天然中忍奮闘記(誕生日編)

カカシにころころと騙されて食われてしまうイルカの話ですので、苦手な方はご注意下さい!!!


<きっかけは…>
ある日白っぽい上忍に出会いましたが、ソノ正体は…実は狼だったのです。

アカデミーのお仕事も終わり、俺がお家に一目散に帰ろうとしていたときのことです。
「カカシ先生?」
元生徒を引き受けてくれた上忍師が、何故か門の前で手甲を嵌めた手をゆらりゆらりとゆらしながら、手招きをしていました。
「こっちおいで。」
何の用事だろう…?
そう思いながらとてとてと近づいてしまったのが敗因でした。
するりとソノ長い手が俺の腕を掴み引き寄せたのです。しかもいつの間にか顔を覆っていた布が下ろされていて、気がついたときには…俺の唇が…!!!
勿論俺は怒りました!
「な、なんてことするんですかぁ!…ふぁ…ファーストキスが…かえせー!!!」
俺が泣きながら訴えていると言うのに、目の前の上忍はむしろ楽しそうというか、満足そうに微笑み、訳の分からない事を言っています。
「うーんそうですか。…そうなると当然…早めに動いて正解か…。」
俺の訴えなどどこ吹く風です。俺は悲しくて悲しくて…ポカポカと上忍を殴りました。
「かえせー!うわぁあん!!!」
しかし、ひょろっとして見える外見を裏切り、鍛え上げられた上忍の身体は、俺の必死の中忍パンチにもひるみません。
…飄々とした態度で、余裕たっぷりです。
こうなったら必殺ドルフィンキックを…!と思いつめた俺に、上忍はこんな事を言いました。
「あ、じゃ、こうしましょうか。イルカ先生からキスしてもらいましょう。」
「へ?」
「ホラお返しに。」
「あ、そうか。えっと?でもどうすれば…?」
キスなんかしたこと無かったので、混乱するあまりその時納得してしまったのも大きな間違いでした。何だか自信たっぷりに言われると、上忍の言ってることが 正しいような…そんな気がしてきたのです。
それが上忍の作戦とも知らずに…。
素直に言う事を聞いてしまった俺に気をよくしたのか、上忍は優しく俺の頭をなでながら、言葉巧みに誘導しました。
「目瞑って。こっち向いて。そう…。」
「んーと?こうですか?」
「うんそんな感じ。で、ちょっと前に進んでみて…。」
「ん!」
先ほどはいきなりだったので、呆然としていて気付きませんでしたが、ふにゅっとしたやわらかいものが、俺の唇を覆いました。何だかぬるっとしたものまで 入り込んできて、何だか変な感じがします。
息が苦しくなってきた頃に、やっと口をふさぐものがなくなり、俺は荒い息をつきました。
「…ん。はい。お返し。」
にこっと笑う顔はきれいでしたが、そんなコトよりとんでもない事をしてしまったことに、やっと俺は気付きました。
「コレで俺の…って!セカンドキスまで……ぅっうわーぁん!!!」
ショックのあまりまた泣き出してしまった俺。…その時は本気で悲しかったので、逃げ出すことも忘れて大声を上げて鼻水まで垂らしてしまいました。
「ああ、泣かない泣かない。はいちーん。」
すると…何故か上忍が懐からハンカチを取り出し、俺の涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を優しく拭ってくれました。
「ふぐっえぐっ…うっく…。」
泣き止むことは出来ませんでしたが、心配そうに俺の顔を覗き込み、背中をさすりながら頬ずるしてくる上忍に、ちょっとだけ悲しさが薄まりました。
「ね。イルカ先生。ココじゃ何だから、お詫びに俺のうちでゆっくりしませんか?」
そういわれてのこのこついていってしまうくらいには。
*****
上忍の家を訪れるのは当然初めてでした。何せ知り合ったばかりだったし、普通このくらいの年になると部屋飲みのときぐらいしか、 わざわざ人の家を訪ねたりしなくなるものです。
そんなわけで、ついついものめずらしさも手伝って、きょろきょろと辺りを見回してしまいました。
…入ってすぐ目に入ったのはベッドでした。ありえない柄なのは置いておくとして、枕元の植物はかわいらしく、7班の子どもたちの写真と何だか 古い写真もあって、心が和みました。
恐ろしい噂話しか知らなかったので、なんとなく近寄りがたいというか…ナルトたちのことを話す関係になれるかどうか不安だったのですが、 コレならこれからも仲良くできるかもしれないと、その時は嬉しくなりました。
でも…。
「イルカ先生。」
「はいなんですか?」
「ちょっとイルカ先生に提案があるんです。…俺が思うにイルカ先生には経験が足りないと思うんですよ。」
上忍はそれはもう真剣な顔で言いました。
…確かに実戦を離れてちょっと最近なまってるなぁと思っていましたし、暗部という生き馬の目を抜くような世界にいた上忍に言われるととても 説得力を感じました。
「確かに…最近ちょっと身体重いかもです…。」
その時俺は、目の前の上忍が何故かニコニコしている事を疑問にも思わず、ついつい毎日カップラーメンで夕飯を済ませてしまうことや、 取り合えず帰ったらビールが習慣化していることなどについて真剣に反省していました。だから…
「イルカ先生。俺が練習の相手をしますから、今日はお詫びも兼ねて一緒に頑張りましょう?」
上忍がさりげなく俺の手を取って、そう力説するのについつい賛同してしまったのです。
「そうですね。お願いします。」
…俺がそう返した瞬間にはもう、ベッドの上に押し倒されていました。
そして…
「やだぁ!はなせ!」
「大丈夫大丈夫…ほらココ気持ちイイでしょ?」
「あ、やだ!何で?」
気がつけば何だか分からないのに、とんでもないところを弄り回されて、とんでもないことをしてしまっていました。
*****
「け、結婚もしてないのに…うっうっ…」
俺は勿論降って沸いた災厄を悲しみました。
ですが、上忍はしたり顔でこんな事を言ったのです。
「大丈夫ですって!俺が責任取りますから。」
「せきにん?」
それは普通男である俺が取るべきものではないでしょうか?疑問に思ってくたくたの身体に鞭打って、上忍を見上げました。
「そんなに悲しい顔をしないで…俺まで悲しくなっちゃいます…。」
俺の涙をその長い指で拭いながら、上忍は俺を抱きしめてくれました。
こんな風に誰かに抱きしめられたのは、あの里を襲った大災厄の時以来でした。温かい腕に抱きしめられて、何だか俺は安心してしまいました。
上忍は俺をなでながら、さらさらとよどみなく語りかけてきます。
「これからも俺がお付き合いのコツを教えて差し上げますから。安心してくださいね!」
それはもう爽やかに笑ってそういわれたもので、俺もついつい釣られてしまいました。
「はい…お願いします。」
その後はいろんな事を話しました。お付き合いとはどういうものかとか、今後は一緒にすまなければならないとか、どんなことをするのかとか…。
知らないことばかりで俺の頭はパンク寸前になりました。
「…お付き合いって難しいんだなぁ…。」
ついついそんな愚痴までこぼれてしまいます。でもそんな俺を優しい瞳で見つめてきます。
「なかなか奥が深いんですよー…。いろいろと。ね…。」
「そうか…がんばらないとですね!」
「いえいえ…イルカ先生は十分に頑張ってくれてますよ!…頑張り過ぎなくても大丈夫。…俺が側にいますから…。」
そんな風に言われて涙がこぼれました。ずっと一人だったのに、これからはこの人が一緒にいてくれると実感できたからです。
「あの…俺も…」
「うん。側にいてください…。」
腕枕をしてくれる上忍にくっ付いて、その日は幸せな眠りにつきました。
*****
<プレゼントどうしよう…>
「で。だからなんだ?」
「カカシさんのお誕生日プレゼントは何がいいか、一緒に考えてください。」
だって欲しいもの聞いても、イルカ先生がいてくれればなんでもいいですよ。っていってくれちゃうから何がいいのかわかんなかったのだ。
「それなら…裸でエプロン着て、お帰りなさいって…」
「え?それなら毎日やってるので、お祝いにならないんじゃないかと…?」
お付き合いのコツ初級編で教わって、今でも毎日実践していることの一つだ。それともお祝い用の特別な方法もあるんだろうか?
悩んでいた俺に、アスマ先生はしばらく考え込んでから、新しいお祝い方法を提案してくれた。
「…そうか…あー…そうだな。じゃあ、その、一緒に風呂入って洗ってやるとか…」
「それも毎日やってますよ?」
コレは中級編で教わった。でも、一緒に入るだけじゃなくて、今後はもっと難しい事をやるようになるらしいので、今から頑張らないといけないなと 思っていることの一つだ。
なぜ俺がいつもやっていることがアスマ先生にわかったのか不思議に思っていると、アスマ先生はちょっと怖い顔をした。
「…アイツ…!!!…あのな。きっとそういうのは紅のほうがいいじゃないか?俺はホラ、あんまりそういうの詳しくないから。な?」
怒ってるんじゃないみたいだけど、さっきも同じ様な反応を返されたから心配だ。
「紅先生にもおんなじこと言われました…。俺、…駄目な恋人なんでしょうか…?」
俺が駄目すぎて呆れられちゃったのかなぁ…。悔しくて悲しくて…思わず涙が浮かんできた。
「わー!泣くな!!!アイツに知られたら殺される!そ、そうだ!」
「はい…?」
俺が泣きそうになっていると、アスマ先生が急に大声を出した。
「俺のお勧めの店教えてやる!そこで一緒に…その…デートして来い!」
その内容に俺は驚きを隠しきれなかった。ついつい声まで裏返る。
「でーと?遊園地とか映画館じゃないところでもできるんですか?」
「あ、ああ!もちろんだ!な、今予約してやっから。」
でーとってそういうところでやるもんだと思っていた。…まだまだお付き合いのコツがわかってないんだなぁ…こんなんじゃ恋人失格だ…。
でも、コレでお祝いが決まった!
「はい!ありがとうございます!!!やっぱりアスマ先生に相談してよかったです!また困ったら、相談に乗ってください!」
「あ、ああ…。」
アスマ先生は人生経験豊富だから、俺の恋愛相談にこれからも乗ってもらえそうだ。嬉しくなった俺は、アスマ先生の手をにぎってお礼を言った。
「ちょっと。クマ。…誰の手触ってんの?」
「あ、カカシさん!」
「イルカ先生。駄目ですよ?野生のクマは危険なんですから。食べられちゃったら困るでしょう?」
「大丈夫ですよ!俺、コレでも中忍だし!」
大体野生のクマは里には出てこないし、演習場にいることもあるけど、クマくらいならなまった俺でも何とかできる。…でも心配してくれてるのって嬉しいな…!
「クマ相手に油断は禁物です!…で、何を話してたんですか?」
怖い顔して怒ってるカカシさん。…でもお祝いって秘密の方が…。
「それは…」
俺が言いよどんでいると、慌てて声でアスマ先生がしゃべりだした。
「あー、そのな?俺からのお前らへの祝いだ!例の月雲楼に飯食いに行って来い!そこで、イルカがお前に誕生祝いしてくれるってよ!」
あ、アスマ先生がいっちゃった…秘密にするつもりだったのに…。
「イルカ先生…ありがとう…!泣かないで…ヒゲクマには後できっちり責任とらせるから…」
思わず凹んでしまった俺を、カカシさんは優しく慰めてくれた。
溢れそうだった涙が止まり、温かい気持ちになる。
「明日!俺がんばりますね!!!」
「楽しみです…!」
でも、俺何すればいいのかなぁ?アスマ先生に聞いておかないと。
*****
結局その後アスマ先生がどっかにいっちゃったので、何をすれば良く分からない…。不安だ…。
でも、ありのままでいいって上忍待機室を飛び出しながら言ってたから、それでいいのかも?
いつも通りにエプロンは持ってきたけど…後は何をすればいいのかな?
「着きましたよ。ここが月雲楼です。一緒に美味しいご飯食べましょうね…。」
そういわれて目の前に聳え立つ建物を眺めてみると、とんでもなく高そうだということだけは分かった。朱塗りの格子と大きな看板。それに建物全体が なんだかか格調高そうだ。中もきっとすごいに違いない!
「楽しみですね!」
カカシさんが喜んでくれるといいな!
中に入ると、ものすごくキレイな着物を着た女の人が俺たちを案内してくれた。珍しい髪型で、キラキラしたかんざしが一杯刺さってて、面白かった!
かんざしがゆれるのを見ている間に、予約した部屋についてしまった。
通された部屋はなんだか三代目にくっついて大名屋敷に行ったときに見た部屋みたいで、豪華絢爛って感じだ!…窓に赤い格子がはまってるところだけは 違っていたけど。
俺が部屋の中をちょろちょろしていると、急に腕を引かれ、いつの間にかカカシさんの膝の上に乗っていた。
あ、なんでだろう?怖い顔してる。
「イルカ先生。さっきウワキしましたね?」
ウワキ?…ウワキって浮気か!!!
「そんなコトしてません!!!」
大体俺さっきからカカシさん以外の人としゃべってないし!
「うそ。だってさっきココ案内してくれた人ずっと見てたでしょう?駄目ですよ?いくらキレイでも。イルカ先生は俺のなんだから」
ああ、それでか!カカシ先生はよくこういう勘違いをするから、もう慣れたけど、やっぱりちょっと驚くなぁ。
「あれは、さっきの人の頭に刺さってたかんざしがキラキラしててキレイだったから見てたんです!浮気じゃありません!それにカカシさんの方がさっきの人 よりずっときれいです!!!」
浮気なんて不誠実なこと!俺は絶対にしない!…それに恋人が最高だから他に目なんかいかない。
「あ、そ、か。…じゃ、かんざし。今度買って上げますね!」
「え?いいです。だってキラキラしてるものなら、もう家に…というか今見てますから。」
ちょっと珍しかっただけで、つける人もいないのにあんなものいらない。
「あー…もう!天然って…!」
何だかカカシさんがもだえてるなぁ?俺重たくなったのかな…?カカシさんの作ったご飯が美味しいから最近食べすぎなんだよなぁ…。
「あの、俺降りますよ?」
「あ、いいのいいの。ここは別にそういうの気にするお店じゃないから。」
「そうじゃなくて。俺重いんでしょう?」
「重くないですよ。ほら、ご飯来たから食べましょう」
そう言われて見てみると、襖が開いて食事が運び込まれてきた。魚とか肉とかいろいろあって豪勢だ!何か見たことのないのもある。
「うわぁ!美味そう!」
「じゃ、さっそく誕生日プレゼント貰おうかな。」
そうだった!お祝いに来てたんだった!…エプロンはこの店の雰囲気的にどうだろう?なにしたらいいのかなぁ?
「食べさせて?」
あ、そっか、いつものってそっちか!
「はい!」
そんなコトがお祝いになるなんて知らなかったけど、一生懸命カカシさんにご飯を食べさせた。もちろんカカシさんも俺にご飯を食べさせてくれる。
美味しくてほっぺたが落ちそうなくらいだ!アスマ先生にはお礼を改めてしなくては!
そう思いながら幸せな時間を過ごしていると、カカシさんがにっこり笑った。
「イルカ先生。後で他のものも食べさせてね。」
あ、デザートのことかな?前にアイスでやったときはべたべたにしちゃって一緒にお風呂に入ることになったんだっけ。今回は失敗しないぞ!
「はい!もちろん!」
力いっぱい宣言する俺に、カカシさんがとても嬉しそうに笑ってくれた。
*****
美味しいご飯も食べ終わって、デザートのぶどうも一生懸命手をべたべたにしながら皮を剥いて食べてもらった。べたべたになった手は、 いつもの様にカカシさんが舐めてきれいにしてくれたけど、やっぱりまだちょっとべたべたするから一旦手を洗ってきたいな…。
「あの、カカシさん。俺ちょっと…」
手をもぞもぞさせていたのに気がついたらしいカカシさんが、さらっと言った。
「あ、手、まだ気になる?じゃ、お風呂入ろうか。一緒に。」
お風呂?でも家に帰るまでべたべたなのはちょっと…。どうしよう?
「あの、俺お手洗いで大丈夫ですよ?」
「アスマから聞いてない?ココ、お泊りできるの。今日も宿とってあるから。」
わあ!すごいなぁ!こんなキレイなところに泊まれるなんて!
「でも、でも、…俺そんな…」
お金…足りるかなぁ…貯金とか全部持ってきたけど…。
「アスマのおごりだし。…誕生日だから、俺のわがまま聞いて欲しいなぁ?」
そうだった!お祝い!しかもアスマ先生!ありがとうございます!
「俺!お風呂入ります!!!」
頑張ってカカシさんを洗ってあげるんだ!なんってたって誕生日だし!!!
「うん。行きましょう?」
そういったカカシさんは、隣の部屋に続く襖を開けた。他のお客さんが入ってるんじゃないかと思っていたけど、何だかお布団が敷いてある。しかも、 俺が驚いている間に、カカシさんはそのもう1個の部屋にあった木戸を開けて、案内してくれた。
「わぁ…!ヒノキ風呂!」
ホントにすごいな!ココの店!ご飯は美味しいし、お風呂もすごい!
俺が感動している間にも、カカシさんはいつものように手際よく俺の服を脱がせてくれる。以前自分で脱ごうとしたら、恋人の服を脱がせるのが基本だと教わった。
俺も慌ててカカシさんの服を脱がせる。エプロンは…いるのかなぁ?
「カカシさん…」
俺がちょっと聞いてみようとカカシさんを見上げると、いつもの様に俺をひょいと抱えて風呂場に突入してしまった。
恋人ルールがあるとはいえ、俺は結構大柄な方だし、体重も重い。そんな俺をいつもカカシさんは大切な恋人だからと何かと言うと抱えて移動する。
…俺の恋人は上忍だからいいけど、中忍同士だとみんなどうしてるんだろうなぁ?出来なくは無いけど重いのに…。
そんな事を考えているともうカカシさんが石鹸を泡立てていた。
「あ、俺が!今日は誕生日だし!」
いつもカカシさんが俺を洗ってから、俺がカカシさんを洗っているけど、今日くらいはカカシさんを優先したい!
「いいの。後でたっぷり…そうだ。今日の恋人講座は、ちょっと難しいのに挑戦してみましょうか?」
今度は何をするんだろう?前回は…確か石鹸つけて俺が頑張ってくっ付いて洗うというなかなかハードな内容だったけど…。
いや!怖気づいてはいられない!なんてたって俺の大切なカカシさんの誕生日なんだから!
「がんばります!」
俺が頭洗われながらそういうと、カカシさんはとても嬉しそうな顔をしてくれた。
*****
「そう、上手だね…。」
カカシさんがさっきから指示を出してくれるが、本当にこれ、気持ちイイんだろうか…?
「ん、ふぁの、かかひはん?」
「ん?どうしたの?苦しい?」
確かに何だか口いっぱいで苦しいなぁ…でもカカシさんは褒めてくれてるし。でもなぁコレほんとに気持ちイイのかなぁ?
「ひもちいいれふか?」
不安になってカカシさんを見上げたら、口の中が何か苦くなってきた。苦しさも倍増だ。
「はっ…その顔…他所でしちゃだめですよ…?」
何だか良く分からないけど、カカシさんが凄く色っぽい顔してるからこのままでもいいみたいかな?カカシさんの表情に勇気付けられて、 俺はより一層頑張って舌と口を動かした。それに反応してか、口の中のものはにどんどん体積と苦味を増していく。
「イルカ先生。もういいよ。」
…俺は必死になってがんばったけど、カカシさんは俺を制止すると、膝の上に乗せてしまった。
「あの、やっぱりまだまだ駄目でしたか…?」
自分が同じことされてる時は、わけが分からなくなるくらい気持ちイイけど、やってみると全然上手にできなかった気がする…。 だからカカシさんも途中でやめちゃったんじゃないかなぁ…折角のお誕生日なのに…。
「あ、ちがうちがう!すごく気持ちよかったですよ!…あのね。俺もイルカ先生にお返ししたいなぁって思って。」
良かった!俺、喜んでもらえたんだ!
「でも!お誕生日だから俺もっと頑張りますよ?」
ご飯は結局アスマ先生のプレゼントになっちゃたから、当然俺はもっと頑張らないといけない。優しいカカシさんは何にも言わないけど、 そこに甘えてちゃいけないよな!
「うん。今日はこれから一杯頑張ってもらうから…。」
そういうとカカシさんがするっと俺の尻をなでた。…ということは…ここでするのかなぁ?そういえばお風呂でやったことってなかったな。 お台所とか玄関とかはあるけど。
「えっと!が、がんばります!」
俺がカカシさんにそういったら、カカシさんの瞳がキラッと光った気がした。
*****
「やぁ!…も、カカシさん…カカシさん…」
「ふっ…うん。もうちょっとね。」
さっきからカカシさんは俺を膝の上に乗せたままずっとずっと腰を動かしている。でも今日のカカシさんは、俺が疲れちゃって最後まで付き合えないから という理由で、イイ所をちょっとずつはずしているので、後ちょっとの所でイけない。
いつもはカカシさんが一回終わるまでに何回も出しちゃうので、確かにカカシさんより先につぶれちゃうことが殆どなんだけど…流石にもう限界だ。
「ね…もう…ダメだから…っ…っあ!」
俺の決死のおねだりはカカシさんの耳には届かなかったようだ。
「あー…ずっとこうしてたい…!」
カカシさんが気持ちよさそうにしている。俺も嬉しい。でももう…。
「うー…。」
苦しくて自分で腰をゆすって何とかしようとしたら、カカシさんにすかさず止められた。
「ダメ。今日は誕生日だから。…でももう無理そうね?一回出そっか。」
そういうとカカシさんは、いきなり狙い済ましたように正確にイイ所を抉り出した。
「あ、あ、あ、…っ!」
さっきからじらされすぎていた俺が我慢できずに吐き出すと、俺の中にも熱いものが広がった。
「ふぅっ…気持ち良かった…!」
「あ…ぅ…はっ…」
俺はくたくたで、腰もがくがくだったが、カカシさんは勿論許してくれなかった。
「じゃ、取り合えずここでもう一回しましょうか!」
*****
あのあと、結局俺の憧れのヒノキ風呂に入ることなく3回ほど致され、その後布団でも何回かされて、ぐったりしてたらきれいにしてあげるといわれて またお風呂に逆戻りして、結局そこでもヤッて…ヒノキ風呂には入れたかどうか俺の記憶には残らなかった。カカシ先生はいつも元気だが、今回は一段と…その 元気すぎてちょっと困るくらいだった。
そして…気がついたら布団に寝転がっていた俺は、慌ててカカシさんを探した。
「カカシさん…っ!痛っ…。」
カカシさんはちゃんと同じ布団に寝ていた。だが起き上がろうとしたことで、強烈な痛みが走った。
…アレだけヤったので、俺の腰、その他はかなりのダメージを受けたようだ。もう今日は動けないと思う…。
「ありがとうイルカ先生…!誕生日プレゼントとっても嬉しかったですよ!」
見上げたカカシさんがそれはもう幸せそうに言うので、俺も嬉しい。誕生日プレゼントは大成功だ!
「でも…ヒノキ風呂…」
「ああ、イルカ先生。気失ってたから…。」
ちょっとどころじゃなく残念だが、しょうがない。お祝いだったんだし…。やっぱりちょっと凹むけど…。
「大丈夫です!カカシさんが喜んでくれたし!!!俺はそれで十分です!!!」
「…だったら、今度またココに来ましょう?ああ、温泉とかでもいいかなぁ…。」
温泉!ココも凄くいいけど、俺は温泉には目がないんだよな!しかもカカシさんとゆっくり温泉に…いいなぁ!それ!
俺が夢見るような瞳でカカシさんとの温泉旅行をイメージしていると、カカシさんが嬉しそうに笑って言った。
「決まりですね。次は温泉で…。」
動けない俺の髪の毛をさらさらとすくいながら、カカシさんがそういってくれた。
「はい!すっごく楽しみです!」
こういう店はわかんないけど、温泉なら俺の方がきっと詳しい!今度は俺が案内するぞ!
「俺も、楽しみです。…とっても…。」
微笑むカカシ先生と一緒に俺もにっこり笑った。
…こうして…カカシ先生の誕生日プレゼント大作戦は大成功の内に幕を閉じたのだった。

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カカシ先生お誕生日おめでとう!!!その2です。内容がアレなので、こっちは明日あたり下げようかと…。
あ、因みに中忍貯金箱はイルカ型です。


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