しあわせになるためにひつようなもの その後

ベッドの上でまどろんでいた俺の身体は、豪快に抱き上げられた。
「カカシさん、そろそろ飯時なんで、体起こしますよー?食べられますか?」
気遣わしげな瞳。…たまたま拾っちゃっただけの俺の世話を押し付けられたのに、この人は気にも留めない。
ただ真剣に心配して、一生懸命に世話してくれる。
…まあ、かなり大雑把なんだけど。
「うーん?まだちょっと体重いかな?」
今までにない優しさってヤツに甘えたくなって、もうそこそこ動けるようになっている身体を殊更だるそうに振舞ってみた。
ゆるゆると腕を持ち上げ、俺の背を支えてクッションを詰め込んでいる身体にそっと寄りかかる。
それだけで、この人は心配そうに…痛ましげに眉をしかめて、すぐさまぎゅっと抱きしめ返してくれた。
…驚くほど無防備に。
しかも、そのままそっとベッドの背に寄りかからせてくれて…。
「ああもう!無理しちゃダメです!しょうがねぇなぁ!ほら、口あけて!」
「あーん」
まるで餌を与えられている小鳥のように口を開くと、ぐいっと結構な強引さでほぐされた焼き魚が突っ込まれた。
味付けは意外とちゃんとしてて美味しい。それに食べさせ方は照れ隠しもあるって今は分かってるしね?
独り言が多いこの人は、俺が無防備に口をあけて食事を強請るのが照れくさいらしい。
自分の方が結構抜けていることを棚に上げて明後日な心配もしてたっけ。
「しっかり食べてしっかり治す!」
「ん。ありがと」
無意識なんだろう。
いい年した、自分と殆ど同じ…というか、俺の方がちょっとデカイくらいなのに、子どもにするみたいにぐいぐい頭を撫でてくれて、それから次に俺に食べさせるために、魚をほぐしてくれている。
その熱心な姿をみていると、思わず下半身がその気になってきた。
一生懸命で真っ直ぐで、それがとてつもなく俺を煽って…全部欲しくなる。
「はぁ…ホントにチャクラ切れだけなのか…?随分ぼんやりしてる気がするんだけどなぁ…」
溜息をつきながら、俺の心配をしているその物憂げな表情もいい。

あの時も…チャクラ切れ起こした俺を三代目の所まで連れて行ってくれたときもそうだった。

*****
いい加減血が抜けてぐったりした俺を、男は病院に連れて行こうとした。
だが、なにより報告が先だ。報告が済んでいれば俺が自室のベッドでつぶれていようが誰も文句は言わない。…次の任務までに復調していれば。だけど。
残念ながら、俺がチャクラ切れを起こすのはそう珍しいことじゃないし。
…それに、もう少しだけでいいから、この人の側にいたかった。
温かい人。同胞だからって、普通血まみれの…一目で暗部と分かるしかも剣呑な姿の俺に、こんなに気安くしない。
見棄てるとまでは行かないまでも、恐怖が先立つのが当たり前だ。
精々救援部隊を呼ぶくらいのものだろう。
それを…丁寧に手当てを施し、処理班を呼び、それからひょいと担ぎ上げてそのまま俺を里まで担いできてくれたのだ。
その真っ直ぐな瞳を心配に染めて。…幸せになればいいなんて…絶対に助けるなんて、簡単に言って。
これで、惚れない方がおかしいだろう?
だから、三代目に報告して、それから、…治ったらお礼に押しかけようと思っていたのに。
「…殲滅、術の奪取は成功したか。…では、ゆっくり休め」
「はい」
こんな状態の俺を見慣れているから、三代目は確認だけ取るとすぐに俺を解放してくれた。
後は…このチャクラの残量では忍犬も呼び出せないが、とりあえず家まで歩けるだろう。
できれば、この人の素性をもっと詳しく知りたかったけれど。
…一般の忍ならば、探るのはそう難しいことじゃない。今無理に聞き出して、三代目に余計なちょっかいを出されるのも面倒だ。
後本当にもう少しで離れなければならない男が温かさが名残惜しくて、わざとらしくないように少しだけ寄りかかるだけにとどめた。
流石に執務室に入る前には担いだ状態から下ろしてくれたが、いまだに肩なんか貸してくれているあたり、相当心配してくれているんだろう。
だから、あと少しだけ、その体温を分けてもらおう。
そんな勝手なことを考えていた。
「あの!この方は、どうすれば…!病院連れてかなくていいんですか!?」
だから…不安そうなこの人が、慌てたように俺の肩をぎゅっと掴んで支え、三代目に咎めるような口調でそう言ったときは驚いた。
お人よしにも程がある。
「ああ、大丈夫。これくらいなら…」
もう大丈夫だと伝えるために、そっと身体を離そうとしたのに。
「そうじゃのう?その身体では動き回れまい。そこそこ深手を負ったとイルカの式にもあったしのう?」
三代目らしくない言葉だ。
無茶はするなといいはするが、普段なら溜息一つで開放されている程度の怪我。
それをもったいぶって…。
ああでも、今イルカと呼んでいた。そうか、この人の名はイルカというのか。
これで名前を呼べる。
「そうです!この人血が抜けすぎてなんかうわごとみたいなこと言ってたんですよ!ほっといちゃダメでしょうが!」
この人には…イルカには驚かされてばかりだ。三代目相手にココまで言えるなんて。
有力者の血縁でもないだろうし、ましてや上忍でもないのに。
まるで自分の祖父にでも対するような…ああ、そうか、もしかするとあの災厄の時に三代目に引き取られた子どもの一人だろうか?
それにしても、この態度は不敬罪ともとられかねないと思うが。
といっても、言われた方が楽しげに老獪な笑みを浮かべている所を見ると、いつものことなのだろう。
「では…のう、イルカ、ソヤツには身寄りがない。お主、面倒を見てやってくれ」
「え!でも、俺じゃ医療忍術とか出来ません!薬だって普通のしか…!」
「よいよい。寝かせておけばそのうち治るじゃろう」
大分ぞんざいな言い方だが、ある意味事実だし、今回ばかりは歓迎だ。
「そうですねぇ」
慌てふためいているイルカ…と呼ばれた男には悪いが、これは千載一遇のチャンスだ。
飯なんかなくても死なないし、しばらく寝込んでればそのうち治る。
でも…きっとこの人なら。放っておいたりできないだろう。
「病院!まず病院行ってからです!それから、俺んち、狭いですけど、いいですか…?」
一番に気にする所はソコらしい。
思わず笑ってしまった。
…だって、俺を自分の家に連れ帰るつもりでいるのだから。病院に放置してくるなんて考えもしないらしい。
「笑わなくてもいいでしょうが!飯だってあんまり上手くないですよ?」
そんな意味じゃないというのに、イルカは俺の言葉にむっとした顔で頬を膨らませている。
だが言葉の端々にも表情にも、俺への心配が透けて見えて、心地良い。
「大丈夫。寝かせておいてくれればいいから」
寝ているだけでもきっと楽しいだろう。
ずっと、朝から晩まで、この人を見ていられる。
思わずうっとりと目を細めた俺に、怒声が降ってきた。
「そんなこと言ってるからそんな怪我するんです!ちゃんと食ってしっかり寝る!」
「はいはい」
「返事は一回です!…三代目。それではこれから病院に。休暇はえっと何日とればいいかな…?」
ここへ来て、だんだん心配になってきた。
見知らぬ相手にこんなコト言い出すなんて、俺以外にも誰か拾ってきちゃうかもしれない。
じわじわと這い登る焦燥感に、どうやって手を打つか考えていたが、三代目は淡々と期限を告げた。
「任務扱いじゃ。三日、ソヤツの面倒を頼む」
三日か。もらえた時間を無駄にしないようにしないと。
「分かりました!」
威勢のイイ返事。やっぱり好きだ。
…これを、絶対に手に入れなくては。こんな人絶対に他にいない。
そうして、作戦を練るのを他所に、来たときと同じように俺は担ぎ上げられて。
…辞去の挨拶もそこそこに、イルカはすごい速さで俺を病院に連れて行ったのだ。
*****
病院ではチャクラ切れだといわれて、いつものことなので、当然丸薬すら処方されなかった。
ただ傷口だけは塞いでもらえたが。
そうして、それからずっとイルカの家で介護されてるんだけど。
「三日って…あんな怪我してんのに三代目も何考えてるんだ!まったくもう!」
大雑把ながらそれはそれは甲斐甲斐しく世話をしてくれるイルカのおかげで、殆どチャクラも戻った。怪我はまだ僅かに痛実を残しているが、この程度ならいつものことだ。
チャクラが完全に切れてしまえば2週間は動けないが、今の俺なら簡単な任務くらいならこなせる。
…つまり、中忍一人、拘束するくらいなら簡単だってことだ。
「ねぇ。イルカ」
「なんですか?ちゃんと寝てなさい!」
テキパキと食事の方付けを終え、俺の布団をかけなおし、イルカが心配そうに俺を叱ってくれる。
その顔をずっと見ていたいけど、それだけで貴重な3日間を終わらせるわけには行かない。
「あのさ、御礼をしたいんだけど」
「…礼はいいですから。ちゃんと食って寝て、治す!」
反応は予想通り。
でも、今なら。
「わっ!な!?」
俺を怪我人と思っていたせいか、布団の中に簡単に引きずりこむことが出来た。
パジャマは着せてもらってあるが、自分の上に圧し掛かられたら、いやでも自分に向けられている物が何なのか気が付くだろう。
そんな目論見があった。
「お礼、させて?」
俺の下で目をまんまるくしているイルカはどこをどうみても男だけど、可愛い。
驚いた顔も、抵抗もしないそのものなれなさも。
色々限界が近い。無防備に敷かれたままでいられると、我慢するのも厳しい。
正直焦っているっていうのもあるから。
だって、早く手に入れておかないと、誰かに取られてしまいそうだ。
この人、鈍そうだし、優しすぎるし、天然っぽいし。
…自分としてはこのままコトに及んでもいいんだけど、イルカはきっとそんなことでは手に入らないだろう。
でも、そういうのには鈍いみたいだから、多少の強引さは必要だ。
意外と理性が残っていてくれた理性でそこまで考えて、次の反応を待った。
「お礼?添い寝ですか?ってか、大分元気になってたんですね?」
しばらくイルカを見つめて楽しんでいたが…やっと正気付いたというのに、ホッとした顔をされてしまった。
これは流石に予想外だ。
女のように悲鳴をあげるまでは行かないにしても、普通なら怒るか取り乱すくらいのことはするだろうに。
ここまで鈍いのなら…あとはもう、実力行使しかないだろう。
「添い寝じゃなくて、俺をプレゼント」
ぽかんと半開きになっていた口に、舌を滑らせ唇を合わせた。
…唇は男でも案外柔らかいんだなと思った。嫌悪感もない。むしろ興奮する。
イルカの方もここまですれば流石に反応してくれるかと思ったが、しっかり硬直してしまっている。
「あれ?イルカ?」
「なななななな!?え!?え!?なんだ!?女の人だったんですか!?いや、でも付いてたよな!?」
「うーん?斜め上」
ま、しょうがないよねぇ?免疫なさそうだし。
ついてたって言うのは、多分体を拭いてくれた時のことだろう。
だがココまで言われて萎えない自分自身にも笑えてくる。
ここまで、自分を惹きつける存在があるだなんて想像もしてみなかった。
曖昧な…ふわふわと浮かぶ雲のような幸せのイメージよりずっと、この人のコロコロ変わる表情や、意外性たっぷりの行動や、優しさとちょっとずれた所のほうが…幸せを感じさせてくれる。
それにしても、とんでもない所にもそもそと触られると止めまれなくなるんだけど。
「あ、あれ?でも、これ!?硬いし!?も、もしかして…!?」
「俺のナニかなー?」
確かめるようにやたらしっかり触ってくるもんだから、元々兆し始めていたソレはすっかりしっかり臨戦態勢だ。
誘われたってコトにしてもいいよね?
そう思って、目の前の美味しそうなイルカを剥こうとしたら、むぎゅっと硬いものを押し付けられた。
「ティッシュ!どうぞ!えーっと!?ちょっと出かけてきます!」
ティッシュの箱だ。…用途は恐らく自己処理用だろう。
そんな物を俺に押し付けて、すかさず布団から抜け出そうとしているイルカの足を掴んでもう一度布団に引きずり込んだ。
「逃がさないよ?」
いない間に自分でしろっていう気遣いのつもり…なんだろうな。多分。
顔真っ赤にして、恥ずかしそうにされると、もうこのまま食っちゃってイイとしか思えない。
さて、上から剥こうか下から剥こうか?
そんなコトを思いながら悶えるイルカを堪能していると、いきなりがしっと頭をつかまれた。
「ああもう!落ち着いてください!俺は男です!よーっく見てみれば分かるでしょう!ほら、こんなのにこんなことしても楽しくは…」
「あ、ヤバイ。もう限界」
速攻で限界が来た。
間近で真剣な顔…それもドアップで見せられたら止まれる訳がない。
元々その気になっていたものが、既に問答無用で突っ込みたい状態にまでなってしまった。
俺の言葉に驚いたのか抵抗を忘れているイルカの服をさっさとはいで、自分も適当にパジャマを脱ぎ捨てた。
露になった身体は中忍にしては意外と鍛えられていて、のんびりした態度と反応とは裏腹に、戦闘時には十分実力を発揮するだろう。
どこもかしこも柔らかいところなどない男の身体。それなのに、少しも萎える気配もない。
むしろ興奮に乾く唇を一舐めして、イルカの足に手をかけた。
「ダメですって!怪我人!血も足りないし!」
…また顔をつかまれた。今度は頬がゆがむほど容赦なく。
心配すべきはソコじゃないと思うけど、ま、いいか。
「大丈夫大丈夫。ちゃんと勃ってるし」
今更止まれといわれても無理な相談だ。それはイルカも男なら分かってもイイはずだが、どうやらそうも行かないらしい。ぎゅうぎゅうと顔を押しかえしてくる。
振り払うのは簡単だが、嫌がっているのを無理やりというのも…それはそれで楽しそうだが、それはもっとイルカが慣れてからのほうがいいだろう。
どうやってこの手を止めてもらおうか?
とりあえず顔を押さえている手に口付けると、イルカが急に半泣きで訴えてきた。
「好きでもないのにこんなことするのはダメです!後で後悔します!大体…なんだよもう!心配したのに!元気なんじゃないか!こんなイタズラしてる暇あったら…!」
後半はあからさまに愚痴だが、くしゃくしゃで涙にまみれた顔は胸を打った。
こんな…一発で萎えそうな顔してるのにね?
「好きなんだけど」
「へ!?」
「だから、お礼、俺貰ってよ。結構使える方だから」
名前を出せば大抵の無理は通るし、上層部も俺の意向なら逆らわないことが多い。
そういうのを喜びそうにないけど、家事も普通にはこなせるし、夜のほうで満足させる自信もある。…男は初めてだけど。
「それに責任とってよ。幸せになっていいって言ったじゃない?」
「す、き…!?」
…どうやら、さっきの言葉がやっと脳に浸透したらしい。
でも、いきなり茹蛸みたいになって顔隠されるって。ひょっとして脈アリ?
「好き。あの時、ちょっとだけど、もういいやって思ってた。でも、イルカが…幸せになればイイって言ってくれたから。それに、助けてくれたし、優しいし」
ああ、こんなことなら、今まで口説かれた時に相手の話もっとちゃんと聞いとくんだった。
今正に混乱しているイルカに、俺の言いたいことが届くかどうか…?
後悔しても始まらない。
だが、言いたいことは言った。イルカは、どう答えてくれるだろう?
「…えーっと。ちょっと待てよ?触られた。別にそれはイヤじゃないけど、好き!?イヤ待て待て待て!拾ったとき思わず綺麗だなぁって思ったけど、何か変なこと言っててすぐ助けなきゃって思ったけど、それは仲間だからだし、抱き上げる時ドキドキしたけど、それは…綺麗な猫拾ったみたいなそんな感じのはずだ!」
「んー?思ったよりいい感触?」
どうやら自分の世界に入っちゃった挙句に自分の説得に夢中なイルカは、反応からして十分俺に興味がある。
好き、までは自覚していなくても、これから追い上げるには十分だ。
もう服は剥いちゃってあるし、そろそろ再開しようかと思って伸ばした手は、がしっとつかまれてしまった。
「あれ?でもさっき何かとんでもない物くれるって…!?ソコへ直れー!人は上げたり貰ったりしちゃいけないものです!」
「はぁい」
うーん。中々手ごわい。
でも、こういうのも楽しいかも。…いきなりよりも、ちょっとずつ距離を縮めて、他のを牽制しながらじっくりっていうのも、きっといろんなイルカが見られて楽しいだろう。
それに、さっきの言葉で、もう俺のことを懐に入れてしまったんだと分かったから、焦燥感はマシになった。
ま、二人して服も着ないで布団の上で正座って言うのはちょっと微妙なんだけど。
「返事は宜しい!…いいですか?お礼っていうなら、ちゃんと元気になる…ってもう元気だから、無理しないこと!あと…っしゅん!…さみぃ!」
「俺としては続きしたいけど、服着る?」
膝だけとはいえ触れる素肌の感触は心地良くて、開放を訴えている下半身事情としてはできればこのまま色々しちゃいたい。
それを押し隠して、部屋の隅に投げ飛ばしたイルカの服を引き寄せていると、しばらく固まっていたイルカが唐突に叫びだした。
「つ、続き!?そういえばさっき幸せがどうのって…!?」
…反応がすっごく遅いのは、忍としては色々心配だ。
ああでも、こういうことにとことん免疫がないんだろうな。
俺の手当をする手際といい、三代目にも式を飛ばしていたことといい、普段はちゃんとしてるんだと思う。
そこまで動揺してるのは、それだけ俺のことを考えてくれてるってことだ。
何事も前向きじゃないとね?
「うん。俺の幸せって、イルカの側にいることだと思うんだけど、ダメ?」
畳み掛けるようにそう言った。
そういえば、これが一番言いたいことだったかもしれないなぁ?
そんなコトを思いながらイルカを見れば、顔を赤くしたり青くしたりしてて、激しく動揺しているのが丸分かりだった。
そうして、うめき声を上げながら頭を抱えているイルカを前に、待つことしばし。
「…こういうのは、しばらく考えさせてください…。えーっと。でもその、居候くらいなら…」
「じゃ、今後とも宜しくお願いします」
「う。あの、よろしく…?」
どうやら、一応3日間の期限内になんとかできたみたいだ。
でも…イルカの釈然としないながらも照れたような顔を見ていると、多分それほど長くは待てないだろうなぁと思った。
*****
「カカシさん」
「なぁに?」
「降りて下さい。重いです」
「えー?でももうちょっと」
「俺は朝飯食いたいんです!」
イルカの腕枕からまるで、猫の子でも追いやるように落とされてしまった。
折角二人の体温で温かい布団の中でまどろんでいたのに。
「食べるもんしっかり食べて、それから…今日は休みだから二度寝するならそれからです!」
「りょーかい!」
ま、いつものことなんだけど、今日は二度寝していいって言ってくれたからよしとしよう。
…あれから、一晩寝て、そしたら、色々やっと脳に浸透したらしいイルカに「どうやら、俺、アナタのことが好きなようなんです!どうしましょう!?」なんてまだ混乱したまま言い出されて、そのまま盛り上がって色々シテ、でもまだ怖いって言うから最後まではお預けだけど、ちょっとずつ関係は進行中だ。
自覚したら途端に豪快に撫でてくれるくせに、照れたり、キスしただけでうろたえて真っ赤になったりするようになったイルカがいるから、帰ってこようって気にもなる。
今日だって、耳を真っ赤にしながら朝飯の仕度をしているイルカを眺めるだけで、胸が熱くなる。
幸せってこう言うことを言うのかもしれない。
自分の勘もまんざらじゃなかったなぁ。
こっちの気配を気にしすぎて味噌汁を沸騰させそうなイルカの側に急ぎながら、そんなコトを思う。
イルカは、俺の悩みなんか、どうでもいいって気にしてくれる。
豪快で男らしいその心と真っ直ぐな瞳で。
「ねぇ。好き」
「わー!言うなー!…お、俺も好きだけど!」
落とされそうな食器を拾って、それから振り回されているお玉も鍋に戻して。
俺は幸せになるために必要なものを…俺だけのイルカを腕の中に閉じ込めたのだった。


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