「〜ッ!」
なじられる言葉に背筋がびりびりっと感電したように震え、必死に立たせていた膝からもがくりと力が抜け落ちた。一瞬ぎゅっと蜜口が絞まった後、ふわりと解けた瞬間に胎内へ埋まっていた楔も抜けてしまう。
「…イっちゃった?」
「ぁ…ん…」
椅子に凭れかかる様に座り込んだ刹那に笑いを含んだ声が降り注いでくる。気だるさを押して瞳を開き顔を持ち上げるとすぐ傍にニールが立っていた。ぎらついた輝きを宿した瞳から徐々に下りていくと、根元を絞める紐のせいで一度も達せていない楔は反り勃ったままだった。そっと指を伸ばして自らの蜜に濡れる雄に口を寄せる。途端に小さく上がる呻き声に舌も這わせ始めた。
「っ…ん、くぅ…」
表面を綺麗に舐めたはずだが、絶え間なく溢れる汁でぬめぬめとした光を纏ったままだ。その逞しい姿にますます愛おしさが募る。ぱくりと口に咥えて上目遣いに見上げると、瞳を細めてじっと見下ろしてくる視線とぶつかった。
「まだっ…だしちゃ…ッダメ?」
ちゅぷちゅぷとわざと音を立てながら咥えこんでいると甘えた声が降ってきた。ニールとてずっとお預け状態で可笑しくなりそうなのだろう。声音に反して表情は酷く勇ましい。そのギャップに笑みを浮かべると口から楔を取りだした。
「にーる…ごろん。」
「…りょーかい。」
床を示しながらにっこりとほほ笑む刹那の表情に『ご主人様』の命令なのだと判断すると、どういう『オーダー』か理解出来た。苦笑を浮かべると、示された場所に座りこむ。
「あぁ…腕の位置、変えようか。」
「ん?」
「そのままでは邪魔だろう。」
今まさに寝ころぼうと思っていたところに刹那が躯を沿わせてきた。両腕を回されると、今だ縛り上げてある手に掛かる。どうやら…ようやく解いてくれるらしい。自由になった手で存分に刹那の躯を嬲ろうか、と目論んでいると手首を掴まれたまま目の前で交差される。
「…あれ?」
「位置を変える、と言っただろう?」
見る内に再び纏めて縛り上げられてしまった両手に唖然としてしまう。解放されるのだと思っていたことに気付かれて、言い聞かされた言葉にがっくりとうなだれてしまった。『お預け』はまだまだ続くらしい。
「…刹那に触りたいなぁ…」
「ダメだ。」
「ちょっと揉むだけでも…」
「イヌに掴めるような手はない。」
「押し当てるだけ…」
「…で、終わるタマか?」
「う〜…」
少し駄々を捏ねて喰い下がるも『優秀なご主人様』は許してくれなかった。拗ねるように低く唸ると宥めるように頬や額に口づけを落としてくれる。
「いい子…なんだろ?」
「…むぅ…」
本当に優秀過ぎて上手く丸めこまれてしまった。渋々オーダー通りに腹を見せて寝転がると、甘える猫のように胸元に顔を擦り寄せて乗り上げてくる。さっき嬲られた胸をまた一舐めされると、楔に手を添えられて温かな蜜壺へと招き入れられた。
「はっ…ぁん…」
「っ…ん…」
ため息を漏らすようにうっとりとした啼き声を漏らす刹那を見上げてニールも小さく息を詰めた。ぬぷりとぬかるむ蜜壺の中は、熱い楔を歓迎するように複雑に蠢いて見せる。やわやわと包み込んでくる内壁にすぐ呼吸が乱れていった。
「あッ…ぁあんっ!」
「んっ…ふぅっ…」
上体を後ろに倒して結合部を晒すような体勢になった刹那がゆったりと腰を上げ、勿体つけるように再び下ろしてくる。ごりごりとナカで擦れる亀頭がとても気持ち良くて今にも飛んでしまいそうになった。
「あっん!きもち、い、いぃ!」
酔い痴れたような啼き声を奏でる刹那が首を反らして、胸を大きく弾ませながら躯を上下に揺さぶる。その妖艶な踊りを見せつけられるニールも滾る熱に腰が痛むほどの疼きに襲われ呼気を荒げた。
「ぁ…ッはぁ…!」
眉間に皺を刻み鋭い眼差しを投げかけるニールに刹那も呼気を荒げる。剛直な太く逞しい楔を厭らしく呑み込んでは吐き出す花弁を見つめているだろう、その瞳は暴れたい本能を燻らせる獣の光を宿していた。自分の蜜とニールの汁が胎内で混ざり、ぐちゃぐちゃと厭らしい音を奏でる。その音に混じって響く低い呻き声に背筋がぞくぞくと震えた。
「あぁっ!あっぁんっ!ひぅっんん!!」
「くぅっ…はぁっ…!」
あられもなく開かれた足の間でいっぱいに開かれた花弁が、楔を深く咥えこむ…ぬらぬらと蜜を大量に溢れさせ大きく育った肉芽を晒し、更に大胆に大きく躯を揺さぶる刹那の顔は悦楽に溺れ切っていた。隠すことなく見せつけられる痴態に渦巻く欲望が腹の奥底で牙を立てる。
「はっぁんっ!」
「せつっ…なぁっ!」
「んッんぅ?」
ずぶずぶと上下に躯を揺さぶり、跳ねる胸の疼きを押さえるように抱えると切羽詰った声が上がった。宙を彷徨っていた瞳をゆるりと動かして見下ろすと飢えた表情の獣が見上げてきている。熱に魘されたような潤んだ瞳に、眉間に寄せられた皺が厭らしく見えた。薄く開かれた唇からちろちろと動く舌が見え、言葉を紡ぎそうな気配に躯の律動を止めて首を傾げる。躯を蝕む熱にじっとは出来ずにゆらゆらと腰を揺らしながら顔を覗き込むと、首を伸ばしてキスをせがんできた。
「…どうした?ニール…」
ちゅっと柔らかく吸い上げて優しく問いかけると弱りかけの獣は縛られた手を上げて頬を擽ってきた。
「…も…げんかい…」
ふわついた声でギブアップを告げてきた。指先で目じりをするりと撫でて、唇に熱い吐息を吹きかけてくる。興奮し切った様子に優越感が満たされていった。
「もう…我慢できない?」
「…ん…」
ふわりと微笑む貌で優しく聞いてくる声に素直に返事をすると、満足したのだろう、ちゅっと小さい音を立ててキスをしてくれた。けれど揺れ動く腰が楔をぐりぐりとなじって絶え間なく快感を与えられる。イきたくてもイけない苦痛に頭が酸欠のようにくらくらしてきた。
「…イかせて…?」
ぽつりと囁く甘い声は低く掠れ、背筋をぞくぞくと震えさせる。頬を撫でる手の甲に自分から擦り寄ってうっとりと瞳を細めた。
「じゃあ…オネダリして?」
「…へ…?」
「出来るだろう?…イかせて…って…オネダリ。」
ふわりと綺麗に微笑む貌はまさしく『女王様』だった。くらりと目が回るような感覚に陥れられながらも目の前にぶら下げられた開放のチャンスに口を開く。
「…刹那のナカで…イかせて?」
甘えるような声音に加えて淡く笑みを浮かべて『オネダリ』を口ずさむと、『女王様』は気に入ってくれたらしい。前髪を掻き分けて口付けを落としてくれた。
「ナカに…たっぷり…お出し?」
腰を揺すられ、最奥でぐりぐりと亀頭を押さえ付けられた。その上常には聞けない『女王様』口調に肌がざわざわっと粟立つ。口いっぱいに楔を頬張る花弁との境をくるりと撫でられ、眉を顰めると手を持ち上げられると抱きしめるように腕の中へと収められる。それと共に律動が再開された。
「んっ…くっ、ぅ…!」
わざと蜜壺を締めながら動けばニールが背を反らせて啼き始めた。オネダリするほどに追い付けられているからだろう、常にない身悶える姿に刹那自身も限界に追い付けられる。最奥がニールの欲望を求めて疼き、痺れる四肢が躯の律動を満足にできなくしてきていた。
「せつっなぁ!!」
「んっ、イってっ、イってぇ!!」
するりと戒めを解くとすぐに胎内で大きく脈打ち、腰を浮かしたニールによって最奥を突き上げられたままに熱い欲望を注ぎこまれた。躯の中から焼け爛れる錯覚に陥るほどの熱に四肢がびくびくと仰け反る。喉の奥から途切れ途切れに呼気を吐き出し、抱きしめた腕に縋りついた。絡めた指がひくりと跳ねる感覚に躯中を悦びが駆け巡る。
「ぅ…っは、ぁ…」
強張った互いの躯から緩やかに力が抜け落ちる。くたりと胸元に落ちてきた躯をぼんやりと眺め、やっと訪れた解放の衝撃が躯を甘く痺れさせた。未だ埋め込んだ蜜壺の中でやんわりと楔を揉みあげられ、優しく包まれる心地よさに…ほぅ…と小さく息を吐き出す。
「…コレ…」
「…ぅん?」
「どこで…見つけてきたんだ?」
徐々にはっきりとしてくる思考でちらりと見上げたのは近くに放り出された青い紐。楔の根元に食い込まされニールを苦しめていた忌まわしい代物だ。
「青なんて…まさしく刹那の色って感じでお誂え向き過ぎるだろ?」
忌まわしいとは思うが、刹那の色と言えるまでに彼女に相応しい色であり、持ち主が彼女である以上これを使って締め上げられるのもさほど悪いものではない。自分にM気質もあったのか…と疑いたくなるが…刹那限定だろう、とも容易く受け入れる事が出来る。むしろ今はこの紐がもっと長ければ刹那を縛り上げて綺麗に仕上げてやるのに…など少々危ない思考が回り始めている。
「それは…荷物に入っていた。」
「荷物?」
「ガンダムに積むサバイバルセットだ。人数分数えるより、色を決めて結んでいく方が効率良かったんだろう。」
「なぁるほどね。」
数を数えるより、視覚的に数が分かる方が確実、という事だ。ぐったりと凭れたままに伸ばした指先で弄ぶ様を見つめる。違う意味でも視覚的効果が絶大だっただけに、今後も使える代物だな…と感心してしまった。
「……ご主人様?」
「え?あ、ぅん!?」
「コレも…ナカに注いでいい?」
「っ…」
絡めた手を口元に運ばれて指を舐められる。イった余韻の残る躯はまだまだ敏感で少し舐められただけで大げさに跳ねあがった。次いで腰を揺らされるといつの間にここまで成長したのだろう?と疑うほどに固く大きく育った楔がぐるりと内壁を抉る。
「なっ…ぁ!」
「1回で…治まると思ってる?」
下から躯を揺すられすっかり戻った楔に最奥を押し上げられた。途端に上がる体温と疼き始める腰の奥に甘いため息が零れ出る。にやりと獣の貌を見せるニールに背筋がぞくぞくと震えた。
「付き合って…くれるだろ?…ご主人様?」
揺する動きに合わせて蠢き始めた内壁に呼吸が乱れ始める。イヌらしく『オネダリ』をしてみると、妖艶な笑みで返された。
「たっぷり…躾けてやる。」
そっと囁く声に再び『女王様』が降臨なさった事を思い知る。これはまた手ひどく嬲られそうだ…と淡く苦笑を漏らすも、見せ付けられる媚態に悪くはない、と思い直してしまった。
「…可愛がってね?」
「いい子に…できたら、な?」
せめてものお願いを…と呟くとあっさりと切り替えされてしまい、本格的に苦笑が溢れてくる。その表情ににっこりと笑みを浮かべられるとたっぷりと口付けを落として宥められてしまった。
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