組織からプトレマイオスに新たな指令が下された。 内容は、「ソレスタルビーイングの対外宣伝計画」――。 今更…?と首を傾げるマイスター達に、スメラギから鶴の一声が飛ぶ。 「上部からの命令には絶対服従!いいわね、みんな。さあ、早く実行に移って!」 パンパンと手を叩いてたきつけてくるスメラギに、マイスター達はしぶしぶ従うほかなかった。 ---- 「さ、お前たち、これを着てカメラの前に立て。個別に映像を撮った後に全体絵を撮るからな」 整備士イアン・ヴァスティが上機嫌で示した先には、実物を精巧に再現したガンダムのミニチュア版。 エクシア・デュナメス・キュリオス・ヴァーチェ。そして、補助機体のGNアームズ。 いかにもコスプレ用といった人型サイズではあったが、 近づいて観察してみると、かなり細部にまで丁寧に作りこまれた逸物である事が分かる。 「さすがにイアンさんですね」 アレルヤが感心した様子でイアンを見つめた。 その褒め言葉を素直に受け止めて、イアンは胸をどんと叩いて自信満々に笑う。 「おう。いかにミニチュアだと言っても、そこは職人の端くれ。手抜きは一切してないぞ?  例えばキュリオスはアレルヤが中に入っても、飛行が充分可能だ」 「そ、そうですか……」 その言葉に困ったような笑顔を返すアレルヤの傍で、 「じゃあ、早速エクシアを着る」 最初に動いたのはやはり刹那だった。 本物そっくりのエクシアの着ぐるみにいそいそと片足を突っ込む刹那は、どこか嬉しそうだ。 それもそのはず。決して表情には出さないが、刹那は常にガンダムに恋焦がれているのだ。 気が狂ったのかと思えるほどに胡散臭い対外戦略とは言え、 あまりに純真な様子を見せる刹那に、他のマイスター達も心動かされずにはいられない。 「そうだな。上からの命令なら仕方ないさ。  さ、お前ら、さっさと着ぐるみを着込んで、ミッションコンプリートと行くか!」 ロックオンが片目を瞑って他の3人を促す。 皆が何とか自分を奮い立たせるように、曖昧に頷いた。 「そうだな、仕方ない」 ラッセがGNアームズ型の着ぐるみの背中を割って、内部の形状を確かめた。 「はい。しょうがないよね、ハレルヤ……」 アレルヤも飛行型にセットされた着ぐるみを戸惑いがちに見た後、そっと手に取る。 「了解。ヴェーダの指示なら従う」 ティエリアもまた、淡々と了承してヴァーチェを掴み、背中のチャックを下ろそうとした。 だが、どこをどう探してもチャックがない。 着方が全く分からない。 他の4人を見やると、背中、腹側、それぞれにしつらえられた チャックを早々と下ろし、既に半分ほど着込みを完了している。 (一体何故だ。何故ヴァーチェにはチャックが付いていない…?) 改めてよくよく観察してみると、他の4機は中に人の入れるスペースが確保してあるが、 ヴァーチェに限っては中心部までギチギチに何かが詰まっていて、 とてもティエリアの入れるスペースはないようだった。 (なんと言う事だ。これでは任務をこなせない) ティエリアが無言で怒りを増幅させているのに気付いたイアンが、頭を掻きながら歩み寄ってきた。 「いやあ、すまんすまん。実はヴァーチェはちょっと作りこみすぎちまってな」 「どう言う事です」 きっと睨み返すティエリアに苦笑しながら、イアンはそっと耳元に顔を寄せて囁いた。 「ナドレ、だよ。つい中にナドレも仕込んじまってなぁ、直すヒマがなかった」 「そんな…。じゃあ俺は一体どうすればいいのですか」 イアンがにやりと意味深な笑みを浮かべる。 「そこだよ。ヴァーチェ、つうか、ナドレはガンダムの肝機体だ。隠し玉だ。  なんて言っても他のガンダムの統制能力を持ってるんだからな。  対外牽制の目玉としてはおおっぴらには出来ないが、匂わすくらいはしておきたい。  そこでだ。ティエリア、お前がナドレになってくれ」 「俺がナドレに……?」 イアンは眼鏡の奥の目を真剣な表情に変えて、頷いた。 「そうだ。これはヴェーダからの指令だぞ、ティエリア?」 ヴェーダからの指令。そう言う事なら、拒否する理由は全くない。 ティエリアは素直に頷いて、イアンに問い掛けた。 「分かりました。それで俺は一体どのようにナドレを模せばいいのですか」 イアンは安心したように相好を崩した。 10分後――。ティエリア以外、部屋には誰もいなくなっていた。 刹那はエクシアを着込んで嬉しそうに表に飛び出し、実体剣一本一本の使い心地を試している。 アレルヤはキュリオスとともにどこかへ飛び去ってしまった。 天井から飛行音が聞こえているから、どうやらトレミー艦内を飛び回っているらしい。 ロックオンとラッセはさすがに大人らしくイアンの指示に従い、真っ先に別室に向かって 撮影に望んでいたが、デュナメスのヘルメットを装着するかどうかで揉めていた。 更に、GNアームズ単体で撮るか合体させるかでまた意見が別れ、なかなか撮影が始まらないでいた。 そんな周囲の喧騒を遠巻きに聞きながら、ティエリアは誰もいない部屋で一人静かに服を脱いでいった。 ナドレを模す。 つまり、本体を覆う外装をパージして内体だけを晒す。 要するに、全裸になればいい。 それがイアンが提示してきた方法だった。 当然、ヴェーダからの指示である以上、ティエリアに迷いは一切ない。 ピンクのカーデガンをするすると脱ぎ、黄色のシャツのボタンを外していく。 肌を晒すのは好きではないが、それもまた自分=ナドレと考えれば、納得がいくというものだった。 やがてズボンを脱ぎ、下着を下ろし、靴下まで脱ぎ去って、 ティエリアは生まれたままの姿でヴァーチェの前に立った。 人間サイズに縮小されているとは言え、そこはさすがに重装備を誇る機体、 がっしりとした重厚な造形は、ティエリア一人頭に乗せる位、朝飯前にも見える。 『とは言っても、ただの肩車じゃああまりに幼稚な絵になりすぎる。  頭部を外してお前がヴァーチェの顔になり、  そしてその裏に隠されたナドレの真実の姿を体現するんだ』 イアンの言葉が脳裏に蘇った。 「了解。ティエリア・アーデ。ミッションプランを遂行します」 ティエリアは記憶のイアンに律儀に答えて、ゆっくりとヴァーチェに手をかけた。 細部までがっしりと作りこまれた機体は、思った以上に大きかった。 んしょ、んしょ、とヴァーチェの広い背中をロッククライマーのように登って行く。 ミニチュアでありながら、大事な機体を傷つけないようにと細心の注意を払って 体を持ち上げていく作業は意外に重労働で、額には汗が滲んだ。 「ふう……」 やっと頂上に昇りきり、汗を拭いて真下を見下ろす。 頭を取り払われたヴァーチェの首部分がぱっくりと開いて、 内部にはナドレの美しい白い塗装と、赤いコードが見えた。 「ああ…。やはりナドレは素晴らしい……」 ヴァーチェとナドレに対する畏敬の念が湧き起こり、そのマイスターとしてしっかり使命を果たさねば、 という思いが強くなる。 任務遂行の高潔な決意に比べれば、全裸の恥ずかしさなど取るに足らないものでしかない。 「ヴェーダ……」 唐突にヴェーダの息遣いを感じたくなって、ティエリアは瞳を金色に輝かせた。 ギュイイイン! その瞬間、足元のヴァーチェが俊敏に反応を見せた。 「…………!!?」 起動音と振動が上に乗ったティエリアの体を震わす。 まさかイアンがここまで作りこんでいたとは思いもしなかった。 小型ヴァーチェには、どうやら金目アクセスのシステムまで搭載されていたらしい。 「さすがにプトレマイオスの整備士だ……」 素直にイアンの実力に感じ入った次の瞬間、信じられない事が起こった。 ヴァーチェの剥き出しの首の穴から、赤いコードが数本にょきにょきと伸びてきたのだ。 「な……!」 穴部分に跨った体勢のティエリアの股間目掛け、コードはその数を増して一直線に進んで来る。 生きた海生生物の触手を思わせるくにくにとした粘っこい動きに思わず嫌悪感と恐れを感じ、 ティエリアは本能的に逃げ出そうとした。 しかし、不安定な足場でよろめくティエリアの太ももに、 逃がしはしないと言わんばかりに細いコードの束が巻き付いて、 その繊細な見た目とは裏腹の恐るべき力で体を押さえつけてしまった。 「な、ヴァ、ヴァーチェ、よせ…っ」 振りほどこうとしている傍から、次から次へと赤いコードがヴァーチェの体内から伸び上がってきて、 しっかりと先着隊の補強をする。 あっという間にティエリアの両足はコードの集団に絡め取られ、 身動き一つ出来ない状態になってしまった。 「あ…、あ…、あ……」 相手がヴァーチェ故に打開策が全く思い浮かばない。 まさかコードを切り裂くわけにもいかない。 ただ頼りなく、少女の面影を強く残す細身の体を震わせ、掠れた声を発し続けるだけのティエリアを 気遣う様子を露ほども見せず、コードの束は全ての意志を集約させて一塊になり、 ティエリアの脚を割り開いていった。 どんどんと脚が左右に開かれていくのを制止させる術が全く思いつかない。 ふと下を見ると、首穴部の奥深くでいびつに何かが光り輝いている。 金目状態のティエリアに、思考ではなく感覚でヴァーチェの意志が伝わってきた。 ティエリアをまさしくナドレと誤認したヴァーチェは、連結を求めていたのだ。 自らの体内にナドレの雛型が埋め込まれているにも関わらず、 頭部がないが故に完全体を目指し――。 「ヴァ、ヴァーチェ、やめろっ…!お、俺はナドレじゃないぞ…っ…!」 震えながら口走った言葉に強い真実味がない事は、ティエリア自身が一番良く分かっていた。 ヴァーチェ、そしてナドレ。 ティエリアの理想を体現する機体として、 ティエリア自身がもっと深く繋がりたいという欲求を常に持っていたのだから。 そしてその後ろに控える絶対的な存在、ヴェーダ。 常に心に居座っていた奥底の欲求が、今ようやく叶おうとしている――。 怯えの中に目覚めた、秘めた欲望に完全に蓋をする事は、出来そうにもなかった。 (ヴェ、ヴェーダと一つに……。で、でも……) それでも、ヴァーチェの体内から赤く卑猥なコードが何本も何本も伸びてくる光景を目の当たりにすると、 さすがに戸惑いを感じずにいられない。 だが、葛藤の時間は与えてはもらえなかった。 いつの間にかティエリアの股は大きく割かれ、数本の細いコードが進む度に絡み合って 一本の紐のように重なり、ティエリアの秘めた場所へと向かっていく。 まるで、そここそが連結部の入り口だと信じて疑わないような迷いのない動きだった。 ようやく大人びた柔軟さを持ち始めたばかりのティエリアの柔らかい膣口を、 コードの先端が探るようにツンツンと突付いた。 「ひゃうっ……!」 その機械らしい冷たさに、ティエリアが声にならない声を上げる。 戸惑いが吹き飛んで頭は簡単に混乱した。 更にコードの先端がぐにゃりと折れ曲がって、ウイーンと奇怪な音を上げながら 挿入口を探すかのように入り口を這いまわり始めると、 最早声さえ出せずに体を強張らせるしか出来なくなった。 誰の目にも触れた事はない、ましてや指に触れさせた事などあるはずもないティエリアのそこは あくまでも清らかで、コードがくにくにと入り口をほじってもなお侵入を拒み、 ぴっちりと蓋を閉じたように頑ななままだった。 「や…っ、やめ…っ、そんな…とこ…っ」 しばらくゆっくりと這い回っていただけのコードの動きが、 やがて痺れを切らしたかのように乱雑なものに変わる。 2本、3本と数を増やし、陰唇を左右に強引に押し開いて、現れた赤い粘膜を大振りに擦り立てた。 「…ゃっ……!」 びくんとティエリアの全身が震え、頼りなく腰が揺れて体がバランスを崩しそうになった。 その瞬間、怒涛の如くに体を這い上がったコードの束が腰に巻きつき、しっかりと固定した。 更に体の側面に沿ってにょきにょきと伸びたコードが 上腕部にまでしっかりと絡みつき、真横に腕を広がせる。 今やティエリアは空中に浮き上がって、ダ・ヴィンチの人体図のように両手両足を開き切った状態で コードに身を任せていた。 膣口を擦るコードの動きは大振りでありながら、決して荒々しいものではない。 デリケートな粘膜を決して傷つけないように、優しく優しく何度も往復を繰り返していく。 「は…っ…、うう…っ…」 ティエリアはこの世に生を受けて初めて、じゅくりと何かが漏れ出したような、 湿った感触をそこに感じていた。 排泄や汗の流れ出る感触とは全く違う、新しい感覚。 コードがゆるゆると往復する度にそこが湿り気を帯び、 同時にコード自身をも湿らせて、更に滑らかな動きを可能にしていくのが肌で分かる。 そして体の奥深くから湧き起こってくる、なんとも言えないもどかしさ。 それがうっすらとした快感だと気付くのに、そう時間はかからなかった。 「や…っ、や…っ、あ…っ…」 コードの刺激に応じて、堪らず湿った声が漏れ出てしまう。 体をよじって逃げ出したくても、がっしりと捕まれた肢体は身動き一つ出来はしなかった。 「ヴェ、ヴェーダ……」 助けを呼ぶように絶対神の名を口にする。 しかし裏腹にコードはその往復をむしろ速め、愛液を更に溢れさせながらたっぷりとほぐすのだった。 じっくりと時間を掛けて責められて、さすがに頑なな処女の花弁も受け入れ態勢を整えて潤った。 頃合と判断したコード群は、衝撃を和らげさせる為に更に左右にぐっと秘唇を押し開く。 その中心で、一本のコードが群から離れ、女芯目掛けて直立した。 ウィーーーン。 愛液にまみれたコードの出す機械音には、卑猥な粘着音が混じっていた。 その音が不意に強まり、コードの先端が入り口をこじ開けながらずぶずぶと押入っていく。 「やっ、あぁぁっ……!」 初めての感触にティエリアの体が仰け反った。 せっかく潤しきったにも関わらず、緊張で強張った膣肉がコードの侵入を邪魔する。 緊張を解こうと、上腕部に絡みついたコード群の中から離れたコードが、 一本、二本と左右の乳首に向かい、しゅるると巻き付いた。 ティエリアの、まだ花も開かないような桃色の突起を、コードは先端を少しすぼませて 繊細に這わせながら刺激していく。 「んく…うっ……!」 愛撫も知らなかった未踏の突起に、初めての甘い官能が訪れた。 絶妙の強弱で乳首の先端を突付かれ、根元ごと巻き取って締め付けられて、 ティエリアは初めて味わった乳首の快感に一瞬で酔いしれた。 じゅんじゅんと股間が熱くなる。 更に2本のコードが伸びてきて責めに加わり、乳輪をなぞっては快感を一際増幅させた。 「ああんっ……!」 思わず脱力して甘い声を漏らした途端、ここぞとばかりに膣奥までコードがするりと滑り込む。 「んっ…!」 軽い痛みにずんっという衝撃。 だが、せめて脚を閉じて耐えようとしても、コード群にしっかりと抑え付けられた 太ももを閉じる事は出来ない。 軽く膝を震わせるのが精一杯だった。 奥まで収まったコードが、すぐに連結部を探して内部をくまなく動きはじめていく。 「んあっ…、や…っ、やだ…っ…!」 くにくにと鎌首をもたげ、コードがあちこちに先端部の方向を変えながら、 壁の至る所を捜索しているのがティエリアにもはっきりと分かった。 身体の内部を直接触られている不快な感触で、涙も零さんばかりに瞳が潤む。 この間にも、乳首に絡まったコードは甘い刺激を与え続けている。 ティエリアは快感と不快感という相反した肉体反応がないまぜになる中で、 ほとんど混乱してされるがままになっていた。 とてつもなく不快なのに、完全に抵抗しようという気にどうしてもなれないのは、 コード、そしてヴァーチェの向こうにヴェーダがいる事を知っているからだ。 自分はナドレじゃない――。 しかし、例え的外れな事であっても、ヴェーダの意志ならば――。 そんな思いがどうしても拭い去れない。 「んんっ、んんんっ……」 ティエリアは必死で声を抑えて、体内を蹂躙される悪寒にも似た不快感を堪えた。 コードの先端が奥深くまで到達し、ツンツンと行き止まりを突付く。 「ひゃうううっっ!」 軽く突付かれただけなのに全身を突き上げられたような衝撃を感じ、 堪らずティエリアは体を強張らせた。 しかし、その瞬間に計ったように乳首をきゅきゅっと抓られて、また脱力させられてしまう。 それが何度も繰り返された。 「も、もうやめてぇ……」 執拗にプラグを探して膣内を這い回るコードにさすがに耐え兼ねて、 ティエリアの瞳からは遂に涙が零れ落ちた。 理性が遠のき、感情が露わになる。 16歳という身体の年齢にはまだ至らない、未熟な精神を隠し切れない。 涙が溢れるごとにその素体が曝け出されていった。 「僕には連結プラグなんか付いてないからぁ…っ。僕はナドレじゃないからぁ…っ…!」 幼稚さを帯びた言葉遣いと、より幼さを醸し出すかのような一人称の変化。 だが、当のティエリアは自らの状態に気付く余裕もなく、 かと言ってやはりヴェーダを突き放す程の拒絶の意思も持ち合わせずに、 膣内にコードを受け入れたままで、ただ涙を流し続けるのだった。 キュウウウウ……。 と、急にコードの様子が変わった。 ようやく膣奥には何の連結部もないと判断したコードが、 再び膣壁にプラグが隠されてないかどうかと再確認しながら、出口目指して後退していったのだ。 ずるずると壁を擦られる独特の感触。 「あっ、あっ、あっ…」 意識しないでも勝手に声が出てしまう。 その度にティエリアは顔を真っ赤に火照らせ、涙を零して体を奮わせた。 コードの先端が膣口付近にまで後退し、ようやくずるりと抜き出ようとしていた。 「ふあぁ……。やっ…と…」 ティエリアが安堵の溜息を吐く。 しかし、安心したのも束の間、コードの先端は新たな未確認領域を瞬時に補足して もう一度ぐんっと頭を潜り込ませた。 「あ…んっ…!」 長い刺激で否応なく興奮し、僅かに起伏を持ち上げていたザラザラした箇所――。 膣内の最も敏感な場所を目ざとく探り当てて、コードが再び探索を開始する。 「あっ、ああっ、そこ、そこぉ…っっ!?」 愛液で潤んだ先端部でそこをぐりぐりと擦られると、 不快感しか感じなかったはずの膣内に急激に未知の感覚が目覚めた。 体ががくがくと震え出すが、もはやそれは不快感から逃げ出す肉体的拒否反応からではなく、 体の奥底から這い出てくるような快感によるものだった。 乳首に与えられる快感とは比べ物にならない強烈な気持ちよさが秘所全体に満ちる。 「ふあぁっ、ああっ、ああんっ、あぁんっ、ああぁっ…!」 ウィーーンとくぐもった機械音が体内から直接細胞を震わし、鼓膜に到達した。 コードが細かく蠕動しながら急所を的確に擦り続ける。 まるでここを刺激してやれば、必ずプラグが現れるのだと言わんばかりの確信的な動きだった。 「ああっ、んんっ、んあぁっっ、ヴァーチェッ…、ヴェーダ、ヴェーダぁっっ…!」 その背後にあるヴェーダの意思が、ティエリアの金目を通して直接入り込んでくる。 イアンが言ったように、ティエリア自身がナドレになって、 ヴァーチェ、そしてその後ろに控えるヴェーダと直接繋がれと無言で命令してくるのだ。 「ぼ、ぼく、ナドレじゃないよぉっっ。で、でもっ…、きもちい…、気持ちいいよぉっっ…!」 もう幼い言葉遣いに気をやる余裕など全くない。 ただヴァーチェ越しにヴェーダの意思を感じ、それに呼応する事で精一杯だった。 ヴェーダと繋がっている。その事がどうしようもなく嬉しくて堪らない。 激しい肉体的な快楽と、まるで母親に優しく抱かれているような精神的な心地よさが混じり合う。 ティエリアは余計な思考を止めて、ただヴェーダの意思を受け取り、そして一体化しようとしていた。 「ああっ、あああっ!やっ、やあっ!ヴェーダぁっ、もっと、もっとしてぇっっ…!」 快感に咽び、涙を流しながら更なる悦楽をねだる。 同時に乳首と膣へのコードの動きがせわしないものに変わった。 乳首をぐりぐりと捏ねまわし、コード全体で膣内を激しく抜き差しながら、 それでいて先端部は決して急所を外す事無く延々と擦り続けた。 「んああっっ、あぁんっ!やだっ、なん…か…、来る…っ、来るぅぅ…っっ!!あああっっ!!!」 ティエリアの体がびんと硬直し、抑えつけるコードさえ跳ね飛ばす勢いで背骨が弓なりになる。 体内を駆け抜けたのは、激しい快感の大波だった。 あまりに激しすぎる快楽の渦に翻弄され、ようやく波が去った後もティエリアは放心状態で脱力し、 うなだれた頭を上げる事さえ出来ない。 「ふ…、うう……、今の…、何……?ヴェ、ヴェーダぁ……」 しかし、いかに金目を光らせて問い掛けてみても、ヴェーダが答えてくれる兆しはなかった。 代わりにまだ自分の目的は果たしていないとばかりに、 膣に突き刺さったコードが活動を再開する。 初めての絶頂を迎えたばかりの処女の秘芯を、コードは遠慮なく再び這い回り始めた。 いくら探しても連結部が見つからないもどかしさに耐えかねたように、 今度は乱暴にコードが膣内を探っていく。 達したばかりのティエリアの体は、最早何の反応も示そうとはせず、 むしろ最初の不快感以上の苦痛さえ感じさせた。 「やっ、もうだめぇ……。本当に何もないからぁ……。もう諦めてぇ……」 全く力の入らないぐったりとした体をコードの束で支えられながら、 ティエリアが堪らず解放を懇願した。 しかし、ヴァーチェに仕込まれたプログラムは中断する素振りもなく、 一度は諦めて退出しようとした事さえ忘れ去ったかの様に、 ひたすら愚直に連結部を探して、縦横無尽にティエリアの膣内を這い回るのだった。 それでも、さすがにここに目的地がない事を悟ったらしいコードがようやくぴたりと動きを止める。 「うう……。早く抜いてぇ……」 長かった責め苦からやっと解放される事を確信し、ティエリアは安堵した。 だが、しばらく経ってもコードは一向に体内から去ろうとしない。 嫌な予感が走る。 ウィーーーン。 ややもせず電動音が響き渡って、ティエリアは悪い予感が的中した事を悟った。 ヴァーチェの最深部から、新たなコードが卑猥に頭を蠢かせながら伸びてきたのだ。 まるで双頭の蛇のような2本の赤いコードが絡まりながら、股間へと向かってくる。 「やっ…。いや…ぁっ……」 ヴァーチェはまだ、探索を諦めるつもりはないらしい。 あまりの仕打ちに顔色をなくすティエリアだったが、 コードの頭がくにくにと左右上下に蠢く、妖しい光景から目を離せない。 コードは様々な方向に折り曲がりながらティエリアの背後に回り、 双丘の曲線を通ってアナルへと到達した。 「ひぐっ…」 蕾の入り口を渇いた先端で軽く擦られ、ティエリアは想定外の刺激にまたもや声も出せずに固まった。 今日一日で得た経験値は、ティエリアの消化できる範囲をとうに超えていた。 体に与えられる刺激に脳が付いて行かない。 ただ、コードがアナルにも侵入を試みようとしている事だけは、本能的に理解できた。 脱力していた体に思わず力が入り、括約筋が無意識的に引き締まる。 と、コードの摩擦が急に停止した。 「な……、何……っ…?」 膣の時よりも挿入困難だと判断したコードが、一旦そこを離れ濡れた膣口へと移動していく。 潤滑油があれば挿入が容易になると、既に学習しているのだ。 膣口から溢れ出た愛液をべっとりと先端になすり付け、まさに蛇の如くに鎌首をぬめらせながら、 コードが再びアナル入り口に到着し、再びそこを軽く擦った。 「あふ…っ」 今度は濡れた触感が妙に心地よさを誘い、ティエリアから淫らな声が漏れる。 次の瞬間、低い電動音を撒き散らしながら、コードは蕾をこじ開け回転しながら中へと突き進んでいった。 「や…っ…、やああっっ……!」 先端に塗りつけられた愛液が狙い通りに潤滑油となり、コードは狭い肉壁をするすると滑っていく。 内臓の脈動を撥ね退け、引きちぎれんばかりに締め付けて来る肉壁の抑止力をも撥ね付けて、 コードは再び奥の行き止まりまで到達して動きを止めた。 本来、異物の侵入を全く想定していない場所に異物を受け入れる不快感は相当のもので、 あまりの違和感にティエリアはうなだれた頭をただ力なく振り、対照的に歯だけを食いしばって耐えた。 重力に従って、涙だけがぽろぽろと零れ落ち、ヴァーチェの剥き出しの深部へと吸い込まれていく。 しかし、まだこれが終わりではない事は、ティエリア自身がよく分かっている。 ティエリアに心の準備をさせる暇も与えずに、コードは連結部を探して直腸内をくまなく這い始めた。 膣よりも入り組んだ襞の隅々まで、細まった先端部が覗き込んでいく。 「あうう…っ…」 菊門内のコードが蠢く度に体が痙攣し、膣内に埋め込まれたままのコードをぐいぐいと締め付ける。 快感など全く感じない。 ただ内臓を直接抉られるような不快感だけが満ちた。 苦痛を和らげる為か、再び乳首に絡まったコードが突起を摘み、 優しく先端を摩擦したが、アナルの不快感を吹き飛ばす事は出来なかった。 続いて仕方なく、といった感じで膣内のコードが壁を上下に擦り上げたが、 ティエリアは微かに震えただけで再び苦痛に顔を歪めた。 と、こんな事もあろうかと待機していたらしいもう一本のコードが、 ようやく日和見をやめて活動を開始する。 ねっとりと濡れた先端部に再び愛液をなすり付けてたっぷりと潤すと、 ティエリアの敏感な突起、クリトリスへと絡みつく。 自慰さえ知らずに来たクリトリスは、濡れた触手に舐めるようにゆっくりと擦り上げられて、 あっけなく快感に震えた。 「ああっ、ああっ…、ああっ…!」 今日何度目か分からない、今までとはまた違った初めての快感がティエリアを襲う。 初体験にも関わらず、長い責め苦の中で自然に隆起していたクリトリスは、 じっくり開発されるまでもなく最上の快楽を生み出した。 「やっ、あんっ、ああっ、あんっ、あんんっ!!」 苦痛の色合いが強かったティエリアの声が、どんどん淫らな嬌声へと変化していく。 コードがクリトリスに巻き付いては前後に扱き、敏感な先端ごと丁寧に摩擦し続けた。 同時に乳首も捻っては擦り上げられ、コードの締め付けの中でその硬度を強めた。 更に膣の抜き差しも勢いを強めるのだから堪らない。 3つの性感帯を余す事無く責められて、ティエリアが平気でいられる訳がなかった。 程なくしてティエリアは今日最高の快感に喘ぎ、濡れたコードの蠢く甘い感触に溺れた。 膣からは新しい愛液が溢れ出て、尚更コードの抽迭を容易にしていく。 激しい快感の渦の中で視界がぼやける。 その隅でヴェーダの意思を確かに感じられて、ティエリアは悦びに悶絶した。 「ああっ、あんっ、あんっ、ヴェー…ダぁっ…、あああっ、わ、わたし、わたしはぁ…っ!」 コードが膣壁を突き上げる度に、ティエリアの体も押さえ込まれながらも僅かに浮き沈みした。 奥まで貫かれる衝撃が快感に様変わりする。 昂ぶった淫欲のおかげで、アナルの緊張が解ける。 ここぞとばかりにコードが腸壁をすりすりと抉ったが、その感触さえ 全身に満ちる快感と溶け合って、深い快楽へと昇華していく様だった。 「ああっ!あんんっ!だめっ、だめぇっ!壊れちゃううっ…!ヴェーダぁっ…!!」 ますます激しくなる抽迭に弄ばれて、ティエリアは何も考えられずに快感だけを貪った。 対外からも体内からも聞こえてくる電動音と、淫らになる一方の己の体――。 本当に身体を壊されてしまうのではないのかとよぎる不安を、 ヴァーチェの奥に潜むヴェーダの存在が取り払ってくれる。 ――ヴェーダがいる限り、私は大丈夫なのだ。絶対に、何があっても恐れる事はない。 背中から、ヴェーダに包み込まれているような安堵感が満ちてくる。 同時に、コードを通じてヴェーダと肉体的に繋がっているのだと言う根源的な悦びが全身に溢れ、 ますます悦楽の度合いが深まっていった。 膣内にも直腸内にも、ヴァーチェ、そしてヴェーダの望む結合部などあるはずがない事は知っている。 それでも、望まれているのだという悦びは何にも変えようがないのだった。 「んっ、あっ、ああっ、ああんっ!  ヴェーダっ、もっと、もっとぉっ…!私はあなたの…っ、ものだからぁっ……!!  もっと奥まで来てぇっ…!!」 答えるようにコードが襞を掻き分けて奥まで進み、限界点をずんずんと突き上げる。 体を激しく揺さぶられ、相乗して強まる快感で涙が迸って止らない。 「ああっ、あんっ!んっんっあんっ!ずっと中にいてぇ…っ、ヴェーダぁっ…!!」 コードに奥まで深く貫かれ、感情を曝け出しながら淫らに叫ぶと、 ヴェーダと一体化していると確かに感じられた。 やがてあの激しい波が再びティエリアに押し寄せてくる。 さっきよりも遥かに激しいであろうそれの到達を、ティエリアは好ましく思わなかった。 まだ弾けたくない。 せっかくのヴェーダとの肉体的な繋がりを、こんなに早く失いたくない。 「やだっ、やだっ…!ヴェーダ、やだっ…!!」 ふるふると首を振って、駄々を捏ねる子供のように嫌嫌をする。 しかし、体に迫る絶頂は待ってはくれそうにもなかった。 昂ぶった熱を逃がさないと、本当に体が壊れてしまう。 僅かに残った理性で分かってはいたが、終焉の訪れが憎くて悔しくてどうしようもない。 「あんっ、あんっ!も…だめぇっ…!やだっ、ヴェーダ、行か…ないで…っ!  ごめ、ごめんなさ…っ…」 ろくに耐える事も出来ない己の未熟さを呪いながら、遂にティエリアにその時が来た。 「あ…っ、来る…っ…、ヴェーダぁ…っ、あああああっっっっ!!!」 一度目の絶頂よりも遥かに激しい快感を、まだ幼さの残るその身に受け止め、 ティエリアはヴェーダの名を叫びながら果てた。 ティエリアが達してもまだしばらく体内を探っていたコードは、 やがて探索を諦めて静かに体内から去っていった。 ずるずると意気消沈したかのように抜け出ていくコードの感触を、 ティエリアは絶頂の余韻と、裏腹に胸を締め付けてやまない寂寥感の中で味わっていた。 「ん…、ふ…、ふうう……」 何故か寂しさが込み上げて来て涙が溢れ出す。 体に巻き付いていたコードの捕縛が徐々に解かれ、 ティエリアはミニチュアのヴァーチェの上に静かに降り立った。 真下を見ると、ヴァーチェの開いた首の穴の中に、 たった今までヴェーダと自分を繋いでいてくれた愛しいコード達が帰っていく。 唐突に、大事なものを失ってしまったような、 心にぽっかりと穴が開いたような虚しさが押し寄せてきた。 と、急に静寂を引き裂いて、場違いな声が部屋に響き渡った。 「お、おいおい!ティエリア、お前なんちゅう格好してんだよ…!」 慌てふためいた様子の声の主は、マイスターたちのリーダー格、ロックオンだ。 「…別に。あなただって人の事は言えないでしょう」 涙を隠したくて横を向いて拭ったが、ロックオンは目ざとく気付き、 デュナメスのコスプレ装備のままでギクシャクと近寄ってくる。 「おい、大丈夫か?嫌ならやめてもいいんだぞ?」 そっと耳元に囁いてくるロックオンを挑むように睨み返し、ティエリアは精一杯の虚勢を張った。 「いいえ。問題ありません。私はヴェーダの指示に従います」 こうなった時のティエリアが後に引かない事は、ロックオンとて充分知り尽くしている。 ティエリアはいつだってヴェーダの命令に絶対服従で、 その為なら自分の身を捧げても一向に構わない決意を秘めているのだ。 そして、その奥に隠しきれない脆さがある事――。 それだって分かってはいるが、口にするとティエリアが怒り狂うのは目に見えている。 いずれティエリアは己の脆さと正面から向き合わねばならない時が来るはず。 だが、今はまだその時じゃないか……。 ロックオンは自己解答して肩を竦めた。 「まあ、それならそれでいいけどなあ、でも、その格好で画像に収まるのはちょっと頂けないな」 ロックオンはティエリアの裸体をまじまじと眺め、 ようやく色づいたばかりの乳首や濡れた股間に目を止める。 そしてもっと目を引くのは、思わず抱き締めたくなるほどの白い柔肌のあちこちに飛び散った液体――。 ヴァーチェといかがわしい行為をしていたのではないかと疑わせるには充分な程、 淫らな痕跡の残ったその姿に、股間に血液が集中しそうになるのを感じ、 ロックオンはいかんいかんと首を振った。 何と言ってもティエリアは同じマイスターの一員で、 しかも下手をしたら撃ち殺されるかもしれない程、任務に生真面目なのだ。 ついうっかりと手を出すわけにはいかない。 何より、CBに参加した時から、俺は色恋の煩わしさとは縁を切った身だ。 ロックオンはそう自分に言い聞かせ、同時に俺も大人になったもんだと苦笑した。 「まあ、ともかく、いくらなんでもそんな格好でうろうろしなさんな。  乳、いや、胸くらいは隠した方がいい。これ、装着しろ」 そう言って、ロックオンは白いプロテクターを差し出した。 ティエリアがまだ少ししゃくり上げながらそれを身に付けると、 ちょうど乳首がすっぽり隠れて見えなくなった。 (あ〜あ、ちょっと残念だな……) 何となく薄い後悔を感じるロックオンの背後に、激しい飛行音を撒き散らしながらアレルヤが現れた。 どうやら降り立つ術が分からないらしい。 既に虚ろな表情で、アレルヤは部屋中をぐるぐると飛び回り続けている。 「アレルヤ―!降りてこないとみんなで撮影できねえぞー!!」 大声で叫ぶロックオンの声も耳に入らないのか、アレルヤはハレルヤ、ハレルヤと呟きながら 飛行を繰り返すのだった。 バン! 突然ドアが勢いよく開かれ、エクシアを着込んだ刹那が飛び込んできた。 実体剣を振りかざし、見えない敵と戦うかのように一人チャンバラを繰り広げる 刹那の表情は恍惚として、完全に自分の世界に浸っているのは明らかだった。 そしてその背後から合体を狙ってにじり寄っていくGNアームズのラッセ――。 どう見ても収集の付かない事態に、ロックオンは深い溜息を吐いた。 「は〜あ…。何でこいつらはどいつもこいつもこうも自分勝手なんだろうなぁ…。  なんか俺だけ損してないか?」 どこからともなくピョコンと飛び出してきたハロが 「ビンボークジ!ビンボークジ!」と嬉しそうに言いながら、ロックオンの周囲を跳ね回る。 「ま、しょうがないか。まだ、ガキだもんな、こいつらは。  死ぬまで俺が面倒見てやらないとな、ハロ!」 ロックオンは苦笑しながら自分に言い聞かし、相棒を手に抱えた。 「さあ〜、お前ら、撮るぞ〜!」 イアンがカメラを構えて意気揚揚と部屋に入ってくる。 結局散々揉めた結果、個別撮影は反故にされたのだが、イアンはそれでもすこぶる機嫌がいい。 対するロックオンは、仲間の姿を見回した。 飛び回るアレルヤ、自分に見惚れる刹那、そのケツを狙うラッセ、そしてほぼ素っ裸のティエリア。 一体どんな絵になるのか、さっぱり予測がつかない。 「それでも――。」 イアンの手がシャッターを押す瞬間、 ロックオンはさっと体を動かしてティエリアの前に立ちはだかった。 (コイツの恥ずかしい所を全国に晒すわけにはさすがに行かない。  なんてったって花も恥らう16歳の女の子なんだからな) ティエリアが不思議そうな顔できょとんと自分を見つめてくるのが分かる。 しなやかにくびれたティエリアのウエストラインから目を反らし、ロックオンは紳士らしく頷いた。 恐らくティエリアにバレる事無く、絶妙のポジションに体を入れて、 彼女の下半身が晒されるのだけは阻止できたはずだ。 (しょうがねえさ。仲間を守るのも、俺の重要な仕事だもんな) ロックオンはやり遂げた充実感で、会心の笑みを浮かべたのだった。