海の日

「海。行きたいなー。」
テレビを見ていたイルカ先生が唐突にそんなことを言った。テレビには、きれいな海が映っている。勿論俺はすぐさまイルカ先生と俺の予定を考え始めた。
…確か今週末は予定が空いていたはずだ。
海といえば日焼け止めを塗っていると見せかけて、おっと手が滑った!プレイや、水着姿のイルカ先生と波打ち際で追いかけっこの後岩陰で…など、 色々と楽しいことが一杯なイベントだ!
今回はイルカ先生のイベント時のはしゃぎっぷりを上手く利用して、是非計画を成功に導かなければ!!!
…早速、休みを取ろう。じじいはアレ以来動きが無いし、(うわさでは廃人のようになっているらしい。)俺には今までたまりにたまった休みがあるので、 問題はないはずだ。今まで任務続きだったし、休みにそんなにやりたいこともなかったから、年単位で貯まってる。
…だが、海に行くなどといえば、またナルトたちも誘おうと言い出すかもしれない。イルカ先生、優しいから…。
こうなったら、いっそのこと幻術とかで…。
「あー!美味そう…。魚―貝―刺身―!!!網焼き!!!うー食いたいなー…。」
イルカ先生が、テレビに大写しになった海鮮料理を食い入るように見つめ、自分がしゃべってしまっていることにも気づかず、映像の料理に夢中になっている。
…そうか、今回は食べる方が目的か…。
…上忍の意地にかけて、イルカ先生に最高の海鮮料理を食べてもらう!!!…そうだ!それならついでに、…イルカ盛りとかも楽しもう。
「イルカ先生。お刺身と、あと網焼きと、潮汁と、煮魚焼き魚とか…。どんなものがいいですか?」
因みにイルカ盛りはすでに決定です!とは言わずに、テレビにかじりついていたイルカ先生に聞いた。
「あ?う?え?なんで分かったんですか???」
やっぱり無意識に口にしていたらしい。…かわいいなー。ヨダレたれそうになってる。うん。やっぱりイルカ盛りに加えて…。酒はどんなのがいいかなー。
「イルカ先生のことなら、何でもわかりますよー。だって俺はイルカ先生のよめですから!」
さわやかに微笑んで、イルカ先生の口元をそっと拭った。かわいらしい口を見ていると、是非、別のことに使って欲しくなったので、 夕食が済んだら早速やってもらうことに決めた。
「うちのよめは、ほんとにできたよめさんだなぁ。」
にこにこと嬉しそうに笑うイルカ先生の手を握り締めながら、俺の頭は、今夜の手はずと、海鮮料理の手配と計画実行のための準備を計算し始めていた。
*****
今日はなんてすばらしい日なんだ!!!美味い魚と、かわいくて美人なよめと、なんだか珍しくて美味そうな酒!!!最高だ!!!
先日テレビで旅行番組を見ていたら、それはそれは美味そうな海の幸が映っていて、ついつい目が釘付けになってしまった。よく気のつくよめが、 それを見落とすはずもなく、今日、海の日に合わせて、この豪華な飯を用意してくれることになったのだ!!!
ただ、…その晩は、よめがいるというのに、テレビに余所見をしてしまったという理由で、よめをちょこっと怒らせてしまい、あんまり美味しくないものを …いやいやこれは置いといて…とにかくよめは凄くよく気がつく。浮気の気配に厳しいが、それは俺もいっしょだし、お仕置きはちょっとハードだが、 それでよめが安心できるなら耐えられる。なにせ俺はかわいいうちのよめの唯一人の夫なのだ!!!
…話がそれたが、よめは料理も凄腕だ!!!テキパキとコレだけの料理を作れるよめは、火の国中探してもいないだろう。きっとプロにだってなれる!
…年を食って、忍家業を引退したら、よめと一緒に料理屋をやるのもいいかもしれないな。この間、よめの負担を減らそうと一緒に外食に行った時に、 コレならよめの料理の方がうまいなぁと思いながら食べていたら、よめも同じ意見だったようで、結局あまり食べずに帰ってきたことがあった。
その時思ったのが、もし、よめが料理を作れないような状況になってしまったら…、ということだった。正直に言うと、よめの作る美味い飯にすっかり 舌が肥えてしまって、最近ではよめの料理以外のものを口にすると、苦痛であることさえあるのだ。一楽のラーメンは別だが、毎日ラーメンは流石に忍 としてまずいだろう。
それに…任務では最強を誇るよめだが、万が一、怪我でもしたら…。他にも、たちの悪い風邪とかを引いたときとか、俺の料理でよめは満足できるだろうか…。 その時、夫であるというのに、俺はなにもしてあげられないのだろうか。
そう思ったとき、ひらめいた!俺が料理をもっと勉強して、上達すればいいのだ!
よめにはかなわないかもしれないが、一応この年まで自炊の経験をそこそこ積んでいる。よめが任務でいないときに、今までは飯を冷凍していってくれていたが、 これからは自分で作ってみるのもいいかもしれない。そして、いつかは一緒に料理屋を開いて、料理をつくるのは、よめ任せになってしまうかもしれないが 二人で幸せな引退生活を…そのうち火影になったナルトが食いに来てくれたりするかも!あぁ夢は膨らむばかりだな!!!
だが、それはまた今度、よめと一緒に考えればいいことだ。今日はこの美味そうな飯をしっかり楽しもう!!!
コレだけでも十分うまそうな刺身が、もっと美味しく食べられる方法があるとよめが言っていたので、それも凄く楽しみだ!!!
「イルカせんせ。はい、まずこれだけ食べちゃいましょ。…スペシャルメニューは、あ・と・で。ね…。」
さすがうちのよめ!!!ちゃぶ台に乗り切らないほどの海鮮料理が並んでいるのに、さらにスペシャルメニューまで!楽しみだ!!!
よめに勧められるままに、早速はしをつけたが、どれも美味い!この間テレビで見たサザエやアワビは勿論、それ以外にも海老や魚など、 沢山の魚介類が並んでいる。特に俺が目を奪われたのは、網焼きだ!目の前で焼いてくれている貝とか魚から、香ばしい香りが漂っていて、こ れぞまさに海の幸!!!
美味くてついつい食いすぎてしまいそうだ。…だが、今日はよめのスペシャルメニューが控えている。ちょっと考えながら食べないとな!
「はい。イルカせんせ。焼けましたよー。」
「おお!」
「はい。熱いから気をつけてくださいね。」
焼き魚や刺身を食べていると、よめが取り皿に美味そうなサザエのつぼ焼きを取ってくれた。…さっきからサザエの方を見つめていたのが分かったらしい。 さすがうちのよめ!こんなに気のつくよめは、きっと火の国中どころか、世界中どこを探してもいないだろう。
「まだまだ沢山ありますからねー。…そう、たくさん…。」
よめがそのきれいな笑顔を見せて、とても嬉しそうに言う。
…せっせと俺の世話を焼いてくれる優しくてかわいいよめと、一緒に美味い飯を食う。
ああなんて幸せなんだ…!俺は結婚してよかったと改めて思いながら、幸せとともに、焼きたてのサザエをかみ締めた。
*****
イルカ先生が嬉しそうにもりもり食べているのを見ると、俺も食欲がそそられる。ああ、早く食べたいイルカ盛り…。そんなことを考えながら、 せっせとイルカ先生に料理を勧める。
ちょっと酒が入ってた方がやりやすいだろうと思い、酒を勧めて俺も一緒に飲んだ。
…ちなみにこの酒はウワバミからの献上品だ。イルカ先生が三代目に味見させてもらって以来、どうしても飲みたいのに見つからないと嘆いていたもので、 三代目はじじ馬鹿だから、イルカ先生に簡単に飲ませてしまったようだが、本来ならば、火影クラスでも中々手に入らない逸品だ。 おそらく大名からの献上品か何かだったんだろう。イルカ先生本人は、その酒の味しか覚えていなかったが、俺がきっちり調べたので間違いない。
…酒は本当はちょっと別のことにも使いたかったが、これから一生イルカ先生の側にいるのだし、一気に色々経験しなくてもいいだろうと、 今日は無理をしないことにした。敵はもはやいないも同然なのだし…まあ…状況を見ていけそうならということで…。
なぜウワバミがこんなマネをしたのかと最初はいぶかしんだが、本人の白状した所によると、最近、借りを返そうとひっそりあいつの行動を追っていたのに 感づかれたためらしい。
ヒゲ熊をステキなドレスでロリヒゲクマ子に大変身計画の前に、あいつのことを片付けておこうと思ったが、無類の酒好きが断腸の思いでこの貴重な酒を 差し出したのだ。無碍には出来ない。今回は多めにみてやることにしてやった。…もちろん次は無いと伝えておいたが、アレだけ怯えていれば大丈夫だろう。
「わーこの酒うまーい。すごいなぁ。えへへ。」
イルカ先生はだんだんいい感じになってきている。飯も大分片付いたし、そろそろ…決行しようか…。
「イルカ先生。そろそろ…。」
「おー?あ!すぺしゃるぅーめにゅーだ!!!」
大分出来上がったイルカ先生はこのままたべても美味しそうだが、せっかくの機会だ。最高に美味しく頂かなくてはなるまい。
「ね、イルカ先生。暑くないですか?」
さっき風呂に入って汗を流しておいたが、炭火焼の火で部屋の温度も上がり、いい感じにイルカ先生の匂いがしてくる。
「あ?んー…。暑い、かな…?」
真っ赤な顔で首をかしげるイルカ先生。今がチャンス!
「じゃ、脱ぎましょ。ね。」
サクサクと最近寝巻きに着せている作務衣を引っぺがす。上は簡単に成功した。さて次は…。
「カカシ。こっち。座って。」
準備に取り掛かろうとした矢先に、イルカ先生が予想外の行動を取った。いきなり俺の袖を引き、畳を叩いて座るように言い出したのだ。
「えーっと。こんな感じで?」
慌てて畳の上に正座した俺を見て、イルカ先生はトロンとした目で満足そうにいった。
「うんうん。そうそう。…ふー。」
 そしてそのままひざの上に頭を乗せて…寝てしまった。
しまった!酒を飲ませすぎたか!…くそっ!せっかくのイルカ盛り計画が…!
あせった俺だったが、寝くたれるイルカ先生がとてもかわいいので、こちらもしっかり味わうことにした。イルカ先生を起こさないように、そっと印を組み、 影分身を出して食器を片付けさせる。その間、本体の俺はしっかりおねんね中のイルカ先生のほっぺたをぷにぷにしたり、半開きの口をみて、過去の楽しい思い出 を反芻したりと大忙しだ。
 酒を飲んだイルカ先生は、いつもよりちょっと体温が高くて、ほのかに漂うイルカ臭も一味違って…イイ。ああ膝枕なイルカ先生…。自分がしてもらったときも 幸せだったが、ふにふにと身体を擦り付けてくるイルカ先生を見ていると、膝枕をしてあげるのも悪くないなと思った。あ、笑ったー。…かわいい。
…というか、イルカ先生。その無防備さは俺の股間を直撃です!
…やっぱり我慢できない!食器はほとんど片付いたし、イルカ先生もちょこっと眠れたから、もういいよね。
「ね、イルカせんせ。起きて。」
優しく肩をなでながら、イルカ先生の覚醒を促す。いつも、酒を飲みすぎて寝てしまったときは、こうして優しく起こして、ベッドに連れていってあげているの だが、今日はどうだろう。
「ぅー。ねむ…。」
むごむごと口の中で返事をしているイルカ先生はまだまだ眠そうだが、俺の声に反応して起きてくれたようだ。
「あぁ?あー。あれ?おれ…?」
「イルカ先生。寝ているところをすみません…。でも、まだスペシャルメニューを食べてもらってないんです。…ちょっとだけ、起きて欲しいな…。」
いつもの必殺おねだり攻撃だ。イルカ先生が正気なら効果抜群なのだが、ここまで酔ってしまっているとどうだろう…?
「あー!すぺしゃる!!!食べたい!!!」
イルカ先生がスペシャルメニューに反応して、がばっと身体をおこした。目をキラキラさせている。
…食い気の方が勝ったようでちょっと癪だが、今回は不問に処そう。普段ならお仕置きコースも考えるが、今日のメインイベントが控えているからな。
「ね、イルカせんせ…スペシャルメニュー、食べて欲しいな…。」
「スペシャル…食べたい!!!」
瞳を見ると、まだちょっとぼんやりしているようだが、反応だけは生き生きとしている。意識がまた沈んでしまわない内に手早く計画に取り掛からねば。
さっき出した影分身が、冷蔵庫から刺身を持ってきた。先に出した刺身も最高級品だが、こっちの刺身は、更にいいものを選んだ。俺特製のタレも準備してある。 …スペシャルメニューという言葉にウソはない。…まあ一番スペシャルなのはこれから盛り付ける器…だけどね…!
「おおー!!!刺身―!!!さっきと違う!美味そう!!!…でも、…他に入れ物ないの?」
イルカ先生が不思議そうな顔をしている。それはそうだろう。刺身は全てタッパーに入れてあるので、美味そうだがやはり見た目では先ほどのものより劣る。
「これから用意しますからね…。」
そういって、先ほど剥ぎ取りそこなったイルカ先生の下衣に手をかけた。だが、急にイルカ先生がゆらゆらしだした。
「俺の服、寒い。刺身…。眠い。」
イルカ先生はとにかくどうあってもスペシャルメニューを食べたいようだ。眠そうなのに俺にすがり付いて、刺身をねだる。その様子がまた…っと、そうか! さっき七厘を片付けてしまったから、クーラーが効き過ぎて寒いんだ!
俺は急いでイルカ先生を抱きくるみ、影分身に温度設定を変えさせた。プルプル震えるイルカ先生を見ていると、今日はやめてしまおうかとも思う。
寒そうなイルカ先生に無理をさせたいわけではないのだ。…ただちょっとイルカ盛りを楽しみたかっただけで…。
「ねぇ、どうする。一応毛布持ってきたけど。」
影分身が気を利かせて、いつも昼寝に使っている綿毛布を持ってきてくれたようだ。
「もう、今日はいいか…。」
イルカ先生を綿毛布に包んで、そうつぶやくと、再びイルカ先生が覚醒した。
「よくないー!!!まだ!食べてない!!!」
今度は本格的に目を覚ましたようだ。さっきまでのはかなげな様子がウソのように、しっかり俺の方を掴んで、がたがたと揺さぶる。
「ああ、良かった!」
風邪とかをひいてはいないようだ。本人も乗り気だし、じゃ…計画続行決定。
「刺身はー?さっきの刺身―?うーすぺしゃる…楽しみにしてたのに…。」
さっき影分身に刺身を仕舞わせてしまったから、イルカ先生は刺身がなくなってしまったと思い込んで泣き出しそうになっている。
慌てて改めて刺身を持ってこさせた。
「わあ!さしみーえへへ。はやくはやく!!!」
酒が抜けたわけではないようだ。イルカ先生は舌っ足らずな口調で刺身を欲しがって口をぱくぱくさせている。また、別のものを突っ込みたくなったが、 ここは堪える。
…それにしても、本当にたのしみにしてたんだなー…。
そう思いながら、今のうちにと、イルカ先生をつるっと剥いた。さっきは手間取ったが、失敗は二度繰り返さないのが上忍というものだ。
「う?寒い。美味そう。早く食べたい。」
毛布だけを身につけたイルカ先生は、やっぱり寒いらしく、俺の腕の中でもごもごしている。だが、刺身には相当執着しているようだ。 ヨダレがちょっと出ている。…かわいいなー…もういっそこのまま…いやいや、そうやって妥協していては最高のイルカ先生は味わえないぞ俺!
決意も新たに、そっとイルカ先生を横たえ、用意しておいた刺身をのせた…のだが。
「あーもったいない!!!刺身がー…。うー。でも!まだ食えるよな!しょうゆ!しょうゆ!しょうゆは?!」
イルカ先生は刺身を指でつまんで大慌てで俺(影分身)に指示した。もちろんアレも俺そのものだから、イルカ先生の言いつけには速やかに従い、 しょうゆと一緒にはしと小皿も持ってきた。
「はい!」
「いっただっきまーす!!!」
パクっと嬉しそうに、せっかく苦労してイルカ先生盛り付けた刺身を食べている。本当に幸せそうだ。あまりの喜び様に、急いで俺特製のタレも持ってきた。
「イルカ先生。あの、しょうゆだけじゃなくて、タレもいろいろあるんですよー。ホラ!柚子こしょうとか、あと、塩もおいしいんですよー!」
「おおおおお!!!!」
早速イルカ先生は刺身に、片っ端から用意したタレをつけて食べ始めた。ぱくっと食べては、至福の表情をうかべる。あんまりものかわいいので、 ついつい俺もニコニコと眺めてしまった。
「あ、そうだ。はい。あーん。」
 刺身の詰まったタッパーの傍らでイルカウオッチングに集中していた俺に、イルカ先生が刺身を差し出してくれた。
「あ!はいあーん。…ん。」
「うまいでしょう!!!これ!!!柚子こしょうも美味いし、しょうゆも捨てがたいけど、塩が一番合うかなぁ。」
イルカ先生が嬉しそうに俺に説明してくれる。まあ、俺が作ったんだけどね。…やさしいな。イルカ先生。あんなに楽しみにしてて、しかもまだ酔っ払ってるのに、 俺にもコレ、分けてくれるんだ。
「おいしいです!」
「あ、次、何のタレ?」
「えーと、じゃ、塩で。」
「はい、これ美味そうだな…はい、あーん。」
「ん。おいし。」
「次は…。」
「あ、次はイルカ先生の番ですよー。」
「あ!じゃあ、これ、こっちこの刺身食いたい!」
「はーい!じゃ、あーん。」
「むぐ!うわぁ!こっちも美味―い!!!」
…刺身を食べさせあいっこできたし、もういいや。喜んで刺身を食べるイルカ先生、すっごくかわいいしな!!!
刺身リレーで満足した俺は、片付けを再び影分身にまかせ、眠り込んだイルカ先生を抱えてそのままベッドへ運んだ。
…でも明日は、絶対になんとかしてヤルぞ!と思いながら…。
*****
「おはよう!」
今日も爽やかな目覚めだ!昨日は美味い料理をたらふく食べたので、いつもよりすっきりした感じさえする。よめがわざわざ起こしてまで振舞ってくれた スペシャルメニューも物凄く美味かった!流石うちのよめがスペシャルだと言い切るだけある。幸せだ!!!
「おはようございます。」
よめがいつもの様に朝食を用意して待っていてくれた。昨日の料理はまた格別だったが、よめは普段の料理も上手なので、毎日楽しみだ!
「いただきます!」
「はい、どうぞ。」
よめと一緒に囲む食卓は、暖かい感じがして凄く嬉しい。昨日あんなに頑張ってくれたのに、今日もちゃんと美味そうな飯を作ってくれる気遣いと優しさに 溢れるよめ…まさに俺にとって最高の伴侶だ!!!
だが、無理をさせすぎないようにしないとな。何だかちょっと寝不足みたいにみえるし。…昨日も…そうだ!早めによめに言っておかなくては!
「ちょっと聞いてください。」
「はい、なんですか?」
よめがかわいらしく首をかしげてくれた。この顔が俺は大好きなので、危うく本題を忘れそうになった。…いかんいかん。
「刺身の食べ方についてです!…刺身は、常温だとすぐ腐っちゃうんですよ!人肌なんてもってのほかです!!!」
よめはよっぽど驚いたのかぽかんとした表情でこっちを見ている。…やっぱりよめのこういうかわいらしい表情はいいな…。
「刺身の、食べ方…。」
あんまりにもよめがショックを受けている様なので、慌てて慰めることにした。…きっとたちの悪い知り合いにでも、刺身が美味くなるとでも言われて、 騙されたんだろう。
…まさか、クマ…いやアスマ先生じゃないだろうな…?この間土産物を渡したときも反応がおかしかったし…。ちょっと探りを入れてみた方がいいかもしれない。
「ちゃんとすぐ食べたから、大丈夫ですよ!ほら、朝ごはん食べないと。」
呆然としているよめの手をそっと取って語りかけると、よろよろしながらも、一応はしを持ってくれた。
「そうですね…。」
よめはまだショックから立ち直れていないようだ。かわいそうに…すっかりしょげている。
…うちのよめにウソを教えるなんて…!…絶対に許さない!!!
だが、よめのかわいい一面をまた一つ知ることができて、俺は不謹慎にもちょっと喜んでしまった。俺に出す料理をちょっと失敗したからといって、 こんなに落ち込んでしまうなんて、夫冥利につきるではないか!
…やっぱり料理屋をやるときは、一緒に厨房にたたないとな!よめにちょっかいを出す不埒な輩を排除しやすいし、騙されそうになっても、側にいれば すぐに気づいて守ってやれる。
なんだかだんだん夢が具体的になってきたな!!!
…だが、まずはうちのよめを騙した奴をあらいださなければ、だな。
幸せ一杯の新婚家庭に波風立てるとはいい度胸だ。うみの家の家訓、「やられたら、千倍返し!」を知らないのだろう。うちのよめに酷いことをする奴は この俺が許さない!!!
よめの心配と、希望に満ちた未来を思い描きながら、俺は最高のよめがいる幸せをかみ締めていた。

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海の日=海の恩恵に感謝するとともに、海洋国、日本の繁栄を願う日、(ウイキペディアより)なんだそうですよ。
と、言うわけで、一応、海産物に(イルカ先生とカカシ先生が)感謝する日にしてみました。
…感謝しきれていませんが、気にしない気にしない。
…ひどい話ですみません…orz。

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