「あっ・・・ああ・・ぁぁぁ」 「声我慢しなくていいぜ。もっと出して。」 溶けきったそこに指を入れると細い声が漏れた。 ティエリアは混乱しきっていた。 ニールは死んだのに彼と同じ声と顔の人が自分の体を弄っているのだ。 あの人は死んだはずなのに・・・なんでここに居るんだろう。 なんで自分に覆い被さって居るんだろう。 あの人じゃないんだ、でもあまりにも似ているその姿に錯覚を 起こしてしまいそうになる。 その証拠にお腹の中がきゅんきゅんとしてくる。 どきどきときどきと体中が沸騰して頭がくらくらしてきて 自分の体がおかしいのが分かる。沸騰してしまいそうだ。 「やめて・・・おかしい、おかしいんでぁぁっ」 くちゅくちゅと自分の中でうごめく指が増やされたのが分かった。 「ひぅっあ、あああ・・・」 もう自分でも泣いているのか何を言いたいのか分からなかった。 薄暗い室内で粘着質な液体に濡らされて自分の指が光っているように見えた。 ベトベトに濡れて指をこんなに締め付けて喉を引きつらせる姿が堪らない。 華奢な白い体が自分のせいで快感を感じて咽び泣いている。 「凄いよ・・・義姉さんの中きゅんきゅんしてる。絡みつくみたいだ。」 義姉の肉壁が自分の指を包んでそれを締め付けてくるのにライルは感動した。 指を増やしてみれば義姉の口からは何とも言えないいい声が漏れた。 ひたすらに耐えてるけど無理しなくていいのに、もっと声を出せばいいのに。 指を動かすとくちゅくちゅと音がして更に中がとろりとぬかるんだ。 そして広げるようにして指を曲げたりぐりぐりと中を擦ってあげると 自分の指を更にきつく締め付けた。 とろとろに溶けた部分に入る指が気持ちいい。 しかそれは夢にまで見ていた美しい義姉の体の中なのだ。 それを考えたらまた興奮して来てライルはそろそろ自分の股間が 限界なのを感じ取った。 早くこれをひくひく蠢いて自分の指を締め付けてくるこの義姉の中に入れて しまいたかった。 それを考えるとまた体が興奮のあまりぶるりと奮えた。 「い、いや・・・許して、もう許して・・・恥ずかしい・・・」 「そんな事言わないでくれよ、俺は嬉しいんだから。」 どろどろにとろけそうな中でもこれは駄目だ、とティエリアは思った。 彼は愛する夫の大切なたった一人の弟だ。 そんな人とこんな事をする訳には行かない。 ティエリアの頭の中にはそれしかなかった。 しっかりしないと、そう思って思いっきりライルの体を突き放そうとした。 けれどそれを察していたのか反対にあっさりと手を止められて 畳に押し付けられてしまった。 「なんでそんな事するの?・・・悲しいだろ?」 遠くで声が聞こえる。ニールの?違う、ライルの?そうだライルの声だ。 「だめ・・・だめ許して・・・」 「さっきからそればっかりだな。しょうがないな・・・」 「あっ・・・ああぁぁ・・・」 指が入れられていた所になにか熱いものが当てられた。 入り口付近をなぞるようにしてくちゃくちゃと音を立てる。 それが何か分かってしまってティエリアはぞわりと全身が泡立つ気がした。 「もうくちゅくちゅだよ義姉さん・・・いいね?」 「嫌っ!いや、それはやぁぁっ!」 その瞬間押し当てられていペニスがティエリアの体を貫いた。 「あーーっあぁぁ・・・あっあっ・・・」 「うっ・・・つぃ・・・」 ティエリアの体の中は狭かった。 その中をみちみちと広げるようにして自分のペニスが入り込んでいく姿を ライルはしっかりとティエリアの腰を押さえつけながら見ていた。 (う・・・キツい・・・) 指だけであれだけ締め付けてきたのだから想像してはいたが ティエリアの体の中はキツイ。想像していたよりもずっとだった。 自分が義姉の体に興奮しすぎて普段よりも大きくペニスを膨らませて いるのは分かったが、それだけではないだろう。 (兄さんが死んでから・・・ヤってなかったのか・・・) この自分の兄に恥ずかしいほど惚れこんでいた義姉の性格を考えれば 想像できる範囲の事ではあったが、何となくライルの中で喜びが生れた。 兄とのセックスを想像した事は何度もあるがそのたびに自慰をしながら 自分の中にもやもやとした何ともいえない気持ちになっていた。 処女じゃな事は分かっていたのだが、まるでティエリアの初めてになった かのような気分だった。 「ふぃぃ・・・うぁぁ・・ん」 ティエリアの胸は激しく上下している。久々の刺激に体がついて行ってないようだ。 ライルはかまわずに一度引き抜く寸前までペニスを引き出して再び 勢いよく突き入れた。 「ひぅぅっ・・あっ・・・」 何度もそれを繰り返すとすっかり力の抜けたティエリアの腰をしっかりと掴み 結合部を凝視した。 自分のこのペニスを包んでいる暖かくとろとろとした肉の感触が あの美しい義姉のものだと思うとそれをしっかりと目に焼き付けた。 「あっ・・・あっ・・・ああっ・・・」 そしてそことティエリアの顔を見比べながら激しく腰を打ちつけた。 ティエリアの声が暗い室内に木霊している。 時折尻を更に持ち上げられながら体重をかけて押し潰されるようにピストンを繰り返した。 「駄目だ・・・出すよ」 「い・・・いやっ!中はやめ・・・」 「もう無理だって・・・」 そのままライルはティエリアの中に射精した。 ティエリアの体の中に熱いものが注ぎ込まれて体の中をぐちゃぐちゃにしていった。 そのまま息切れしてくったりとした義姉の体をライルは尚も攻めた。 「だめ・・・もう・・・これ抜いて」 「いやだよ、もう少し・・・もう少しだから・・・」 中に出した自分の精液とティエリアの肉を混ぜるかのように自分のペニスを 深く体の中に刺したまま、ぐりぐりとまわして更に奥にまで行き渡らせる ように数回突いてやるとティエリアの体はぴくぴくと反応した。 夢を見ていた。 優しいニールの夢だ。 どこへ行っていたんですが、ずっとまっていたのになんでこんなに 遅くなってしまったんですか?連絡して下さい!と自分が言っている。 どうやらニールに対して何か怒っている様だった。 帰りが遅くなってしまったのを心配していたのだろうか? ニールはいつもの笑顔でごめんごめん、と謝っていた。 ごめんもうすぐ帰るからもうちょっと待っててくれよ、そういって微笑んでいた。 ティエリアは寒さで目を覚ました。 幸せな夢を見た気がしたがよく覚えていない。 (畳・・・。) 普段は二階の寝室で眠っているのに何故か布団に眠ってる自分に気付いた。 しかも何故か庭へと続くガラス戸が開いていた。 おかしい、今日は遅くなるのが分かっていたしちゃんと雨戸も 降ろしていったはずだったのに・・・なぜか開いている。 あまりの寒さに顔に手を当てると肌が冷え切っていた。 腕に何か違和感を感じてよくよく見れば何かに擦れたようで赤くなっていた。 「あれ?・・・起きたの?」 かけられた声の方を向けばそこにはライルが居た。 最初は気が付かなかったが庭先に出てタバコを吸っているようだった。 だから和室のガラス戸も雨戸も開けられていたのだ。 そして自分が何をされたのかも思い出した。 手首の傷は畳に押し付けられて擦れた時に出来たものだ。 「タバコ・・・止めてください。」 「は?」 「臭い嫌いなんです・・・こっちに入ってきてる。」 風で家の中に煙が入ってきていた。独特の臭いが不快だ。 ティエリアはタバコを吸わない。ニールもだった。だからそれが目立つのだ。 「真っ先にそれ?まぁいいけどね。」 そう言うとライルはタバコを庭の石の所に投げ捨てると足でもみ消した。 ああ・・・明日掃除しないと。ティエリアはそんな事をぼんやりと考えた。 「雨、上がったみたいだよ。星が見える。」 そう言うとライルは庭から和室の中へと靴を脱いで上がってこちらに 近づいてきた。 空を眺めてみようとしたが生憎ここからでは空は見えなかった。 いつの間に靴をそこに持ってきたんだろう玄関にあったはずなのに・・・。 「布団、勝手に出したよ。ごめんね?」 「いえ・・・。」 「・・・怒ってる?」 「・・・。」 「・・・なんで?」 「え?」 「なんで?・・・居るんですか?」 「なんでって・・・ヤる事ヤったら帰る男と思われてたの?  心外だな、こう見えてもそんな薄情な事しないよ?」 「・・・。」 優しいのだろうか?でもあんな事をした時点で優しさとは遠いはずだ。 「・・・着物、ぐちゃくちゃだった。クリーニングして持ってくる。」 「いい・・・。」 「良くないだろ。」 「いいんです・・・。」 もう何も話したくない。何も考えたくない。 眠い。眠いんです。とてつもなく辛くて眠くて休みたいんです。 夢を見たい。さっきとても素適な夢を見た気がするから。 さっきの続きを見たい。もう一回あの夢を見たい。 「・・・義姉さん?」 「・・・」 「・・・寝たの?」 返事が無い。 どうやら寝たようだ。 布団をしっかりと肩までかけてやって髪を整えた。 義姉は眠っている。きっと疲れてるんだろう。あれだけやったのだから。 帰るべきか帰らないべきかライルは迷った。 どっちにしたって悪い結果しか生まないことは分かっていたけど 少しでもいい方法を考えて、結局開けられたガラス戸を締めると 布団の上から義姉の体を抱き締めるようにして自分が着てきたコートを 自分の体にかけると横になる事を決めた。 布団の上から抱き締めても義姉はぴくりとも反応しなかった。 明日の朝どんな顔をすればいいのか分からないけどとにかく今は この体を抱き締めて眠りたかった。 「ティエリア・・・。」 義姉の着ていた着物は自分の車の中に軽く畳んで入れておいた。 あの着物はきちんと綺麗にしよう。 そしてそれを返す口実でこの家に来よう。ライルはそう決めていた。 どう思われたっていい。とにかく今はティエリアが欲しいんだ。 終わり