性格の悪いカカシ注意!それと、隠さずに微エロ(あくまで当サイト比。)がありますので、苦手な方はご注意下さい!!! いつも通り中身は…ないんだ…。すみませぬ…!!!そして無駄に長め…orz。くれぐれもー…ご無理はなさらずー…。 「泣くか笑うかどっちかにしなさいよ。」 勝手に人の上に乗っかってるくせになんていい草だ! 「人を…散々心配させといて…!」 腹立ち紛れに拳を振るう前に、無造作に自分の服を脱ぎ捨てていく。 「なら、いいでしょ?」 興奮を隠そうともしない顔と食いつかれそうな瞳に気圧されて、言いたいコトは山ほどあるのに一つも形にならないうちに口を塞がれた。 最近碌に寝ていない。そのせいで天職だと確信している教職でさえ下らない失敗を繰り返して…。 …ソレも全部コイツのせいだ。力が入らないのも、涙腺が緩んでるのも、全部。 ソレを勝手に了承と取ったか…いや、多分俺の意思などどうでもイイと思ったんだろう。 殺気じみたチャクラを身に纏った男は、戦闘時も斯くやというすばやさで、俺の身体を暴いていった。 ***** 俺の懐に強引に住み着いた男は…性格は最悪だけど実力は随一だ。 だから帰還が伸びるなんてことはめったになかった。 これまでは…。 それが帰還予定日より1週間すぎても帰還所か式での連絡さえ届かなくて…胸をちりちりとやく不安をやり過ごしている内に、1月がすぎて…。 心配なんてもんじゃなかった。 勝手にかけられた術…だか呪いだかしらないが、とにかく俺が死んでないから生きてるってことだけは分かってたけど…。 それでも、1月なんて期間は任務中に何かあったっていうのが確実で…敵にとらわれたか、若しくはなんらかの事情で身動きが取れないか、最悪…敵の術中にでも落ちてクグツにでもされているか…。 想像できる可能性はどれもろくなものじゃなくて…我ながらどうしてここまでと思うくらい心配した。 あんなやつを。 …口にするのは勝手なことばかりで、自分の意志を通すためには自分の身体すら平気で犠牲にしかねない馬鹿な子どもを…。 三代目が教えてくれた所によると、勿論応援…というより任務がカカシにとってはそれ程高くないAランクだったから、むしろ追跡に近い形で暗部が放たれたらしいが、結果は捗々しくなかったからなおさらだ。 抜けるにしても俺を連れて行かないってコトはないだろうから、その辺は欠片も疑いなんてなかった。でも、あの俺に異常に執着している男が、ココまで帰還を遅くするなんて相当だ。 それでも、俺にできるのは待つことだけだってことくらい知っていた。 教職を放り出すわけには行かない。それになにより実力からして俺が行っても、役には立たないのが分かっていたから…。 耐えて耐えて、耐え続けて…美味かったラーメンも砂を噛むような味に変わり、浅い眠りの後に訪れるのは決まって悪夢で…我ながらココまで弱るコトに情けなさと恐怖を覚えた。 こんなに、アイツに依存していたなんて。 そして、その影響は日常…アイツのいないそれにさえ影響を与え始めていた。 「なぁイルカ。お前、ソレ捨てていいのか?コピー取るって…」 「え?あー!?」 手元にあったのは確かに今度の授業で使おうと作成したプリントだった。 大半がゴミ箱に放り込まれている。…それもくしゃくしゃになって。 それなのに捨てた記憶所か、プリントを完成させた記憶さえ残っていない。 ゴミ箱から慌てて拾い上げて皺を伸ばしていると、同僚がため息混じりに手伝ってくれた。 「なぁ…最近お前おかしいぞ?ちゃんと食ってるか?寝てないだろ絶対!」 呆れているのもあるが、どっちかっていうと心配されてるんだと分かった。 当然のセリフだろう。こんなコトをしでかしては…。 寝ていないのは確かだ、多少寝なくても耐え切れるだけ鍛えていたつもりだったが、もう待ち続けて大分になる。 自分で気付かないうちに限界が来ていたのかもしれない。 「あー…すまん。」 自分の喉から吐き出された声が思ったより掠れていて、どうやらこんな所にまで影響が出ているらしいと情けなさにため息をついた。 「謝るんじゃなくて!…原因はなんだよ?俺じゃだめなら誰か呼んでくるから!」 言えない。そもそも任務期間のを勝手に喋って、不平不満を吐き出すついでに俺を押し倒してきた男のせいで知ってはいるが、本来なら任務内容だけでなくその期間も機密だ。 特に今回はどうやら極秘だったらしい任務だ。いつが帰還予定なのかを知っているのは上層部と俺だけのはず。 7班の子どもたちも修行の予定を配布されて、任務は合同任務が続いているから、不満はあっても疑問は持たないでいる。 だから、こんな顔をしているわけにはいかないのに…。 「すまん…。」 謝ることしか出来ないくらい自分の頭が回らなくなっている。 そのコトにやっと気がついた。 「あーだからさ。…いいたくないならいいけどな?無理すんなよ?」 「ああ…。」 「酒、付き合ってやってもいいけど、今はちゃんと寝ろ。あとは俺がやっとくから。」 結局。そういう同僚にプリントをテキパキと奪い取られ、取り返そうとした手に他の同僚がカバンを押し付けて、職員室にいた全員が無言のまま俺を追い出した。 「「「いいから寝ろ!」」」 その一言だけ打ち合わせたように言いつけて。 ***** 帰ってきて、食事する気にもなれなくてぼんやりとベッドに横になった。 眠りは訪れない。いっそ薬でも使おうかと思ったが、そんなコトより腹が立ってきた。 あの馬鹿は、勝手なことばっかりするくせに、こんなに心配かけて…! やたら俺に執着するくせに、自分のコトはどうでもいいみたいに扱うあの馬鹿のせいで、俺はめちゃくちゃだ! 行方知れずになった地点だのなんだのは幸い三代目から聞いている。…三代目の温情というより、恐らく出発寸前まで駄々を捏ねていた男に脅しでもされたんだろうが、この際利用しない手はない。 実力の差…そんなこと分かりきっていたつもりだったのに、それでも焦燥感で焼ききれそうな頭は納得してくれなかった。 明日の休日前にこのまま出立して、最悪有給も使えばいけるはずだ。 これからの段取りが頭の中で組みあがっていくのを止められない。 暗部が向かってそれでも捉えられなかった足取りを、俺がたどるなんて無理だと分かっていても、気がついたら三代目の執務室へ飛び込んでいた。 「…来たか。」 いきなり現れた俺を待ち構えていたかのように、里長は平然としていた。…どこか諦めにも似た表情を浮かべて。 「分かっていたんですね。…なら、行かせて下さい!」 自分でもとんでもないことを口にしてるってコトは自覚してた。 休みを使うとはいえ与えられた仕事を放り出して、しかも私事のために飛び出すなんて認められるはずがない。 だが、それでも黙って待っていることなんか出来ない。あの馬鹿のことだから、きっと碌でもない目に合っても、飄々としてるだろう。だが、それに俺が耐えられない。 ぞっとする想像で頭を一杯にして、ただ待ってるだけなんて俺に出来るわけがない。 「ならん。」 「…どうしても…?」 やはり、止められた。なら、あの地点に近い所の任務を今からでも探し出して…。 もはや暴走と言える状態の己を止められない…というより止める気にもなれず、そのまま執務室を飛び出そうとした俺を、三代目が止めた。 「捜索は打ち切った。お主を送っても…今更…」 捜索を打ち切った…それが意味するのは…里は、生存の可能性を捨てたというコトか。 「あの人は生きています!」 思わず叫ぶようにそう口にしていた。 根拠の無い妄言と取られると分かっていても、黙ってなんかいられない。 …禁術のことは言えない。言えばいくら高名な忍びといえど処罰が下るだろう。 その事実に歯噛みした。 根拠がなければ撤回も出来ない。やはり自分が向かうしか…! 「そんなに思いつめた顔をするでない。…だれもアヤツがしくじったなどと言ってはおらん。詳しいコトは言えんが…生きているというのなら、戻ると信じて待て。」 随分迂遠な言い方だが、この口ぶりは裏に何かある。そしてソレを匂わせてくれたのは三代目の温情だ。頭に血が上っていた俺でも、三代目の言いたいコトは分かった。 アイツが帰らない理由が分かっているから、捜索を打ち切って…そして、多分アイツは自力で帰還することが出来る状態にあるってことだ。 ソレが飲み込めてからやっと…俺に向けられる三代目の優しい瞳に気がついた。 何を、やっているんだろう俺は。 「はい…。」 事情は結局分からない。…苦しさがにじみ出てしまったが、何とか返事はできた。 それにこの分だとアイツが生きてるのは三代目も把握済みってことだから、少しは安心できた。ちゃんと帰ってくると三代目が保障したも同然だから、俺にできるのは待つことだけだ。 そのまま踵を返そうとした俺に、三代目が一言だけ呟いた。 「すまん。」 「え…?」 謝られる理由が分からない。任務を振り分けたことに対してだとしたら、それを俺が恨むのは筋違いだ。…俺も、アイツも忍びだから。 むしろ謝るならこっちの方だと思うんだけど。 「…帰って休め。その様な顔をしとったら、帰ってきたアヤツに何をされるかわからんぞ?」 さっきの深刻そうな声と打って変わって、からかうような口ぶりで三代目がにやりと笑った。 「か、帰ります!…その、申し訳ありませんでした!」 色々ばれてるのは知っていたが、実の祖父のように接してきた人にからかわれて猛烈に恥ずかしくなって…俺は思わず家まで一直線に駆け出していた。 ***** 家に帰って、とりあえず命に別状はないと思えた分脱力した。 そのまま寝てしまおうと思ったが、全力で走った分汗もかいたし、最近色々おざなりだったから身づくろい位ちゃんとしておこうと風呂に入って…それから、着替えをとりに行くのも面倒で適当に腰にタオルだけ巻いてベッドに倒れこんだ。 「心配ばっかりかけやがってあの馬鹿…!」 きっと悔しさのせいだ。こんなに視界がにじむのは。 …待っていることしかできないのが辛いからじゃない。 自分にそう言聞かせて、枕に顔をうずめた。匂いなんてもう残っていないはずなのに、少しだけ落ち着く自分が情けない。 このままじゃ風邪を引くと思っても、とりあえずの無事を確約された安堵と状況が分からない不安とで、すっかり力が抜けてしまった。こぼれる涙が頬を伝うにまかせ、しばらくボーっと天井を眺めていた。 …それから、疲れのせいもあってか気づかぬ内にうとうとしていたらしい。 すさまじい殺気に目を覚ますコトになったから。 ***** 「あんたねぇ?俺がいない間にナニやってたのよ!何この格好!」 「あ…!」 枕元に仕込んでおいた暗器を取り出す間もなく、殺気の元が俺の上に乗っかっていた。 ドスの効いた低い声も、一方的な文句も殺気も…たしかにさっきまで酷く俺が心配していた男のものだ。 帰ってきた。帰って来てくれた。 気がついたら涙が溢れていた。 「泣くか笑うかどっちかにしなさいよ。」 呆れたような声が俺に降り注ぐ。 ため息なんかつきやがって…!勝手に人の上に乗っかってるくせになんていい草だ! 「人を…散々心配させといて…!」 腹立ち紛れに拳を振るう前に、無造作に着ていた服を脱ぎ捨てていく。 当然、俺の身体を唯一覆っていたタオルなんてとっくに影も形もない。 適当に放られたこの男の服と一緒に部屋のどこかに飛ばされてしまったんだろう。 任務明けはいつもこっちがおかしくなるくらい求められる。 だから…俺が心配しすぎて限界だったのと同じくらい、コイツも限界だったんだろう。 ただし、別の意味で。 「なら、いいでしょ?」 興奮を隠そうともしない顔と食いつかれそうな瞳に気圧されて、言いたいコトは山ほどあるのに一つも形にならないうちに口を塞がれた。 最近碌に寝ていない。食事もあまり進まない。職員室からも追い出された。 …ソレも全部コイツのせいだ。力が入らないのも、涙腺が緩んでるのも、全部。 ソレを勝手に了承と取ったか…いや、多分俺の意思などどうでもイイと思ったんだろう。 殺気じみたチャクラを身に纏った男は、戦闘時も斯くやというすばやさで、俺の身体を暴いていった。 ***** 三代目はコイツがこんな状態だと知っていたから、いきなり謝ってきたんだろうか? 事情を知りたいのにせわしなく俺の身体をまさぐるカカシのせいで思考がまとまらない。 「んっ…っ!アンタ一体ナニやってたんだ…!」 「いいから、黙って。終わってから。」 言葉少なに俺を制し、代わりに強引に身体をひっくり返された。 四つん這いにされて、まるで獣のように背後からのしかかってくるカカシは、すっかり理性を手放している。…まあいつものことだが。 だがこのままおとなしくやられてやるつもりはない。帰還が遅れたのは…任務だから仕方がない。 …だが、帰ってきたのにこんな態度は許さない! 「こっの…馬鹿!」 怒り熱心に背中に舌を這わせながら、性急に後孔に指をしのばせ、押し広げている。 夢中になっていた男の頭に、振り向きざまに拳を振るった。 がつっといい音がして、流石のカカシも軽くよろけた。 今ならいける! ふらついたその隙を突いて、逆にカカシを下に敷いてやった。 「いったー…。」 表情を見る限り大して答えた風ではないが、殴ったことで飛んでいた理性が僅かに戻ってきたようだ。さっきのように狂気じみた気配が僅かに緩んでいる。 「いいか!帰って来たらなんていうか知らないとは言わせないぞ!」 ここぞとばかりに怒鳴りつけたが、やはりまだコイツの頭は煮えているようだ。 「…ああ、上の方が良かったの?そういえばアンタも溜まってるよね?」 …このセリフはいただけない。…だが、体勢のせいで丁度尻に当たるカカシのモノがしっかりと主張していて…。収まりがつかない状況なのはよく分かった。 「…後で、絶対言わせてやるからな!」 すっかりその気になったコイツのいうコトを聞かせるために、マウントを取ったまま反り返ったソレを後ろ手につかんでやった。 …それでも視線は外さない。そんな隙は見せられないから。 「んっなに?どうする気?そのまま入れるのは流石に慣れてても…」 「う、うるさい!ちょっと黙ってろ!」 恥ずかしげもなくよく言える! 憤りは隠せなかったが、この体勢は自分に有利だ。後ろを取らせれば確実に主導権を奪われる。 …なら、ここまま一回抜いてしまえばいい。 それを握ったままの手で擦り上げながら、挑発するように腰を上下にゆすってやった。 「あっなにそれ、ちょっと反則でしょ!」 主導権を奪われたコトに喚いてはいるが、手を伝う先走りがこんな妙な体勢での刺激でも快感を拾っていることを教えてくれる。 俺だって、いつもいつも…やられるばっかりじゃない! 眠らせていた征服欲がむくむくと頭をもたげ、俺は一層カカシの快楽を追うコトに集中した。 「いいから黙れ…!っん…」 気合を入れて刺激を続ける俺に、カカシの手が伸ばされて…。 「アンタも気持ちよくなってる。…なら、いいか。」 にやりと笑って、仕返しでもするつもりなんだろうか? カカシの手俺のモノに絡みつくように包み込んできた。 当然、俺が腰を揺らす度に震えがくるような快感が走る。 「さっさと…イけ!」 「一緒ならいいよ。…ほら、そろそろでしょ…?」 互いが互いの零す欲望の証に手を汚しながら、やけになって俺は腰を振った。 絶対逃げ切ってやる! 中を抉られているわけでもないのに、快楽にゆがんだカカシの顔に妙に興奮した。 …まるで入れられているみたいに。 「っー…!」 「んあっ…!」 意地になって、それでも与えられる刺激に耐え切れず、ほとんど同時に達していた。 「あーもう。酷いじゃない…!」 俺は気付かなかったけど、カカシは自分が先にイったのに気付いたらしい。 「うるさい!ちゃんと説明しろ!」 大声で怒鳴る俺の腰を未練たらしくカカシが撫でていくのを振り払い、怒りの視線で睨みつけてやった。 「ま、いいけど。」 あからさまに面倒くさそうにふてくされるカカシの上に乗ったまま、俺はもう一度怒鳴りつけてやった。 「いいから…さっさと話せ!」 ***** 「…ってこと。」 「はぁ!?」 「だから、ジジイに嵌められたの…アンタも俺も。」 聞いてみれば心配したのが馬鹿らしくなった。 …要は、カカシに与えられた任務は2つあったのだ。 「最初はアンタにも言ってった、ただのAランク任務だけだったってのに…!」 ふてくされるのも無理はない。 カカシ曰く俺に会うために、任務を期間の半分で片付けたあとだというのに、無常にも里長から別の…それも限りなくSに近いAランク任務を与えられたというのだから。 「そんなの…言わなかった…!」 三代目はそんなこと一言も言ってくれなかった。…ただ、これであの時謝った理由が分かったけど。 守秘義務…という以上の何かがあったんだろう。 隠し切れない悔しさと、何とか納得しようと葛藤する俺を見かねてカカシはサラッとなんでもないことのように任務内容を語った。 「詳しくは言えないけど。俺を木の葉からも隠す必要があったから。失踪したってコトにしとけば問題ないでしょ?」 …大体の想像はついた。恐らくターゲットが身内だったってことだろう。 そのために、万が一にも漏れないように、俺にすら連絡をしなかった。 事情が分かれば納得はした。本当なら知らせて欲しかったが…三代目は恐らく里長としてでなく、祖父代わりとして俺を案じたんだろう。 敵の情報を知っているってだけで、俺は狙われかねない。ましてや内部につながりがあるものならどこでソレが漏れるか分からないのだから…。 三代目としてはそもそもカカシに近い人間だってことで既に色々目立ちすぎている以上、余計なリスクを避けたかった。…ってことか。 「あーもう!あの爺知っててイルカに言わなかったな…!?式飛ばさなくても爺ならイルカに伝えてくれると思ったのに!」 吼えるカカシはどうやら三代目の配慮を当て込んでいたらしい。 だが…三代目が配慮したのは俺の不安を取り除くことより、身の安全だった。 まあ、この怒り狂っている様子からしてもしかしなくても今一番危険なのは俺なんだけど。 不穏な気配は収まりそうにもない。むしろどんどん酷くなっている。このままじゃ隣近所に迷惑なのは明白だ。 「落ち着け!三代目は三代目なりのお考えがあって…」 俺のいいたかった言葉は全部口にすることが出来なかった。 「もういいでしょ?我慢できない。」 それは分かっている。…カカシがさっきのだけで満足するほど淡白なわけがない。というか、今回のイラつき具合だと俺はきっと…! 「馬鹿!いいから落ち着け!」 「落ち着いてるよ。…ああ、そうだ。俺結構頑張ったんだよねぇ?ホラ、怪我もしてないでしょ?」 「あ…!」 つかまれた手で触れさせられたのは、何度見ても目を奪われる完璧な肉体。羨望よりも安堵するあたりが、俺も終わってると思いながら目をそらすことが出来ない。 「だから、ご褒美頂戴よ。」 その身体だけじゃ飽き足らず、強請る声すら甘い毒を含んで…俺を誘う。 早く堕ちて来いと。 それなのに、一番胸に響くのが縋るように俺を見つめる瞳だっていうのが我ながら笑えてくる。 「…はぁ…しょうがねぇなぁアンタは。…で、何させたいんだ?どうせろくなことじゃ…」 これだけ色々あったあとだと、きっとまたとんでもないことを言い出すに違いない。 覚悟はしていたが…コイツがこういうコトに関してやたら貪欲だってことを忘れていた。 「上に乗って。で、さっきみたいに俺の上で腰振って見せてよ。」 「なっ!?」 つまり、コイツが動くのにあわせるんじゃなく、俺が動けといいたいのか。 想像だけで頭に血が上った。 驚きとためらいで思わず睨みつけた先で、カカシがニヤニヤ笑っている。 「できないの?さっきは…随分気持ち良さそうだったのに。」 「できるできないじゃなくて、そんなことやりたくないって…っ!」 さっきは…夢中だったのと、コイツをイかせるためだったから、まだ我慢できた。 だが、自分から男を迎え入れる様なマネが出来るとは思えない。 …小馬鹿にしたような物言いが、挑発だと分かっている。 当然、とっさに拒んだが、カカシはしっかり不満げだ。 「…爺には酷い任務押し付けられたのに。いいじゃない。ちゃんと俺もアンタに合わせて動いてあげ…」 「わーわー!黙れ!」 慌てて口をふさごうとした手をぐいっと引かれて、カカシの上に乗せられてしまった。 …さっきのように。 「ま、俺が好きにしていいっていうなら、アンタ多分1週間は歩けないけど?」 カカシはするするといたずらに俺の肌をたどりながら、真顔でそんなコトを言う。 「い、いっしゅうかん…!」 それでなくても体調を崩していたせいで迷惑をかけ通しで、仕事が滞っているのに、これ以上休みなんか取れるはずがない。 「どうするの?ほら。…俺はもう限界近いから、とろとろしてると勝手にやっちゃうよ?」 慌てる俺を追い詰めるように、カカシがするりと太腿をなで、俺の手を甘噛みしている。 上目遣いで俺を見るその瞳が、カカシの本気を知らせてきて…。 「…っ!分かった!…や、やる!」 思わず、言ってしまった。 コイツの策のうちだと分かっていたのに…。 「そ。…じゃ、たっぷりかわいいトコ見せてね…?」 罠に嵌められたって言うのが分かっていても、にんまりと満足そうに笑うカカシに報いてやりたくて…こんな物を強請るのはいただけないと思いながら俺に伸ばされる手にキスを落とした。 疲労で頭がボーっとしていたせいだと自分を騙しながら。 ***** コイツのように思いきれるはずがない。 散々やられて意識が飛んでいるならまだマシだが、正気でやるには憤死しそうな行為に、やるべきことは分かっていても動けないでいた俺をカカシは甘い声でそそのかした。 「俺のためにがんばってくれるんでしょ?」 「ねぇ。早くアンタを頂戴?」 囁くようなその声と、俺を欲しがる瞳で、いつだって、コイツは俺を支配する。 おずおずと乗り上げた腰の上で、カカシが嬉しそうに笑っている。 「やっぱり、あんたサイコー…!」 「黙れ…っ!」 カカシにしてみれば確かに最高なのかもしれないが、自分は羞恥で倒れそうだ。膝が笑っているのが自分でも分かる。 さっきまでは勢いでなんとかできたが、突っ込まれるとなれば話は別だ。いつも意識が飛ぶくらい執拗に俺の快感を煽る男に、そんなコトが できるなんて思えない。 動かない俺に焦れたのか、太腿にカカシの欲望がこすり付けられた。 「焦らさないでよ。壊されたいの?」 僅かににじむ殺気と、焦り。…きっとコイツは本気で言っている。多分、自分で自分を抑えきれないでいるんだろう。 …覚悟を決めるしかない。 既に十分に熱を持っていたソレを恐る恐るつかみ、震える腰を持ち上げて、さっき散々弄繰り回されたソコに導く。 「…っ…あ…!」 目は開けられなかった。カカシがどんな顔をしているか、…その瞳に映る自分がどんな顔をしているかを見るのが怖かったから…。 だが、そのせいで感覚が余計に鋭くなって、熱くそり返すソレの質感がやけにリアルに感じられて…決めたはずの覚悟がかすんでいく。 足が震えて腰が動いてくれなくて、勝手に涙がこぼれていくのに驚いた。 …そうして、ため息が聞こえて…。 「ま、アンタにしちゃ上出来かな?…いいよ。気持ちよくしてあげる。」 「やぁっ!?」 いきなりの突き上げに悲鳴じみた声がこぼれた。 ずるりと飲み込まされた熱い楔は、俺の奥深くまでうがたれ、ふらついていた俺はひとたまりもなかった。 「あぁっ!うぁ……!」 崩れ落ちた拍子に、中のものをますますおくまで導きいれてしまった。 衝撃で見開いた瞳に、カカシの色悪な笑みが映る。 「ふぅ…っ!気持ちイイ…!」 弓なりにたわんだ瞳も、そのかすれた声も、いかにも満足げで腹が立つと同時に、コイツを満たしているのは俺なんだという奇妙な達成感が湧いてくる。 「ん…っ!」 思わず力が入ったのか、カカシが呻いたのも俺を煽った。 「は…っ!…っ!」 震える腰をそっと上げて、また下ろす。 それだけでカカシが気持ち良さそうに甘い息を吐いた。それにカカシにされている時ほどではなくても、自分も快感を拾い上げることができる。 勝手に上がる息と戦いながら、必死になって動いた。 「あっ…んっ…っ!」 「…っ…!ああ…も、駄目。」 だから、カカシがそんなコトを言い出した時は、勝利の近さに笑顔さえこぼれたのに…。 眉を寄せて快感に耐えていたらしいカカシは、たちの悪い笑みを浮かべた。 「これも気持ちイイけど…足りない。」 「え…?あぁっ!」 カカシがこの手の約束を守るはずがないと知っていたのに…。 気がついたら主導権は奪われた後だった。 腰をがっしりとつかまれて、まるでぬいぐるみでも持ち上げるかのように軽々と…ほぼ同じ体格の俺を持ち上げ腰の上に叩きつける。 その激しさに自分で動いていた時と桁外れの快感が走って、意識が飛びそうだ。 「んっ…!やっぱり、全然アンタが足りない、から…っ!」 「馬鹿野郎…っんあっ!こ、こんなにしたら…!」 カカシの攻めは執拗で正確で…いつも以上に激しいその動きに、簡単に絶頂が近づく。 「いいよ。俺も…!」 抵抗する間もなく、俺の中はカカシの吐き出した欲望でたっぷりと満たされ…ソレと同時にカカシの腹を俺に吐き出したものが白く染めた。 「もっと…ね?」 力が抜けて倒れこんだ俺についばむようなキスを落とすと…カカシはそのまま俺を下に敷いた。 「う、そ…だろ…?」 「残念だけど。ウソじゃないよ。…ま、頑張ってね?」 …欲望を隠そうともしない瞳で俺を射抜いた男は、結局長いこと俺を好き勝手にした。 蕩けるような笑顔に獣の気配をにじませて。 ***** 「ぁ…?」 「ああ、起きたの?」 目覚めると裸のカカシがにやにやしながら俺を見つめていた。俺も勿論服を着ていない。 後始末はしてある…と思うが、確認することさえ出来ない。 腰が、割れるように痛み、力が入らない。 元々が疲弊しきった所に、あんな行為は許容範囲外だ。…いくら中忍といえど、これではろくに歩くことも出来ないだろう。 「アンタ、やっぱり中忍だねぇ?柔で困る。」 「だ、…のせい…!」 声もかすれて使い物にならない。この分だと治るまで相当掛かるだろう。それに…。 「水飲んでちょっと休んでなさいよ。続きは飯食ってからにしてあげるから。」 勝手なことをいいながら、口移しで水を飲ませて…次いでとばかりに舌まで食んでいくカカシに、治る前にまた好き放題にされそうだ。 一週間。そういっていたのが思い出されて俺は慌てた。 「今日は無、理…っ…しない!」 「ああ、そうね。あとちょっとで明日だし?いいよ。それくらいなら待ってあげる。」 かすれた声で訴えた俺に示されたのは壁掛け時計。…丁度11時をちょっと回った所だ。 つまり、あと数十分後にはコイツの相手を…! 「…!」 ウソツキとか、ふざけんなとか、心配かけやがってとか…言いたいことがありすぎて声にならない悲鳴をあげる俺に、カカシはしたり顔で囁く。 「ただいま。」 嬉しくてたまらないとばかりの声に、俺の怒りが萎えていく。 …こんな馬鹿に惚れたのはどこの馬鹿だ! 自分で自分をののしりながら、待つといったばかりの口で俺の口をふさぐ馬鹿な男を受け入れた。 怒りと、これからに対する不安と…それから確かな安堵とともに…。 おかえりをいえるのは、もうちょっと後になりそうだった。 ********************************************************************************* 遅くなりまくりで自分がびっくりだ…orz。 お帰りなさい!わがまま上忍編!ってことで! 枳実様〜!!!酷い出来ではございますが…もしもご要望ご意見ご感想などがありましたら、お気軽に拍手などからどうぞ…。 |