「あの……蛮ちゃん?」
「あ?」
俺から少し離れた所に座り込み、濡れた頭をがしがしと擦っている蛮ちゃんが振り向いた。珍しく煙草を口にせずサングラスもかけないでそこにいる。
ここ数日間、神の記述が絡んだ仕事のせいで、返り討ち、修行、テリトリー、実体化、奪還と目まぐるしく活動をしていた俺たち、ゲットバッカーズ。
もちろん奪還は成功したし、アフターケアもきっちり果たし、相棒の蛮ちゃんも今回は大きな傷もな……くはないか。ルシファーさんから受けちゃったもんね……
でもとりあえず二人とも怪我はしたものの無事で俺なりにご満悦だったわけ
……なんだけど……
「……えと……」
「なんだよ?」
「あのね……これは……どういう事?」
今アフターケアを果たして俺たちの部屋に帰って来たのね?
んで……俺が先にお風呂入って、蛮ちゃんも入って、湯上りほっかほかの状態でベットの上。
もう良い子は寝んねの時間だしそれはごくあたり前なんだけど……なんでだろ?俺、今ベットの上で
縛られてるんですけど!
蛮ちゃんがお風呂から出てきたらいきなり「後向け」って言われて。んで向いたら……こう、後手にね、縛られて……ベッドの頭元に括り付けられて……
何!?何が始まるの??!
「どうして俺縛られてるの?」
勇気を振り絞ってずばりと聞いてみました!
返ってくる答えが全然想像つかなくて本ッ当に怖いんだけどね!!
そうだな……例えて言うなら赤屍さんと仲良く観覧車に乗って……いやぁ!こっちのが怖いよぉぉ!!
「……何で縛られてるか?って?」
「う……うん……」
「教えてほしいか?」
蛮ちゃんの言葉に俺はぶんぶんと頭を縦に振った。
本当は聞きたくないんだけど!ちっとも、これっぽっちも聞きたくないんだけど!
俺の不安に気付いたのか蛮ちゃんはふっと優しく笑いかけてくれた。風呂上りの為まだ濡れてる髪の毛が艶やかで……その合間から覗く蛮ちゃんの瞳が一層綺麗に見える。
「何で縛られてるかって……そりゃ……
おしおきする為に決まってんだろ」
返答と共に蛮ちゃんの瞳が細められ冷たさを帯びる。急に背筋が寒くなっちゃったよ。
これってなんて言うんだっけ?……えーと……絶体絶命…?てるけど何か違う(正解:絶対零度)
ていうか……おしおき!!?それってつまり……
「蛮ちゃんって……女王様趣味があっ……げふっ!!」
俺が最後まで言う前に蛮ちゃんの拳が顔面にヒットした。
うぅ……痛いよー……本トに蛮ちゃんは手が早いんだから……
俺が顔の痛みで身悶えてる間に蛮ちゃんはタオルを近くの椅子に広げ、俺の方に近づいてきた。胡座をかいてる俺の足にそっと手を乗せてくる。
何か……すごく色っぽく感じるのは俺だけかな?
「!!」
蛮ちゃんの手に気を取られている隙に俺の口に柔らかいものが当たった。その次の瞬間に濡れた感触が口の中に広がった。それらの感触が蛮ちゃんのディープキスによるものだと理解するのに少し時間がかかってしまった。
だっていつもの蛮ちゃんはキスすらなかなかさせてくれないんだもん。それなのにいきなり蛮ちゃんからキスしてもらえるなんて!
「……っんぅ……」
口元から蛮ちゃんのくぐもった声が聞こえてくる。口の中では温かくて柔らかい舌が俺の舌を探して動き回っている。また、動くたびに蛮ちゃんの声と湿った音が聞こえてくる。
うわぁー……何だかすごい幸せなんですけど!
「うむぅっ!」
少し戸惑いがちの蛮ちゃんの舌を甘噛みすると蛮ちゃんの躰がびくりと跳ねた。
いつもながら可愛い反応だよなぁ……
甘噛みを続けていると蛮ちゃんが舌を懸命に絡めてくるので俺のほうから絡めてあげる。すると蛮ちゃんの腕が伸びてきて俺の首へと回された。
しばらくそれを甘受しているとすっと腕が離れていった。完全に離れてしまう前に舌をきつく吸い上げると蛮ちゃんの頬が少し朱を帯びる。
「……てめ……」
「ん?いつもしてる事でしょ?」
にこにこと応える俺をきつく睨んでくる。けど今の蛮ちゃんは瞳が少し潤んでて頬もちょっと赤くなってるから怖いというより可愛い。それに蛮ちゃんの弱点は知り尽くしてるんだ。
ディープキスをした時に舌を吸い上げられるとすごく感じちゃう事とかね。
「ねぇ?蛮ちゃん。これ解いてよ」
蛮ちゃんがその気なら俺がんばっちゃうからさ!なんたって蛮ちゃんからキスしてもらっちゃったし!お返ししなきゃね?
「却下」
叩き落し。ただいまの記録0.03秒。って違う!即答すぎだよ蛮ちゃん!えぇーん……これじゃ思う存分蛮ちゃんの柔肌触れない〜……
「ばーんちゃーん」
「だめだ」
涙声で頼んでみてもやっぱし叩き落された。うぅ……
「それ解いたらおしおきにならねぇだろ?」
「う?」
おしおき………うん……さっき聞いたけど………
???
おしおきって縛られる事なの?
「んあ!?」
無意識にたれてると蛮ちゃんにほっぺを思いっきりひっぱられた。びよーんって伸ばされていきなりぱっと離される。
「いひゃいよ、蛮ちゃん」
「おしおきの最中にたれるからだ」
「だって……って蛮ちゃん?!」
まだ少し文句を言うつもりだったけど、蛮ちゃんのいきなりの行動によって中断せざるをえなかった。
蛮ちゃんの唇が俺の首筋を辿って、俺がいつもしてるみたいにきつく吸い付く。その間にパジャマのボタンを外されて胸元にも同じ事をされた。さらさらと黒い髪の毛が肌の上を滑って降りていく。所々赤くなってるのが見える。たまに紅色の舌を覗かせちろっと舐めたりもする。
なんかすごくくすぐったいんだけど……
……って、ちょっと待って!蛮ちゃん?!
「ば!蛮ちゃん?!?」
「……黙ってろ」
「え……でも!」
俺が止める間もなく蛮ちゃんは俺のモノをズボンから取り出し咥えてしまった。
うわぁ……いろっぽ過ぎだよ蛮ちゃん……鼻血出そう……
―ちゅぷ……ちゅぽ―
「……ッ……」
少し苦しそうに眉を寄せて、それでも決して離そうとはせず、蛮ちゃんは俺のモノを口に含みつづけている。吸い付いたり、軽く歯を立ててみたり、舐め回したり、飽きる事なく咥えつづける蛮ちゃん。その姿を見るだけで俺はそこが熱くなるのが分かった。どくどくと血液が流れ込む。蛮ちゃんが少し咥えにくいサイズになった頃漸く離してくれた。
あ……これって結構辛いかも……
もう少しでイけそうなのに半端なところで離された感じ。
「……蛮……ちゃん……」
「……辛いか?」
俺の顔に可愛いキスをしながら優しい声音で聞いてくる。そんな事されたら余計に我慢できなくなっちゃうよ、蛮ちゃん。
「俺様のいつもの苦しみが分かったろ?」
「!」
……なるほど……今やっと蛮ちゃんのおしおきの意味が分かった。
あれだね……いつもの俺への報復だね?
あまりにも蛮ちゃんが綺麗で可愛いからいじめたくなっちゃうわけで……なんていうのかな?『放置プレイ』??イきそうなところでわざと離しちゃうの。んでおねだりするまで何もしてあげない。
ひどいとは思ってるんだけど、蛮ちゃんの顔見るとね。どうしてもしたくなっちゃうんだよねぇ……
うん……だからつまり……『いつもの俺の気分になってみやがれ』と言ったとこなんだね?蛮ちゃん。
「銀次?言う事は?」
あうぅ……何だかとっても楽しそうだよ蛮ちゃん……微笑がぞくぞくするくらい綺麗過ぎる!
「……い……」
「い?」
ううぅぅぅ……言わないと駄目かぁ……
「……イかせて下さい……」
恥ずかしいながらも口にしてお願いする。これも報復の一つなんだろうなぁ……
ちゃんとお願いを口にした俺にご褒美とばかりに蛮ちゃんがちゅっとキスをしてくれる。そしてにっこり微笑んで……
「やだね」
!!!!!!!!!
「えぇぇぇぇぇぇ!!?」
やだって!?やだって蛮ちゃん?!
「これくらいで終わるわけねぇだろ?」
ってそんな……これ以上何させられるんだ?!
ふわりと俺から離れて蛮ちゃんは徐に身に付けている物全てを脱ぎ去った。一挙一動俺が見逃さないように俺の目の前で……しかも部屋の明かりを落とさずに!
そうして俺の目の前に一糸纏わぬ蛮ちゃんの姿が現れる。抜けるような白い肌に可愛い胸の飾りがよく映える。視線を更に下ろせばいつも可愛がっているところもモロに見えて……
「……銀次……」
俺の名を呼びつつ四つん這いになって近づいてきた。あ、煽りすぎです蛮ちゃん!
―カチンッ―
「ほえ?」
額への蛮ちゃんのキスに油断して下の方で何が起きたのかさっぱり分からなかった。
こ……これって!
「ばんちゃん……これ……」
金属音のした所を見下ろせば俺のモノの根元に銀色の輪っかがついている。流れをせき止めるように少し食い込む程度の大きさをした輪。
これもいつも蛮ちゃんに使ってるのだよね……蛮ちゃんてば……いつの間にみつけたんだろ?
「俺の気が済んだら外してやるよ」
そう言ってまた顔にキスの雨を降らしてくれる蛮ちゃん。
はい……もうとことんおしおきをしてください。縛られてちゃ何も出来ませんから……
するっと蛮ちゃんの腕が俺の首に巻きついてきた。お風呂上りなのに少し冷たい蛮ちゃんの肌は吸い付くような感触で俺の胸元にくっついて来る。
くぅぅ……幸せ過ぎる!これで縛られてなきゃ最高なのに!
でも蛮ちゃんからしてもらうのもいいかな……
「んっ……はあぁッ!」
「!ばん……ちゃ……」
肩に顔を埋めたかな?と思うと急に俺のモノの先が濡れた感触に覆われた。次の瞬間にはひくひくと締め付けられる感触がする。
これってもしかしなくとも……蛮ちゃんの中?!
嘘!?
だって蛮ちゃんの蕾全然慣らしてないのに!!
「ふあぁッ!」
予想は的中しているらしく、蛮ちゃんの白い躰がしなやかに仰け反る。頬の朱も赤みを深めて瞳には少し涙が滲んでる。蛮ちゃんの顔に見惚れている内に俺のモノが全て蛮ちゃんの中に納まってしまった。
……あれ?……おかしいな……
いつもならゆっくり押し開いてはまた戻して、って少しずつ慣らさないと蛮ちゃんの中へは全然入れないのに……
それに何だか今日の蛮ちゃんの中、すっごく濡れてる?
「蛮……ちゃん?」
「……っぅ……ん?」
さすがに入れた時の痛みはあるらしく、俺の肩にしがみ付きながら痛みを少しでも和らげようと荒い呼吸をしてる。
それでも俺の呼びかけにきちんと反応してくれた。
「ね……今日の蛮ちゃん……すごく濡れてるけど……何かした?」
俺の質問には答えてくれず、その代わり蛮ちゃんの中がきゅっと引き締まる。
……て事は何かしたんだ。
「蛮ちゃん?……何したの?」
「………」
肩口にまた顔を埋めてしまった蛮ちゃんに優しく問い掛けてみる。耳まで真っ赤になってるのが見えて、やっぱり可愛いなぁ、としみじみ感じてた。
すると蛮ちゃんが観念したのかゆっくり答え始めてくれた。
「……風呂ん中で……」
「……うん……」
「……ジェル入れて……それで……」
「……ぅ……うん」
お風呂でジェル?!
それなら一緒に入りたかったかも!!
「……自分の指入れて慣らしてた…」
−じ……自分の指で慣ら………
白く煙るバスルーム。その中で白い躰が小刻みに震えている。
出しっ放しのシャワーの音に紛れて粘着質な音が聞こえてくる。
それだけではなく……押し殺すような声も……
「……ん……ぅ……」
濡れた黒髪の下から瑠璃色の瞳が覗く。白い頬は上気していて朱を帯び、唇は微かに開いている。その唇から絶え間なく熱い吐息が零れ落ちていた。
「ぁん……ぎん……じぃ……」
「… 銀次?」
!
蛮ちゃんの爆弾発言聞いちゃったから思わずトリップしちゃったよ……
「なんでもないよ」と取り繕って笑顔を作ると、まだ怪訝そうな表情をしてたけどそっとキスをしてくれた。
……蛮ちゃんって意外にキス好きだよなぁ。
キスだけは絶対受け入れてくれるもん
「……っん!」
唇を離すと蛮ちゃんが動き始めた。俺の両肩に手をついて懸命に躰を揺すってる。
いつも思うけど……蛮ちゃんの中、すっごく気持ちいいんだ。蕩けそうに熱くて、俺が気持ち良いように蠢いてて、貧欲に俺のこと締め付けて離さない。
「っあ……んはっ……あふぅ……ぅうんっ……」
……声だって普段聞けない甘い声だし、たまに耳にかかる吐息も熱くて気持ちいい。
何より一番いいのは……
「ぁう……ぎんじ……ぃ……」
どんなに酔いしれてても絶対俺の名前を呼んでくれる。……なんか、こう……満たされる気分になるんだ。蛮ちゃんに名前を呼んでもらうのってさ。
「……蛮……ちゃん」
「……ぎっ……じぃ……あっ……ふあぁっ!」
俺が名前を呼んで少し腰を浮かせると蛮ちゃんの良い所を深く抉ったらしく、躰を大きくしならせて果ててしまった。蛮ちゃんの中がきゅきゅっと締めつけて、俺と蛮ちゃんの躰の間に熱い蜜が吐き出された。その間ずっと蛮ちゃんの躰が小刻みに震えている。
……にしても……キツイ……
蛮ちゃんの淫らな締め付けに反応は出来てもイけないなんて……体中どくどく脈打ってる感じ。
……早く解いてくれないかなぁ……
「……はっ……ふぅ……」
ぴくんっと躰を震わせ、涙で少し滲んだ瞳がゆっくりと開かれた。まだ少し乱れたままの呼吸で蛮ちゃんが俺を見つめてくる。
そっとキスをして蛮ちゃんが中から俺を抜き出す。その感覚に俺はふるっと体を震わせると蛮ちゃんの顔に柔らかい微笑みが浮かぶ。
「……銀次……」
先ほど同様、甘い声で俺の名を呼ぶ蛮ちゃん。
その潤んだ瞳に俺の顔が映ってる。でも俺自身も視界が少しぼやけててきちんと見えない。分かるのは蛮ちゃんが嬉しそうに微笑んでる事。
「……蛮……ちゃん……」
「……銀次……」
なおも俺の名を呼んでくれる蛮ちゃん。とても優しい、軽いキスを何度か繰り返してくれて。でもそれは回を増す毎に淫らなものに変っていった。
すごくじれったいよ〜。蛮ちゃんに触れないどころかお預け喰らってるなんてさ。「待て」て言われてる犬の気持ちが良く分かった気がするよ。
……ん?……あれ?
「……ぎんじ……」
「蛮ちゃん?」
またしても蛮ちゃんからのキスに気を取られてしまった俺は何時の間にか両手が自由になったのに気が付かなかった。手がきちんと動かせることを確かめるかのように蛮ちゃんの細腰に腕を回して更に引き寄せる。
あぁ……蛮ちゃんの肌の感触が気持ちいい〜
「蛮ちゃん」
やっと腕を解いてくれた蛮ちゃんに感謝の印としてキスをしようと顔を近づけると蛮ちゃんがふいっとそっぽ向いてしまった。
え?俺何か気に障る事したっけ??
「あの……蛮ちゃん?」
「…………………」
「……俺…何かした?」
今感じている疑問を素直にぶつけてみるとふるふると顔を横に振ってくれた。でも……
「……蛮ちゃん?……どうしてこっち見てくれないの?」
そう言うと蛮ちゃんがおずおずと顔を合わせてくれた。でもどこか困ったような、悩み込んでるような表情だ。
「ん?」と首を傾げてみると蛮ちゃんが首にしがみ付いてきた。
「……ぎんじ……」
「うん?」
最中にのみ聞ける甘い声が俺を呼ぶ。その呼び声に優しく応えた。
「あの……な……」
「うん」
「……………に……して……」
「え?」
蛮ちゃんが何か言ったようなんだけど、すごく小さな声で全然聞き取れなかった。聞き取れなかった事を正直に伝えると蛮ちゃんの腕に少し力が篭った。
もしかして怒らせちゃった??
「……だから……」
「うん」
「……めちゃくちゃに……してほしい……」
………………………………かっ……可愛い!!
可愛いよぉぉー!!!すっごい可愛いよおぉぉぉぉぉ!
俺、今この瞬間になら死んでもいい!!!
あ、でも蛮ちゃんめちゃくちゃにしちゃいたい!
……あぁ……もう……蛮ちゃんのせいでどんどん駄目人間になってっちゃう。
「蛮ちゃん……そんな事言ったら本当にしちゃうよ?」
首にしがみ付いたまま動かない蛮ちゃん。滑らかに滑る肌を堪能していた自分の両手を腰元からいけない事をしないうちに上へと引き上げる。
「……ねぇ……本当にいいの?」
俺は暴走し始める思考を振り切りながら、しがみ付いたままの蛮ちゃんの腕をやんわりと外し、正面から蛮ちゃんの顔を覗き込む。
だってさ……こんな風にされるのが初めてなら、こおぉんなおネダリされた事ないんだもん。いくら蛮ちゃんがいいって言ってもちゃんと確認してからじゃないと不安で不安で……
「……何度も言わせる気かよ?」
「あ!いや!!そうじゃなくて……」
むっと蛮ちゃんの眉間に快感のモノとは違う、あからさまに機嫌を損ねた皺が刻まれる。
あうぅ……日頃のつけだ。いつも蛮ちゃんをいじめたり、じらしたりしてるから疑われてる!今まさに「もう一回言わないとしてあげなーい♥」モードになってると思われてるんだ!!
「蛮ちゃんを壊したくないから……その……」
しどろもどろと言い訳を始める俺に蛮ちゃんは優しい笑みと一緒にキスを与えてくれた。
額、瞼、頬、鼻の頭、顎、そして最後に……唇。
「いいんだ……お前になら……壊されてやるよ……」
………もう……正直言ってこの先はあまり覚えていない。
ただ……耳の奥に、体中に、蛮ちゃんの酔い痴れる感触がはっきりと残っている。
ただ……蛮ちゃんがこの時、何か伝えたそうだった表情が今でも心にひっかかっている。
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