きれいな ひと。


粗品発見おめでとうございます!粗品でもいい。元気いっぱいに育って欲しい(管理人の妄想が) と思った方は、チラ見でもしていってください。


「あなたはきれいなひとですね。」
親しくもない人間に言われても、別になんとも思わないが。…ただ、少し意外だった。
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そこそこ面倒で、そこそこ疲れる任務。いつものことだが、こう連日任務続きだと、うんざりする。子どもたちは己の師を、 自分以外に求め、今里に残っているのはただ一人。家族など欲しいと思ったことなどないが、暖かく迎えてくれる誰かがいたら、 何かが変わるだろうか思いながら、重い足取りで自宅へ向かっていたところに…コレだ。
目の前の相手は相当酔っているようだ。顔色は普通のように見えるのだが、酒気を帯びた呼気が、辺りにどろっとした重ったるい 空気を運んできたように感じる。
カカシが返事をしないでいると、先ほどまでの、むしろ陶酔したような表情が歪み、急にいやみったらしい口調で話し始めた。
「お綺麗ですねえ。あなたはいつまでも自分が一番がんばらなくちゃいけないと思ってる。」
この中忍がこんなことを言うとは思わなかったが、絡まれる覚えがあるにはあった。以前、この中忍とは派手にやりあったことが ある。
…思い出してみると今でも腹が立つ。この中忍教師の方がずっと、きっとお綺麗な世界しか知らないのだ。
…どうせ相手も酔っている。多少やりすぎたとしても、酔っ払いの喧嘩だ。もちろんこちらから手を出すつもりはないが、 相手がこの状態なら、どうなるかわからない。疲れているのに面倒だが、幸か不幸かこういった手合いに絡まれることが頻繁にあるので、 むしろここらですっきりしておく方がいいだろう。
「で、いったい何の用なんです?」
どうせ酔っ払いの言いがかりでも続くのだろうと思っていたら、イルカはいきなりカカシの頭に手を伸ばし、髪の毛ごと頭をゴリゴリと 撫で始めた。酔っ払いは力加減を知らないらしい。痛いくらいの力で、もともとあまり綺麗に整っているとは言いがたい髪の毛を、 さらにぐちゃぐちゃにしてくれた。…また予想外だが、コレで納得したのだろうか。
「ほめてって言わなくても、みんなあんたのこと、すげぇっていって、勝手に祭り上げて、そんでもって、 あんたはそいつら全員守ろうとするんだろ…。知ってんだぞ。いまだにぐちゃぐちゃ朝っぱらから悩んでやがるの…。 なんだよ。いっぱい仲間とかいってるくせに、どーして一人でいようとすんだよ。むかつくんだよ…。」
イルカが回りきっていないろれつで、必死に訴えかけてくる。相当に酒臭い。だが、話しかけてくる間中、髪の毛をかき回す手が、 奇妙に馴染む。
「なんなのよ。あんた。」
戸惑いながらも声を掛けると、件の中忍はすっかり夢の世界に旅立っていた。
酔いのせいか、もともとなのか、体温の高い中忍は、しっかりカカシの頭を掴んだまま眠り込んでいる。
「へんなもの。拾っちゃった。」
なんだか一生手放したくないような気がする。勝手なこと言って、勝手に寝てしまったこの中忍に、どうやらうっかり惚れてしまったようだ。
 われながら趣味の悪さにため息が出るが、先ほどとはうってかわって、暖かい感情が己を満たすのを感じる。
耳元で盛大にいびきを掻き始めたイルカに、自然に笑みを浮かべながら、しっかりと担ぎ上げる。
このまま家に持ち帰るつもりだ。…明日この中忍がどんな顔をするのか楽しみだ。ぐだぐだに力の抜けたをイルカをそっと抱きしめてみる。
温かい体温に、気付いたばかりの思いだけでなく、別の欲まで煽られそうだ。らしくなく我慢しようとしている自分に驚きを感じながら、 この中忍は俺を変えかもしれないと思う。 「かーえろっと。」
明日はからきっと面白い毎日が始まる…。

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こねた。こんなところによく気がつきましたね。
お祭り記念粗品、第1号でございまするよ。

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