天然馬鹿夫夫列伝!

「アスマ先生、どうしたんですか?そんなに暗い顔して…」
俺がアカデミーの裏口に向かってた所に、とてとてとイルカが近寄ってきた。相変わらず中忍らしくねぇ朗らかな笑顔だ。
ちょっとねじ緩んでるようにも見えるが、めんどくせぇ事を押し付けられて腐った顔してたのが分かっちまったみたいだ。さすが受付嬢だな。
「あー…めんどくせぇこと頼まれちまったんだ。アカデミーの裏をちょっといったとこに、でかい沼があるだろ?そこで変な声がするから、 確認してこいとさ。」
「変わった任務ですねぇ。」
「任務じゃねぇんだ。確認だけだからな。イルカ…お前、今帰りか?」
小首をかしげて顎に手をやるイルカは、不思議そうな顔をしている。 それに、カバンも下げてるし、どうやら帰り支度はすんでるみてぇだ。これなら…。
「はい!お仕事が終わったし、今日はあの人、寄る所があるって…」
大体予想通りの答えが帰ってきた。これでめんどくせけことがちょっとはマシになったな。それにしても…そういや毎度毎度コバンザメ並に 張り付いてるのがいねえなんざ珍しいこともあるもんだ。まあ今回は返って好都合だな。
あれがいると…いろいろめんどくせぇからな…。
「珍しいな。まあいいか。ちょっと付き合え。」
「はい!アカデミーに近いならうちの生徒のいたずらかもしれませんし!そうじゃなくても危険かもしれませんしね!」
「話は早えぇな。行くぞ!」
にこにこしながら元気一杯に答えるイルカを引き連れて、俺は早速目的地に足を向けた。
***** 「で、どんな声なんですか?」
山道を歩いていると、興味津々な顔でイルカが俺の顔を覗き込んできた。キラキラした目で、わくわくしてんのが丸分かりだ。
…普段張り付いてるのがいねぇからいいが、もしアイツにこんな所見られたら確実にめんどくせぇことになるから、今回はツイてたな。
イルカはやたら探究心たっぷりだから、ちっと面倒なことになるかもしれねぇが、コイツが証人なら何も見つからなくてもサボったの何だのと 言われないで済む。こんな胡散臭い話で手間とらされてるっつーのに、いちゃもんつけられたら割りにあわねぇにも程がある。 一応イルカにも手伝わせるために、俺は今回の件を説明し始めた。
「そいつは…なんでも、山姥みたいな笑い方で、妙にかすれてるんだとさ。で、多分声からすると男らしい。」
自分で話しててもうさんくせぇ。ホントにそんなやついるのか…?まあもし敵忍の仕掛けだのたちの悪い連中のいたずらだのだったら、 それこそアカデミー生が危ねぇからしょうがねぇが。
「へー。そこまで分かってるならすぐにつかまりそうなのに…?」
「たまたま任務帰りに通りかかったヤツが気付いたらしいんだが、側に行ったら逃げ足が速くて捕まえそこなったんだと。 見っけたやつも一応中忍だったらしいから、一応俺が借り出されたんだ。」
イルカが納得いかねぇ顔するのももっともだ。コレだけ分かってんならそいつがさっさと捕まえりゃ良かったんだ。そうすりゃ俺がわざわざこんなトコまで 行かなくて済んだんだ。任務帰りの自分の息子捕まえて、こんなめんどくせぇこと押し付けやがって…。
俺がくさくさしていると、腕組みしたイルカが悩み始めた。
「うーん…?うちの生徒だとちょっとそれは難しいかなぁ…?」
「そうだな…。まあ年と実力は関係ねぇし、一応お前も確認しといてくれや。」
その中忍とかいうヤツが、よっぽど任務で疲れてただけじゃねぇかって気がするが、まあ一応想定しうる可能性は全部考慮に入れとくべきだしな。
どうせ動物の鳴き声とかだろうと思うが。
「はい!」
「…で、アイツはどうしたんだ?いつも…こう、ストーカーみてぇに引っ付いて離れないじゃねぇか?」
元気良く返事するイルカを見てると、いるかいねぇか分からん奇声の主より、そっちの方が心配になってきた。
アイツがイルカから離れてるトコなんて、一度だって見たことねぇ。
だが、この質問は失敗だった。
「何だかちょっと様子が変なんですよね…心配してるんですが、忙しいらしくって…。」
「悪かった…。まあそう落ち込むなよ。アイツのことだから、またなんか変な…あー…その、変わったこと企んでるんだろ?」
イルカは不安そうな表情で、今にも泣きそうだ。アイツは殺したって死なねぇから心配ないに決まってるんだが、イルカはいい意味でも悪い意味でも 純粋だからなぁ…。
俺が慌てて慰めてやっていると、イルカが急に瞳を輝かせて誇らしげに喋り始めた。
「すごいですよねぇ!カカシさん。いつも沢山いろんなこと思いついて…!俺には真似できないです!」
「…真似は、しねぇ方がいいと思うぞ…。」
どうも俺の発言がツボに入ったらしい。だが、任務以外のアイツの行動は大抵ちょっとずれてるし、イルカがらみだとそれが更に悪化して、 まともな行動なんざ見たことがねぇ。
それに気付かねぇで素直に尊敬っつーか…恋人なんてものやってるイルカの方も…大方まともじゃねぇんだろうな…。
生ぬるい瞳で、憧憬のまなざし?かなんかで、俺には見えないどっか遠くをみつめてるイルカを眺めていると、イルカの顔が急に正気に戻った。
「あれ?アスマ先生!何か聞こえませんか!」
「お?確かに…。あっちか?」
うっかり脱力しきってたが、そう言われてみると確かにごくわずかではあるが妙な声が聞こえてくる。俺は耳をそばだてながら気配を消した。だが…。
「静かに行きましょうね!」
イルカは能天気且つ期待に満ち満ちた瞳で力一杯大声を出してくれた。
「お前がな…」
幸い声が途切れることは無かったので、俺はため息を押し殺しながら、そっと声のするほうに近づいていった。
距離をつめるにつれ、じょじょにその異常な声が良く聞こえる様になってきた。
「イーヒッヒッヒ!イーヒッヒッヒ!!!」
「…何だ…!?」
明らかに異常な声だ。山姥っつーより、こりゃあ…魔女とかそういう系統の…でも確かにかすれちゃいるが男の声だな。一体何なんだ…!?
俺は予想外に危険そうな事態にイラつきながら、声のする方向を警戒した。明らかに尋常じゃねぇ声の主が襲い掛かってきたときに備えて、 俺がクナイを構えようとしたとき…イルカが嬉しそうな声を上げやがった!
「あ、カカシさんの声だ!!!」
「何だって!?」
カカシ…確かに酷くかすれちまっててわかりにくいが、そう言われりゃそうかもしれねぇ…!!!何だってアイツはこんなトコで… 妙な声で笑ってやがるんだ!?
「あれ?アスマ先生。ヒゲがかゆいんですか?」
「違う!…お前も…同類だからなぁ…。」
俺が顎を掻いているのが、かゆいように見えるのか…。どうやって中忍になったんだろうな?コイツ…。
俺が脱力してることなんぞどうでもいいらしいイルカは、すごい速さで声の主に駆け寄って、抱きついた。
「カカシさーん!!!」
「あ、イルカせんせ、駄目です!ぅっゴホッゴホッ」
「大丈夫ですか!?えと…のど飴です!」
「んっ!…あ、ありがとう。…でも、駄目です!近寄ったら…!」
「おめぇ!こんな所でなにしてんだ!?」
イルカを引き剥がそうとしてるカカシなんざありえねぇ!!!もしかして…敵の術か…!?
たいしたことねぇと思ってたっていうのに、なんだってこんなめんどくせぇことに…!!!
「あ!イルカ先生連れてきちゃったのお前か!このクマ!イルカ先生に風邪が移ったらどうするんだ!!!」
「はあ!?」
そういやごほごほいってんな。良く見りゃ覆面の上からマスクまでしてやがる。
…コイツもどうして上忍になれたんだかなぁ…。任務以外じゃ下忍以下だっつーのに。
「風邪引いてるのに、こんな所にいちゃだめですよ?もう修行は止めて帰りましょう!」
カカシの様子に血相変えたイルカが、カカシの腕を掴んで引きずっていこうとしている。
腐っても上忍のカカシの方も珍妙な格好のまま、ぐいぐい腕をひっぱって…その動きに合わせて覆面ごとマスクがずるずるずれては戻りずれては戻り… 一体何なんだ…?
一回決めると絶対に諦めないイルカが、しつこくしつこくカカシを引っ張るのに業を煮やしたのか、カカシの野郎がいきなり泣き崩れた。
「でも…でも…!イルカ先生に風邪が移っちゃう!」
よよよよよ…とどっかのお姫様みてぇな泣き方をするカカシは、風邪じゃなくても元々おかしい。まあ、さらに悪化してんのは確かみてぇだけどな…。
だがイルカの方も負けちゃいなかった。俺が脱力する隙も与えず、カカシを抱きしめて頬ずりしながら語りかけている。
「大丈夫!俺、すっごく丈夫だし、みんなからお前はえと?色々大丈夫だから風邪引かないよ。って言われてるんですから!」
「そうだったんですか!だったらこんな所で無理して笑ってないで、イルカ先生の側にいればよかったです…うっゴホッ…ふう…」
イルカは自信満々に言ってるし、カカシも納得しちまってるが…たぶんそりゃあバカは風邪ひかねぇって言いたかったんじゃねぇかなぁ…。
「ほら…帰りましょう!」
「はい!」
アホな会話が終了するのをうっかり眺めちまってたが、まだ問題は片付いちゃいない。
慌ててイルカに嬉しそうに引きずられて帰ろうとしてたカカシを呼び止めた。
「こら待てカカシ!…おめぇ…さっきのはなんだ?」
「え?クマ知らないの?笑うと免疫力が上がって、風邪が治るのが早くなるんだぞ!」
「だからって…こんなトコで…それにあの笑い方…」
最初はどっかの里からのろいかなんかをかけにきた刺客かと思ったんだぞ!
俺の方をきょとんとした目で見るカカシは、明らかに俺の話を理解できていない。どうやってコイツを矯正しようかと悩んでいる俺を尻目に、 イルカは不審そうな顔してるカカシを嬉しそうに抱きしめた。
「カカシさん!だったらうちに帰ってから一緒に笑いましょうね!」
「はい!一緒に!」
俺の話など無かったかのように二人そろって幸せそうに見詰め合うと、カカシはまたイルカに荷物みてぇに引きずられて帰って行った。
毎回毎回…何かある度に結構酷い扱いされてるよなぁ…。イルカの方は真剣に大切にしてるつもりらしいし、カカシの方もあれで幸せらしいんだが…。
「めんどくせぇ…。」
俺は、深い深い…それもはもう深いため息をつくと、さっさと風呂でも入って寝ることにしたのだった。

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お祭なのにそれっぽいものが思いつかなかったので、妙なモノをまず更新!してみます!!!
山も無ければオチもない…こんなもんでもお祭スタートです!!!

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