カカシは今後の根回しも兼ねて、中忍部隊の隊長であるツバキの元を訪れていた。打ち合わせを一応済ませ、気になっていたことをついでに聞いた。 「で、あいつらどーしたの?」 あの中忍2人は役に立たないのが明らかだったが、この女はどこまで対処できたのか気にかかった。イルカに余計なちょっかいをかけられると困る。 任務上でもそれ以外でも。 「あ!はい。…里に帰しました。追って処罰が下されるはずです。人数は元々…。」 「そうね。あの子、頑張ってるみたいだしね。そんなにいらないか。…もうすぐだから、宜しくね。」 新人であるイルカの事を慮っての増員だったが、アレだけできれば問題ないだろう。あの二人よりイルカ一人の方がずっと役に立つ。 それにしても…どうやら一応この隊長は信用できそうだ。イルカもなついているようだし。 …ちょっと気に食わないが、イルカのためにはいいだろう。 「承知しました。あの…」 「なによ?」 「イルカく…中忍のことでちょっと…。」 「なーに?」 今イルカ君とか言おうとしてたな…。何かムカつく。 カカシはついついそっけなく答えてしまった。 「…あの子は貴方のことを尊敬しています。きっととても。でも、まだ…」 「だから何よ?…この任務から引かせろって?できないよ。」 今更別の人間を呼び寄せる時間的な余裕も、人員的な余裕も…里にはないはずだ。 「いいえ。あの子はおそらく…ですが、いつかは分かるはずです。…責めないでやってください…。」 ツバキの口調はまるでイルカの母親のようだ。年齢的にはそれほどでもないはずだが、女と言う生き物はこっちが男ってだけで子ども扱いしたがる。 …ま、イルカの性格が危なっかしく見えるせいもあるだろうが。 それに…確かにイルカは任務内容を完全には知らない。おそらく知っていたらここまでこなかっただろう。この任務はある意味忍らしい任務だ。つまり薄暗い。 太陽のようなイルカには確かに似合わないとカカシでも思う。この女から見てもそうなんだろう。 「甘いね。あんた。」 忍である以上はこんなことは日常茶飯事だ。だが…イルカは… 「それはあなたのほうでしょうに。…では。」 「ふーん。」 一瞬の動揺に感づかれたようだ。頭を下げてはいるものの、うっすらと微笑みさえしている。 気に食わないと思ったが、この場は引くほうが賢明だと、カカシもそれ以上何も言わずに身を翻した。 ***** 「隊長?食事なんですが…今誰かいませんでしたか?」 「ああ、ちょっとね。イルカ君はホントにいろんな人に好かれるわね。」 いつもの様に食事を運びに来たイルカを、ツバキはため息交じりに迎えた。 「えーと…あの、そんなことはないと…」 いろんな人…確かに最初に組んだ2人を除いて、同じ部隊の仲間にも、先に来ていた部隊の上忍にも、なんだかんだと話しかけられているが、 おそらく新人が珍しくてではないだろうか? 目を白黒させているイルカに、ツバキは苦笑した。 「まあいいわ。そういえば貴方にも言っておかなくちゃね。例の2人は里に帰したから。」 「ええ!?」 なぜ!?ベテランだと聞いていたのに…確かに任務中に他所へいったのは問題かもしれないが、伝達ミスかもしれないと思っていた。 何だか自分が悪いんじゃないかと言う気さえしてくる。 しょげ返るイルカに、ツバキは静かに話しだした。 「あの2人があなたにしたことは十分処罰の対象になるの。…規則は絶対じゃないけど、簡単に無視していいものじゃないわ。隊の規律が乱れれば、 いざという時にどうなるか…わかるでしょう?」 「はい…。でも…」 確かに規律を守ることは大原則だ。非常事態以外にそれを破れば、部隊の存続すら危ぶまれるかもしれない。だが、あの2人のことは良く知らなかったが、 そこまでするほどのことなんだろうか…? 「貴方が付け入られないようにすることも必要ね。確かに。…頑張りなさい。」 イルカの戸惑いを見透かすように、ツバキは厳しい口調で言った。 確かに自分が悪かった部分は改めなくてはならない。新人だからといって、いつまでも自信がなさそうにしていたのも問題だったに違いない。 「はい。…頑張ります!」 イルカがそういうと、ツバキは楽しそうに笑ってくれた。 「今は経験つんで、その内色々わかるようになるわ。…今みたいに力みすぎは、ちょっと困るけど、きっとイルカ君は強い忍になれる。」 さっきまでの厳しい口調がウソのようだ。ココにきてから緊張してばかりだったイルカにとって、その言葉は胸に響いた。 「そ!そうですか!」 顔が嬉しさと興奮で赤くなっているのが分かる。 「でも、それまで色々大変よー?」 …だが、ツバキは釘を刺すことも忘れなかった。 「う…はい!」 また、不安になってしまったイルカを見ながら、ツバキはにこやかにトレイを受け取った。 「ふふ…コレありがと。頂くわ。」 「…では。他のところにも配膳があるので!」 とにかく今すべき事をこなすことだ! ツバキと話してちょっとスッキリしたイルカはツバキの天幕を後にした。 「私も気をつけなくちゃ。…暗部を敵に回すなんてごめんだわ。」 その後ツバキがこんな事を呟いているなんて思いもせずに…。 ***** 「イルカ。行くよ。」 こうして呼び出されるようになって、もう3日くらいはたった。 この暗部の教え方はぶっきらぼうだが正確で、イルカ自身、実力メキメキついてきたのを実感できた。 しかもさりげなく気を使ってくれているのだ。バテてきていると、イルカがまだやれると言っても休憩にしてくれたり、術が上手く出来なくて凹んでいるときも、 さりげなくヒントをくれる。お礼を言うとちょっと口ごもって照れたるするところも好感がもてた。 …イルカがミスしたときに受け止めてくれ、その時も何だか耳が真っ赤になっていて、暗部にもこういう人がいるんだと新鮮に感じた。 その優しさはちょっぴり分かりにくいが、イルカにとってはありがたかった。…むしろ、その教え方は、今後イルカが部下を率いて戦うときに活かせると 思える位だ。 そうするとだんだんこの暗部との修行が終わってしまうのが寂しくなってきた。 なにせ自分の修行の問題点や性格の欠点まで指摘してくれるし、それが自分の上忍師よりも的確なのだ。 こういう人が先生になればいいのにな…。 …イルカは毎回そう思いながら修行していた。 そんな訳で、今日もこうして呼び出されて、ちょっとわくわくしている。 だが、今日の暗部は様子がおかしい。いつもの場所についたのに、口ごもって一言もしゃべらないのだ。 流石のイルカも不安に感じ、思い切って聞いてみることにした。 「あの…」 だがその声をさえぎるようにして、暗部が突然言い放った。 「あと2日後位に実戦だから。」 「え!はい!」 ということは、今日と明日でこの暗部との修行は終わりなのか…。 今までだったら、任務への意気込みや不安などで混乱していたかもしれない。勿論今も不安はある。でも…今湧き上がってきたのは寂しさだった。 それが顔にも出てしまっていたのか、暗部がぎこちなく腕を伸ばし、イルカの頭をなでてくれた。 「俺…頑張ります!」 暗部の期待に応えたい…! イルカに言うことができたのはそれだけだった。 ***** これから気が重い任務の説明をしなければならないというのに、目の前のいるかは潤んだ瞳で何かを訴えかけてくる。 正直コレまでもよく我慢したと思うが、今日は今までで一番、我慢を強いられた。 何せ最近のイルカはカカシの存在になれたのか、意外に人懐っこくて、気軽に触ってきたり、不意をつくように微笑んでくれたりするのだ。しかも …今日はこの有様。 もう手を出しちゃってもいいんじゃないかと思うくらいだった。 …いや、いっそのことココで俺の事を…。 そう思った矢先に頑張るなどと言われ、思わず違う意味に取りそうになった。 だが、イルカが自分に向けてきているのはおそらく単なる尊敬と憧憬だろう。 それなら…今手を出してもしくじるだけだ。 ぐっと堪えている内に、イルカがいつもの様に声を掛けてきたので、誤魔化すように修行に集中してしまい…肝心の任務について伝え損ねてしまった。 ***** 「では、ツバキ隊長!俺、仕事に戻ります。」 イルカはいつもの様にツバキ隊長のところへ食事を運んで、これから片付けに入ろうとしていた。 「がんばってね。私も…多分もうちょっとしたら私も手伝いに行けるから。」 「ありがとうございます!」 イルカが天幕を出たとたん、目の前に暗部が降り立った。 …いつもの暗部じゃない…?しかも…2人? 「おいお前。今何をしていた?」 大柄な暗部の方が静かな殺気を放ちながら、イルカに話しかけてきた。気配も無く背後に立たれ、驚きながらも、イルカは何とか言葉を吐き出した。 「た、隊長に食事を…」 だが、もう一人の暗部も近寄ってきて、イルカの首筋に指を突きつけてきた。指先に取り付けられたとがった爪が、冷たい感触を伝えてくる。 …いったい何が起こってるんだ…!? 「…そうか。アレはうちのヤツの女だと知ってるか?」 こちらの暗部も殺気を放っている。今下手に動けば殺されるのではないかと思うほどだ。 だが、それよりもイルカを驚かせたのは、そのセリフだった。 「い!いえ!」 とっさにそう応えたが、ツバキ隊長が…あの暗部の…!? 全く気付かなかった。確かに数日しか一緒にいないとはいえ、親しくなったつもりだったのに…。 いや、それこそ勘違いだったんだ。きっとツバキ隊長の部隊にいるから俺にも気を使って…。無理も無い。ツバキ隊長は顔もいいし、なにより性格が… 優しくて穏やかで頭の回転も速い。 俺は…何を勘違いしてたんだ…! 落ち込んでいるイルカを見て、暗部たちは怯えていると勘違いしたのか、突きつけていた腕を下ろし、距離をとった。 「知らなかったのなら仕方ないが…。いいか。必要以上に接触するなよ。暗部を敵に回したくは無いだろう…?」 警告と言うよりコレはもう脅迫だろう。 「あ…。」 ショックで上手く話すことも出来なかったが、そういうことは絶対にありえない。 ツバキ隊長にはそんな感情を持っていないし、なにより悲しませたくない。暗部も、隊長も。 「用件はそれだけだ。」 イルカが動揺しているのを見て満足したのか、暗部たちは一瞬の内に姿を消していた。 「…なんだ…そうだったのか…。」 思わず独り言が口をつく。 おかしいと思ってはいた。 中忍にも優しいし、いい人だと思ってたんだ。…でも。ツバキ隊長の部下だから…。 その日、イルカは自分がどうやって仕事をしたのか覚えていない。 …気がついたら自分の天幕の中で膝を抱えて泣いていて、イルカそんな自分を他人事のように感じていた。 ***** 「イルカ?」 「はい。」 今日はイルカの様子がおかしい。一生懸命なのは変わらないのだが、どこか元気が無いし…なによりカカシと目が合うと視線をそらすのだ。 何なんだ…!せっかく少しは距離が縮まったかと思ったのに…! 「お疲れ様。明日は…」 苛立ちを感じながら今日の修行をこなし、いつもの様に明日の予定を言おうとしたが、イルカは急にカカシのことばを遮った。 「あの。今日はコレで失礼します。邪魔をして申し訳ありませんでした。」 イルカはうつむいたままそれだけ言うと、まるで狼から逃げる兎のように、去っていった。 「…。」 明らかにおかしい。もしかして例の中忍の処罰に怒っているか…それとも今回の任務内容を他から聞いてしまったのか…? とにかく確かめようと、カカシは静かに地を蹴った。 イルカが今いるはずの陣の中心に向かうと、イルカは和やかに女と話していた。別働部隊の上忍だ。 楽しそうに会話している姿からは、さっきまで陰鬱そうにしていたようにはとても思えない。 「あー…そういうこと。」 何かあったのではと心配した分拍子抜けしたが…その後急に腹が立ってきた。 確かに気持ちを告げたわけではない。それは自分も悪い。だが、女に会うために修行を中断するなんてどういうつもりなんだ?…まあほとんど終わっていたが。 イライラする。なれなれしくイルカに話しかけている女も、その女と楽しそうにしているイルカにも…。 腹立ち紛れに襲ってやろうかとさえ思う。 今の俺は…冷静じゃない。ココにいたら…このままイルカを攫って…。 明らかに自分の思考は乱れている。こんなことは暗部に入ってから初めてのことだ。まだ幼い頃から忍をやってきて、いつも全てを冷静に捉えてきたつもり だった。 だが、イルカが自分以外の誰かに笑っているのを見ただけで、頭が沸騰した。 幸い自分が冷静さを失っていることに気付きことが出来た。一旦頭を冷やそう。 そう思ったカカシは、自分の天幕に戻った。 ***** 「どうしたのイルカ君?」 いつもの様に優しく微笑むツバキに、今は冷静に対応できそうにない。イルカは自分の顔が出来るだけ影になる様に、明かりを背にして話した。 「なんでもないんです。ちょっと慣れないことばっかりで疲れてるのかもしれません。…情けないですね…。」 顔色の悪さもコレで誤魔化せるだろう。 「…言いたくないなら今は聞かないわ。でも、任務に支障を来たすと判断したら…どんなに隠しても絶対に聞き出すから。」 「あ、」 厳しい顔をしたツバキにそういわれてから初めて、自分が任務より感情を優先していることに気付いた。 コレじゃ忍失格だ…! 「あの。う…」 口ごもるイルカを、ツバキがまるでいたずらをした子どもを叱るような顔で見ている。 その目で見られると一層口が動かなくなったのを感じた。…自分が悪いと分かっているから余計に…。 「まあいいわ。でも無理しないでね。任務のこともそうだけど。…アナタは私の部下だし、木の葉の同胞だから…。」 やわらかく白い手が自分の頭に伸び、優しく撫でる。 …コレも不必要な接触にはいるのかな…? そう思いながら、ゆっくりと瞳を閉じると、必死に堪えていた涙が頬を伝っていくのを感じた。 「やっぱり。言っちゃいなさい!隠してたら大事になっちゃうかもしれないでしょ?隊長命令!」 茶化したような口調で言われ、顔を上げると、そこには心配そうな顔をしたツバキがイルカの顔を覗き込んでいた。 「あ、あの…」 ゆっくりとつっかえつっかえ話すイルカに、ツバキは付き合ってくれた。そして… 「あはははは!何よそれ!何の冗談?」 話し終わるなりツバキはそのきれいな顔に似合わない豪快な笑い声をあげた。 「え、だって…暗部の人たちが…」 だが、なぜ笑われるのか分からない。絶対にあの暗部たちは本気だった。殺気といい、態度と言い、今こうやってツバキと話しているのがばれたら、 きっと制裁が下ると確信できるくらいだ。 「それ、多分勘違いだと思うわよ?私、結婚してるし子どもも2人いるわ!」 だが、イルカが眉を下げながら訴えても、ツバキは笑いながらサラッと結婚していることまで明かした。 「でも!あの、ツバキさんが魅力的だから好きになっちゃったのかもしれないし!」 「…違うわ。私はコレでもくのいちよ?惚れた腫れたに鈍かったら勤まらないわ。」 「う…」 「納得できない?」 「え、う…」 「いいから。次あったら本人に聞いて見なさい?絶対に怒り出すと思うから…。」 「はい。」 そうだ…!自分で確認しないで決め付けるより、はっきり言ってもらった方がすっきりする。もし本気であの暗部がツバキのことを好きなら… 自分にだってできることがあるハズだ! 「元気。出たでしょ?男の子は隠し事したがるけど、いっちゃった方が楽になることの方が多いんだから、無理しちゃダメよ?」 イタズラっぽく笑うツバキに、今度こそイルカは心から「大丈夫です!」と答える事ができた。 ***** 「お、帰ったか!」 「で、例の中忍はどうだ?」 「…別に…。」 冷静になろうと思って帰ってきたのに、すっかりカカシを肴にする気まんまんの猿と鳥が、天幕で待ち構えていた。 今は正直何も話したくないというのに、二人は明らかに語りモードだ。 「あのね。突入は明日でしょ?今日は早く休みたいんだけど。」 もっともらしい事を言って煙にまこうとしたが、鳥がそれを遮るように大声で話し出した。 「やっぱり上手くいってねぇんだろ!…安心しろ!恋敵は俺が締め上げておいてやったから!」 「ちょっと!貴方一人でやったみたいなこと言って!二人でちゃんと自分の立場分からせてきましたよ!」 誇らしげにそう言う二人は、カカシの恋路を助けることが出来たと、やたら満足げだ。 「ちょっと!勝手なことしないでよ!」 大体自分のタガが飛ばないように逃げてきたのに、知らないうちに勝手なマネをされたら堪えた自分が馬鹿みたいだ。 「だってよぉ!お前の彼女にチョコチョコ付きまとってるから…。」 「そうですよ!なりたて中忍のくせに!」 …今とんでもない言葉を聞いた。なりたて中忍…この部隊にその言葉が当てはまるのは一人だけだ。 「いつ。やったの?」 「ああ?そりゃ…えーっとおとといか?」 「昨日でしょうが!覚えててくださいよ!」 その言葉で確信した。イルカは、コイツらに脅されて…それなのに俺は…! 「立て。」 「なんだ?これから殴りこみか?…結構しっかり脅しといたから大丈夫だと思うぞ!」 「そうそう!そんなことより口説き方考えた方が…」 「いいから。外に出ろ。」 カカシのただならぬ様子に気おされたのか、二人はそれ以上何も言わずに外に出た。カカシももちろん後に続く。 「で、なんだよ?」 「何かあったんですか?」 矢継ぎ早に問いかけてくる二人を、取り合えず思いっきり殴った。 「っくぅ!」 「…うわっ!」 不意をつかれて、流石の二人も見事に吹っ飛んだ。 「お前ら…俺のイルカに何をした…?」 まだ身を起こしていない二人を見ていると、はらわたが煮えくり返るようだ。さっきもイライラしていたが、それよりもずっとずっと…。 「ちっ!なんだってんだ!」 「イルカって!あの中忍がどうかしたんですか!?」 カカシに説明を求めながら、すでに体制を整えなおした二人に、更に力いっぱい蹴りを加えた。相手も暗部だが、怒り狂ったカカシのスピードには ついて来れなかったようだ。うめき声を上げながら再び地を這っている。 「別に隙になってもらえなくてもいい。…だがお前らはイルカを傷つけた。」 ゆっくりといまや敵にしか見えない二人に近寄っていく。視界が真っ赤に染まっている様な錯覚さえ覚える。 「馬鹿!落ち着けって!」 「そうですよ!説明してください!」 血相変えてカカシを制止しようとするのを無視し、このままずたぼろになるまで殴ってやるつもりだった。 だが… 「ターゲットが目標地点に到達!」 カカシの肩に止まった式が告げた言葉に、一気に冷静になった。 ターゲットが来た…つまりイルカの出番だということだ。 「この話は後。あんたたちはここにいて。俺はイルカを連れてでる。」 「ああ!ちょっと待てよ!」 「…鳥。今は任務が先です。…隊長。ご武運を。」 その声を最後まで聞かずに、カカシは跳んだ。 ********************************************************************************* 喧嘩って処罰されそうな気がする…。まあ突っ込みナシでってことで!…orz。 |