つやつやの、うちの子自慢は楽しいぞ!!

今日も今日とて収穫手伝いという重要な任務をこなした俺は、しっかりとおすそ分けを抱えて、家路を急いでいた。
今日の収穫はナスとトマトときゅうりだ!コレ使うなら、夏野菜カレーとサラダとかがいいかな?
って、そういえばカカシは辛いの平気かなー?犬は辛いのやっちゃだめだけど、カカシは一応人間だから大丈夫だよなー?でも俳優って声悪くなったら 駄目だよな?やっぱり辛いの駄目かなー?
…甘口にするか!…さて、肉はどうするかな…?
そんなことを考えながら歩いていると、目の前に見覚えのある懐かしい背中が見えた。
あ!肉!…じゃなくて、アスマ兄ちゃんだ!!!
「お帰りなさい!アスマ兄ちゃん!」
アスマ兄ちゃんは最近長めの任務についていたから、会うのは久しぶりだ。予定では昨日とかに帰ってきてたはずだから、そろそろ狙いに行こうと思っていたので、 丁度いい!!!
早速何か良いものを持っていないかチェックする。ここを通るってことは、きっと俺んちに行こうとしてたんだろうから、何かお土産があるハズだ!!! 楽しみだな!!!
「お、イルカ。ただいま。ほら!土産だ。…ちゃんと飯食ってるか?あと…めんどくせぇ事ぁなかったか?」
「大丈夫!」
アスマ兄ちゃんがでっかい手で俺の頭をうりうりしてくれる。髪の毛がぼさぼさになるけど、とおちゃんみたいで大好きだ!!!でも、 やっぱり子ども扱いな感じがする…。
…俺もいつかアスマ兄ちゃんみたいに、無精ひげとすね毛とかが似合う大人の男になるぜ!!!アスマ兄ちゃんはまだ10代なのに、全然そうは見えないし、 背もでっかくて、すっかりおっさんくさいもんな!!!やっぱりアスマ兄ちゃんは、男性ホルモン一番星だ!!!
…カカシは頭と他一部の毛は無駄にもっさもさのくせに、すね毛とヒゲは結構薄い。俺は…いろいろまだ全然だけど、カカシは多分、あのかあちゃんぽさからして、 女性ホルモンが出まくりに違いない!!!…いつか俺の方がもっさもっさになってみせる!!!
しばらくなでて貰っていたが、そういえばめんどくせぇコトっていうか、何かアスマにいちゃんに言おうと思ってたことがあったような…。
「あ!でも!」
そうだ!!!肉!じゃなくてカカシ!!!肉の前に大事な報告があったんだった!!!
「何だ?どうした?」
アスマ兄ちゃんが心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。やっぱりアスマ兄ちゃんはでっかいな…。でも、俺だっていつかはアスマ兄ちゃんを見下ろすぐらい でっかくなる予定だしな!!!ってそうじゃなくて、カカシだカカシ!!!
「仲間拾った!!!」
 とりあえず、要点はコレだな!!!忍たるもの、要点は簡潔に話せないとな!!!
「…あー。ソレ、ちょっと詳しく聞きてーなー…。」
アスマ兄ちゃんが青くなった。…疲れてんのかなー?寝てないとか?不摂生はよくないぞ!俺のスペシャル夏カレーをたべれば、お疲れモードなんか すっ飛ぶぜ!!!だから肉!買ってくれないかなぁ?
でもその前にうちのカカシについて熱く語っちゃうぜ!!!なにしろうちの自慢の犬、じゃなくて居候だからな!!!
「うん!あのね…」
*****
俺がカカシをどこで拾ったかとか、いろいろいっぱい話してるうちに、アスマ兄ちゃんがどんどん青くなっていったので心配していたが、なんか急に用事が 出来たとかで、急いで帰っちゃった。
…ああ、肉…。じゃなくて!一緒にご飯食べようと思ってたのになー。
最近俺の努力の結果、一段と毛艶のよくなったカカシは、見た目もより一層キラキラになって、そこそこ動ける様にもなったので、自慢するにはいいタイミング だったのに…。
…でも、お土産くれたから、ま、いいか!!!
お土産なんだろうなー?この間は桃だったんだよなー!今回は肉とか魚とか、たんぱく質系がいいなー。やっぱ、カレーにたんぱく質は必需品だしな!!!
アスマ兄ちゃんのお土産とおすそわけの野菜を手に、俺はほくほくしながら家の扉を開けた。
「ただいまーカカシ!!!いい子にしてたか!!!」
「あ、お帰り。…どうしたのよ、その大荷物?まさかまた…!?」
そこそこ元気になったカカシは、まだちょっとよろよろしてるけど、はしを持てるようになったので、弁当をおいておけば自分で食えるし、お土産の本とかも 例のブサ可愛い犬友に頼んで買ってきてくれるし、なかなかいい犬、じゃなくて居候だ!
変な本はどうでもいいけど、料理本は買うと高いから結構重宝してるんだよなー!!!レパートリーが増えるし。…今度はお菓子の本とかも欲しいな!!! カカシとブサ可愛い犬友に頼んでみようかな?
「ちょっと!だからコレどこでとってきたの!?野菜はいいけど、この包み紙って…変態じじいには近づくなと俺があれほど…!!!」
ああ、今日もかあちゃん風味カカシによる空腹時イライラ説教が始まったな。早く飯作ってやらないと!カカシは腹減ってるとなんでかなかなか吼えやまないん だよなー。
空腹になりやすいカカシがすぐに食えるように、一応飯を炊いておいたし、あとはさっさと野菜を切って、と。
…あ、その前にお土産なんだったのかな?肉かな???
さっそく高そうな包装紙に包まれた土産物をがさがさと開けてみた。
やった!!!牛肉!!!しかも結構沢山あるぞ!!!薄切り肉だから、カレーでもいいけど、…冷しゃぶもいいな!!!
アスマ兄ちゃんありがとう!!!さっすが上忍!!!いい男!!!無駄に男性ホルモン分泌してないぜ!!!
「よっし!今日は冷しゃぶな!!!サラダと味噌汁とかも作っちゃうから、おとなしく待ってろよ!!!あ、でもどうしても腹減ってんなら、そのトマト 食っていいよ!!!冷やした方がうまいけど、取れたて新鮮だぞ!!!」
カカシはまだ何か言いたそうだったが、飯を食わせてからじゃないと落ち着いて話も出来ないから、取り合えず無視して急いで台所に向かった。
ちょっと待ってろよ!!!カカシ!!!美味い肉食ったら元気でるから!!!お前のイライラだってすっ飛ぶぜ!!! 
*****
「パックン…。」
「あー。…三代目の息子からの差し入れじゃ。またお前に化けて買いに行ったわけじゃないから安心せい。…だがあの子どもはお前のことを、 三代目の息子に話したぞ。ずいぶん親しそうじゃったが。とにかく…早晩、迎えがくるじゃろう。…どうするつもりなんじゃ?」
イルカと暮らし始めてそろそろ1週間位たつ。イルカはその間に…女装した俺に化けて買い物に行こうとしたり(パックンがその身を犠牲にして止めた。)、 俺用の青い首輪を予約注文しようとしたり(これもパックンがその身を犠牲にして止めた。)、再びどこかの忍の任務予定表を盗み見たり (…パックンは止めてくれなかった。もう拙者は耐えられん!って言われると…無理は言えないしな…)…。
そんなこんなで、今、俺はイルカの恐ろしさを痛感している。…それ以外にも何かやらかしている様な気がしてならない…。
だが…いくらなんでも俺の帰還が遅すぎることに里も気付く頃だ。三代目の息子といえば、確か上忍だったから、イルカのめちゃくちゃな話し方でも 俺の正体がわかっただろう。
…潮時なのかもしれないな…。
「ありがと。…ちょっと、考えてみる。」
イルカの更生は全くもって進んでいない。なにしろまず人の話しを聞かないし、その前に倫理観というものが欠如している気がする。
…親がいなくなったのが早すぎたとは言えど…もともとの性格の方にもちょっと問題あるような気が…。それとも親もあんな感じだったんだろうか?
本を買い与えてみたが、興味があるのは料理の本ばかりで、肝心の道徳教育には全く感心を示さない。仕方なく読み聞かせを試みても
「カカシっていい声してるなー!!!今度じいちゃんとこでも本読んでよ!!!」
などとあさってなことを言って喜ぶ始末。
…どうしたらいいんだ…。四代目…。俺は……諦めてしまってもいいんでしょうか…?
「おー!?どうしたカカシ!暗い顔して!心配しなくても、ちゃんと飯出来たぞ!!!さ!モリモリ食え!!!」
でも!イルカは悪い奴じゃないんだ!!!こうやってちゃんと俺のことを介護してくれるし(当初は引きずられたりといった乱暴なところもあったが。)、 パックンのこともちゃんと気を使っていたし(ただパックンを見るとどうしても揉みたくなるらしくて、そのキラキラした瞳をみて、パックンが怯えているが。)、 任務にも熱心だし(早寝早起きで頑張っているし、毎日きちんと任務をこなしているとパックンからも聞いている。)、それに修行も一応自分なりにしている ようだ(見ている限りでは…ちょっと効果の方は怪しそうだが。)。
やっぱりこんなに中途半端で諦めたくない…!!!
「おい!カカシ!…元気ないな…?食え!とにかく食えばよくなるぞ!多分!!!アスマ兄ちゃんの持ってきた高そうな肉だぞ!!!」
「うぐ!…自分で食うから!!!」
「ぼーっとしてるけど、どうしたの?この部屋暑い?」
こうやって人のことが心配できる子なんだから、きっとこれからの教育でまともに生まれ変わることが出来るはずなんだ!…こうなったら…。
「イルカ…明日、一緒に三代目のところに行こう。」
「へ?良いけど。何?甘いもん食いたいの???」
「どうしてそうなる!!!…ま、いいや。飯食おう。」
今日の所は、イルカへの説明は諦めよう。コイツは俺が飯食ってるのを見るのが大好きで、俺が飯を食ってる間は幸せそうに俺を眺めている。 よって、飯の最中は、もともとほとんどない集中力が更に低くなるのだ。
…無意味な時間を過ごすより、飯を食ってから話した方が早いだろう。
「うまいか?!」
「むぐっ…。…うまい…おかわり頂戴。」
「おう!どんどん食え!!!肉はいいぞ肉は!!!」
明日絶対に三代目を説得するという決心を胸に、俺はイルカのすすめるままに飯をがつがつ食ったのだった。
*****
ピンポーン
「あれ?誰だろ???」
せっかく風呂を嫌がるカカシに苦労しながら、しっかりキレイに全身洗ってやって、洗い立てになった頭をもしゃもしゃして楽しんでいるというのに…。
「イルカ。忍だ。…知ってる奴じゃないの?」
「へー凄いなカカシ。なんでわかんの?」
「チャクラが…っていうかお前!…今度そっちも修行しような…。」
カカシの顔がおもしろいなー。あーそっか、チャクラか!ってこのチャクラ。…アスマ兄ちゃんじゃないかな?
うーん…肉かな?俺んちに肉持ってきた日は大抵飯食ってくもんな!!!
あ、でも結構カカシに食わせちゃったからもうあんまりないなぁ…。腹減ってるとかわいそうだからって口にねじ込みすぎたかな…?
そうだ!近所のおばちゃんにもらった卵があるから、それでなんか作るか!!!そうと決まったら、さっさと部屋の中に入ってもらわないとな!!!
「アスマ兄ちゃーん!!!卵丼でもいい?オムライスもできるけど!!!」
扉を開けると、相変わらず顔色の悪いアスマ兄ちゃんが立っていた。急ぎの用事を片付けて駆けつけたのに、肉がないからショックだったのかな…? 悪いことしちゃったかも…。
「肉、ちょっとならあるんだけどさ、もう結構食っちゃったから、なんかおかず作るよ!えーと…ごめんね?あーでも、卵あるから!!!」
すぐ卵料理作んなきゃ!!!…あ!でも…!
アスマ兄ちゃんはよく肉を持ってきて食わせてくれるし、食っていく…つまり、アスマ兄ちゃんの男性ホルモンの源はきっと肉だから、摂取量が少ないと 無精ひげが減少したり、すね毛が薄くなったりしちゃうかな…?どうしよう…?そんなのアスマ兄ちゃんじゃない…!!!
俺が一生懸命アスマ兄ちゃんの毛を心配しているというのに、アスマ兄ちゃんはうちのカカシと何故かにらみ合っている。
さしずめ…とおちゃんVSかあちゃんか…。
これはきっとかあちゃんが勝つな!!!夫婦喧嘩はいつだってかあちゃんが勝つもんなんだって、昔とおちゃんもいってたし!!!ちょっと楽しみだ!
「…アンタ、誰?」
「…こっちの科白だ!っと…その前に。イルカが、その、迷惑っつーかなんつーか…。」
「あー。うん。そうね。…取り合えず、飯、食ったら?イルカの飯美味いし。」
「…ああ。」
なんだよ?仲良いじゃん。つまんないな…まああんまり派手に喧嘩されちゃうと困るんだけどさ。家壊れたら他に行くとこないし。それに肉が…じゃなくて、 犬友が…でもなくて。
…仲がいいのはいいことだな!!!
「アスマ兄ちゃん!卵丼?オムライス?そうだ!卵焼きもできるよ?」
でも、ふわふわ卵焼きのレシピをカカシの買ってきてくれた本から学んだばっかりだから、試してみたいんだよなー!選択肢は3つに1つってことで、 ごめんねアスマ兄ちゃん!!!
「あ、ああ。そうだな…卵ど…」
「卵焼きだね!!!すぐ作るから!!!」
よっし!!美味いのつくっちゃうぞー!!!っつても初めて作るんだけどな!!!
俺はアスマ兄ちゃんの腹を満たすべく、急いで台所に向かった。なんかカカシとアスマ兄ちゃんは話しが合うっぽいから、取り合えずほっといてもいいよな!!!
*****
「アンタも、なの?」
「あー。その。…まあ、な。」
コイツは確か…さっきパックンの言ってた三代目の息子だな。顔は知っている。確か年は俺とそんなに違わなかったはずだが…無精ひげがおっさんくさいな…。
しかもどうやらコイツもイルカにカモられているようだ。…イルカ…お前はどうして…。
「あー…めんどくせぇ…。」
口調もおっさんくさいのか…。この年でこうじゃ将来どうすんだか…。ってソレはどうでもよくて!そんなことより…
「で、アンタが三代目の伝令?…にしては…。」
「頼む!アイツがやったって…黙っててくれるか…?」
何なんだコイツ。いきなり?土下座って?
「アイツは…悪気はないんだよ…。ちょっと、いやその、常識がないっつーかな…。俺も出来るだけ教育しなおそうと思ってるんだが、 …なにせ任務がな…。いや、言い訳だなこれは…。とにかく!俺のいない間に迷惑かけて悪かった!」
教育者候補がここにも…!!!イルカ…お前って…。でもそうか、ちゃんと教育担当がいるんなら、もう後はコイツに任せとけば良いのか。
「あー俺も、そう思ってさ…。アイツ、このまんまじゃいつかとんでもないコト、するよね…。」
「…お前もか…。」
嫌な感覚共有してるよな…。会ったばっかりだけど、うっかり親友になれそうだよ…。
「俺は…もうすぐ里を出るんだ…。」
「はあ?何堂々と里抜け宣言してんの?!」
教育者候補の癖に何言い出してんだコイツ!?…まさかイルカから逃げるために…!?
「違う!…任務っつーか。その、アレだ…色々あるんだよ…。ちょっと今回より長めってだけで…。また戻ってくる。」
「あ、そ。…まあいいけど。…じゃあその間アイツは、野放し?」
「…うぅ…。」
「どうすんのよ?」
「どうしような…?」
暗い雰囲気が辺りを包む。
…コイツも頑張ったんだろうな…。焦る様子からしても、真剣にイルカを何とかしようという強い決意が感じられるし、この凹みっぷりからして、 尻拭いは初めてじゃなさそうだ。…そしてイルカは相変わらずと…。
…四代目…俺、どうしたらいいんですか…?
*****
「アスマ兄ちゃん!!!お待たせ!!!」
ふわふわ卵焼きはほんとにふわっふわに仕上がったぜ!!!さっすが俺!!!
俺が満足感溢れる笑みとともに、ちゃぶ台に残った冷しゃぶとサラダと大盛りご飯と味噌汁とふわふわ卵焼きをのせたのに…なんでだ?アスマ兄ちゃんってば、 食いかけのアイス床に落っことしちゃったみたいな顔して。
「どうしたの?」
「あーうん。腹へっててな。」
「あ!ごめん!はい!一杯食べてね!!!」
アスマ兄ちゃんそんなに腹へってたのか!!!それならモリモリ食わせなくては!!!アスマ兄ちゃんもなかなか飯の食いっぷりが良いから、食わせるの 楽しいんだよな!!!
「いただきます。」
アスマ兄ちゃんは相変わらず暗い顔のまま、俺の作ったふわふわ卵焼きに、はしを伸ばした。…味付けとかどうかなー?結構頑張ったんだけどなー?
「…美味い。ありがとな。」
アスマ兄ちゃんはついつい口元を凝視する俺にそういって、また俺の頭をうりうりしてくれた。えへへ!やったぜ!!!でもなんでそんな悲しそうなの???
あれ?…カカシまで暗い顔してる…。そんなに腹へってたのかなぁ?飯足りなかった?…あ!そうか!!!
「ちゃんとお前が一番だよカカシ!!!」
ちょっとアスマ兄ちゃんに飯を与えたからといって、カカシのことをないがしろにしたつもりはなかったけど…カカシは寂しかったんだな!きっと!
拗ねるな!拗ねるな!かわいいやつめ!!!なんかびっくりした顔もおもしろいぞ!カカシ!!!
ふさふさ頭をしっかりうりうりしてやる。あ、でも!もしかしてアスマ兄ちゃんにもなでて欲しかったのかな?!
「…アスマ兄ちゃんにもなでてもらう?でも!!!もうカカシはうちのこだから他所にいったらだめだからな!」
アスマ兄ちゃんのでっかい手うりうりはかなりの気持ちよさだからな!…でもせっかくうちの子になったのに、アスマ兄ちゃんにばっかりなつかれちゃう と悲しい。
「なんでだー!!!!!」
「あーすまん…。」
なんでか怒ったカカシに、アスマ兄ちゃんが謝った。なんでだ?
ま、いいや。カカシの頭はさわり心地良いなー!俺の飯と手入れのおかげだな!!!つやつやふわふわ!!!自慢の毛並みだぜ!!!
…あ!そうだよ!!!アスマ兄ちゃんに自慢するんだった!!!!!
「アスマ兄ちゃん!ちょっとここでまっててくれる?」
「あ、ああ。どうした?」
「へへー!!!すっげーいいもんみせちゃうぜ!!!」
なんてったってチョイスバイアスマ兄ちゃんの浴衣着用だ!きっと喜ぶぞ!!!
あ、でも浴衣売ってなかったのばれたら怒られちゃうかなー?
ま、いいや!
*****
「で、いつからああなの?」
「いつからといわれると、…ずっとああだとしか言えねぇが…。」
「…どうするつもりなのよ?」
「それはてめぇもだろうがよ!暗部の癖にこんなとこでなにやってんだ!!!」
「怒鳴んないでくれる?!俺だってどうせチャクラ切れで拾われるんなら、もっとさ…普通の…。」
「…悪かった…。」
イルカはなにかをとりに行って帰ってくる前に、アイツの生活環境を知りたいと思ったが、おっさんくさい三代目の息子からはろくな情報が得られなかった。
…ずっとって…何の救いにもならない…。
「アスマ兄ちゃん!!!お待たせ!!!」
暗い顔を見合わせてため息をつく俺たちの元に、相変わらず無駄に元気なイルカが戻ってきた。?手に何かもっているみたいだけど…?紙切れ?
「へへー!!!アスマ兄ちゃんきっとびっくりするぞー!!!」
「…あ、ああ。見せてくれるか?」
不穏な空気に三代目の息子が冷や汗を流している。イルカは気づかずに嬉しそうに手に持っていた紙切れを見せようとしている
…ってちょっとまて!!!今チラッと見えたけど…ソレ!!!いつの間に取りやがった!?
「待て!イルカ!それ、早くこっちによこしなさい!!!」
「なんだよカカシ?…あ、そーか!照れるなって!すっげえキレイだぞ、カカシ!!!」
そーいう問題じゃない!!!暗部をなんだと思ってやがる!!!っていうか女装写真を喜ぶ馬鹿がどこにいる!?
「早く!!!」
「ちぇー…。いいじゃん。カカシのけちー。」
どうにかイルカから写真をひったくることに成功した。すばやく火遁で証拠隠滅を図った。…後でネガも回収しなくては…!!!
「あ、すまねぇイルカ!ちょっとな、用事思い出しちまった…。またな!!!」
俺が大慌てしている間に、おっさんくさい三代目の息子が慌てて荷物をまとめて玄関に走った。…逃げるつもりか!!!
「えーアスマ兄ちゃん。もう帰っちゃうの?…一緒に寝ようよー。…せっかくとおちゃんとかあちゃんの川の字作戦が…」
イルカがあわてて引き止めているが、…小声で何か変なこと言ってたような…。とにかく!…そう簡単に逃がすか!!!
「アスマにいちゃーん?…逃げる気か…?」
サッとワイヤーで足首を縛り付けてやった。…チャクラが回復してなくてもコレくらいのことは出来る。…こうなったら一蓮托生だ!!!
「おーすげー!!!カカシって多芸だよなー!!!それも舞台で使うの?」
イルカのあさってな発言はこの際スルーだ。
「…てめぇ。そんだけ戻ってんなら早く現場復帰しろよ…!箒頭!!!」
「…ならてめぇがイルカがアホなことすんの止められんのかよ…!老け顔!!!」
こそこそとイルカに聞こえないように罵詈雑言の応酬をしていると…何故かイルカがキラキラした目で俺たちを見つめだした…。
…お前、何を期待してるんだ…?
「あ、風呂沸かし直してくるね!あと布団も引いとくから!ごゆっくり!!!」
何なんだその科白は!!!お前は見合いのやり手ばばあか!?
「まて、イルカ!!!俺は!」
おっさんが慌ててイルカを止めようとした。が。
「負けるなアスマ兄ちゃん!!!結果が見えてる勝負でも、男なら最後までファイトだぜ!!!」
何故かおっさんにエールを送ったイルカは、いそいそと風呂場に走って行った。
「…。アレは…?」
「…そんなもん知るか…。」
*******
いやーほんとにいいもん拾ったな!!!ふさふさつやつやでさわり心地最高だし、犬友触り放題だし、料理のレパートリーは増えるし、 飯食うところも見放題!!!
しかも…今日はアスマ兄ちゃんをすばやく捕獲してくれた!!!
おかげでアスマ兄ちゃんと一緒に風呂に入れて、毛の具合も十分観察できた!!!
それに、布団もちゃんと川の字になるようにくっつけて敷いて、真ん中に俺が寝ることにも成功した!!カカシもアスマ兄ちゃんも遠慮深くてよかったな!!! みんなで一緒に寝るのって何か良いよな!!!
しかも!明日はカカシと一緒に三代目のところにお出かけだし、すっごく楽しみだ!!!
お菓子ももらえるし…もちろん自慢もしまくるぞ!!!今日は照れ屋なカカシに取られちゃったけど、写真はまだまだ一杯あるしな!!!
今日もいいものを拾ったことに満足しつつ、明日の予定に思いを馳せながら幸せな眠りに着いた俺なのだった。

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アンケートの勢いに乗せられてみました…。
…こんなんでましたけど…。だいじょぶでしょうか…?
ああ、ごめんなさい…!!!

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