うちのよめは料理が上手い。あんまりにも美味いので、いつでも完食だ。こんなに食べると太ってしまいそうだが、 うちのよめはきちんとおいしくて太らない食事を作ってくれるので、幸せだ。 まぁそんなわけで、最近一楽に言っていない。 うちのよめはできたよめなので、任務に行くときもきちんと飯を作って、冷凍して言ってくれる。 長い任務だと、寂しくないようにと写真もおいていってくれる。 可愛いよめが写っている写真は嬉しい。嬉しいがしかし、この写真を見た奴が、うちのよめによこしまな思いを抱かないとも限らない。 そんな理由で、里の写真屋を問い詰めてみたのも記憶に新しい。いかがわしいことを考えていたら、どうしてくれようかと思いながら 写真屋を問い詰めたが、こんな写真は現像拒否だ!と叫ばれた。なんでだ!こんなにも可愛いのに。 …まあ服を着ていないのは問題なのかもしれないが。 因みに不安に駆られて、うっかりよめのかわいい姿をみせてしまったとはいえ、腹が立ったので、写真屋の記憶は抜いておいた。 ついでにてっぺんハゲも作成済み。 本当ならば闇に葬ることも視野に入れたい所だが、よめのチャームポイントのひとつであるふさふさの毛や、かわいい顔などを隠し、 念には念を入れて苦手な幻術をつかってモザイクもかけて、一番写りが悪いのを一瞬だけみせただけだったので、許してやることにした。 後で他所の里の写真屋かもしれないと気付き、急いでよめに確認したら、よめが俺のためにわざわざ影分身までして撮影し、 自分で現像したのだそうだ。 あまりにも美しく撮れていたので、プロの手になるものに違いないと思ってしまった。 さすがうちのよめ!やさしいし、なんでもできる素晴らしいよめだ。 まあそれはおいといて。最近ナルトにも会えていないし、よめは単独任務中だし、多めに作って行ってくれた飯は、 さみしいので3日分ほど一気にやけ食いしたので、もうストックがない。 よって、今日は夕食を一楽で済ませることにした。もちろんよめの料理が一番だが、それ以外なら、 一楽のラーメンは里で一番うまい飯だ。さっそくナルトを誘おう。よめがいないので寂しいし。 ***** イルカ先生が結婚したって聞いてすげぇショックだったってばよ! 相手がカカシ先生だって聞いてもっとびっくりしちまったし。 カカシ先生はつよいし、いい先生だけど、男だし、イルカ先生はよめをもらったっていってたし、 よめは普通女の人なんじゃないのかって、わけわかんねぇから、イルカ先生に聞こうと思ったけど、 受付所行っても、アカデミー行っても、へんな壁みたいのがあってイルカ先生に近づけねぇし、 イルカ先生はおれににきづかねぇし、そんならと家に行こうと思っても、気付いたらなんでか 自分の家の前にいるってばよ…。 ぜってーカカシ先生がなんかしてるってサクラちゃんとバカサスケが言って、おれもなんかそんなきがしてきたし…。 そんなわけで、おれってば、カカシ先生のいねー今日、一楽でイルカ先生とはなすぜ!大作戦をけっこうすることにした。 サクラちゃんもサスケもやっぱりイルカ先生が心配だって言って手伝ってくれることになったてばよ! サクラちゃんはイルカ先生に近づけるから、サスケがイルカ先生にくっついてる犬をどかしてるスキに、サクラちゃんに イルカ先生を一楽に誘ってもらう作戦だ!さっすがサクラちゃん。かわいーし、あたまいいってば。 ほめたのにウルサイって殴られてちょっとへこんだけど、そんなことより。 きょうこそイルカ先生と一楽だってばよ!!! ****** イルカ先生を発見した。ちょっと表情が優れないけど、顔色はいいみたい。 …最近、イルカ先生、イルカ先生とやたらまとわりついて五月蝿いはずのナルトを見ないので、おかしいと思っていたら、 どうもうちの上司が何かやっているみたいなの。 馬鹿ナルトはいいとしても、サスケ君にまで術をかけるってどういうことよ!酷過ぎる!!!心配そうなサスケ君をみたら、 助けないわけには行かないじゃない! そんなわけで、今私はターゲットであるイルカ先生を補足中。 私はどうやらノーマークみたいだし、サスケ君がイルカ先生に張り付いてる忍犬を、キバから騙し取った犬塚直伝・鼻潰しの粉で 撒いてくれるはず。 あ!来た来た。さすがサスケ君!カッコいい!!! しゃーんなろー!私もやったるぞー! ***** 久しぶりの一楽になぜか7班の下忍全員そろって食べに来ていた。嬉しい。サクラに誘ってもらってよかった。 最近ナルトたちを探そうとすると、かわいいよめの忍犬が遊んで欲しそうにするので、よめのいない寂しさを分かち合える 仲間同士ということで、うっかり全力で遊んでしまったりしており、探しそこなっていたのだ。 しかし、どうしたんだろう。サスケはやけにボロボロだし、いつも冷静なサクラは妙に焦った様子だし。 ナルトもなんだかちょっと痩せた様な…。 修行、がんばりすぎなのでは。心配だ。うちのよめに、いつものうまい飯でも食わせるよう言ってみようか。 その前にせっかくの一楽なので、全員に一楽スペシャルを奢ってやった。 ナルトがほうれん草をよこすのを阻止し、サスケにはナルトへの余計な一言を注意し、ダイエットなどと言い出したサクラには、 キチンと飯を食うことの大切さを説いてやった。 やはり子どもたちといるのは楽しい。寂しさも少しだけ癒される。ほんの少しだが。 食べ終わった後、ナルトがよめとの新婚生活について聞いてきた。 うんうん。そういば、そろそろそんな年齢だな。サクラとの未来でも想像しているのだろう。 嬉しくなって、恥ずかしいのでよめには言うなと口止めした上で、ついつい、よめとの幸せな新婚生活を力いっぱいのろけてやった。 ナルトはなぜか遠い目をしていたが、幸せならそれでいいってばよといってくれた。 しかし、サスケとサクラは真っ青になっていた。 よっぽど疲れているんだろう。早く帰ってよく寝るように注意して、送っていこうとしたが、断られた。 …こうやって一人前になっていくんだなぁと少し寂しく思いながら、俺も家に帰ることにした。 テウチさんが俺の話に感動したのか、涙ぐんでくれていたので、今度はよめを連れてこようと思いながら…。 歩きながら、よめのことを考える。そろそろよめがもどってくるかもしれない。うちのよめは俺のために、 いつも任務期間を短縮して帰ってくる。 さすがはおれのよめだ。新婚なのにで1週間も任務に行かせるなんて酷すぎる。 …三代目に直訴してみようか…。明日朝一番でよめの任務について三代目に相談することに決め、さっさと家へ急いだ。 ***** 家路を急ぐ俺の元に、俺の忠実な忍犬たちが慌てた様子で報告に来た。俺のいないスキに、ガキどもが勝手なマネをしたらしい。 …危険分子以外もマークするべきだったか。おもわぬ伏兵だ。 十分な成果をあげてくれた忍犬たちは、きちんと薬を抜いて手当てしてやった。 それなりの報復を考えていたが、難を逃れた忍犬たちの報告によると、状況はなかなかいい方向に向かっているらしいので、 洗脳等は止め、修行メニューを悶絶!地獄の特訓コースに変更するだけで許してやることにする。 認めてくれたみたいだし、ナルトはちょっと緩めのにしてやろう。 …そんなことよりも。だいぶ寂しがらせたイルカ先生をはやく慰めなければ…。 今から急げばイルカ先生より早く家に辿り着いて、飯を用意できる。 ***** 家へ帰ったら、よめが帰ってきていた。エプロン姿が良く似合う。ラーメンを食べた後でも、よめの飯は別腹だ。 今日はナルトたちとも話せたし、良い日だ。 おお、そうだ!まずは夫として、よめの無事を確かめなければ。任務で疲れているはずなのに、 おくびにも出さない健気なよめの手をそっと握り、問う。 「おかえり。ケガは?」 「だいジョーブですよー。イルカ先生…。寂しい思いさせてゴメンね…。」 頬をピンク色に染めたよめが、節目がちにいじらしいことを言う。なんてかわいいんだ!!! 色々と話したいことがあったはずなのだが、そんなことも忘れ、思わず抱きしめてしまった。 ………気が付いたら朝だったが、よめの無事をこれでもかと全身で確かめられたので、良かったことにする。 今日もうちのよめは最高だ! ********************************************************************************* 7班のこどもたちはしばらく里から姿を消したそうです。 |