチにそそり勃った一物が晒される。 今まで一度も目の当たりにした事がない、人間のものとは思えないほどに真っ黒に炭化したペニス。 「……っ」 思わず恐怖が勝り、ティエリアの全身が薄ら寒くなる。 紅い瞳に怯えが浮かんだのを見逃さず、アリーは自らの肉棒を指で掴んで見せ付けるように軽く扱き上げた。 アリーの指の中で、黒炭のようなそれが一段と硬度を増していく。 まさに凶器にしか見えないおぞましさだった。 「もうフェラの仕方は分かってんだろ?  薄紫髪の兄ちゃんのをしゃぶりまくってたもんなぁ?どれだけ上達したか、確かめてやるよ」 アリーは、ペニスをゆっくりとティエリアの口元へと近づけていった。 ティエリアの全身はいつの間にか凍り付き、いやいやと頭を軽く揺らす事しか出来ない。 赤みの混じった真っ黒な亀頭から、垂れた先走りが唇に降った。 雄の性臭が強烈に鼻を付き、近くで見れば見るほどにおぞましい黒炭ペニスが、刺激を待ち侘びてびくびくと脈打つ。 「や、やめ…っ」 「諦めな!!」 ティエリアが頭をぶんぶんと振って逃げようとするのを両手で抑えつけ、 アリーはいきり勃ったペニスを思い切り口の中へと捻じ込んだ。 歯をこじ開けながら、奥へと強引に挿入していく。 進む度に柔らかい唇が焦げた皮を柔らかく包み、鈍い神経にも確かに快感を感じられた。 アリーの湿った息が、ティエリアの髪を吹き揺らす。 太い肉棒が根元まで押し込まれる苦痛で、ティエリアは何本も皺が寄るほどにきつく目を閉じた。 「さあて。舌遣えよ、小僧。手抜きしてるといつまでも苦しいだけだぜ?」 アリーは苦悶に歪むティエリアの表情を愉しげに見下ろしながら、 鈍器のように硬い肉棒をゆっくりと出し入れしていく。 焦げた皮膚が舌をずりずりと行き来した。 ペニスに付着していた精液や血の塊が唾液で溶け、新たに滲み出したカウパーと混じり合って強い苦味を発生させる。 「んぐ…っ!んぐ…っ!んぐ…っ!」 ティエリアのくぐもった声を聞きながら、ずんずんと腰を乱暴に押し出して抽迭を速め、 アリーは喉の奥まで何度も肉棒を突き入れた。 射精の衝動を感じると抽迭を緩めて一旦快感を逃がし、再び激しく突き入れては愉しみを継続させる。 ティエリアの頭が抽迭に合わせて乱暴に揺さぶられ、 後頭部が床に当たってガンガンと鈍い音を立て続けるのを、アリーは気にもしない。 受け止められなくなった先走りとティエリア自身の唾液が、ペニスが引き抜かれる度に唇の端から溢れ出た。 「ダメだなぁ、小僧?あのイノベの紫頭にやり方教えてもらったんじゃねぇのかよ?  もっと舌絡ませろ。口すぼめて吸えよ」 ティエリアが舌を遣う余裕などない事は百も承知だったが、 アリーはあえて冷たい言葉でティエリアを追い詰めていった。 ティエリアがぴくんと反応して、悔しそうに涙ぐんだ瞳をうっすら開けるのが堪らない。 ペニスを引き出した所で一旦突き入れるのをやめ、 唾液と先走りでぐちょぐちょになった先端で、ティエリアの濡れた唇をぐりぐりと押し込む。 「ひぐ…っ…」 ティエリアが瞼を震わせて歯を食いしばる。 きつく閉じた歯列の1本1本に沿わすように亀頭をすり付け、アリーはにたにたと笑った。 「そんなに嫌かよ?そういや、あの全裸空間の中ではお前、女だったよなぁ?  言い訳してたって事か?美味そうにしゃぶってたのは、女だったからですってよォ」 侮蔑の言葉を並べると、思った通りに反抗的にティエリアが睨み付けて来る。 その扇情的な表情をオカズに、アリーは唇の柔肉で亀頭を刺激しながら肉棒をぐいぐいと乱雑に扱き上げた。 「だがなぁ、てめえはどう頑張っても男なんだよ。男の癖にチンポしゃぶって悦んでた変態野郎だ。そうだろ?」 「ん…っ、んぅっ…!」 手淫の激しさに比べ、アリーの言葉はやけに淡々としていて、それが尚更ティエリアを追い込んだ。 今までの浅ましい行為の数々が、ティエリアの脳裏に蘇る。 リヴァイヴやヒリングとの行為で得た快感に、確かに嘘は付けない。 頭の中で最も相応しい逃げ道を作り上げていた事もまた、事実のように思われた。 知らず知らずのうちに淫らな事を覚え、それを悦ぶようになってしまった自分への厭わしさで頭がおかしくなりそうだった。 (違う…、違う…!僕はそんな人間じゃない…!ロ、ロックオン…!) ティエリアは心の奥底に大事に秘めていた、最後の支えに必死で縋った。 しかし、読み取ったかのようにアリーが最後の砦を崩しにかかる。 「ロックオン…、だっけ?奴さんの死に様、知りたくねぇか?今奴の事考えてたんだろ?」 その言葉に、ティエリアは面白いほどにびくびくと全身を震わせ、激しい動揺を見せた。 ぱくぱくと開いた唇が何か言おうと努力するが、まともな言葉にならない。 みるみる涙の堪っていく紅い瞳を見下ろし、アリーはぞっとするような冷たい笑いを浮かべた。 黒い亀頭が今にも射精寸前で震えている。 アリーはカリごとぐいぐいと自身を激しく擦り上げ、裏腹に声音を抑えて、 静かにあの時の記憶をティエリアに告げた。 「あの野郎、馬鹿でかいランチャー構えて生身で宇宙に浮かんでよぉ、  英雄よろしく気合入れて撃ってきた所を、この俺が返り討ちにしてやったのさ。  あのアホ、無様に弾き飛ばされながら、結局爆発に巻き込まれてミンチになったよ。  あの時のあいつの顔…。見物だったぜ」 無情な言葉に、ティエリアの表情が悲痛に歪んでいく。 その瞳からポロポロと堪え切れずに涙が溢れ出した。 必死に繋ぎ止めていた薄氷のような心の支えが折れるのも、 逆に激しい憎しみにその身を焦がすのも、紙一重だったに違いない。 遂に心が折れたかとアリーが油断した次の瞬間、ティエリアは一際憎しみを募らせて アリーの勃起に噛み付くように襲い掛かった。 「おおっとぉ…っ」 アリーが身を引いて、ティエリアの攻撃を難なくかわす。 空を切った歯が噛み合って、ガチンと激しい音を出した。 「貴様ぁっ…!ロックオンを侮辱するな…!!」 泣きながら怒りを露わにする美貌の少年を陵辱する激しい優越感。 強烈な射精感が駆け上ってくる。 「侮辱…!?弱いのが悪いんだろうがァァッッ!!!」 片手でティエリアの頭を抑えつけ、怒りに震えるその整った顔目掛け、 アリーは全身を震わせながら勢いよく精液を射出した。 激しく飛び出た精液がびゅるびゅるとティエリアの顔面に撃ち付けられ、 鼻も頬も白濁でドロドロに汚れていく。 最後の一滴まで搾り尽くすように撃ち付けると、どろりと溶けた精液がティエリアの顔中に広がって白い膜を張った。 「く…、ん……」 精液の青臭い臭いと、熱いそれが溶けていく不快な感触にティエリアが顔をしかめる。 「舐めろよ、小僧。ちゃんと掃除しろ」 射精を終えてもまだ去らない嗜虐心を持て余しながら、アリーは亀頭に白濁をなすり付け、 再び口の中に押し込んで舌にぐいぐいと押し付けた。 苦い精液がティエリアの口中に広がった。 「ん、あぐぅ…っ」 ティエリアが力一杯噛み付こうとしたその瞬間、動物的な勘の良さでアリーがペニスを引き抜く。 「くだらねえ真似してんじゃねえよ。殺すぞ?」 咎めるようにティエリアの頬を平手で2,3発軽く殴り、 アリーはひとしきり満足してティエリアの上から去った。 脇にしゃがんで、悶えるように体をよじる少年の全身をもう一度確認する。 そのペニスはまだ勃起してはいたが、興奮がかなり覚めている事は明らかなようだった。 「さあて、どう料理して愉しむかなァ…?」 顎鬚を弄びながら、上手い悪戯を考える子供のように、アリーはティエリアの肢体を眺め回した。 とりあえず人差し指を伸ばし、ペニスの側面に沿わせて弄ぶ。 「あ…ん…っ」 男芯の快感でティエリアの表情が一瞬蕩けた。 すすすと亀頭を撫でて快感を与えてやると、ティエリアの腰がガクガクと揺れ始める。 「イキたいか?イキたいならイカせてくださいって頼めよ。たっぷりとイカせてやるからよぉ?」 「だ、誰が…!」 だらしなく腰を揺らし、カウパーまで滴り落ちているというのに、ここに来てティエリアはまだ意地を張った。 「そうかよ」 短く答えて、アリーは焦らすように指を離し、今度は美しい白肌へと指を這わせていく。 すーっとみぞおちから胸元まで撫で上げると、その度にティエリアは軽く素肌を奮わせた。 羞恥か憎しみか、強く噛み締めた唇の下でその肌がうっすらと赤く染まっていく。 「触られただけで興奮してんじゃねぇよ、ガキが」 アリーは憎々しげに嘲って、僅かに先端を尖らせた乳首へと指を押し当てた。 軽く指先を回しながら捏ねると、それだけでそこはコリコリと硬くなる。 「随分敏感じゃねぇか。女みてぇだな?ああ?」 無作法を責めるように2本の指で乳首を摘んで捏ね回し、 きゅきゅっと引っ張ると堪らずティエリアがか細い悲鳴を上げた。 「心配すんなよ。ココの良さって奴を、しっかり教え込んでやるからよ」 抓って麻痺させた乳首をようやく解放し、アリーはにたりとほくそ笑んで、 精液まみれのティエリアの苦しげな顔を見下ろした。 必死に保っているであろうそのプライドを、粉々に壊してやりたくて堪らなくなる。 アリーは思わず荒くなってしまう呼吸を整え、指を口に含んでたっぷりと唾液で湿らせた。 濡れた指先を乳首に押し当て、今度は柔らかく摩擦してやる。 「ん…っ…!」 明らかにティエリアの様子が変わり、心臓の鼓動が速まった。 「舐められてるみたいで気持ちいいだろ?舌で、れろれろってよォ…?」 アリーの低い囁きがティエリアの鼓膜を震わせ、その濡れた指で擦られる乳首に、確かに緩い快感が生まれた。 「は…っ…、ん…っ、はん…っ」 乳首を弄られているだけなのに、声を抑えたくてもどうにも我慢が利かない。 アリーが指の腹で何度も敏感な先端を捏ね回し、時折きゅっと摘んでは捻り上げる。 勃った先端を濡れた指先で爪弾くようにしゅしゅっと擦り、 痛みが勝るとすぐに察知して刺激を停止した。 そして再び唾液で指を湿らせては、丁寧に乳首を揉み解していく。 「あっ、んうぅ…っ、あん…っ!」 強まる一方の乳首の快感に触発されて、全く触られてもいないのに、ペニスがひとりでに硬度を増して反り返っていく。 びくんびくんと熱が蠢きながら燃え盛るのを、ティエリアは下腹部に感じはじめた。 この感じ。射精が近い。 「やっ、やだ…っ、はな…せ…っ、ぼ…くにさわ…るな…っ…!」 喘ぎながら途切れ途切れに抵抗し、上半身を左右に捩ってアリーの指を振り払おうと頑張ったが、 逆にアリーは乳首への摩擦を強めてティエリアを追い込んでいく。 「あん?随分勃ってんじゃねーかよ。乳首でイッてみろよ、小僧〜?」 「ん…っ、や…っ、さわ…るな…っ」 アリーが再び唾液をたっぷりと絡ませ、本当に舌で舐めているような柔らかさで尖りを規則的に擦り始めた。 押し潰された乳首は刺激に敏感になり、もどかしげな快感が確実に下半身を滾らせていく。 「ひゃ…ん…っ、やめ…っ、ん…あ…っ…んっ…!」 甘い声を上げながらも、理性が必死に抵抗を続ける。 この快感に身も心も委ね、射精を得る為にだけ精神を集中できるなら、どれほど楽か。 敵の愛撫に呼応して、快感を強めていく一方の身体が疎ましくて堪らない。 僅かに残ったプライドとロックオンの死への復讐心が、ティエリアの陥落を後一歩の所で妨げていた。 「ん…っ、やだ…っ…、もう…っ…」 しかし、開きっぱなしの唇から涎がつーっと糸を引き、全身がもどかしい快楽で震え続ける。 乳首の快感とペニスの快感が同調し、腰が自然に動き出すのを止められない。 必死で抑えようとしても、ペニスに熱い精液がせり上がってくる。 「無理すんなよ。乳首こんなにビンビンにさせてよォ?イキたいんだろ?イケよ」 アリーはとどめをさすかのようにもう片方の乳首に吸い付き、 舌先をれろれろと素早く動かして、ピン勃ちになった尖りの先端を舐め上げた。 同時に指できゅうっと乳首を摘んで擦り合わせる。 「ゃ…っ、やぁぁぁぁっっっ!!」 その瞬間ティエリアの腰が大きく跳ね上がり、勢いよく大量の精液が迸って空中に飛び散った。 「ひゃははぁっ!マジで乳首でイキやがった!どこまで終わってんだよ、てめえはよォ!!?」 アリーの激しい嘲笑が、どこか遠い所で響いているかのようにぼやけて聞こえる。 ビクンビクンと腰を震わせながら、ティエリアは精液をびしゅびしゅっと何度も噴き上げ、 ようやく訪れた射精の快感に全身を侵されて、半ば呆然としていた。 「ふ…、ふぁぁ……」 射精が終わってもまだ緩い快感が去らない。まるで女の絶頂のような激しさだった。 「さすがに頭も身体も開発してきた甲斐があったってもんだなぁ、小僧。  だが、まだまだこれからだぜ?随分待たされたんだ。もっと楽しませろよ」 絶頂の余韻でかすかに震えるティエリアを悠然と見下ろし、アリーはナイフを拾い上げた。 その刃が凶暴に光るのを見ても、淫欲の解放を得たばかりのティエリアに危機感はなかなか戻っては来ない。 呆けた瞳でぼうっと自分を見つめるばかりのティエリアに、アリーのペニスが再び欲を集めて勃ち上がっていく。 今日何度飲み込んだか分からない生唾をごくりと飲み込み、アリーはティエリアの両足を縛ったロープをナイフで切った。 ようやく束縛から自由になった両足が力なく広げられ、肌についた擦り傷を癒すように ティエリアの膝がかすかに上下に動く。 長く伸びた細い足が揺らめく様は、異様なほどに艶かしくて、アリーを否応なく誘惑した。 「小僧が…ッ!!」 憎々しげに咆哮し、アリーはティエリアの膝を割り開いて大きくその股を開かせる。 その中心に乱暴に身体を割り込ませ、アリーは勃起したペニスの先端で入り口を探った。 「んあ…っ…」 熱い亀頭でアナルの入り口をぐいぐいと弄られて、ティエリアの瞳がぴくんと揺らめく。 まだ絶頂の余韻の漂うその瞳に、もう憎しみの色はない。 傷跡は驚く程に痛まなかった。 一度指でほぐされた入り口はすっかり傷を癒し、浅ましくも新たな快楽を待ち侘びて淫らに疼いていた。 「メス犬がッ…!そんなにチンポ欲しいのかよ!?ああ!?」 アリーは目を血走らせながら、アナルに亀頭をずんっとめり込ませた。 「はうっ…!」 一瞬苦痛で歪んだティエリアの顔が、次の瞬間には蕩けるようなものへと変わる。 先端を突き入れられてもやはり、一度目の陵辱の時のような激烈な痛みがまるでない。 それどころかアリーがカリ首だけで中の具合を確かめるようにぐいぐいと擦り立てると、 既に開発済みのそこには強い快感が走った。 「ああ…っ、ああっ…!」 思わず甘い嬌声が迸る。 その先にあるはずのもっと強い快楽の集約地を責めてもらいたくて仕方ない。 「クソガキが!ちょっと突いてやっただけでもう感じてんのかよ?ロックオンが知ったら泣くぜ」 「んっ、んぐ…っ」 自分に覆い被さっているのがロックオンの仇、アリー・アル・サーシェスである事はティエリアにももちろん分かっている。 例え殺されても抵抗しなければいけない事も、もちろん分かっている。 だが、身体の興奮はマイナスの感情を驚くほどに凍り付かせていた。 自分の体が自分のものだととても思えない。 アリーの勃起を身体の中心に感じ、もっと深く受け入れようと足が勝手に大きく開いてしまう。 (ロ、ロックオン…ッ、ごめ…、ごめん…っ…) 一方で理性が歯止めを掛けようと思考を繰り返し、 ティエリアは快楽と理性の狭間で混乱してポロポロと涙を流し続けた。 体に力が入らない。頭も満足に動かない。 ただ淫欲に弄ばれ、快感だけが欲しくて堪らない。 「泣くほど欲しいのかよ?淫売野郎が…!あぁ!?どうなんだ?」 ずぶずぶと亀頭がアナルを出入りする。 それだけでティエリアのペニスは反応し、血液を集めて勃ち上がっていく。 「欲しいなら欲しいって言えよ…!?」 ゆっくりとアリーが腰を回してアナルを掻き回す。 直腸全体に電流のような快感が広がり、ティエリアはもう耐えられなかった。 「ほ、欲し…い……」 泣きながら絞り出す様に言うと、限界を超えて屈辱感が強まった。 もうどうにでもしてくれと自分を諦めながらも、嗚咽が漏れるのを堪えきれない。 だが、捨てられた子供のように細い体を震わせてしゃくり上げるティエリアの姿は、 アリーにとっては性欲を煽る小道具に過ぎないのだった。 「聞こえねぇなぁ?もっとでかい声ではっきり言えよ」 アリーはにやりと笑ってティエリアの泣き顔を見下ろしながらカリ首で皺を押し広げ、 一旦聞き質すように動きを止めた後、 押し込んだ亀頭で再び入り口だけをぬぷぬぷと抜き差して責め立てた。 「ふ…っ、やぁ…ん…っ!」 ティエリアの嗚咽が、明らかに淫欲にまみれた嬌声に変わった。 震える唇の奥で噛み締めた歯も震えてカチカチと鳴る。 本当に、限界だった。 「い、入れて…っ、奥まで入れてぇ…っ」 ティエリアが遂に堕ちきった瞬間、アリーが高らかに嘲笑う。 「いいぜェ!?たっぷり突いてやるからせいぜいイイ声でよがれや!!」 ティエリアの腰を両手で抑え付け、アリーはそのまま一気にずぼっと根元まで捻じ込んだ。 「あああっっっ!!」 欲しくて堪らなかった熱い幹で肉壁を擦り上げながら奥まで貫かれたその瞬間、 ティエリアのペニスから白濁が噴出した。 「入れられただけでイってんじゃねえよっ…!!」 アリーがピストンを開始する。 火照った肉壁はすんなりと抽迭を許したばかりか、勃起を吸い込まんばかりにヒクヒクと絡みついた。 アリーの目の前で、ティエリアのペニスがあっという間に復活してそそり勃っていく。 「またおっ勃ててんのかぁ?まあ、てめえにはお似合いだよなぁ!?おら、ココだろッ…!?」 アリーがめり込ませた肉棒の先端が、ずんっと前立腺を抉る。 「あんっ!そ、そこ…っ!!」 ティエリアの顔が真っ赤に紅潮し、敏感に反応した肉壁がきゅきゅっとアリーを締め付けた。 ティエリアのペニスから、先走りか精液か分からない半透明な液体がびしゅっと噴き上がった。 「ほれよォ、たっぷりイケや…!!」 アリーは大きく腰を引いて勃起を引き出すと、そのしこり目掛けて激しく突き入れはじめる。 「ああっ!ああんっ!あぁんっ!あぁぁっ!」 激しいピストンに併せてティエリアの全身が快楽に蕩け、 その快感そのままを伝える淫らな表情がアリーをなお興奮させた。 もうティエリアに嬌声を抑えようという理性は、残ってはいないようだった。 「あんっ、ああっ、あふ…っ!いい…っ、そこ…っ!いい…っ!!」 「こうすると奥まで当たってもっとイイだろうぉ…ッ!?」 アリーは叫びながらティエリアの開いた膝を折り曲げ、ぐっと胸まで屈曲させてより結合を深くした。 激しく前立腺を擦りながらも微妙に角度を変えて、直腸の至る所を責め立てる。 「あんっ!ああっ、あああっっっ!!!」 強烈な快感が連続的に走り、ティエリアは乱暴に体を揺さぶられながら激しい絶頂に達した。 勢いよく噴き上げた精液が、アリーの下腹部を汚す。 「汚ねぇもん掛けてんじゃねぇよ!!」 アリーは粗相を咎めるように一際激しく突き入れ、強烈に前立腺を抉った。 「ああっ、あぁっ、もうやぁ…っ…!あっああっ、やあぁっ!!」 「男の癖に男にヤられてイキまくるなんて、とんだイノべ様だよなぁ!?  大将が言ってたぜ?人間なんかにほだされるからエロエロになっちまうんだってよォ!?  俺がロックオンじゃなくて残念だったなぁ!?」 ガンガンと突き上げられて、達したばかりのティエリアのペニスは萎える気配を全く見せず、即座に欲が戻ってくる。 アナル全体が気持ちよくて堪らない。 「どうよ!?消し炭でも、悪くねえだろうが…っ!!」 アリーはティエリアの腰の下に手を入れ、ぐっと持ち上げて座位の体位にすると、 ティエリアを強く抱き締めながら荒々しいピストンを繰り返した。 「どうだよ!?敵にケツ穴掘られてイキまくる気分はよォ…ッ!?」 「ああんっ、ああっ、ああっああっ!!」 耳元で絶え間なく吐き出されるティエリアの嬌声で、腰の動きがより速く、激しくなっていく。 上下に体が浮き上がるほどに強烈に突き上げながら、アリーは肉壁の締め付けを思う存分味わった。 時折緩急を付けながら焦らし、角度を変えてペニスを叩き付ける。 「おらっ、気持ちいいだろうがっっ!!」 「ひううっっ!!」 ティエリアはその度に声にならない淫らな声を上げ、焦らしに耐えかねるようにこくこくと頷いた。 激しいストロークが間断なく続く間、ティエリアは何度も精液を吐き出しては達した。 それでもアナルは熱を保って、ぐいぐいとアリーを締め付け続ける。 さすがにアリーにも限界が近づいてきた。 アリーは射精を押し留めるべく、ティエリアを自分の上に跨らせたまま床に寝転がって、体位を変更させた。 騎乗位の恥ずかしい体位で繋がっている事をティエリアが理解する前に、 ティエリアの腰を掴んで上下に揺らしてやる。 「は…っ、ああんっ…!!」 緩い抜き差しでも今までで一番結合が深くなり、強すぎる快感でティエリアの瞳から涙が宙に飛び散った。 アリーに揺らされるまま、自由になった腰が自分で妖しくくねり出す。 やがてアリーが腰を掴む腕の力を緩めて支えるだけにしてやっても、 ティエリアの腰は淫らな動きを止めなかった。 「ああっ、んっ、あぁんっ、あぁぁっっ!!」 後ろ手に両手を縛られた不安定な姿勢で膝を踏ん張り、くいくいと腰だけを動かして快楽を貪る。 その動きが、段々と慣れたものへと変わっていく。 その度にティエリアの嬌声は激しく淫らになり、 結合部から響くぬちゅぬちゅという粘った音もまた、大きくなっていった。 自分で動いてペニスをずぶずぶと出し入れし、一番イイ所に擦り付けながら奥まで飲み込み、ティエリアは泣きながら喘いだ。 「いいぜぇ?もっと腰振れよ小僧〜。  男の癖に男に跨って腰振るなんざ、どこまでド淫乱なんだよ?そうだろ、なぁ?」 「んんっ、んっ、あんっ!ちが…、ちがう…っ…、あんっ…!あぁっ!!」 「違わねぇよ。ほれ、大将が見てるぞ?  イノベの体をここまで開発できました〜、ってとこをちゃんと見せ付けてやれや」 再び壊れるほど突き上げたくなる衝動を何とか抑え、アリーは自分の上で肢体をくねらす美貌の少年の痴態を、 生唾を飲み込みながら見つめていた。 ティエリアが侮蔑の言葉を吐かれる度に、快感の影で屈辱的に表情を強張らせるのが愉しくてたまらない。 もう出すものもなくなったらしいティエリアのペニスは、 透明な液体だけをとろとろと溢れさせながら、腰の上下に併せてそれでもびくびくと脈打っている。 その液体はティエリアのペニスを伝って、アリーの腹にまで滴り落ちた。 アリーはそれを指で掬い取って湿らせ、 ぷっくりと勃って淫らに色付いたティエリアの乳首をコリコリと摘んで弄ぶ。 「あううん…っっ!!」 ティエリアが上下に大きく跳ねて、その顔がくたあっと蕩けた。 「また乳首でイったのか?淫乱野郎が…ッ」 侮るが、ぎゅぎゅっと締まった肉壁の摩擦はアリーを確実に追い込んでいた。 「まだイケるだろうが…っ!」 「ああんっ!あああっ!」 苛立ち紛れにペニスを強く握って扱き上げてやれば、ティエリアの嬌声はより激しくなり、 その腰が一層上下に激しく動き出す。 「んっ、あっ、あああああっっっ!!」 すぐにアリーの指の中でティエリアのペニスは絶頂に奮え、ごく僅かな粘液だけを吐き出した。 「空イキかよ!?もう限界か、小僧…ッ!」 一瞬動きを止めたティエリアの腰が再び淫らにくねりだすのを片手で押さえ込み、 遂に射精の近づいたアリーがずんっと腰を振り上げる。 「あぁぁぁっっっ!!」 久しぶりの他人のリズムを体内深くに受け入れて、ティエリアが悲鳴のような嬌声を発した。 アリーがずんずんと乱暴に突き上げ出すと、 ティエリアは突かれるままにガクガクと仰け反って快感を享受する。 跳ね上がるティエリアの腰を両手で抑え付け、アリーがラストスパートに入る。 凄まじい速度でペニスが肉壁を抉り、肉壁ごと前立腺を延々と擦り立てた。 「ふああっ、ああっ、ああっ!ああっ!!」 「もうイクぜぇ!?嬉しいだろ!?たっぷり中に吐き出してやるからなぁっっ!!」 「や…っ、やだっ…!やっ、あっあっあんっあんっ!!」 「やだぁ、じゃねーよッ!散々イキまくっといて今更何言ってんだ、てめぇッ!?」 アリーの腰が一際大きく跳ね上がった。 ティエリアの最奥にまでペニスがめり込み、ずんっと皮が引き攣れてアリーに射精の瞬間が訪れる。 ペニスから迸った白濁が、再びティエリアの内壁の隅々にまで撃ち付けられた。 出し切った途端、アリーは弾き飛ばすようにティエリアを退かしてペニスを引き抜いた。 真っ黒なペニスに白濁と体液が混じり合ったものが、ぬめぬめと絡みついている。 床に横向きに倒れこんだティエリアの体でそれを拭い、 アリーは再びティエリアをうつ伏せにして尻を突き出させ、双丘を割ってたった今まで犯していた場所を凝視した。 穴からだらりと漏れ出てくる自身の精液をカーブに沿わせて掬い、 もう一度奥まで塗り込むように、指を2本重ねてアナルへと突き挿していく。 まだまだティエリアを虐め足りないのだ。 「ん…っ、もう…、やめ…て…、頼む…から…ぁ…」 息も絶え絶えに懇願してくるティエリアに、より指を中まで突き立てる事でアリーは返答の代わりにした。 ぐにょぐにょと肉壁のしこりを刺激してやれば、そこは簡単に反応して再び熱を持った。 「あ…っ、んっ…、もう…無理…っ、もう…っ、ふあ…んっ…」 今にも失神しそうなほどに、ティエリアの体は疲弊していた。 それでも弄られれば嫌でもそこは反応してしまう。 その一方で意識は混乱して、もやがかかったように朦朧とした。 「もう男の体の快感は知り尽くしただろ?なあ、小僧、お前大将に頼んで女に作り直してもらえや。  出来るんだろ?そういう事もよ…」 アリーは前立腺を捏ね繰り回しながら、快感で痙攣するティエリアの背中を見下ろした。 モニターの中で見た、ティエリアの女の姿が忘れられない。 女になったティエリアのアナルと膣、両方を犯し尽くしたいという欲望がアリーに湧き起こっていた。 「お前は大将の計画の頭数には入ってないんだとよ。  せいぜい、ここで俺やイノベ野郎の性欲処理便器として働くくらいしか使い道がねえんだよ」 「んっ、んんっ、あんん…っっ!!」 指で前立腺を集中的に擦られながらずぶずぶと抜き差されると、 ティエリアはうつ伏せで床に顎を付いたまま、大した時間も掛けずに絶頂を迎えてしまう。 アリーの言う通り、自分がどうしようもない下劣な下等生物に落ちぶれてしまったように思えた。 「どうせお互い、大してやる事もねぇヒマ人だ。この俺が毎晩突きまくってイキ狂わしてやるからよぉ?  ロックオンも喜ぶぜ。痛くて泣き喚くよりは、気持ちよくてイキまくってる方がいいに決まってるからなぁ」 「あううっ…!ロ、ロック…オ……」 快感の途切れぬ朦朧とした意識の狭間で、その名前がまさしく蜘蛛の糸のようにティエリアの脳髄を奮わせる。 壊れる寸前だった精神を救ってくれたのは、やはりロックオンの存在だった。 アリーに誤算があったとしたら、ティエリアとロックオンや他の人間達との絆の深さを軽んじた事だったろう。 そしてそれはそのまま、リボンズにも当てはまる。 そんな人間の感情さえ考慮に入れて利用していると彼らは思っている。 しかし、結局の所、経験した事のない者に想いの深さが分かるはずがないのだ。 どれだけ陵辱の限りを尽くしても、その絆がある限り、ティエリアの心は最後の最後で折れはしない。 アリーは完全にティエリアを屈服させたと思い込んでいる。 だが、屈辱的な絶頂の波に晒されながらも、その奥でティエリアから完全に復讐心が消える事はなかった。 今は耐える。しかし、その時が来たら必ず――。 (みんな…。ロックオン…。僕は必ず戻るから…。   アリー・アル・サーシェスもイノベイター達も必ず倒して…、絶対に、戻る…から…) 自分に強く言い聞かす必要もなく、ティエリアの心の隅々にまでその決意は既に染み渡っていた。 やがて、過ぎた快楽の中で意識がぷっつりと途切れ、ティエリアはそのまま気を失った。              *** 「ほら、見てごらんよ、リジェネ。君の片割れはイキながら失神してしまった。  ケダモノ以下だね」 特大モニターの前のソファーに座り、リボンズは隣に腰掛けるリジェネを意地悪く見やった。 リジェネはかすかに体を震わせながら、正視に堪えぬという趣で、 モニターからもう随分長い事目を反らしている。 「結局、一度もティエリアと意識を繋がなかったね。  一緒に味わってやれば、慰めくらいにはなったかも知れないのに」 リボンズは遊びに飽きたかのように淡々と言い放って、腰を上げた。 悠々と大股にリジェネの前を横切っていくその時、脅迫的に睨みながら、リジェネを横目で見下ろす。 「もう、余計な事を言わすんじゃないよ?君の命を握っているのはこの僕だ。  この数ヶ月、サーシェスが君を欲望の目で見つめていたのに気付かなかったわけじゃないだろう?  止めてやっていたのはこの僕だ」 リジェネがきっと顔を上げて睨みつけてくるのを、リボンズは上位種の威厳を漂わしながら威圧的に見下ろした。 その瞳が金色に輝き、リジェネを圧倒する。 「僕に逆らうな。勝手な行動をするな。これ以上目に余るようなら…。分かっているね?」 言葉通りの実力に裏打ちされたリボンズの脅迫めいた言葉に、リジェネは何も言い返す事が出来ない。 体が震え出す。無意識でも体がリボンズを恐れているのは明らかだった。 フッと高圧的に笑って去っていくリボンズの背中に、殺意が芽生えた。 (いつか殺してやる……!) そんなひそかな感情の吐露さえリボンズに筒抜けである事にも気付かず、 リジェネは憎しみを滾らせてリボンズの背中を睨み続けた。 怒りのままにモニターに目を移すと、画面の中のアリーが醜悪な黒炭ペニスを扱き上げ、 気を失ったティエリアの横顔へと勢いよく射精している。 顔に降り注ぐだけに留まらず、乱雑に飛び散った精液は、ティエリアの美しい髪をも薄汚くベトベトに汚した。 (くっ…、こいつもだ。こいつも、必ず殺してやる…!) リジェネはアリーにも憎しみと殺意を募らせ、暴行に疲れ果てて憐れにも力なく床に寝そべる 片割れの姿を見つめた。 ティエリアをどうするべきか。 ここまで激しく打ちのめされて、その脆い精神は既に破壊されてしまったかもしれない。 それでも、いや、だからこそ簡単に操れるかもしれない。 鍛え上げたマイスターの能力を無駄にする必要もあるまい。 計画遂行のために仲間に引き入れて利用するべきか、いっその事見切って処分してしまうべきか。 リジェネは自分に芽生えた憐憫の感情からあえて目を反らし、乱れる心を撥ね付けながら理性的な思考を繰り返した。         −完―