スメラギ達との作戦会議を終えて格納庫に行ってみると、 セラヴィーの修理は完璧に終わっていた。 予想よりも随分早い時間で修理が完了した事に驚き、同時に感心もしながら、 ティエリアはミレイナの姿を探した。 突貫作業で修理に当たったはずの彼女は、相当疲れ果てているに違いない。 辺りを見回したが、しかし格納庫のどこにもミレイナの姿はなかった。 ならばともう一つのドアから廊下を覗いてみると、果たして彼女はそこにいた。 薄暗く、心なしか気温も低く感じる艦の廊下の壁際に身を寄せるようにして、 どうやら深い眠りに落ちているらしい。 ふと人の気配を感じて振り返ると、壁の一画にもたれる様にして眠り込んでいる 沙慈・クロスロードの姿が目に入った。 「そうか…。二人で修理してくれていたのか…」 沙慈とは色々ぶつかる事もあったが、それでも彼はセラヴィーの修理を手伝ってくれたのだ。 二人に素直に感謝しつつ、ティエリアは二人分の毛布を取りに踵を返した。 *** 戻ってくると、二人はさっきと全く同じ位置で、同じ体勢のままでまだ眠り込んだままだった。 まずミレイナの体に毛布をかぶせてやろうとすると、 むにゃむにゃと何やら寝言を呟きながら可愛い寝顔を見せている。 あのクリスマスの夜以降、ミレイナは深夜ティエリアの寝室に忍び込んで 同衾するばかりか、時折気が向いたようにティエリアの体を弄るようになっていた。 最初はおぼつかなかったその手付きがいつの間にか手慣れたものになり、 またティエリアの体もいつしかミレイナの繰り出す性戯に馴染み、 今やそう時間を掛けなくても歓喜に震えるまでになってしまっていた。 主導権は常にミレイナの方にあったから、少なくとも背格好ではティエリアよりも 年少であるにも関わらず、まるでミレイナの方が姉であるかのような錯覚に陥る事も、 ここ最近では珍しくはなかった。 しかし今、こうやってミレイナの無防備な寝顔を見つめていると、 やはり年相応のあどけなさを感じずにいられない。 庇護欲にも似た愛しさが胸に込み上げてくるのを感じながら、 ティエリアはミレイナにそっと毛布を掛けてやった。 「ありがとう。君がいてくれてよかった……」 起こさないように気を付けながら、素直に感謝の思いを囁き、 続いて沙慈にも毛布を掛けてやろうと中腰のままで後ろを向いたその時、 「ほんとですかぁ?うれしいですぅ♪じゃあ、ミレイナにご褒美くださいですぅ♪」 静かな廊下に不釣合いなほどの、弾けた声が不意に背後から響き、 同時にティエリアの屈んだ腰の辺りに白く幼い手が伸びてきた。 「な……、ミ、ミレイ…ナ…!?」 予想外の出来事にティエリアの体がびくりと震えたのを面白がるように、 すぐにその手が軽やかに尻の方まで降りてきて、丸みをすすすと撫ではじめる。 「ふあっ…!?な、何す……!」 「何って、いっつもミレイナがアーデさんにしてあげてる事ですぅ♪」 その言葉を証明するかのように、ミレイナの手付きがティエリアの性感を煽るような、 明らかに挑発的な動きに変わった。 双丘にべったりと吸い付かせた小振りな手の平が、 時折ティエリアの尻の肉にめり込みながら、ぐりぐりとそこを揉みほぐす。 「ふうぅっ…!こんな所で…っ…。よ…せっ…、ミレイ…ナっ」 ティエリアはさすがに驚いて振り向こうとしたが、 ミレイナの手が尻をせわしなく動き回る度にぞくぞくとした緩い快感が全身を粟立てて、 抵抗の言葉も満足に思いつかない。 「んふふっ♪嫌ですぅ。だって、アーデさん、本当は全然嫌がってないですぅ」 ミレイナは右手で双丘の片方を掴んでぐいと谷間をこじ開けると、 間髪を入れずに、露わになった股の間へと左手の指を滑り込ませていった。 ティエリアの急所を、ミレイナは既に知り尽くしている。 あっけなく指が秘裂の上に到着すると、くいくいとそれがリズミカルに前後に動き出した。 「く…ぅ…っ……」 秘裂を前後するその単純な刺激だけでティエリアの体は反応を示し、 疼くような衝動とともに艶かしい声が、早くも濡れた唇から漏れ出した。 「ほら、ココ、ですぅ…。もっとして欲しいはずですぅ」 ズボン生地の厚さが、ダイレクトな快感の邪魔をしている事を理解すると、 ミレイナは今度は指を立てて、爪で秘裂を引っ掻くように刺激した。 「んっ…、んん…っ…!ミ、ミレ…っ…」 ティエリアに、もう隠しようのない快感が訪れた。 勝手に腰がミレイナの指にそこを押し付けるように揺れ始め、 軽く開いた口からは湿った息が切れ切れに飛び出していく。 一瞬で快楽に歪んだ視線の先で、穏やかに眠り続ける沙慈の姿が霞んで見えた。 「あうぅっ、んんっ…、ここ…、ここじゃだめ…だ…、彼が…起きてしま…」 「ですぅ♪だからアーデさん、声はできるだけ我慢ですぅ。  クロスロードさんが起きちゃいますぅ。  アーデさんのいやらしいお顔が丸見えになるですぅ」 「ん…っ、や…っ…だ…、せめていつ…もの…部屋で…、ひうぅっ…」 「ダメですぅ!今日はここでするのですぅ!」 ミレイナはティエリアの敏感過ぎるほどの反応に満足し、 愉しそうにくすくすと笑いながら、休む事なく秘裂を素早く擦り続ける。 ――快感を一瞬のうちに増幅させて、抵抗の意志をなくさせる。 ミレイナが今までのティエリアとの行為の中で自然と身に付けた掌握術だったが、 今この場面では抜群の効力を発揮した。 ティエリアは自分の体の変化に精一杯になり、ただミレイナの愛撫に身を任せて 快楽に耐えるだけで、とても彼女を振り払ってここを去る気分になどなれそうにもなかった。 いつ目覚めるとも知れない目の前の沙慈の存在までもが、 背徳的な快感となって全身の神経を昂ぶらせていくようだった。 「ほらぁ、もっと静かにしないとクロスロードさんが起きちゃいますぅ」 「うぅっ…、んっ、んっ…わ、分かってる…っ」 ミレイナに言われるまでもなく、ティエリアは必死に唇を噛み締めて、 気を抜くとつい漏れそうになる喘ぎを我慢した。 ミレイナの爪の動きが、より速く小刻みになって秘唇を引っ掻いていく。 ズッズッという衣擦れの音に、心なしか粘っこい音まで混じっているような気がして、 ティエリアは真っ赤になって俯いた。 ほどなくしてミレイナの指に、ティエリアのそこが僅かに口を開けたのが伝わってきた。 「アーデさん、いつも以上に濡れてるみたいですぅ……」 ミレイナが指の摩擦を続けながら、ゆっくりと体を起こしていく。 ティエリアのすぐ背後に足をぺたんと置いて座ると、俄然動きやすくなった。 中腰のままでふるふると震えているティエリアの秘所を、 まだ今からだと言わんばかりに本格的に責めていく事にする。 秘裂を左手の指で引っ掻きながら、右手を前に回して前方の膨らみをさわりと撫でてみる。 ティエリアの雄の部分に指が触れた途端、ティエリアの体が一際ぐらりと揺らめいた。 「はうぅっ…!?そこは…、やめっ…!」 「何言ってるですぅ?こっちももう大きくなってる、ですぅ…?」 そこはミレイナの言葉通りに、既に布地を持ち上げて大きく持ち上がっていた。 「まだ全然触ってないのに、随分いけないおちんちんですねぇ?」 ミレイナがティエリアの耳に唇を寄せ、わざと声を落として秘密めいた口調で囁きかけると、 ティエリアは耳まで真っ赤に染まってプルプルと肩を震わせた。 「心配ないですぅ。今からどっちも、たっぷり触ってあげるですぅ♪」 2ヶ所の欲の熱さを感じながら、ミレイナは勃起の盛り上がりに 愛しそうに手の平をすり付けて、すりすりと上下に擦り上げていく。 もちろん秘裂への刺激も止める事はない。 「ふあ…んっっ……!!」 膣とペニス――。 本来対になるべきはずの、相反する快楽の集約地を同時に責められて、 布越しにも関わらず、両性具有の体はあっという間に強烈な快感に喘いだ。 体の重心がぶれて、思わず前のめりに崩れ落ちそうになるのを、 両手を床に付く事でティエリアは何とか堪えた。 自然に腰が一層浮き上がり、ミレイナのより触りやすい位置へと股間のスジが突き出される。 「アーデさん、すっごいいやらしい格好ですぅ。  もっとミレイナに触って欲しいって事ですかぁ?」 「ち、ちが…」 「嘘ですぅ。アーデさんは嘘つきですぅ。だって、ほらぁ…」 ティエリアの口先だけの抵抗を見透かしたように、 ミレイナはズボンの上からでもはっきりと分かる、 敏感な膣口を震わすようにきゅきゅっと擦り上げた。 同時にペニスに伸ばされた右手の指が、硬くなった竿へと巻きついてくる。 それだけでも大声を上げそうになるほどの刺激だと言うのに、 ミレイナの折り曲げた左手の親指までがアナルへと伸びてきて、 器用に入り口の敏感な窄みを弄った。 「んはあんっっ…!!」 全身がびりびりとした快感で支配され、開いたままの唇がかすかに痙攣した。 「アーデさん、気持ちいいですぅ…?」 「…っんく…っ」 耳元に吹きかけられた確認の囁きに、ティエリアはこくこくと頷いて応えるしかなかった。 今や膣とペニスから漏れ出した大量の体液は下着をべったりと張り付かせて、 不快な感触を与えてくるほどだった。 「今日のアーデさんは、いつもよりすごいですぅ…?」 「…んっ……、そんな事は…」 いつ敵襲が来るか分からないこんな非常時に、 しかもこんな薄暗く誰が来るかも知れない廊下の片隅で、 それどころかいくら眠っているとは言え、既に沙慈という第三者を目前にしている状況で、 これほどに快感を感じて抵抗も出来なくなる自分の痴態など、 ティエリアは信じたくはなかった。しかし――。 「でも、ほらぁ…」 「あううっ…!やっ…、やめ…っ…!」 ミレイナの指に力が篭ると、あっけなく快感が強まって腰がががくがくと震えてしまう。 最初幻聴のようだった股間の粘った音は、いつの間にかミレイナの指の動きに併せて はっきりと静まり返った廊下に響いていた。 沙慈が時折、寝苦しそうにう〜んと唸った。 「アーデさん、声出さないでくださいですぅ!本当にバレちゃうですよぉ!?」 「…っ…、分かっ…てる…、でも…っ…」 どう耐えても漏れ出てしまう自分の嬌声を歯痒く感じる。 そして急所の方は更なる直接の愛撫を求めて、恥ずかしげもなく疼いて仕方ないのだった。 「アーデさん……。そろそろ、ちゃんとしたいですかぁ?」 ミレイナが再度、耳元に囁いてきたのを契機に、遂にティエリアの我慢が効かなくなった。 「あ…ん…んっ…、ミ、ミレイナ……」 背後のミレイナに顔だけで振り返り、視線を絡ませて喘ぎ混じりに彼女の名を呼ぶと、 それだけで意図は通じたらしい。 「はいですぅ♪」 ティエリアの潤んだ瞳と火照った頬を愉しげに見やり、 ミレイナはティエリアのベルトへと指を掛けた。 一瞬カチャカチャと金属音が高らかに響き渡り、沙慈が不愉快そうに顔をしかめる。 慌ててティエリアがミレイナの手に自分の手を重ねて咎めると、 ミレイナは「ごめんなさいですぅ…」と呟いて、 今度は出来るだけ静かにベルトを外していった。 ベルトが腰から離れるのを待ちきれずに、ティエリアは自分でズボンを下ろした。 もう恥ずかしいなどとは言っていられない。 一刻も早くこの体を鎮めないと、まともに戦術シミュレートさえ行えそうにはなかった。 その証拠に、思った以上に大量に溢れ出ていた体液が、 下着をぐっしょりと湿らせてしまっていた。 「………」 ミレイナが背中から無言のままで、ゆっくりとティエリアの下着を脱がしていく。 ようやく両足から下着が抜け落ちると、剥き出しになった股間では 雄の象徴が激しい熱を持って、射精を待ちきれないかのように淫液を垂らしながら、 悠々とそそり勃っていた。 冷たい艦内の空気が先端を弄るように揺らめいて、勃起がびくっと脈打つ。 もう本当に我慢できそうもない。 「…っ、ミレイナ…っ、早く…っ!」 後ろのミレイナの方に向き直ろうとしたその時、 それを制止するように背後から手が伸びてきて、腰が押さえつけられてしまった。 ティエリアが何か言おうとする前に、やはり背中から伸びたミレイナの指が勃起に絡みつく。 「あんっ…!!」 握られてすぐ、一気にカリから根元まで強めに扱き上げられて、 今にも達してしまいそうなほどの強烈な快感が走り、 ティエリアは大きく腰を震わせて悶絶した。 先端から先走りが飛ぶように弾けて滴り落ち、 同時に膣からはより量を増した蜜液が文字通りたらりと太ももを伝い落ちていく。 「ひあぁっっ!出…るぅっ…!!」 しかし達するかと思った次の瞬間、ミレイナの手付きが浅いものへと変わった。 ティエリアのそこは限界寸前に追い込まれているというのに、 まだイカせてやるつもりはないらしい。 「あっ、んっ、んっ、な…んで…、ミ…、ミレ…イナ…」 「駄目ですぅ!もう少し我慢なのですぅ。  だって、こんな所で気持ちよくなる事なんか、もうないかも知れないからですぅ!」 「んっ…、で、でも…、も…う…、っんっ」 「もう?何ですぅ?クロスロードさんに見られて、  いつもより興奮してるですかぁ、アーデさん?」 「ち、ちが…、ああっ…!」 ミレイナはティエリアの腰を引き寄せて尻餅を付かせると、 開かせた股間を沙慈のいる方へと向け、まるで沙慈に見せ付けるかのように 竿をゆっくりと扱きあげた。 「や…っ…、沙慈が…っ…、見て…っ…、んっ、んんっ…!」 眠っているはずの沙慈に全てを見られている気になって、恥ずかしさと焦りが募るのに、 それでもいつもよりも強い快楽はもう疑いようもなく、全身が蕩けそうになってしまう。 沙慈の規則正しい寝息とティエリアの荒い息、そして指と皮膚が擦れる音が入り混じった。 しかしミレイナはやはり、ティエリアが達しそうな気配を見せた途端に 指の締め付けを緩めて射精感を遠ざけてしまう。 「んっ、あ…んっ、ミレイナ…、もっと…ちゃんと…しろ…っ…!!」 「んくう!!駄目なのですぅ。もっともっと我慢なのですぅ!  だって、ミレイナと二人でいる時より気持ちいいなんて、ちょっとムカつきますぅ!」 緩急を付けられて勃起を嬲られ、何度も射精感を感じてはそれを手放し続け、 ティエリアには気も狂わんばかりの疼きだけが残った。 「も、もうっ…!!」 堪らず自分で腰を動かして絶頂を迎えようとするのを、 驚くほどの力で腰を抑え込んだミレイナの手が阻止してしまう。 「…っうぅぅっ……」 ティエリアに悔し涙が滲んできた。 その爆発寸前の疼きを感じ取ったかのように、 ミレイナはティエリアの先走りでべとべとになった自らの指を、 鋭敏に張り詰めた亀頭へと擦りつける。 「ひあぁぁっっ…!!」 強烈な電流がティエリアの全身を駆け抜け、思わず体全体が激しく震え出す。 「そんな大声出すと起きちゃいますよぉ?  それともクロスロードさんともやりたいんですかぁ?アーデさんは贅沢ですぅ!」 ただの焦らし責めなのか、本気で嫉妬しているのか判別の付かない口調で ミレイナはティエリアを責めた。 そのまま容赦ない亀頭責めを続けながら、もう片方の手をティエリアの太ももに掛けると、 がばっと左右に大きく開かせる。 その瞬間、濡れた膣穴がぱっくりと口を開け、奥の方からとろりと蜜液が流れ出て、 床にまで滴って糸を引いた。 「こっちも触ってあげるですぅ。寂しかったはずですぅ?」 前方へと一杯に伸ばされたミレイナの左手の指が、 濡れた太ももを遡りながら迷いもなく秘裂に辿り着いた。 すでにとろとろに濡れそぼっていたそこの熱さに一瞬驚いて止った指が、 気を取り直したかのようにぬぷぬぷと奥へと突き入れられていく。 「あんんっ…!指、指がぁっ…!!」 「ですぅ!今日はとろっとろだから、すぐに入っちゃうですぅ」 ティエリアの完全に潤いきった女性の部分は、何度も受け入れてきた慣れた少女の指を、 今日もまた簡単に受け入れてしまった。 指が完全に挿入される直前、根元までずんっと強引に突き入れられて、 ティエリアはせり上がってくる白濁の衝動を感じた。 「やんっっ…!!…クぅっっっ!!」 「まだ駄目ですぅ!」 しかしその瞬間、ミレイナは先手を打って滾った勃起をギュっと握り締め、 再び射精を阻止してしまった。 沸騰するかのような熱がギリギリの所で寸止めされて、 ティエリアの下腹部は焼ける程に熱く渦巻いた。 「入れられただけでイクなんて、アーデさんはいつからそんないやらしい人になったですかぁ?」 「んううっ……っ」 意地悪く粗相を責める少女の囁きが、ティエリアの脳を素通りして耳から耳へと抜けていく。 真っ白になった頭は、もう何も考えられそうにはなかった。 ミレイナは挿れた指を軽く折り曲げて内部の状態を確かめた後、嫣然と微笑んだ。 「それに…。まだここには余裕があるですぅ♪もう一本、あげるですぅ!」 「ふあぁっっ!?また…っ…!」 「ですぅ!もう一本ですぅ!ほら、入ってくですぅ」 指がもう一本、入り口をこじ開けて強引に挿し入れられ、奥へと進んでいく。 狭い膣壁を押し開かれるような感触がなんとも気持ちよかった。 「あ…んんっ…!やんんっ……!!そ…れ…、い、いいっ…!」 ティエリアは無意識で腰を浮かせ、その快感を存分に味わった。 まっすぐになった膣道に、2本の指が完全に埋め込まれる。 「やっぱり2本でも余裕ですぅ…。アーデさん、このまま腰上げててくださいですぅ。  じゃないと、動かせないですからぁ。気持ちよくなりたいでしょぉ?」 「うう…、ふうっ……」 ミレイナの丁寧な誘導に歯向かう気など、最早起こるはずもなかった。 ティエリアは過去最高とも思われるほどの快楽の誘惑に素直に従い、その訪れを待ち侘びた。 後ろのミレイナにもたれかかり、2本の指が突き入れられたままの腰を 床から出来るだけ高く浮かせる。 バランスを取る為に膝を大きく外側に開いて両足で踏ん張る姿は、 端から見れば淫らにも下品にも映るに違いない。 しかも下半身だけを露出した卑猥すぎる姿で、その上その大股を開いた先には、 一見こんな淫らな行為とはまるで縁もなさそうな、人畜無害を絵に描いたような青年――。 「沙、沙慈…っ」 恥ずかしさと罪悪感で一杯のはずなのに、裏腹に下半身からは粘液がじゅるりと溢れ出す。 熟しきった膣肉は更なる昂ぶりを求めて、ミレイナの指を何度も締め付けるのだった。 「アーデさん、やっぱり見られて興奮してるですぅ…」 「そ…んな事…な…い…っ、うぅ…」 「嘘ですぅ!」 途切れ途切れの反抗の言葉を切るように、ミレイナの指が動き始めた。 2本の指が重なり合ってゆっくりと、ティエリアの秘唇を焦らすように抜き差していく。 ミレイナの指に愛液が絡んで掻き回され、チュクチュクと卑猥な音を出し続けた。 「んっ…、あ…んっ…、あんっ…」 待ち望んだ、とは言い難いものの、 ようやく得られた膣壁の悦楽にティエリアから涙が零れ落ちる。 繊細な壁が指にしっとりと吸い付き、擦られる度に快感の度合いを深めていった。 仰け反って喘ぐティエリアの濃紫の髪の香りが、 辺りに満ちる性臭とは裏腹の芳しさでミレイナの鼻腔をくすぐった。 「ミレイナ…っ…、もっと…っ」 「嫌ですぅ♪」 緩やかな指遣いに我慢しきれず、ティエリアが自分で腰を振り立てようとするのを ミレイナは勃起を強く握り締めて痛みを与える事で諌めてしまう。 「そう言えば男の人のおちんちんはもっと長くて太いらしいですぅ。  アーデさん、なんだったらクロスロードさんにぬぽぬぽしてもらったらどうですぅ?  ミレイナなんかよりずっと気持ちいいかも、ですぅ」 「んんっ、何…で…、そんな事…言う…んだ…っ…?そんな…事思ってな…いくせにっ…」 「むぅぅ!?何となく、アーデさんの態度が気に入らないからですぅ!」 ミレイナは拗ねたようにぷうっと頬を膨らませると、 気紛れのように円を描きながら、膣内をグチュグチュと激しく掻き回した。 ティエリアの腰が跳ね上がる。 「ふううっっ…!!それ……っ、も…っとぉ…!あんんっ!」 「嫌ですぅ!ミレイナの好きにするですぅ!」 しかしティエリアの懇願を無下にも却下して、ミレイナは動きをぴたっと止めると、 再び甚振るような抜き差しを繰り返してはティエリアを焦らすのだった。 「うう…っ…、こんな…の…嫌…だ…っ…」 もうペニスの先端には、先走りどころか白濁液が噴き上がりそうに滲んでいるのに、 ミレイナはきつく尿道を締め付けて頑として射精を許そうとはしない。 イキたくてもイケない、生殺しの状態がしばらく続いた。 「ううっ……、ミレイ…ナ…」 堪らずティエリアがミレイナの手首を強く握り締める。 懇願するように振り向いてミレイナを見つめた紅い瞳から、ぽろりと涙が一筋零れ落ちた。 「なんですぅ?抜くですかぁ?」 「ち、違…う…。分かって…るくせに…、とぼけ…る…な…っ」 ミレイナの指が、根元まで挿入した所でぴたりと止った。 熱く火照らされた粘膜が、もっと激しくと指に絡みついて急かしてくるようだった。 「…んむぅですぅ……」 一瞬の静寂の後、背後から響いたミレイナの声は、いつもより大人びて聞こえた。 「……だったら、イカせてあげるですぅ!!」 次の瞬間、膣内に入っていた2本の指がぐいと折り曲げられ、 ティエリアの壁を僅かに押し込んだ。 「んんんっっ……!!!」 それだけの事で膣内から脳天にまで、鋭い快感が走り抜けていく。 しかし、焦らし続けられた女性器の快楽の深さはこんなものではなかった。 ミレイナの折り曲げられた指が、さっきまでとはうって変わった速度で、 勢いよく突き入れられては抜き去られていく。 「はう…ぅっっ、あんっ、あんっっ、そ、そんな…っ…、あうぅっ!!」 敏感な所を全て削ぎ落とすほどに壁をぐぐっと抑え込まれながら、 凄まじい速度で2本の指が挿迭され、望んだ以上の快楽が訪れて、 ティエリアの意識が一瞬飛んだ。 その部分と同じ女である事に加え、もう何度も行ってきた行為ゆえに、 ミレイナの手戯には加減と言うものがなかった。 「やあっっ!んんっ!んっ、あんっ!あんっっ!!」 激しい抜き差しにどうやっても出てしまう甘い嬌声を抑える為に、 ティエリアは片手で拳を作ると、それを必死に噛み込んだ。 しかし歯型が食い込む程にきつく噛み締めてもなお、その過ぎた快楽が紛れる事はなかった。 ミレイナの指に引きずられて、薄く濁った愛液がひっきりなしに床へと滴り落ちていく。 いよいよ限界的にペニスがびくびくと欲を湛えて打ち震え、 膣の方はミレイナの指を2度と離さんばかりに締め付けた。 真っ赤に膨み、今にも精液を噴き上げようとヒクつく勃起の先端部を背後から覗き込んで しっかりと確認しながら、ミレイナは最後の追い込みにかかった。 「さあ、もういいですぅ。イッてくださいですぅ!  アーデさんのイクとこ、クロスロードさんにちゃんと見てもらえばいいですぅ!!」 ミレイナの言葉は真に迫っていて、 本当に沙慈が起きているかのようにティエリアに錯覚させた。 見られている、と思うとどうしようもないほどに全身がぞくぞくと粟立つ。 「沙、沙慈ぃっ…、見る…なぁっ…、あんっ、あんっ、んぅっっ!」 「ほら、イクですぅぅ!!!」 ミレイナは、勃起を押し潰さんばかりに握り締めていた指の圧力をようやく弱め、 最後とばかりにしゅこしゅこと勢いよく竿を数回扱きあげた。 堰き止められた精液の奔流が、決壊したかのように上へ上へと勢いよく突き進んでいく。 「んあぁぁぁっっっ!!!」 口をしっかりと塞いでいても、ティエリアの喉の奥から堪えきれずに絶頂の叫びが迸った。 ようやく欲の解放を許されたペニスから噴火のような勢いで大量の精液が噴出し、 沙慈の所にまで飛んでいくのかと思うほど、大きな弧を描いて床にびしゃりと飛び散った。 時を同じくして女性器の方も激しい絶頂を迎え、 ティエリアの頭も体も真っ白に浄化されたように空白になった。 「今日は随分、一杯出てるですぅ…!?さぁ、アーデさんっ!全部出すですぅ!!」 「ふあぁぁぁ……っっ!!」 満足げに白濁の飛び散る様を見つめながら、ミレイナは最後の一滴まで搾り出すように 軽く勃起を扱き上げつつ、同時に膣内への指の挿迭も緩やかに継続して、 最後の最後まで快楽を煽り続ける。 いつもよりも長く続いた射精がようやく終わりを告げ、 飛び散り損ねた最後の一滴がミレイナの指を汚した。 「こっちは空っぽなのに、ここはまだビクビクしてるですぅ。ホント、欲深いですぅ」 「ふう…ぅぅぅ……」 射精が終了して勃起が萎えてもしばらく、女性器の快楽は体の芯に残って消えなかった。 *** 「さ、早く着てくださいですぅ」 絶頂の嬌声に、辺りに満ちる雌と雄の入り混じった独特の臭い――。 これではさすがに、沙慈がいつ起きてもおかしくない。 とりあえず目的を果たした今、ミレイナの方がえらく焦って、 ほとんど放心状態で未だ余韻に浸っているティエリアを急かしていた。 しかしティエリアは軽く頷いたものの、まだ意識がはっきりとしない様子で ぼんやりと見つめ返してくるのみなのだった。 「んもう、仕方ないですぅ!アーデさんは変なところで子供なのですぅ!」 ミレイナは自らの責任を省みる事もなく、沙慈の様子を窺いながら 慌てた手付きでティエリアに衣服を着させていく。 何とかベルトを締め上げて、結局沙慈が目覚める前に着衣の乱れを整えられた事に一安心し、 二人は改めて向き直った。 「うん、これでいいですぅ♪クロスロードさんが起きなくてほっとしたですぅ。  しかしよく寝る人ですぅ?  ん〜……。まあ、アーデさん、今日は…何ていうか…、凄かったですぅ」 「言っておくが、凄かったのは君の方だ」 ようやく平静を取り戻したティエリアがじろりとミレイナを睨んで、嫌味を言った。 それは当然そうだ。 セラヴィーの修理で疲れ果てているだろうと心配して毛布を持ってきてやり、 素直に直してくれてありがとうという思いでいたのに、 何故だかこういう有様になってしまったのだから。 「んん〜、ごめんなさいですぅ♪」 だがミレイナは特に悪びれる様子もなく、可愛らしくにっこりと笑ってツインテールを揺らすと、 唐突にティエリアに抱きついてきた。 片手で床に落ちたままの毛布を引き寄せ、二人分の体を包んでしっかりと抱き締めてくる。 ようやく絶頂の余韻も薄まりかけたティエリアの身体を、 ほんわかとした温かさが包み込んだ。 「ミ、ミレイナ…?」 困惑気味のティエリアにぴったりと体をくっつけて、 ミレイナは床に落ちているもう一枚の毛布と、その向こうにいる沙慈の寝顔を交互に見やった。 「何となく、むっと来ちゃったですぅ。  アーデさんがみんなに優しいの、ミレイナは嬉しいんだけど、ちょっと嬉しくないですぅ」 ティエリアが困った視線を返してくる。 ミレイナはその紅い瞳をまじまじと見つめた後、吹き出した。 「ん〜、多分アーデさんにはまだ分からないですぅ。まだ乙女じゃないですからぁ」 「分かるさ。独占欲という奴だろう。  君はクリスマスの一件以来一度も、僕を他の誰にも与えようとしなかった」 ムッとしたティエリアの横顔を、ミレイナは愛しげに瞳を細めてしげしげと見つめた。 そして再び相好を崩してにこにこと微笑む。 「ん〜、正解なような、間違いなような、ですぅ…。まあ、もう何でもいいですぅ。  アーデさんが浮気しなかったら、ミレイナはそれでいいですぅ♪」 ミレイナは甘えるようにティエリアを抱き締め、肩口に頬をすりすりと擦りつけた。 ティエリアは戸惑いながらも、この甘い空気を心地よく感じた。ふうっと表情が緩む。 「まあ、いいさ。君は優秀だといつも思っている。セラヴィーを直してくれて、ありがとう」 「ふあ……」 思いがけず感謝の言葉を掛けられて、ミレイナの顔がぱっと紅潮した。 「ん〜…、なんか照れるですぅぅ。アーデさん、最近すごく変わってきたですぅ」 「そんな事は…」 「いいえ、すごくいい感じになってきたですぅ!ミレイナも嬉しいですぅ♪」 ミレイナは本当に嬉しそうな顔をして、にっこりとティエリアに微笑みかけた。 悪意のかけらもないような無邪気な笑顔に、 ティエリアは心の奥まで癒されるような、穏やかな気持ちになった。 ミレイナが沙慈に目を移して、少しバツが悪そうに口を開く。 「黙ってたですけどぉ、  セラヴィーの修理はクロスロードさんとパーファシーさんも手伝ってくれたのですぅ。  アーデさん、お二人にもお礼を言わなきゃですぅ♪」 「そうか、彼女も手伝ってくれたのか……」 「はいですぅ♪おかげですごく早く終わったのですぅ」 みんなが、壊れたセラヴィーの修理を休まずにやり遂げてくれた。 その事実を単純に嬉しく感じて、ティエリアは自分はもう人間なのだと宣言した事が、 ここに来て真実味を帯びてきたような気がした。 まだ寝こけている沙慈の姿にそっと目をやって、深く頷く。 「ああ、そうだな。二人にもお礼を言おう」 「はいですぅ!ミレイナも一緒に行きますですぅ♪」 ティエリアの返事に嬉しそうな笑顔で応えて、 ミレイナはティエリアの頬を両手で優しく包み、ちゅっと唇に口付けた。         終わり