受付10分前（主治医はいかが？）

「あ、もうちょっとで2時！？わー…もうすぐだ。どーしよー…！」
「はたけ先生。ご予約のうみのさんがいらっしゃいました。」
「え。ああそう。じゃ、早速診察室に…！」
「え？ああはい。検査が済み次第ご案内します。」
「あ、そっか。うん。お願いね。」
「今日の診療はうみのさんが最後にしてしまっていいんでしたよね？」
「うん。検査が終わったら、後は俺が出来るから帰ってもいいよ。…今日は無理言っちゃったし…。」
「え！いいんですか！ありがとうございます！」
「他の皆にもいっといてくれる？」
「はーい！」
「あ！ちょっとまって！ねぇ、俺の格好変じゃない？」
「？いつも通りですよ？」
「白衣に皺とか汚れ…ついてないよね…？あと、髪とか…顔色とかも…！」
「大丈夫ですよー？ちゃんと今日ご自分で洗い立てのを着てらっしゃいましたし！いつもより何だか顔色もいいですし！」
「あ。そうだったね。ごめん。…ありがと。」
「ふふ…先生、これからデートか何かですか？がんばってくださいねー！」
「あ、うん。…がんばる。絶対！」
「では、皆に伝えてきますねー！」
「はぁ…早く会いたいなぁ…！でも緊張する…！」
*****
「ちょっと聞いて！はたけ医院長…彼女できたみたいなの！」
「えー！？なにそれ！狙ってたのに…！」
「どこ情報！？」
「さっき！今朝から妙にそわそわしてたでしょ？そしたら急に俺の格好変じゃない？とか言い出して…。」
「それ…ホント！？」
「うわー…それは彼女いるわ。ショックー！」
「それがねーかわいかったのー！これからデートみたいで、病院に迎えに来るのかしら？最後の患者さん…予約の人の対応終わったら、私たち帰っちゃっていいって！」
「元々土曜日って午前診療だけだしね…。予約の電話ひったくられたかと思ったら、急に頭下げられた時はびっくりしたけど。」
「優しいから患者さん断れなかったのね…。デートなのに。」
「そうまでして会いたいなんて…！相手の女…ちょっと見たいわよね？」
「でも、患者さんもうすぐ来るし…。はたけ医院長って、そういうの恥ずかしがりそうだし…。」
「そのうち結婚しますとか言われちゃうのかなぁ…」
「…患者さんが優先だけど…。あーでも気になるー！」

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で、出来たのは彼女じゃなくて彼氏だったという…。
ナースさんたちはお向かいの喫茶店で病院に来るであろう彼女を待ちましたが、結局こなかったのでふられたと誤解。
しかも思いが成就して舞い上がったカカチが、翌診療日（月曜日）にほわんほわんだったので誤解は更に深まって…。
でも、天然なので、ナースさんたちが気遣いながら恋人さんも具合悪かったんじゃ？等とフォローをいれたのに対して、すっぱり恋人できました宣言かましちゃって…阿鼻叫喚。
という所まで考えましたが、一本かけちゃいそうなので、とりあえずここまでで…。
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