であいはうんめい?


公認KI祭!小話1個作ってみました。が、中身は酷い有様です。祝いたいと言う心意気だけ汲んでやってください…。

朝一でアカデミーに出勤してきた俺に、昨日宿直当番だった同僚がぶつかるようにして抱きついてきた。
「イルカぁ…!」
いきなり同僚に抱きつかれ、しかも涙目で縋るような声を出され、俺は深くため息をついた。
「また、出たのか…。」
同僚は、すっかり怯えて鼻水たらして震えている。
なぜなら…最近宿直室に化け物、が出るらしいのだ。
「そうなんだよー!仮眠とろうと思って、布団に入ってしばらくしたらさ、身体が動かなくなったんだよ!」
「やっぱりか。」
「で、…例の…」
やはりまた出たらしい。同僚はガタガタ震えながら状況を説明しようと懸命に頑張っているが、被害はやはりいつもと同じ状況で起きたようだし、 これ以上は酷だろう。
それにしても、毎回毎回…一応中忍以上しかいないアカデミー教師に、どうしてここまで被害者が出るのか…。
解術も効かないし、そもそも身体が動かせないならどうしようもない。
イルカ自身は当番が化け物がでるようになってから当たっていないが、この同僚で被害は6人目だ。ここまで被害が出たのなら、 上層部に報告するしかないだろう。
とにかく震える同僚をこれ以上ここにおいていくより、休ませなければ…。この様子では一睡もしていないようだ。
「…もういいよ。お前は帰って休め。」
慰めるように肩を叩くと、同僚はわっと泣き崩れた。
「俺!今日、もう一回宿直当番なんだよ…!」
「それは…」
どう考えても無理だろう。こんな状態でやらせてもまともに警備などできるはずも無い。
引きつるような声を上げて泣いている同僚を椅子に座らせる。お茶でも出してやりたいが、同僚はしっかりと俺の服を掴んで放さない。
こんな状態なら離れないで側にいてやった方がいいだろう。
「あー…泣くなって!」
とにかく慰めるがすっかりパニックを起こした同僚は、ひぃひぃと臆面もなく声を出して泣いている。
…こうなったらしょうがない。
「わかった!…俺が、代わってやる。」
上層部に報告するにしても、自分で体験してみないことには埒があかないだろう。ここまで怯える同僚に正確な報告は難しいだろうから、 ここは俺が一度でも試してみるべきだろう。
俺が交代を申し出たとたんに、正に地獄に仏を見出したかのような表情の同僚に手をにぎられた。
「ホントか!!!ありがとう!!!俺、もう駄目かと…!!!」
拝み倒すその様子は、恐怖の大きさを伝えてくる。
戦えない状況で長時間得体の知れないものと過ごさなくてはならないのだ。
「ああもうしょうがねぇやつだなぁ…。今日は帰ってゆっくり休め?な?」
顔色を真っ青にしている同僚をアカデミーの正門まで見送り、俺は今日の対策について考えることにした。
*****
つつがなく見回りを終え、一番被害報告の多かった時間を選んで、俺は布団に入った。
布団の周りには、一応気休め程度に木の葉神社のお守りを置いてある。
だが、俺は術の可能性を疑っていた。金縛りの術ならば、対象の行動を制限できるから、今回の状況と同じようなモノを作り出せる。
ただ…誰一人としてその化け物からチャクラを感じ取れなかったというのだ。…しかも印を組む所も誰も見ていない。そうなると、よっぽどの手誰か、 特殊な術を使っているのだろうと予想できた。
それに…なによりも特徴的な現象が、もし相手が忍ならばありえないものなのだ。
ヒタヒタヒタヒタヒタ…
そう、丁度こんな風に足音を立てるなんて忍びでは…。っ!来た!
確かに宿直室前の廊下を何度も往復している。
…しばらく、ソレは躊躇うように動きを止めていたが、そっと宿直室の扉が開く音がした。
じわじわと…確かにチャクラも気配も感じないものが近づいてくる。その存在を感じさせるものは…奇妙な足音だけ。
流石の俺も恐ろしいと感じた。話しに聞いたとおり、俺の身体もさっきから全く動きを封じられている。
そして…足音は俺の枕元で止まった。
話どおりなら、ここで…違う…と、言われるはずだ。
俺はチャクラを全身にめぐらせながら、勇気を振り絞って頭上の影に視線を向けた。
…目の前に、何かがいる。
「…」
吐息のようなものが顔にかかるが、話と違って、今度は何も喋らない。
仕掛けておいた捕縛用のトラップは、俺の口の中にあるスイッチで作動するんだが…。このまま様子を見るべきなのか…!?
迷いながら視線をそらせずにいると、目の前の影が、ふっと消えた。
もしかすると気付かれたのかもしれない。
身体は動かないので、視線を部屋中に走らせ、影の行方を探していると…。
耳元で何かが囁いた。
「見つけた…」
*****
「ぎゃあぁぁああ!!!」
「なんだよ!聞きたがったのお前じゃないか!」
俺とカカシさんとの馴れ初めを執拗に確認したがったくせに、俺が宿直を代わってやった恩も忘れて、同僚は酷い叫び声を上げた。
…殴ってやろうかな…?
「そんなの予想できるか!お前…よく付き合ってるな…。」
「テレやなだけなんだよ。俺と話したかったんだけど、みんなの前だと緊張しちゃうから一対一で話したかったんだってさ。」
「だからってそれ、おかしいだろ!?」
「まあ、ちょっと変わってるけど、いい人だぞ?」
確かにカカシさんはちょっと分かりにくい表現をする人だけど、気配とチャクラを消しちゃうのはくせだから、誰かがきたって分かりやすいように 足音わざと立ててくれてたし…金縛りっていうよりも、驚いて騒がれちゃうと困ると思ってただけだしな。
「お前…それですますなよ…。何でそんなに仲良いの?なんて聞かなきゃよかった…」
「まあ仲いいっていうか…付き合ってるし?」
俺がちょっとテレながらカカシさんとの幸せな生活を報告してやろうと思っていたのに、同僚は一旦時を止めて…すぐに絶叫した。
「ええぇぇぇぇぇええええぇええ!!!!」
「うるせぇな!」
「だってお前!…アレとか!アレとなのか!だからこないだ暁に襲われたとき一緒にいたのか!?」
血相変えた同僚は、失礼なことに俺の胸倉を掴んで思いっきり揺さぶってきた。だが、その質問なら答えてやってもいい。
「違うって、あれは…愛の力かな!」
なんてったって、偶然俺の危機に駆けつけてくれたんだもんな!愛って…すごいよな…!!!
「うおぉぉおおぉおおぉおおおぉぉぉぉ…!!!!」
俺が折角カカシさんとの愛のメモリーに浸っていると言うのに、同僚は叫びながら出て行ってしまった。
「迷惑なヤツ。」
まあ、カカシさんとの生活は幸せだからいっか。
俺は同僚と話している間中、ちらちらと様子を伺っていたカカシさんに、改めて御礼をしようと決めたのだった。

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お祭その9!!!!!!
あれ?カカシてんてーがでてこないよ…?…orz。
小話にも突っ込み大歓迎ですが…。
カカイルへの愛のメッセージも!勿論ガンガン投げつけてやってくだされ!!!拍手でもメルフォでも…!!!

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